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飲み物(コーヒーか紅茶かココア)にパン。それにヨーグルト、ジュースくらいかな。子どもたちは、ミルクとオートミールというところでしょうか?
パンを2度焼きした意味を持つ「ビスコット(ラスク)」は、パンの代わりになるので朝食用の常備食かもしれません。私も1度くらい味見したことがあっただろうと思いますが、食べたくないパンです。
フランス人たちにとっての朝食は、甘い物が良くて、しょっぱいものは食べたくないようです。
友人が来日したとき旅館で朝食をとると、焼き魚などが出て来ると全員が顔をしかめていました。見るのも気持ち悪いらしい。誰か勇気を出して食べて、「美味しいわよ」と言っても、嫌な人は断固として醤油味の魚は食べない。
ドイツに嫁いだフランス人の友人は、ドイツ生活で何が耐え難いかというと朝食だと言っていました。なぜって、夕食と朝食に同じものが出て来るからとのこと。夕食が質素だというのもあるでしょうが、たぶんソーセージなどが出て来るからだろうと思います。
タルティーヌフランスの朝食では、パンにバターとジャムやハチミツなどの甘いものを塗って食べます。これを「タルティーヌ(tartine)」と呼びます。
田舎で育った友人は、彼の子どもの頃にはパンにはバターを付けるか、ジャムなどを付けるかであって、両方塗ってしまうことはなかったと言っていました。昔はそうだったのか、地方によって違うのかは分かりません。
ともかく、16世紀の書籍に初めて tartine という言葉が登場していますが、それはスライスしたパンにバターを塗ったものだったそうです。
日本の朝はパン食が多いと思うのですが、パンにバターとジャムを塗るということはしないのではないでしょうか? 私は初めてフランスでタルティーヌを食べたときには、こうすると美味しいと思いました。
タルティーヌをコーヒーなどに浸して食べる!朝食のとき、気持ち悪い食べ方をするフランス人がいます。初めて見たときにはギョっとしました。
バターとジャムを塗ったタルティーヌを持って、その先をコーヒーの中に浸しながら食べるのです。どっぷりつけてスプーンで食べるというのではなくて、少しづつ漬けて食べ、合間にコーヒーも飲みます。
前日に買って固くなり始めているバゲットだと飲み物に浸した方が食べやすいのかな、と思いました。でも、コーヒーの中にはパン屑、バター、ジャムが混ざってしまうではないですか。それを飲んで美味しいの?...
フランス人が必ずこういう食べ方をしているわけではありません。でも、かなりの人がやっているようです。
ドイツとフランスの共同出資テレビ局(Arte)の番組に「Karambolage」というのがあります。ドイツ人でも分かるようにフランス文化を紹介しているので、私にもわかりやすい番組。それで、時々YouTubeで見ています。
その番組でフランス式朝食の取り方がでてきました。
フランスに30年住んでいるドイツ女性が語っています。
美食の国といわれるフランスだけれど、苦手な料理もある。それでも何とか食べられるようになったものもあるけれど、最も耐えられないのはタルティーヌをコーヒーなどに浸して食べる朝食なのだそう。
さんざん貶しています!
La trempette de trop - Karambolage - ARTE
こんな食べ方をする人が目の前にいたら気持ち悪いですか? お茶漬けがあるから、日本人はショックを受けないかな?...
フランスで最も臭いチーズをのせたパンをコーヒーにつけて食べる地方もあった!
フランスの朝食はシンプルだと書いたのですが、ホテルやB&B民宿で出される朝食は外国人が来ても満足させられるようにと色々なものが並びます。B&B民宿ではお手製のケーキが出されることが多いので、出てこないとがっかりします。
地方によって差があるかもしれません。ブルゴーニュのお隣のフランシュ・コンテ地方で泊まったペンションという感じの小さなホテルでは、当然のように朝食で地元特産のハムが出てきました。前の晩に食べて美味しかったので喜びました。
北フランスにあるノルマンディー地方にある友人の家に少し滞在した時は、朝食にチーズが出て来たので、さすがに酪農が盛んな地方だからなのだろうなと思いました。ブルゴーニュの友人たちの家には数えきれないほど滞在していますが、チーズが出てきたことはなかったのです。
しかも、フランスで最も臭いと言われるマロワル(Maroual)チーズ!
これをフランス全土に知らしめたのは、大ヒットした2008年公開のフランスコメディー映画『Bienvenue chez les ch'tis !(シュティたちの地へようこそ!)』でした。
「Ch'ti(シュティ)」というのは、ノール=パ・ド・カレ地方で話されていたPicard(ピカルディ語)を差す呼び名で、この言語を話すこの地方に住む人たちに対しても使われます。
この映画については「北に住む人達には人情がある」で書いていました。
この映画はテレビか動画で見たことがあるのですが、そんな食べ方をしていたとはマークしていませんでした。検索してみたら、その場面を切り出した動画が見つかりました。
Welcome to the Sticks (Bienvenue chez les Ch'tis) - Breakfast Scene [English Subs]
臭いが強いことで知られるマロワル・チーズのタルティーヌをコーヒーにひたして食べると知って、さすがのフランス人たちも仰天したようです。
この映画は、観光的には全く人気がない地方だけれど人情があるから魅力的なのだと広めただけでなく、マロワル・チーズも有名にしたのだそうです。マルワルの売り上げは、映画が公開された当初は30 %増の売り上げがあったとのこと。
食べることに関して、外国人にフランス人が与えているショックを与えていることは?
どうやら、朝食でバターやジャムを塗ったパンを飲み物に浸して食べるのはフランス独特のことらしいのです。
インターネットで検索してみたら、他国の人たちから変な目で見られていると書かれていました。フランス人自身、お行儀が悪いと自覚しているようでもありました。
国外の人たちにショックを与えるフランスの習慣5つという記事にも入っていました:
● 紅茶を大きな椀で飲む
・熱い飲み物が冷めやすいので良い容器だ
・鼻を突っ込んで両手で椀を持って飲むのは心地良い
*この bol と呼ばれる椀を初めて見たとき、私も驚きました。
使うのは朝食の時だけだと思う。
日本で見たフランス映画で初めて見ました。一緒に夜を過ごした若者カップルが、ベッドの上に二人で並んで座って、顔が半分隠れるほど大きな椀でコーヒーを飲んでいました。全然ロマンチックではないので、コミック映画だったのかと思ってしまった!
普通の味噌汁の椀などより大きいのです。フランス人には猫舌が多いのかな...。何度も注ぎ直さなくても良いから合理的だろうとは思う。
記事が参考にしたジャーナリストの記事には飲んでいる写真が入っているので、椀の大きさが分かります。上に入れた映画の場面でも、椀で飲んでいましたけれど。
この大きさだから、タルティーヌを入れて食べられるのですよね。
● タルティーヌを浸して食べる
● 道を歩きながらバゲットを食べる
*私も、朝市に出かけた時にはやっているな...。焼き立ては美味しいのだもの。ロンドンに転勤していた兄を訪ねて行った時にそれをやったら、「みっともないから止めてくれ!」と言われたのを思い出しました。
そんな私でも、日本ではやらないな...。いや、有名なたこ焼き屋さんで買ったときには、我慢できずに一人で歩きながら食べていました。美味しかった...!
● 食卓での会話
*これは私も非常に違和感を感じます。親しい人が集まると政治が話題が延々と続く。そんなにムキになって議論して、口角泡を飛ばさなくたって良いではないかと、友人が集まっての食事会では毎回思ってしまう。政治の話しで盛り上がっているのは、たいていは男性たち。でも、食事が終わると彼らはケロっとしている。
言葉がよく分からない頃には、取っ組み合いの喧嘩を始めるかと心配しました。そのことをパリのフランス人ガイドさんに話したら、彼女の実家で食事した時、デンマーク人の夫も「どうしたの? どうしたの?」と彼女の腕を引っ張ったと話していました。
食道楽のブルゴーニュでは食卓に座ったままで数時間は食事しているので、おしゃべりが弾まなかったら退屈してしまいそうだとも思う。
でも、レストランでは周りの人に遠慮しえ、殆どヒソヒソ話しなのですよね。それが不思議だ、とフランス人と結婚しているスペイン人の妻が言っていました。
マロワルという臭いが強すぎるチーズのことに触れたので、余り馴染がなかったこのチーズについて調べてみました。
続き: 臭いがきついことで知られるマロワル・チーズ
ブログ内リンク:
【フランスの朝食】
★フランスの朝食はシンプルだけれど...
★フランスを旅したときの朝食のとり方
【 シリーズ記事「フランスから来た友人たちの日本滞在記 」から】
★旅館で出される食事に対するフランス人の反応
★日本式朝食のお口直し方法を見つけた
【映画「シュティたちの地へようこそ!(Bienvenue chez les Ch'tis!)」】
★北に住む人達には人情がある
情報リンク:
☆Pour ou contre le trempage de tartine???
☆Les 5 habitudes françaises qui choquent le reste du monde
☆Le petit déjeuner français
☆«Tartine de pain»: un pléonasme?
☆Le beurre, fidèle compagnon du pain : Autour de la tartine de Colette
☆Wikipedia: Bienvenue chez les Ch'tis
☆(DVD)『Bienvenue chez les Ch'tis』(シュティの国へようこそ)
☆フランス人に愛される映画が日本で有名だとは限らない!
☆映画:Bienvenue chez les Ch'tis
☆Dany Boon: «J'ai toujours trempé mon fromage dans mon café !»
☆Wikipedia: Biscotte » ラスク
☆Heudebertのビスコット:6シリアル味 | パリ在住麗華さんのおすすめスイーツ・お菓子
☆Le petit déjeuner français - YouTube (フランス語講座)
☆HEUDEBERT, WASA, KRISPROLLS... JE CRAQUE POUR LE PETIT DÉJEUNER ! - YouTube (フランス語講座)
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それをフランスの友人たちは好きではないらしいので不思議に思っていました。
そのことを書いた記事:
★ フレンチトーストをフランス人は嫌う?
この料理の名前にある「フレンチ」は実は「フランスの」という意味ではないのが分かったので、「フレンチトーストに対して持っていた「なぜ?」を解いてみた」を書きました。
調べていたら、フランス人には嫌われていると思っていたフレンチトーストが、フランスのシェフがこう作ると素晴らしいというレシピが出てきたので紹介します。
ひところのフランスでは、シェフたちが戦時中に食べてイメージが悪い野菜などを使った料理を披露するのが流行ったので、その時期に話題になったのかも知れません。
◆ 日本ではフレンチトーストに人気がある?
私も好きだし、簡単なので時々作るフレンチトースト。フランスにいる時には朝市で搾りたての無殺菌牛乳(モンベリアルド牛の乳)や放し飼いで育てられた鶏卵が買えるので、材料だけで美味しく出来上がります。日本にいる時に買えるミルクは薄いので、生クリームを加えないと作れない。
私でさえも作れるフレンチトーストがホテルオークラの名物料理になっているらしいので驚きました。「シェフのこだわりレシピ」のページではフレンチトーストがトップに入っています:
☆ ホテルオークラ特製 フレンチトースト
食パンを、卵、牛乳、砂糖、バニラエッセンスを混ぜ合わせたものに浸すのですが、まる1日もひたすのですって。グジャグジャになってしまわないのかな?...
ホテルオークラは仕事の関係で何度も行ったことがありますが、日本で最もステータスがあるホテルだと感じています。東京五輪で来日した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長も、このホテルのスイートルーム(1泊250万円)に宿泊していたことが報じられていましたね。贅沢なことをするのが好きな人たちはいますが、この滞在費の大半は日本人の税金で支払われたらしいので引っかかりました...。
このホテルで食事するとき、安くはないであろうフレンチトーストを、私は選びませんけれど...。洗練されたレシピなのでしょうが、私だったら自分では絶対に作れないデザートを選びたいです。
◆ フランスで有名なパン・ペルデュのレシピ
フランス人は食べないらしいと私が思っていたフレンチトーストですが、フランス語情報では色々なレシピが紹介されていました。
中でも、パリの5つ星ホテルプラザ・アテネのシェフ・パティシエであるChristophe Michalak(クリストフ・ミシャラク)のレシピを紹介した動画が目に止まりました。
La recette du pain perdu, par Christophe Michalak
私は食パンよりはフランスパンの方がフレンチトーストに向いていると思っていたのですが、このシェフのレシピではブリオッシュ・ムースリーヌ(brioche mousseline)を使っています。 さもなければ、ブリオッシュ風にしたパン・ド・ミーが良いのだそう。
このシェフのフレンチトーストは有名なようで、幾つもの記事で紹介されていました:
☆ Christophe Michalak présente sa recette du Pain perdu
☆ Un Pain Perdu "magique" (d'après une recette de Michalak)
☆ Recette de chef : le pain perdu de Christophe Michalak
パン・ド・ミーというの食パン風ですが、日本の食パンのようには甘味やモチモチ感がないパンです。フォアグラを食べるときのパンにするのが定番なのですが、私は普通の美味しいフランスパンでフォアグラを食べる方が好き。カナペにするときに使う人も多いです。私は美味しいとは思わないので敬遠しているパンなのですが、フレンチトーストには適しているかもしれない。
ホテルオークラのフレンチトーストのレシピも食パンを使っていました。しかも、このパリの有名シェフも、ホテルオークラと同じように、パンをミルクと卵を溶いた液に一晩つけています。私は、かなり固くなったフランスパンでも30分もすれば十分に柔らかくなると思っているのですが。
パンが極端に柔らかくなると、本物のケーキのようになるということ?...
ホテルオークラのレシピよりは、こちらのパリのシェフの方が贅沢な材料ではあります:
・ミルク 200グラム
・生クリーム(液体状) 800グラム
・卵の黄身 100グラム (約5個分に相当)
・グラニュー糖 150グラム
このレシピを試した人のブログのリンクを上に入れましたが絶賛しています。ただし、母親がいつもしていたように、ラム酒とバニラを少し加えたそうですが。
この動画についていた説明が興味深かったです:
この世界コンクールでも優勝したパティシエが作るパン・ペルデュは、醜いヒキガエルをチャーミングな王子様に変えるようなレシピだ、と言っているのです。
*ちなみに、ここで使われていたカエルを意味する単語はcrapaud で、フランス人が食用にするカエル grenouille ではありません。
卵の白身を5個分残すレシピなどは敬遠したいですが、どう違うのかを知るために試しにやってみたいとは思いました。
他にもシェフたちがレシピを紹介しています。
◆ シェフがデザート風に見せていパン・ペルデュのレシピ
フランボワーズ、バニラビーンズ、自家製バニラアイスクリームを使って立派なデザートに仕上げているパン・ペルデュの動画もあったので入れておきます。実演しているのはシェフCyril Lignac。
こちらは上に調理した果物をのせているのでデザートらしく見えます。
Pain perdu par Cyril Lignac
動画では分量が分からないので、文章で書いたレシピを見てみました:
☆ "Tous en cuisine" : la recette du pain perdu aux framboises de Cyril Lignac
材料:
・厚切りのブリオッシュ(あるいは少し厚切りのパン・ド・ミー) 4切れ
・牛乳 25 cl = 250 cc
・砂糖 30 g
・卵 1個
・バター 20 g
・フランボワーズ 125 g入りパック2つ
◆ アメリカ風のフレンチトースト?
アメリカ映画『クレーマー、クレーマー』ではフレンチトーストが大事な役割を果たしているのだそう。YouTubeでその画面を見てみました。
『クレイマー、クレイマー』 Kramer vs. Kramer
いたってシンプル。食パンを使っていて、生クリームなしに牛乳でした。
こんな簡単な料理させできなかったパパが独りで男の子を育てるということでフレンチトーストが選ばれたのでしょうね。
上に入れたのはフレンチトーストを作れるようになったシーン。
始めに可笑しな作り方をしているシーンは、こちらでした:
☆ Kramer vs Kramer (1979) - French Toast Scene
◆ 伝統的なパン・ペルデュ?
フランスで庶民的なパン・ペルデュの作り方も入れておきます。クリスマスシーズンで来客が多い時期なので、大量に余ってしまうパンの消化方法として紹介しています。
こちらはバゲットで作っていますね。
Pain perdu façon grand mère
日本で言われる「おふくろの味」は、フランスでは「おばあちゃんの料理」。そうして紹介されています。
子ども時代にたくさん食べたのが美味しかったと言いながらパン・ペルデュを紹介しています。でも、まずそう~! 私がつくるフレンチトーストの方が遥かに美味しいだろうと想像しました。パン職人とパティシエの職業適性証を持っていて、パン作りの研修も行っているユーチューバーでした。
スーパーで売っている長期保存できるミルクを使っていて、バニラ・エッセンスを入れた砂糖(sucre vanillé)を加えている。昔の田舎だったら、近所から買った搾りたてのミルクを買えたし、ブロイラーの卵なんかなかったでしょうから、それなりに美味しかっただろうと思うけれど...。
ご自慢のレシピを見せるなら、割ったときに卵黄が崩れるような卵は使って欲しくないですけどね...。
パンを液体に漬ける時間は5分。簡単にオーブンで焼いてしまえるかと学びましたが(200度のオーブンで30分なのだそう)、たっぷりのバターを入れたフライパンで焼いた方が美味しいと思うけどな...。
ただし、ラム酒を加えているのは真似してみたいと思いました。でも、本物のバニラを使わないので香りづけをしているだけかもしれない。
ブログ内リンク:
★ フレンチトーストをフランス人は嫌う?
★ フレンチトーストに対して持っていた「なぜ?」を解いてみた
★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
★ 牛ほほ肉のボージョレー蒸し焼き、ルタバガのピューレ添え
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 商品にフランスのイメージを持たせた命名
外部リンク:
☆ Wikipedia: フレンチトースト » Pain perdu
☆ Recette de chef : le pain perdu de Christophe Michalak
☆ 40 recettes avec du pain rassis (qui changent du pain perdu)
☆ Recettes à base de pain rassis | La sélection de 750g
☆ 『フレンチトースト』朝食にもブランチにも!|シェフ三國の簡単レシピ
☆ Wikipedia: クレイマー、クレイマー » Kramer contre Kramer
☆ Le pain perdu de Kramer contre Kramer
【フレンチトーストのバリエーション・レシピ】
☆ Gâteau de pain Grand-Mère
☆ Pain perdu au wasabi
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日本人の私たちにはそういうイメージは無いですよね? これはイギリスで作られたものではないかという気がしています。
でも、パリを観光している時には、夕方になると勤め帰りの人たちなのか、バゲットを持っている姿をよく見かけます。
バゲットは焼き立てしか美味しくないのが問題
普段の生活では前日に買ったパンを食べたりしていても、友人が泊まりに来たときには、朝早くからパン屋に行ってくれます。民宿に泊まったときも、朝食の時間を聞かれて早い時間を言うと、まだパン屋が開いていないから... と言われます。
つまり、生活がパンに左右されている!
友人たちと遊んでいて、夕方になってから一緒に食事しようということになったとき、私の家で食事しようと言った人の家にパンがないときは大変。他の食べ物は簡単に調達できますが、パン屋さんは売れ残りを翌日に売るわけにはいかないので、売り切ってしまったら早々と店を閉めてしまうのです。
何軒もパン屋を探し回ったという経験が何度もあります。そのたびに、日本ならお米を炊けば良いだけで便利な食習慣だと思ってしまいます。
しかも、フランス人はパンがないと食事にならないらしい。イギリスでホームステイした時には、たまに巨大なジャガイモを茹でたものがパンの代わりにでてきたのですが、フランスでは出会ったことがありません。フランスのジャガイモは美味しいので、私はジャガイモでも構わないのですが。チーズだって、ハードタイプならパンなしで食べられますし...。
フランスの田舎にはパン焼き窯がある家があります。今ではイベント的に使うだけですが、昔は大きな丸いパンを自宅で焼いていたのでした。ミサがある大事な日曜日にパンを焼いて、焼き立てのパンを食べ、次の日曜日まで食べ続けるのです。でも大きなパンは細いバゲットのようには固くならないので、1週間くらいは問題なく食べられたのでした。
バゲットが美味しいのは、焼きあがってから数時間と言われています。みじか過ぎませんか? 翌日になったら未だ耐えられますが、翌々日になったら食べられないので捨ててしまう。
フレンチトースト(フランスでは「pain perdu(失われたパン)」と呼ばれる)を作るにはフランスパンの方が美味しいと思っているのですが、なぜかフランス人は好きではないようなのです。田舎で食用にするウサギや鶏を飼っている人たちがいるのは、余ったパンを捨てないためもあるかなと思っています。
そんな不便なバゲットが登場したのは比較的最近だと聞いて、パリのパン屋さんが毎日パンを買わせようとして考え出した陰謀だと思っていました。でも気になったので、いつバゲットが考案されたのか調べてみました。
バゲットはいつ登場したのか?
言い伝えは幾つかありました。そういう理由もあるかなと思える面白い誕生の理由がありました。
① ナポレオン説
19世紀初頭、ナポレオン(在位: 1804~1814年 1815年)のパン屋が発明した。
伝統的にあった丸いパンは重くて嵩張るので、バゲットなら兵隊たちがポケットに入れて持ち運び安かったから。
重さ約1.7Kgの田舎パン(Miche de pain de campagne)
② オーストリア説
オーストリア人企業家オーギュスト・ザング(Auguste Zang)が、フランスにバゲットをもたらした。
1939年、彼はパリにBoulangerie viennoise(ウィーンのパン屋)というパン屋を開店し、当時オーストリアにあった楕円形のパンを売ったと言われる。
パリのリシュリュー通にあったザングのパン屋(1909年):

このパン屋は大成功を収めたそうで、フランスで菓子パンの総称をviennoiserieと呼ばれる由来になったとの記述がありました。ヴィエノワズリーと呼ぶのは、マリ・アントワネットがお気に入りのパンをウィーンから持ってきたからだ、と私は思っていたのですけれど...。
③ パリ地下鉄説
1900年代、パリの地下鉄工事場で発明された。
当時はフランス国内から労働力が集まり、特にブルターニュとオーヴェルニュから来た人たちの喧嘩が絶えなかった。伝統的な大きな丸いパンはナイフで切る必要があるので凶器になってしまう。そこで、作業責任者はパン屋にナイフなしに手でちぎれるパンを作らせた。
④ パン研究家 Steven Kaplan (アメリカ人)の学説
バゲットは、オーストリア人やナポレオンが作り出したものではなくて、20世紀の産物だと言います。
都市住民の需要によってパンが進化したのだとの主張。町の裕福層は、焼き立てのパンを買うために1日に何回もパン屋に行く必要があった。1.2キロから2キロある大きなパンを持ち運ぶのには大きすぎた。しかもバゲットなら、中身より美味しいパン皮が多いというメリットがあるので好まれた。
バゲットが生まれたとされるのは、せいぜいナポレオン1世がいた19世紀初頭。それほど昔でもないのに、誕生の歴史がはっきりしていないのは不思議...。
À l'origine de la baguette de pain - France Culture
他にも、フランス革命の時に生まれたなどの説もあったのですが、パンについて多くの著書がある専門家を登場させている上の動画で説明していることを基にして書きました。
こんな情報もありました:
1793年11月15日: フランス革命により、全ての国民は同じパンを食べなければならないという政令が出された。パン屋は金持ちのためには白パン、貧しい人々のためには黒パンを作っていたのだが、政令を守らないパン屋は投獄されるので、パン屋は小麦粉でパンを作るようになった。これがバゲットの起源だとする説もあるが、細長いバゲットの作り方が考案されたのは後のことである。
1856年: ナポレオン3世によって、バゲットの長さは40センチ、重さは300グラムと定められた。
1919年: 労働を軽減するため、パン職人が午後10時から午前4時までの間に働くことを禁止する法律が定められた。従来の大きな丸いパンに比べて、バゲットは早く発酵し、焼く時間も短いので、パン屋が好んで作るようになった。
1950年: バゲットの工場生産が始まる。冷凍したパン生地で焼くことも行われるようになった。
ともかく、フランスでバゲットが広まったのは20世紀、特に第2次世界大戦後だとは言えるようです。「baguette(バゲット)」という用語が初めて使われたのは1920年だとありました。
ところで、現在のバゲットの長さは55~65 cm、重さは250~300 グラムなのだそうです。
安く売る工場生産のパンに対抗する伝統的なパン屋の苦労を見せる動画:
Les boulangers artisanaux face aux industriels
ここに登場しているパン屋さんは、以前にはパン工場で働いた経験があるのだそう。言っている中で面白かったのは、ちらりと話しているパン生地を冷凍して使う大量生産のパンの作り方でした。
普通のパン生地を冷凍したらダメなので、「魔法の粉」を入れるのだと言っています。どういう添加物なのかは分からない。ともかく、彼がそれを使う仕事をしていた時には、その粉に触ったらすぐに水で洗わないと手が腫れあがってしまうとのこと。確かに、工場生産のパンは非常に不味いとは思っていましたが、そんなものを入れているとは知らなかった!
内部リンク:
★ クイズ「城のダイニングルームにあったもの」の答え
★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
情報リンク:
☆ À l'origine de la baguette de pain - France Culture
☆ La baguette n’est pas si vieille que ça ! - Ça m'intéresse
☆ Le pain est-il vraiment une invention française ?
☆ 15 novembre 1793 - Naissance de la baguette de pain
☆ C'est arrivé le 15 novembre 1793 : l'origine mystérieuse de la baguette de pain
☆ La baguette nourrit les légendes
☆ L’explication de la forme allongée d’une baguette
☆ Quelle est la différence entre une baguette classique et une baguette tradition ?
☆ フランスパンことバゲットはなぜ硬くて長いのか?
☆ Baguette (pain) = バゲット - Wikipedia
☆ Pain > フランスパン - Wikipedia
☆ D'où vient l'image d'Épinal du Français au béret - CNEWS
☆ Ce que l’Anglais pense du Français : les clichés !
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先日は、友人たちとピクニックをすることにしたので、野菜の類いは私が準備して行くと言いました。せっかくなので、日本的なものにしようかと思い。シイタケ(フランスでも栽培しているので買えるのです)の煮つけにしました。
でも、これが全く人気がなかったのでガッカリ。なぜ食べないのか聞いたら、見た目が美味しそうでないからなのですって。確かにな...。歯ごたえも変だと感じたかもしれない...。
私はフランス人に人気がある白ゴマをまぶしたのですが、もっと使って混ぜ込んでしまった方が良かったかもしれない。でも、もう2度と作りません!
その少し前に友人たちとピクニックをしたときには、持っていったtaboulé(タブレ)と呼ぶサラダが絶賛されていたのです。タブレは簡単に大量に作れるので、今後はいつもそれにしてしまうと思いました。

タブレは夏にしか作らない料理なので、シーズンの始まりには、何を入れるのだっけ? となります。なにしろレシピを見ている料理ではなくて、感覚だけで作っているからです。
今年もそろそろ夏は終わり。どうやってタブレを作っているのかメモしてきます。
材料:
- クスクス(セモリナ)
- 加熱してあるザリガニのむき身(ないし、小エビ)
- トマト
- エシャロット(ないし、玉ねぎ)
- レモン
- 干しブドウ
- ミントの葉
- オリーブオイル
- 塩、コショウ、エスプレット
いつも、これだけだったと思う。
◆ 便利なセモリナ
タブレを作るのにまず必要なのは、semoule(スムール)とかcouscous(クスクス)とか呼ばれる小麦粉の粗い粉。日本ではセモリナと呼ぶのかな。デュラムコムギから作られた黄色の穀粉です。
最近気に入っているのは、簡単に加熱できる、このタイプ ↓

鍋でたっぷり沸かした熱湯に少し塩を入れて、100グラム入りの小袋をそのまま入れ、1分間ゆでて取り出して冷ませば準備完了。これで1人か2人分と書いてあります。
友人が作ったタブレを食べたとき、彼女はセモリナを全く加熱しないと言っていました。柔らかくゆで過ぎたのは最悪ですが、堅いままというのも美味しくないなと思いました。
こちらのメーカーのでも、味は変わらないように思う。
アラブ料理の香辛料が入っているものは買わないことにしています。
エスニックの香辛料には好きでないのがあるし、自分で味付けするだけでも物足りないとは感じないからです。
◆ タブレの味つけ
たっぷりとレモン汁を入れるのがポイントだろうと思っています。
入れ忘れると、全く面白味がないタブレになってしまうので。
セモリナの小袋2つ(200グラム)に対して、レモン汁は1個分としています。
レモンの質にもかなり左右されますね。
レモンは、朝市で有機農業専門の農家が売っているイタリア産のBIOレモンをいつも買ってストックしています。
無農薬で安心なので、レモンの皮をごく細かく刻んだものも少し入れています。
その他の調味料としては、塩コショウ、オリーブオイルだけ。
オリーブオイルは、イタリアからバージンオイルを取り寄せています。何がどう違うのか知りませんが、フランス産で質が高いオリーブオイルはやたらに高いのです。イタリアからの輸送費を入れても、その方がずっと安くなってしまう。
いつも同じように作るのが気に入らないという変な性格の私だからです。だから、大失敗することもあるのだと反省はするのだけれど...。
◆ すし飯と似ているのでは?
セモリナを湯からあげてからは急速に冷ますことにしています。そして、たっぷりとレモン汁を入れるので、なんとなく寿司飯を作る気分になる。
ウチワを使って冷まし、しゃもじでサクサクと切って混ぜるのが良いのではないかと勝手に思っている次第。
すし飯を作るコツもそれではないかな?... つまり、温かいままで放置していたらベタベタの食感になると思うのです。
◆ タブレに入れるもの
野菜だけでタブレを作るレシピもあるのですが、それだと寂しい。
むき身のécrevisse(ザリガニ)の入れるのが最も気に入っています。ピクニックで褒めてもらったときもザリガニ入りのタブレでした。
生のザリガニは手に入るのが不可能に近いし、かなりの高級品。でも、スーパーで売っているこの加熱したザリガニのパックだと、お手軽価格で、ちょっと珍しがられるので便利。

セモリナ1袋100グラムに対して、この100グラムパックを1つ入れてちょうど良いと思っています。作っておけば3日間くらいは大丈夫なので、いつも2倍の分量で作ってしまいます。
それで小さく切ったトマトもたっぷり入れます。
さっぱりした方が美味しいので、エシャロットか新玉ねぎの小さなものをみじん切りにして、少し水でさらしてから絞って入れることにしています。
オリーブの実を入れることもあります。
イタリア製の美味しいオリーブオイル漬けのオリーブは、そのオイルの方も少し入れると、香りが出て美味しい。
その他、入れないと美味しくならないのは干しブドウ。
朝市に出ているチュニジア人の売っているレーズンが美味しいので、白い大き目のレーズンと、小さな黒いレーズンの2種類を入れることにしています。
ミントの葉を入れるのも欠かせません。ミントを入れてしまうと色が黒ずんでしまうので、作り置きしておくときは食べる直前に入れることにしています。
それで、急に作ることになったときに、冷凍してある小エビのむき身を白ワインでゆでて使います。
ザリガニは味付けがしてあるので、海老の方もオリーブオイルに浸したり、香辛料をつけたりして何か下ごしらえした方が良いのかもしれない。
でも、ただ海老を入れただけでも悪いことはないと思う。
私のタブレがとても美味しいと褒めてもらったピクニックの話しを続きで書きます。ピクニックといっても、泊まったホテルの部屋にあったベランダでやってしまったときのこと。
続き:
★ 泊まったホテルのベランダでピクニックをしてしまう
ブログ内リンク:
★ 目次: ピクニック、飲食店での軽食
★ シリーズ記事目次: 硬質小麦の粗びき粉 2012/07/01
» 暑いときに食べたくなるタブレ 2012/07/02
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
★ 総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ
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★ パリとワインの関係 (1): パリのブドウ畑とガンゲット
ムーランとは、風か水の力を利用して小麦粉をひく施設。
ムーラン・ド・ラ・ガレットは、パリのモンマルトルにあります。
Le moulin de la Galette, Eugène Cicéri (1813~1890年), Musée Carnavalet
多くの画家たちは、建物や、そこの雰囲気にインスピレーションを与えられていたのですが、私は風車の名前に気を取られてしまったのでした。
Moulin de la Galette(ガレットの風車)という文字を見たとき、私はgalet(ガレ)と呼ぶ石を真っ先に思い浮かべました。水切りをして遊ぶのに適した平べったい石。ガレットはガレの女性形なので。
フランスのブドウ畑には、この平べったい石ころがゴロゴロしている畑があるのです。初めて出会ったのはボルドーのブドウ畑でした。右に入れた写真はシャトーヌッフ・ド・パップのブドウ畑。
水はけが良いでしょうけれど、こんなところで植物が育つのかと不思議になる土壌...。
ここのところブログでずっとワインについて書いていて、モンマルトルのブドウ畑を眺めたところだったので、ガレットと聞いてブドウ畑の石を連想してしまったようです。
ひょっとしたら、モンマルトルの丘は、こんな河原のような地面だから付いた名前なのではないか?...
でも、調べてみたら、ガレット風車という名前は、石とは全く関係がないのでした。
◆ なぜガレット?
ガレット・ド・ムーランはパリの歴史に残るくらい有名だったので、色々な記述がありました。でも、年号が合わなかったりして、どの話しが本当なのか分からない。このくらいの程度を書くだけなら、事実と違っていても、そう大した違いではないだろうという当たりだけメモしておきます。
モンマルトルがパリ市ではなくて、旧セーヌ県の村であった1810年の時点で、モンマルトル村には許可を持っているbal(ダンスホール)が16あったのだそう。1806年の人口は636人だったそうですから、お客さんの大半はパリからやって来たということになるでしょうね。
モンマルトルの丘には、昔はたくさんの風車が建っていたそうです。
モンマルトルに住んだ印象派の画家たちが「Moulin de la galette」を描いた時代、ここにはBlute-finとRadetと呼ばれる2つの風車(moulin)があり、その中間に、私が気にしている「ムーラン・ド・ガンゲット」があったのだそうです。
Moulin de la Galetteの写真(1885年)
ここに風車があったと記載されているのは1622年の文献で、風車の名前はMoulin du palaisとなっていました。その後、建て替えられたりしましたが、Debrayという人が2つの風車を買いました(1809年)。この農家では風車で小麦粉などをひいたのですが、近郊で収穫されたブドウの圧縮もしていたようです。
まだ田舎の長閑さがあったモンマルトル。休日にはパリから散歩にやって来る人たちがいました。そこで、農家ではサイドビジネスを始めることを考えたようです。ライ麦パンとミルクを出す。その後は、ミルクの代わりに地元のワインを出すようになり、ダンスも楽しめるガンゲットとなりました。パリからも登って行きやすい整備された道路に沿った場所にあったことも幸いして、ただちに人気を呼んだようです。
ここで出していたのは、小さく焼いたライ麦のパンで、それがガレット(galette)と呼ばれていました。それを店の名前にしていたでした。
また出てきました。ガレットと呼ぶパン!

1年前、私はやはりガレットが気になってブログで書いていました。赤ずきんちゃんがお婆さんの見舞いに持っていったのは、フランスではガレットと言われるのですが、どんな食べ物だったか調べたのです:
★ シリーズ日記: 赤ずきんちゃんのガレットとは? 2015/01/05
今のフランスで「ガレット」と聞いて思い浮かべる食べ物は色々あるので疑問を持ったわけなのでした。
結局、赤ずきんちゃんはガレットと呼ばれるパンを持っていったのだと結論したのですが、モンマルトルの歴史に残ったガンゲットの名前になった「ガレット」も、同じようなパンだったのかもしれません。
赤ずきんちゃんのガレットは抱えるくらいに大きかったようなのですが、モンマルトルのは「小さなパン」と書いてあるので、1人1個でおやつになるくらいの大きさだったのかな?...
赤ずきんちゃんのガレットはレシピを考えて紹介したりしていたのですが、ムーラン・ド・ラ・ガレットで出されていたガレットの方は誰も作ってみていないようでした。
そんなわけで、どんなパンなのか分からないのですが、「ガレット」と呼んでいるということは、丸くて平べったいパンなのだろうと想像します。例えば、こちらのレシピにあるパン。そば粉で作っていますが、「Galette de pain(パンのガレット)」という名がつけられています。
店のポスターが何枚もインターネットに載っていました。でも、この店のトレードマークはやはり風車のようで、名物だったはずのガレットの絵は見つかりませんでした。

左側のは、イラストレーターAuguste Roedel(1859~1900年)の手になる店の宣伝ポスター。1896年の作のようです。一番下に「素晴らしい見晴らし」というのは良いのですけど、店の名前Moulin de la galetteの下に「創立1295年」なんて書いてある!
この店がいつできたのかの記載がまちまちで分からないのですが、ガンゲットとしてオープンしたのは1934年に思えました。ただし、店の名前を正式に「Moulin de la galette(ムーラン・ド・ラ・ガレット)」としたのは1895年だという記述が多かったです。いずれにしても、そのちょうど600年前、ここには風車さえもなかったかもしれないと思うのですけどね...。
フランスでは古いポスターのコレクションをする人がたくさんいるそうで、とても高い値段で売買されるのだと聞いていました。この誇大広告ポスターはそれほど有名ではないからか、日本円にして2万円から5万円くらいでネットで売っていました。
右側のポスターについての情報はなかったのですが、誇大広告ポスターより後ではないかと思います。左のには、bal(ダンス)は日曜と祭日のマチネーがあると書いてあります。ダンスホールは、初めのうちは日曜と祭日のオープンだけ許可されていたようなのです。
右のには、木曜、土曜、日曜、祭日に昼の部と夜の部があると書いてあります。さらに、オーケストラも入って本格化している様子。
有名なキャバレーのムーラン・ルージュ(Moulin-Rouge)ができたのは1889年で、オープンしてすぐに人気をよんだようです。このあたりから、モンマルトルは歓楽街として栄えていったのでしょうね。
◆ 20世紀初頭のガンゲット
白黒映画時代はフランスも良い作品を作っていた、と思われる秀作だと思います。
1936年の映画ですから、印象派の画家たちが描いたガンゲットよりは数十年後になりますね。
ルノワールの絵画はブルジョワ階級の人たちが踊っているガンゲットですが、映画の方は庶民階級のためのガンゲット。
今のフランスに伝わっているガンゲットのイメージは、映画の方の雰囲気なので、みんなで踊っているシーンを入れておきます。
Jean GABIN - La Belle Equipe (1936) - ''Quand On Se Promene Au Bord de l'Eau''
◆ 現代のガンゲット
フランスでは、18世紀半ばから人々が郊外に行って息抜きすることを楽しむようになりました。これがガンゲットの始まり。
1906年には、フランスは世界で最も早く週休2日制を確立しています。
ガンゲットの流行の最盛期は1880年から1938年と言われています。しかし、人々の楽しみ方も変化し、1960年ころにはガンゲットは忘れ去られるようになりました。
ところが、10年くらい前から各地にガンゲットが復活してきて、人気は徐々にあがってきているようです。
現代にガンゲットに行く人たちは、昔を懐かしむ高齢者が多いように感じます。田舎に住む知人が、ご近所の人たちとバスをチャーターしてパリの近くにあるガンゲットに行ったと話しをしていました。大規模なダンスホールだったらしい。
どんなところなのか映像を探してみたら、たくさんでてきました。昔にガンゲットがたくさんあったというマルヌ川沿いにある町のガンゲットの様子を見せる動画を入れます。
THÉ DANSANT PAR LA GUINGUETTE J. DE LA FONTAINE
この動画には「thé dansant」と書いてあります。ガンゲットの流行が復活してきたころからのように思うのですが、この耳慣れない言葉を見かけるようになりました。「ダンスパーティーがあります」という感じの張り紙があるのを目にするわけなのですが、どうも気になる言葉。
「thé dansant」とは、英語にすればdancing tea。紅茶とダンスが楽しめる集まりなのだろうと想像できます。たぶん、イギリスのアフタヌーン・ティーの風習のような感じで、早めに始めるというダンスパーティーなのかもしれません。
紅茶という文字を入れているということは、こういうお楽しみには付きもののお酒は飲まない、という決まりなの? こういう催し物に行くのは平均年齢70歳くらいだろうと思うので、早く始まって、早めに帰れるというのは好まれるのかもしれない。でも、お年寄りだってお酒は飲みますけどね...。
Wikipediaには項目ができていませんでした。英語ページでは「Tea dance」といいうのがあり、フランスのと同じもののようです。でも、フランスのがどんなのか知りたい。
検索してみたら、パリのお話しで、「土曜の午後、thé dansantに行ってテストしてきました」という感じで、女性が詳しく報告している記事がありました。下の「外部リンク」の最後にに入れておきますので、よろしかったらお読みください。面白いのです。でも、お忙しいのに読んでいただくほどの価値はないか...。
想像していた通りのダンスパーティーのようです。集まっているのは高齢者ばかり。女性たちは厚化粧してハイヒールを履いてドレスアップ。男性も蝶ネクタイ姿。女性が行くときは誰かがダンスに誘ってくれるのを長いこと待つことになるので、お相手を連れていった方が良いとアドバイスしていますね。女性4人に対して、男性1人という感じなのだそう。
私の関心事は飲み物でした。美味しいthé(紅茶)を飲みたい人にはお勧めしません、とある。「踊る紅茶」という名前にしておきながら、紅茶は全くなかったのだそうです。アルコール飲料もなし。従って、喉が渇いたら水かジュースを飲むしかない。変なの...。
シリーズ記事目次 【フランスのワイン産地】
目次へ その19
ブログ内リンク:
★ パリとワインの関係 (1): パリのブドウ畑とガンゲット 2016/02/01
★「ガンゲット」と呼ばれるレストラン 2005/09/07
★ パリ首都圏の町にある田舎風景とは? 2010/12/27
★ 目次: ワインの消費、ビジネス、飲酒規制、歴史など
外部リンク:
☆ L'Histoire par l'image: Le Moulin de la Galette | Le bal, une pratique sociale
☆ YouTube: Le Moulin de la Galette
☆ YouTube: Montmartre - Le Moulin de la Galette.wmv
☆ Montmartre. Moulin de la Galette. Histoire. peintres.
☆ Les moulins de Montmartre
☆ Sous les Toits de Paris: Le MOULIN de la GALETTE
☆ La Belle Epoque.. Le moulin de la Galette
☆ Waltz Around a Tea Table
☆ J'ai testé la fièvre du samedi après-midi au thé dansant de l'Olympiade
フランスのお酒 (ワインなど) |
少し前にブログでレストランのことを書きながら調べてみたら、パリに幾つもある3つ星レストランで日曜日にオープンしているのは、たった1軒でした。パリくらい人口が多かったら、もう少し開いているのではないかと思っていたのですけれど。
日曜日には田舎に行ってのんびりする習慣があって、町に住む人たちは皆いなくなってしまうからではないかと思います。田舎に行けば、日曜日でもちゃんとレストランは開いていますので。
それはともかく、パリに行った時にはフランス料理以外の料理を食べることが多いように思います。ミシュランの星を持つようなレストランは地方なら私でも入れるような料金ですが、パリではどうということのないレストランでも非常に高額だからです。
パリに滞在してレストランに行く魅力は、地方では少ないエスニック料理や中華料理などの店が色々とあること。
今回の旅行で日曜日の夜に行こうと思ったレストランも少し変わっていると魅力を感じたところ。予約まで入れておく必要はないと思ったので少し早目に行き、席が確保できたので、ひと安心。
その13
目次◆ フランスでサービスが良すぎると薄気味わるいかも...
店の名前は地中海料理であることを思わせる命名だったのですが、レストランガイドにはチュニジア料理と書いてありました。
メニューを見ると、クスクスの他にパエーリャもある。クスクスは好きなのですが、久しぶりにパエーリャが食べたいと思ったのでした。あっさりとそれに決めて、注文をとりに来てくれるのを待ちました。
でも、スペイン料理とマグレブ料理の両方を出す店というのは奇妙。どちらかは美味しくないのではないかという気もしたのですが、まあいいや...。
注文を取りにきた女性が、日曜日はパエーリャを作らないとおっしゃる。それなら、そうと、メニューに書いておいてくださいよ...。でも、常連さんしか行かない店に見えたので仕方がないと諦める。
ふりだしに戻って、何を食べるか考え直すことになりました。
すると、サングリアを持ってきてくれたのでした。店のサービスなのですって。パエーリャがないお詫びなのだとしたら、親切ですね。でも、パエーリャはないのにサングリアがあるというのも変な気分。
この食前酒が美味しかったので、ますますパエーリャがないことが残念に思ってしまいました。
まだ何を食べるか決められない。クスクスは大好物なのに、なんとなく食べる気がしなかったのです。
他のテーブルにいる人たちが何を食べているか観察してみると、あれが欲しいというのがありました。みんな取っているので、評判が良い料理なのではないかな...。
メニューを眺めてもそれらしき料理が見つからないので、お給仕の人が来たら、「あれが欲しい」と言うことにして待ちました。
ところが、その料理が私たちの所に運ばれてきてしまったので驚き!

これも店のサービスなのですって。
これで私たち二人分の分量なのですが、サービスにしては気前が良すぎるではないですか? 日本ではサービスが多いので驚かないのですが、フランスでやられると嬉しいより懐疑心が持ち上がってきてしまいます。
お給仕の人がやってきて、注文は決まったかと催促されました。「まだ...」と答えても引き下がってくれない。
クスクスにすることにはしたのですが、何の肉にするかを選べないでいたのでした。これだけ前菜を食べてしまったら、クスクスはボリュームが多いのは選びたくない。でも、1種類か2種類の肉にすると寂しい...。
ぐずぐずしていたら、「何が好きなの?」と聞いてくる。何がって聞かれたって困りますよ。ベジタリアンだから肉は食べないとか、ソーセージだけにするとかなら答えようがありますが、どの組み合わせにしようかというのは、何が好きという選択肢からは選べないではないですか?
早く選びなさいよ、という顔をしているので、あせりを感じました。なんだか、怖いお母さんに叱られている子どもになった気分...。そのプレッシャーがいけなかったのかもしれない、と後になって思いました。
◆ 註文したクスクス
お料理は、店の主らしい男性が運んできました。恐いお母さんみたいだった女性とは違って、とても愛想が良い男性。
料理は悪くなさそう。

愛想が良いご主人なので、ひよこ豆は入っていますか? と聞いてみました。私はクスクスで食べる機会がない好物のヒヨコマメ。入っていない時に言うと持ってきてくれる店もあるので聞いてみたのです。
「入っていますよ」と返事していたのに、すかさず器に入れたヒヨコ豆を持ってきてくれました。色々なものをサービスしてくれるのは、このご主人の方針なのでしょうね。
気がつくと、レストランの中は満席になっていました。評判の良い店だったようです。お給仕の女性が「さっさと注文しなさいな」という態度だったのは、ピークになると給仕が追いつかないくらい忙しくなるからだったのでしょうね。
◆ スムールは曲者だった?
couscous(クスクス)は、日本人にとってのカレーライスのような感覚で食べられる料理です。
この料理が好きなので、どの店のが一番気に入るかと食べ歩いた時期がありました。食べ比べてみると、かなり違うので面白いのです。パリでも、ここが一番という店を3軒くらいは試していました。
こだわりの1つには、semoule(スムール)と呼ばれる、くだいた小麦の蒸かし方にあります。パラパラで、食べた気がしないくらい軽いのが好きなのです。
下は、一番のお気に入りにしたクスクス専門のレストランのスムール。サラサラ具合を写真にとったことがありました。

★ クスクスは手間のかかる料理 2012/07/03
お気に入りにした店はブルゴーニュにあるのですが、チュニジア系の人が経営しています。それで、スムールはチュニジア系の人が作るのが一番美味しいのではないか思ったりしていました。粒が細かいのです。
今回パリ郊外にある町で入った店もチュニジア系でした。スムールが同じように細かい。でも、サラサラではないのでした。むしろ、ベタベタという感じ。
ほんの少し食べ始めたら、異常に気がつきました。
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でも、喉が詰まったと言うほどの感じではないのです。
でも、食べ続けることができない。
口の中から泡が出てくる感じ...。
奇妙です...。
ナプキンで口を押えていると、先ほどのご主人らしき男性が水を持ってきてくれました。でも、飲んでも喉の通りがよくなった感じはしない。
また通りかかったご主人が、スムールが喉に詰まったのだろうと言います。
へぇ、そんなことがあるのですか?! でも、その言い方からして、喉を詰まらせたのは私が初めてではないらしいと感じました。
そういえば、日本のお正月に、ミカンや餅で咽喉が詰まって死んでしまう人がいたっけ...。軽く考えていてはいけないと思って、席を立ってトイレに行くことにしました。
こんな経験は生まれて初めて。喉を詰まらせたときって、こういう風になるのかな?...
洗面台の前に立ったら、自然に口の中から泡がふき出してきました。もどしてしまったら、すっきりしました。
つまり、こういうときは、さっさとトイレに行くべきなのだ...。というか、スムールを食べるときには注意しなければいけないのだろうな...。
席に戻ったら、もう料理は冷めてしまっているし、食欲もなくなってしまったので、かなり残してしまいました。どっちみち、サービスの前菜はボリュームがあったので、小食の私は食べたりないということはなかったのでした。
ところで、サングリアも、ボリュームもある前菜もサービスと言われていたのですが、お勘定を書いた紙を見て、本当に料金を請求されていなかったのか確かめてしまいました。
むかし、フランスの靴屋さんで買い物をしたとき、買った靴に合うクリームを差し上げましょうかと聞かれたので、お礼を言ったら、そのクリームの代金も請求されていたことに気がついたからです。タダであげるつもりがないなら、「与える」という動詞は使わないで欲しい!
この店で註文していないのに出してくれた食前酒やオツマミは、全て勘定書きには入っていませんでした。日本の飲み屋さんで頼みもしないで出してくれるお通しは、ちゃんと料金を取られるのが普通なのだと学んでいた私だったので、とても嬉しかったです。
追記 2024年:
久しぶりにこの記事を読み直したら、店のご主人がスムールを喉に詰まらせたのだろうと言っていたことを思い出しました。この時に一緒に食事していた友人は全く問題がなかったし、何度もクスクスを食べた私も、そんなことは一度も経験したことがありませんでしたので不思議。
それで、クスクスを食べて喉を詰まらせるなどという愚かな人が私以外にいるのか、フランスの情報を調べてみたら、出てきたのでした。
スムールが喉頭(こうとう)に詰まって窒息してしまったらしい。そう言われれば、そんな感じでした。

幼児やチンパンジーは喉頭が高い位置にあるので、窒息の危険はないらしい。人間の大人の場合は喉頭が低い位置にあるので、食道と肺の通路が交差しているので問題がおこるのだそう。幸いにも、こんな発作はそれ以降には経験したことがありません。
ブログ内リンク:
★ クスクスやタブレに使う硬質小麦の粗びき粉は何? 2012/07/04
★ クスクスを食べに行った日のこと: (1) クスクスという料理 2008/09/16
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
外部リンク:
☆ Wikipedia: クスクス
☆ Boire et respirer en même temps
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フランス北部にあるブルターニュ地方の郷土料理、ガレット(galette) です。
ガレットはソバ粉で作った塩味のクレープで、デザートに食べる甘いクレープは小麦粉で作るという違いがあります。
本場ブルターニュを旅行したときには、見るからにおいしそうなガレットの写真をとっていたはずですが、パソコンに入っていません。そのころはスライドで写真を撮っていたので。
ガレットをご存じない方のために、とりえず、ピカルディー地方の専門店で出されたガレットの写真を入れてみます。
★ ノルマンディーといえば、クレープ? 2009/11/19
この写真を使って書いた記事でもお話ししていましたが...
◆ ガレットの本場はブルターニュ地方
ガレットはブルターニュの郷土料理。ブルターニュ地方を旅行したとき、やはり1度くらいは本場で食べないと思って専門店に入ったら、今まで食べてきたガレットとは全く違って美味しいので驚きました。
それを立ち寄ったツーリストオフィスで話したら、優れたガレットを出すレストランをピックアップした小冊子をくださったので、1カ月の旅の後半は、立ち寄った町にご推薦レストランがあると入って食べ比べを楽しみました。
ガレットを食事にして、デザートでは日本でもおなじみのクレープを食べるというレストランです。フランス国内、ある程度の規模の町だったら、必ずと言って良いほどガレットとクレープの専門店があります。そういうレストランのことを「crêperie(クレプリー)」と呼びますが、Wikipediaの記述が正しければ、フランス本土に4,000軒以上あるのだそう。
フランスの普通のクレプリーというのは、簡単に安く食事するときに入るレストランです。ピザとか、中華料理を食べるというのと同じで、ご馳走が食べたいというときに入るレストランではありません。でも、本場ブルターニュで食べたガレットは格別なのでした。
何が違うって、ガレットの生地です。パリパリ感があって、皮だけでも食べたくなってしまうような味。
Wikipediaに入っていた画像が、少しパリパリ感があるように見えるので入れておきます。特に端っこが薄くカリカリになっているのが見えるでしょうか?
私がブルターニュで絶品だと思ったのは、淵はレースのように薄くなっているガレットでした。皮も、気泡が見えるようなのが良い。
どうやって作るのだろうと長年思っていたのに、調べたことはありませんでした。
ガレットはそば粉で作ります。フランス語で蕎麦粉は、sarrasin(サラザン)あるいはblé noir(ブレ・ノワール: 黒い小麦の意味)と呼ばれます。
それで、そば粉のガレットはgalettes de sarrasin、galette de blé noirと呼びます。crêpe bretonne(ブルターニュのクレープ)、crêpe salée(塩味クレープ)などと呼ばれるようです。フランスでもブルターニュ地方以外にも、そば粉のクレープは存在していて、名前を別にしているようですけれど。
日本でも同じだそうですが、そば粉は貧しい土地で生えるのだそう。ブルターニュ地方はそば粉の栽培に適していて、昔はパンの代わりにガレットを食べていたのだとか。
そういえば、ブルターニュ地方で泊まった農家のB&B民宿では、朝食もガレットでした。出発の朝、昼にはピクニックをする予定だと話したら、パンの代わりになるからとガレットを持たせてくれました。レストランもしている農家だったので、焼いたガレットが余っていたようです。
ガレットというのは暖かいものを食べると思っていたので、冷たくなったのはまずいのではないかとは思ったのですが、せっかくくださると言われたのでいただきました。それを昼に食べたらおいしいので、これまた驚き!
◆ ガレットのレシピを探してみる
小麦粉で作る甘いクレープの方は、私は家で時々作ります。コツなどはほとんどなくて、簡単においしいのができてしまいます。でも、ガレットの方は特殊に見えるので、1度も試してみたことがありません。
最近、日本の友達がガレットを作りたいというので、本場のレシピを探して教えてあげました。というのも、日本でもガレットを作る人が大勢いるようなのですが、インターネットに入っている画像を見ると、どうも美味しそうに見えなかったからです。
友達には動画へのリンクをお教えしたのですが、眺めているうちに私も作りたくなったので、ちゃんと整理してブログに書いてみることにしました。
プロがガレットを作るのを見ると、いとも簡単そうに見えます。
Le cours de galette Bretonne
さっさ、と作るから、淵がレースのようになるのだと思います。
この動画で作っているのは、ガレットで最もオーソドックスな「ガレット・コンプレット(galette complète)」というもので、卵とハムと卵をのせています。
... と思ったら、1つには、ほうれん草と玉葱のコンフィものせていました。玉ねぎのコンフィとは、ジャムみたいに甘いもので、フォアグラの付け合わせにしたりします。フォアグラ以外に使い道があるとは知らなかった...。
◆ ガレット生地の材料は?
ガレットを作っている動画を拾いだしたので後で入れますが、まず生地の材料を比較してみます。上には好きなものをのせれば良いわけで、一番大切なのは生地づくりだと思うので。
| 生地の材料 | |
伝統的ブルターニュそば粉協会 | ブルターニュ産そば粉: 1 Kg 水: 1リットル 粗塩: 1つまみ (8~10人分) |
簡単レシピ ① | そば粉: 330 g 卵: 1個 冷水: 75 cl 粗塩: 10 g |
簡単レシピ ② | そば粉: 300 g 水: 75 cl 塩 |
ブルターニュのクレプリー訪問 | そば粉: 500 g 水: 2リットル 塩 |
ブルターニュ出身の2つ星シェフ | そば粉: 300 g 小麦粉: 100 g 卵: 1個 水 ミルク 塩の花 |
ブルターニュにあるクレープとガレットの学校 | そば粉: 1Kg 卵: 1個 冷水: 2リットル ゲランドの粗塩: 35 g |
と
は、「難しいと思っているガレットも簡単にできますよ」という感じで見せているもの。それ以外は、本場ブルターニュ地方の人たちが作っているレシピを選びました。伝統的なガレットは、そば粉と水と少々の塩だけで作るのだそうですが、小麦粉、卵、ミルクも加えているレシピがありました。卵を入れると色がきれいにでき、卵や小麦粉を入れると生地が鍋にくっつきにくくなる、というメリットがあるようです。
水の分量がずい分違いますが、動画を見ている限り、分量にはこだわらずに生地の仕上がり方で調節していると思いました。
◆ レシピに見られるコツ
伝統的ブルターニュそば粉協会- サラダボールにそば粉と塩を入れてかき混ぜ、水を何回にもわけて加えていく。
- 滑らかで液体状にできた生地は、冷蔵庫で3~12時間寝かせる(好みで時間の長さを決める)。
- 十分に油をしき、強火で熱した鉄板に、お玉1杯分の生地を一気に広げる。
- ガレットの淵が黄金色になってきたら、ヘラでひっくり返して反対側を焼く。
☆ 説明: Recettes avec de la farine de blé noir de Bretagne
簡単レシピ①- 卵を入れると、生地がなめらかになり、焼いた色もきれい に仕上がる。
- 生地はラップをして、冷蔵庫で1~2時間寝かせる。
- 温度は高くし、しっかり油(オリーブオイルかバター)をしくこ と。
- ガレットが色づいたらひっくり返して、1分くらい焼く。
☆ 説明と動画: Recette Galettes de sarrasin
簡単レシピ ②クレープメーカーがなくてもできますよ、と見せています。
Galettes de blé noir - recette facile
- 水は 少しずつ入れていく。
- 生地は常温で4~5時間寝かせるのがポイント。
- フライパンにはバターをひく。
レストランなどでは、こういう風に先にたくさん作っておいて、もう一度温めて料理をのせて仕上げるというやり方をしていますね。
ブルターニュのクレプリー訪問本場ブルターニュのクレープ専門レストランを訪問しているテレビ番組。
Recette de saison : les véritables crêpes Bretonnes
- 手でよくかき回すのがポイント。シェフのお婆さんは、いつも25分 かき混ぜていたとか。
2人が試食しているときに言っている冗談がふるっています。シェフは「ブルターニュでは年に2回しか雨が降らなくて、晴天ばかりで素晴らしい」と言っているのです。ブルターニュは雨が多いことでもよく知られているのです。私が旅行したときも、晴天が多いはずの真夏なのに、1カ月の間、雨が全く降らない日は2日しかありませんでした!
ブルターニュ出身の2つ星シェフのレッスンシェフはブルターニュにレストランを持つOlivier Bellin。さすがシェフのこだわりが見えるレシピ。生地の固さもよく見える動画です。
La crêpe sarrasin d'Olivier Bellin
☆ 説明ページ: La crêpe sarrasin d'Olivier Bellin - DPDC - 05/03/2014
- 小麦粉とそば粉はふるいにかける。
- 水とミルクを加え、手でパタパタと生地を叩くことによって空気を入れな がら混ぜる。
- 混ぜ終わった生地は15分 間ねかせる(それ以上はダメ)。
- 焼く前に生地の固さを確かめ、水とミルクを加えて固さを調整する。
- フライパンにしいているのはラード。
ちなみに、ガレットにのせているのは、ブルターニュ特産のゲメネのアンドゥイユ。普通は加熱しないで食べますが、軽く焼いても油っぽくはならないのだと言っています。このソーセージについては過去に書いていました。
★ ブルターニュのソーセージ「ゲメネのアンドゥイユ」 2011/09/11
ガレットやクレープを食べるときに飲むのはシードルとばかり思っていたのですが、シェフは「lait ribot(レ・リボ)」と呼ぶ発酵ミルクもブルターニュではよくガレットを食べるときに飲まれるのだと言って、このときの料理にも添えています。
レ・リボもブルターニュ特産の発酵バターミルクだそうです。私は飲んだことがないので、どんな味なのかわかりません。これを扱っているショップが詳しく説明しているのでご覧ください。
ブルターニュにあるクレープとガレットの学校- ゲランドの粗塩を使う。
- そば粉は手でこねる。
- そば粉に水分が充分に染み込むように、最低でも4時間寝かせる。
- 発酵が進みすぎないために、水は冷たい水を使う。
◆ コツ: そば粉にこだわる
日本の蕎麦は、ほとんどが外国から輸入したそば粉を使っているのだと聞いたことがあります。フランスでもカナダや中国などから輸入したものが多く流通しているのだとか。
ブルターニュ地方で伝統的なガレットを守る会のサイトでは、地元ブルターニュで生産された蕎麦粉でないと本当に美味しいガレットはできないのだと主張していました。
IGP(Indication géographique protégée)という、生産地を限定した政府公認の品質マークを持つブルターニュ産のそば粉があります。「IGP Blé Noir Tradition Bretagne」という名前。
何種類かあるのですが、このショップではオーガニック(AB)を扱っていますね。
IGPそば粉を使っているとしたら、こだわりのクレープ専門店だと言えるかもしれません。普通のそば粉より多少高いお値段ですし。
IGPそば粉を使っているレストランを県名から探すページ:
☆ Crêperie utilisant la farine de Blé Noir de Bretagne par département
ところで、楽天市場で検索したら、フランス産のそば粉はほとんど扱っていないように見えました。
日本で普通に売っているそば粉にも色々な種類があります。日本のそば粉メーカーのサイトに、ガレットには何を選べば良いかというアドバイスがありました。
☆ ガレットのお店を出そうと思っています。 どのようなそば粉が合うのでしょうか?
このサイトを眺めたら、フランスで食べるのに近いガレットにするには、「【越前】丸挽き(挽きぐるみ)そば粉」をベースにして、「甘皮そば粉」を2~3割加えるとありました。つまり、少し粗いものが入った方がフランスの蕎麦粉に近くなるようです。
◆ コツ: 使う塩にこだわる?
塩は粗塩をしているのが目につきました。
のレシピでは、塩はgros sel gris de Guérande(ゲランドの粗塩)と特定しています。下の塩のことだと思います。ゲランドの天然塩は、フランスで最高と言われるブルターニュ特産の塩なので当然でしょうね。
☆ ゲランドの粗塩を楽天市場で検索
◆ コツは、そば粉を平手打ちのように打つこと?
本場の作り方は、手で粉をペタペタとこねることにあるのではないかと思いました。空気を混ぜ込むのだそうです。
下は6分弱の動画なのですが、ずっと粉を混ぜているだけです!
crepe pate sarrazin 2
この動画では、サラダオイル少しとミルクも少し混ぜているようですね。
パタパタと生地を叩く動作を、レシピでは「平手打ちを食らわす」というときに使うclaquerという単語で表現していました。日本でも「そばを打つ」と言いましたよね。こね方はガレットと似ているのでしょうか?
長野で友人の友人が、手討ち蕎麦のデモンストレーションをしてくださったことがありましたが忘れてしまったので、調べてみました。
☆ 動画: そばの打ち方 1
☆ 工程の説明: 十割手打ち蕎麦
日本のそば打ちは、後で包丁で切るのですから、液体に近いくらいにするガレットのように平手打ちはしませんね。でも、やはり同じように時間をかけて練っていました。
そば打ちには色々なやり方があるのだと思いますが、次のような工程の名前が出てきました:
水回し ⇒ 練り ⇒ 菊練り ⇒ へそ出し
◆ コツ: 焼き方
ガレットは、クレープより強火で焼くように感じます。火が弱いとカリっとは仕上がらないようです。ここには入れなかった素人がクレープを作っている動画では、クレープメーカーの温度は230度に調節すると良いと言っていました。
焼くには、クレープメーカーでも、フライパンでも良いようです。クレープメーカーの場合は、生地を薄くのばすトンボが必ず必要ですね。
クレープメーカーの使い方を見せる動画(焼いているのは小麦粉のクレープ):
Cours de cuisine :Utiliser une crêpière
- 種は一気にのせて焼くこと。
- ひっくり返すときに使うヘラは、鉄板と同じ大きさのものが良い。
このくらい勉強したら、私もガレットを焼けるようになるかな?...
生地は12時間でも寝かせておいて良いようなので、夜のうちに仕込んでおいて、朝食に焼いて食べるというのも良いな、と思いました。
ガレットについて調べていたら、新しい発見をしました。
童話『赤ずきんちゃん』の冒頭で、赤ずきんちゃんは、お土産を持って病気のお婆さんの見舞いに行くのですが、持っていった1つがガレットなのだそうです。まさか、そば粉のガレットは持っていかなかったでしょうから、どんなガレットを持っていったのが調べてみました。
赤ずきんちゃんが持っていったガレットとは、どんな食べ物?ブログ内リンク:
★ ノルマンディーといえば、クレープ? 2009/11/19
★ クレープの日なので、クレープ・シュゼットを食べる 2011/02/02
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
外部リンク:
☆ オシャレな“ガレット”の簡単な作り方【家庭で出来る!】
☆ レシピ: そば粉のガレット
☆ Terres celtes - Bretagne: Crêpes et galettes
☆ La véritable recette de la galette bretonne
☆ Wikipédia: Galette de sarrasin
☆ Association Blé Noir Tradition Bretagne
☆ ブルターニュのソバ粉 IGPに登録される
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少し前に、日本のクリスマスにはケンタッキー・フライドチキンを食べる人たちが大勢いると知って驚いたと書いていた私。フランスも?!... 世の中は狂っちゃった、と即座に思ったのですが、よく記事を読んでみると、想像したのとは少し違っていました。
◆ バーガーがフランスで人気急上昇。ファーストフード店でなくてもバーガーを出す
どうして一斉にバーガーの話題をクローズアップしているのかと思ったら、この2月5日と6日に、サンドイッチとスナックショー見本市(Salon Sandwich and snack show)というのがパリで開催されていたのでした。インターネットに出てきたニュースは、みなその時期に出たものでした。
ここ2年の間に、バーガーの売り上げは4割のアップ。
2000年には、販売量はサンドイッチ9個に対してバーガー1個の割合だったのに、2007年には7個に対して1個、そして2013年には2個に対して1個の割合にまでなったとのこと。
バーガーを食べる人がそんなにフランスにいるとは、信じられない思いがしました。 フランス人の4人に1人はパリ首都圏に住んでいるので、その人たちの動向が全体を動かしているのだろうとは想像しますが。
目に飛び込んできたのは、この数字。
国民1人あたりのバーガー販売量 ヨーロッパ諸国の比較
| 国 | 1年間に食べる数 (販売数 ÷ 人口) |
| イギリス: フランス: ドイツ: スペイン: イタリア: | 17個 14個 12個 8個 5個 |
イギリスがトップというのは納得できる。でも、フランス人がドイツ人より多く食べるというのには驚きです。 食べる人は頻繁に食べるのでしょうから、フランス人の誰もが年間に14個のバーガーを食べている、という数字ではありません。
イタリアでの消費量が少ないのは、この国には安くておいしいピザがあるからでしょうね。 スペインにはタパスがあるからかな?...
この調査によると、普通の伝統的なレストランでも、その75%がメニューに、少なくとも1種類のバーガーを入れているとのこと。信じられないけどな...。
とはいえ、フランスでは昨年、9億7,000個のハンバーガーが売られ、そのうち6億6,500万個はマクドナルドとクイック(Quick : ベルギー生まれでフランスに普及しているファーストフード店)となっていました。
やはり、7割近くは、純然たるファーストフード店で消費されるということですね。でも、内訳を見ると、社員食堂やホテルで出るのは少なくて、普通のレストランのバーガーは25%を占めているのでした。
さらに、バーガーをメニューに加えているレストランの3分の1では、バーガーが、フランスで人気メニューだった肩ロース肉のステーキなどを抜いて、最もよく出る料理になっているとのこと。
◆ フランス式サンドイッチは?
フランスの伝統的なサンドイッチと言えば、バゲットを使ったものです。何を挟んでも良いのですが、ハムとバターが最もポピュラーなのだそう。
だいいち、私は、1年か2年に1度くらいしか、サンドイッチを食べる機会がなかったと思います。私が付き合っているブルゴーニュの友人たちは食いしん坊な人たちばかりなので、お腹がすいていないからサンドイッチを食べたい、と私が言ったとしても、反対されますから。
フランスで普通にあるバゲットのサンドイッチの写真を入れようと思ったのですが、私の写真アルバムには、こんなのしか入っていませんでした。
これは、イベントで直売農家が生産物を使って作ったものを売っていたときのもの。2009年の撮影です。イベントでバーガーが売られているには、私はまだ出会っていません。いや、気をつけていなかっただけかもしれない。第一、パリの流行なんかは、ずっと後れてやってくる田舎にいるのだし...。
バゲットがおいしくて、挟んでいるものも美味しければ、フランス式サンドイッチも悪くはありません。記憶の中では、やたらに美味しいと思ったサンドイッチには3回出会っています。
でも、冷たい食べ物なので、サンドイッチしかないときでもないのに昼食として食べるには、やはり寂しいかもしれない。バーガーの方が色々挟めて面白いだろうか?... 挟むハンバーガーは暖かいのが普通なので、いちおう冷たい料理ではないわけです。
イタリア式サンドイッチらしき「パニーニ(Panini)」がフランスに入ってきたのは、ずいぶん前でした。
始めてパニーニに出会ったときには、フランス語でホット・サンドイッチという言い方をされたので、普通のフランス式サンドイッチを温めたものだと思いました。それは面白そうだと喜んで注文したのですが、店の人が変な白いパンを取り上げる。それなら、いらない、と断ったのでした。
パニーニは注文があってから焼くらしく、白いパンを並べて売っています。生焼けみたいなパンは美味しそうに見えないので、まだ一度も食べたことがありません。
画像を探してみました。こんな風に焼きあげるようです。 グリルに挟んでトースト、という感じなのですか?
Wikipediaのフランス語ページに入っているパニーニの写真をいただきました。そこにリンクしている日本語ページの「パニーノ」 に入っている写真は、フランス式サンドイッチに見えてしまう。それでは、とイタリア語ページを見たら、日本のと同じ写真が入っていました。
panini(パニーニ)はイタリア語のpanino(パニーノ)を複数にしたのでしょうが、イタリアのpaninoはトーストしてあるサンドイッチを意味するものではないらしい。ということは、フランスで売っているパニーニって、フランスでできたものなのかな?... ちなみに、paniniがフランス語の辞書に入ったのは1990年代なのだそう。
ともかく、パニーニはフランスでよく見かけるようにはなりましたが、バーガーほどには成功しなかったようです...。
◆ なぜバーガーに人気が集まるの?
バーガーの人気は、ここ5年足らずのうちに急激に伸びたわけなので、何かきっかけがあったのか知りたくなりました。でも、幾つか眺めた記事には、ずばりとした答えは書いてありませんでした。
大きな要因は、最近は不景気なので、安上がりの食事が好まれるからのようです。レストランでも普通の料理より安く食べられて、しかもフランス式サンドイッチとは違って暖かい料理なのが魅力とのこと。
それと、バーガーはインターナショナルな食べ物なので、フランスに多く訪れる外国人も安心して食べる。
確かに、不景気という要素は非常に大きいと思う。非常に質が高くて、それなのにリーズナブルプライスで食べられるレストランでさえも、ほとんど閑古鳥が鳴いているのは見慣れてきたので、まあ何とかなるのかと経営者のことを心配しなくなりました。
でも、フランスで外食すると非常に高くつきます。安そうなところに行っても、そう安いわけではない。下手すると、ミシュランの星を持つような平日ランチメニューより高くなってしまう。私などはたまにレストランに行く程度だから良いけれど、サラリーマンなど、頻繁に外食する必要がある人たちはどうしているのかと、前々から不思議でした。
フランス人に聞いたら、会社が食事代援助のクーポンを出したりしているとか、さらには労働者向けの安いレストランなども大きな町にはあるのだと返事されましたけれど...。
それから、外国人が喜ぶというのは、知っている食べ物だから安心というだけではないような気もします。あちこち観光したいと思っているとき、昼食に2時間もかけるなんて時間がもったいないと思う。
となったら、しゃれたレストランで「フランス式」なるバーガーをさっと食べるのも楽しいのではないのでしょうか? 時間の節約といったって、冷たいフランス式サンドイッチをかじるのは寂しいですから。
◆ バーガー・ブームの火付け役がいたのかな?
実は、昨年、かなりハイレベルの料理を作るシェフのレストランで、バーガーがメニューに入っているのを目撃していました。
そのときの日記:
★ フォアグラのハンバーガーなんか作らないで! 2013/05/04
客を呼び込むために、シェフがプライドを捨てて作っていたのだと私は思って、もう閉店に追い込まれているのではないかと心配してしまっていました。でも、このシェフはブームに乗っていただけだと、今回のニュースで理解できました。
流行に疎い私...。この際なので検索してみたら、フランスに住む日本人の方々が、食べた色々なバーガーの報告していらっしゃいました。
思い出せば、もっと前にミシュラン3つ星を持つシェフがバーガーを出しているのを知ったことがありました。リンクをとっておかなかったのが残念。もう探し出せませんでした。
マルク・ヴェラ(Marc Veyrat) という1950年生まれのシェフです。山菜を使った料理を出すことに興味を持って、どんな料理を出すのかと調べていたら出会いました。彼のレストランに食べにいらした日本人がブログに写真入りで紹介していて、そこで出された料理の中にバーガーが入っていたので仰天したのでした。
「21世紀の料理」とか題されたメニュー。なので、21世紀になる少し前の時期だったはずです。このときも、料理の腕があるシェフがバーガーなんか作って欲しくないと私は思ったのですが、あの頃にはバーガーがフランスで注目されていた、ということになるのでしょうね。
マルク・ヴェラは、バーガーの作り方もインターネットで出していました。
☆ Hamburger au Reblochon
トウモロコシ粉で作ったクレープをパンの代わりにしているので独創的。
ちなみに、この動画は2006年にアップロードされていました。
バカふざけしていて長々しく続く動画なので見ている気がしません。
手っ取り早く出来上がりの写真と書いたルブロション・バーガーのレシピを見るなら、こちら:
☆ Hamburger au Reblochon de Savoie, Recette du chef Marc Veyrat
彼はバーガーによほど思い入れがあったらしく、バンズ(buns)というバーガー独特のパンを使った彼の色々なレシピもインターネットで紹介されていました。
このシェフがバーガーブームの火付け役だったのではないかと思うのですが、これは私の単なる憶測にすぎません。
ところで、マルク・ヴェラは、夏用と冬用にレストランを2軒持っていたのですが、山のリゾート地にある方を売却したのに続いて、2009年には健康上の理由からとして活動を辞めると宣言していました。2008年にアヌシーにオーガニックのファーストフード店を開いたのですが、それからも閉店した様子。
3つ星を返上したとはいえ、活動を辞めたわけではないようです。私にとっては、ひところは一番気になる3つ星シェフだったのですが、その後は好きではなくなったので、彼の消息は追っていません。
◆ フランス式のバーガーは違う、と強調するフランス
最近のフランスでは、バーガーも立派な料理になるとしようとしているシェフたちがいるようです。3つ星シェフのYannick Allénoは、New York Timesのバーガー世界一を決めるコンクールで優勝したのだそう(2010年)。
フランスのニュースでは、バーガー人気を明るく受け止めようという意図からか、その点を強調している報道が目立ちました。
Les burgers ont la cote en France
フランス人の美食術はユネスコの無形遺産にもなっているので、フランス式バーガーはちょっと違うのだ、と言いたいのでしょうね。
少し前には、いい加減な食材を売ったりする企業が、この世界遺産というのを利用しているのが問題になって、ユネスコが登録を取り消すという噂も流れたこともありました。となると、バーガー・ブームも肯定的に報道しなければいけない、というわけ?
バーガーに限らず、貶されているジャンクフードだって、フランスタッチが加わると美味しくなる、と報道しています:
☆ 動画: "Junk food" n'est pas malbouffe
フィッシュ・アンド・チップスまで出てきたので驚きました。フランス人なら誰でもけなすのだろうと思っていたイギリス料理まで受け入れられていましたか...。
むかしは頑なに伝統的なフランス料理しか評価しい傾向にあったフランス人も、ずいぶん変わったのですね。
最近のフランスでは、日本食が大変なブームでもあります。初めのうちは、フランス人も日本食の良さを認めるようになったと大喜びしていたのですが、最近は、彼らの味覚の乱れが大きな原因ではないか、とさえ思うようになりました。
海苔巻せんべいを食べさせた女の子が、そのまま洗面所に直行されてしまったのが懐かしい。海藻と聞いただけで顔をしかめていた方が、フランス人としては自然だと思う。今では、初めて口にした人まで、「おいしい」などとおっしゃるのです。異常じゃないかな?...
それに、本物の日本料理を評価してくれるなら嬉しいけれど、私たち日本人からみれば偽物と言いたくなる日本料理を出す店があちこちにできてきていて、それがフランス人たちに喜ばれているのも楽しくはありません。
日本料理も世界遺産になりましたね。日本人は、もっと大らかかな。カレーライスやラーメンも、世界に誇る立派な日本料理だとおっしゃる方々があるので。
◆ バーガーには、上手な食べ方がある
バーガーに関するフランスのニュースを読んでいたら、日本人科学者が上手に食べる方法を教えている紹介している記事が幾つかありました。
食べ方なんて大げさではないかと思って、どういう食べ方なのかを探してみました。普通に食べると中味がはみ出て落ちてしまうので、それを避ける方法を見つけた先生のお話しなのでした。
その理論をアメリカ人が実験してみた動画だそうです:
How to Eat a Hamburger, According to Science
なるほどね...。日本のテレビ番組が話題になったのが世界に広まったようですね。伝授されたのは、東洋大学の望月修教授で、「ハンバーガーの理想的な食べ方」なのだそうです。
日本の科学者は、何でも研究なさいますね。フランスのニュースで、シャンペンをグラスに注いだときの泡の数を日本の先生がちゃんと数えた、というのも聞いたことがあります。
本当にハンバーガーって、食べ方に気をつけないとグシャグシャになってしまうものなのでしょうか? 学生時代には食べたことがあったはずですが、どんなだったか思い出しません。
上にいれた2つの動画で「フランス式」といっているバーガーを出すレストランでは、ナイフとフォークで食べるようでした。 あのパンを、普通のナイフで切れるのかな?... そういうのをアメリカ人が見たら、さすが美食の国フランスと感心するのかな? あるいは、滑稽だと笑ってしまうのか?...
こちらのフランスのバーガー・ブームの紹介では、食べ慣れているであろうオバマ大統領がバーガーを食べている写真を入れているのですが、法則どうりの手つきでなくても、中味がはみ出たりはしないように見えますけど...。
色々とバーガーについて書いたのですが、フランス式のを食べてみたい、という気にはなりませんでした。何にでも好奇心を持つ私なのに、なぜなのかな?...
追記(2021年7月):
ハンバーガーは一時的なブームなのだろうと思っていたのですが、相変わらずブームは続いているようです。美食の国と言われるフランスですが、フランス人の味覚はおかしくなっていると感じています。海苔なんかは気持ち悪いと言っていたのに、初めて食べて喜ぶようになったので。
私が付き合っているフランスの友人たちは伝統的な味覚を持っている人たちなので、フレンチ・タッチがあると言われるハンバーガーも食べたことがありません。
ルポルタージュがあったので、動画を入れておきます:
Les Rois du Burger
Burger : les dessous d'un plat mythique
外部リンク:
☆ CNN: 「美食」フランスでバーガー人気、バゲットの消費減退
☆ Figaro: En France, un sandwich vendu sur deux est un burger 05/02/2014
☆ Le Monde: Le burger, petits secrets à tous les étages 06/02/2014
☆ Libération: Les ventes de burgers en forte hausse en France
☆ Hamburger végétal
☆ フランス美食村: タグ「ハンバーガー」
☆ パリのハンバーガー
☆ Scientists Found the Most Efficient, Groundbreaking Way to Hold a Hamburger
☆ マルク・ヴェラ(Marc Veyrat)も、健康上の理由で三ツ星返上、そして閉店
☆ Le chef savoyard Marc Veyrat se lance dans les food-trucks
☆ Les français dingues du burger : effet de mode ou tendance de fond ?
☆ Le buzz du burger - Les nouvelles tendances de la gastronomie
内部リンク:
★ フォアグラのハンバーガーなんか作らないで!
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
★ 日本の人気クリスマス料理はファーストフード?! 2014/01/09
★ 簡単に食事したいときのお勧め、アシエット・グルマンドという料理 2006/06/30
★ シリーズ記事目次: フランスの外食事情とホームメイド認証 / 2015年4月
★ 目次: フランスの日本食ブーム
★ 総目次: テーマおよび連続記事ピックアップ
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★ クイズ: これは何でしょう? - 城のダイニングルームにあったもの 2013/09/26
戸棚の上に置いてあるアンティークは何でしょうというクイズだったのですが、大きさが分かるために人が入っている写真を入れます。
これが何であるか考えてくださった皆さま、どうもありがとうございます♪ みごとにコメントで正解を出してくださった方が2名ありました。
コメントのうち、正解がでたコメントは未開封のままで、なにげないヒントとして、これが何であるかの説明の前半を書いていました:
★ キリスト教にとってのパンとワイン 2013/09/30
これが何であるか答えを出してくださっても、腑に落ちないと思われた方もいらしたので、後半の説明を入れます。未開封にしていた正解コメントも開きます。
◆ 正解は、パンを保存する戸棚
クイズに出した立派な家具は、昔のフランスで使われていたパンを入れる戸棚でした。前回の日記(キリスト教にとってのパンとワイン)で書いたように、パンはイエスの体を象徴する神聖なもの。それで、パンを入れるために、こんな立派な戸棚を作ってしまったのでしょう。
フランスではPanetière(パヌティエール)と呼ばれる戸棚です。 仏和辞典では「(食堂の)パン戸棚」と訳していました。巡礼や羊飼いが持つパン袋も同じ用語なのだそうですが。
日本にいたときにキリスト教をほんの少し学ぶ機会があったのですが、キリスト教にパンとワインが深くかかわっていると意識するようになったのは、フランスに来てからです。そもそも「日々の糧」と聞いても、それがパンだとは思わないではないですか?
クリスチャンの方には、この家具を見ただけですぐにお分かりになるようです。
教会に置くとしたら、ミサのときにパンを聖別して信者に与える聖体を入れるという答えもありました。
でも、この家具の壁面は柵なので、パンを象徴する薄くて小さな聖体(ホスチア)を入れたら、柵からはみ出してきてしまうと思うのです。
☆ パン戸棚の解体図が入っているページ
聖体は壺に入れてから戸棚にしまうという方法もありますが、この戸棚の入口は小さいので不便なはず。 壺を入れるとしたら、前面が全て開く戸棚にしたと思います。
聖体を入れる容器(右の画像)は、フランス語ではPyxideと呼ぶのだそうです。
◆ 昔のフランスで食べていたパンは、バゲットではなかった
クイズで使ったようなパン戸棚は、フランスでは第一次世界戦争が終わった時期くらいまで使われていたそうです。
この戸棚にパンを入れるとしても、フランスパンは入れにくいだろうと感じるかもしれません。昔のフランスで普通に食べられていたのは、フランスパンの代表として知られている細長いバゲットではなかったのです。
Wikipediaからもらった画像なのですが、「Miche(ミッシュ)」と呼ばれる丸くて大きなパン。
1個の重さは約1.7キロと説明がされていました。
大きなフランスパンは1週間くらいたっても食べられますが、バゲットは焼いた翌日には固くなって、翌々日になるともう食べられなくなります。
つまり、バゲットは、毎日パンを買わせようとしたパン屋の発明?
今日のフランスで食べるパンとしてはバゲッドが最も多いのですが、バゲットが登場したのは大都会パリで、19世紀末です。
伝統的な日持ちのするパンよりもバゲットの方が売れるようになったのは、1920年代と言われます。田舎にバゲットが普及したのはもっと後になってから。 丸くなくて細長いパンが好きだとしても、大きなパンがありますので。
今日でもミッシュとかパン・ド・カンパーニュとかいう名で売られている大きなパンは、数日たっても問題なく食べられます。
昔のフランスには、共同で使えるパン焼き窯もありましたし(下の左と中央の写真)、農家など自宅にパン焼き窯がある田舎の家庭では、日曜日にパンをたくさん焼き、次の日曜日が来るまで食べていました。
着飾ってミサに行く日曜日。焼きたてのパンを食べることも、特別な日である印象を与えたことでしょう。
つまり、パン屋で簡単にパンを買うわけにはいかない時代は、クイズにしたような戸棚があって、幾つものパンをしまっていました。
アンティークのパン戸棚に大きなパンを重ねて入れたから、扉を開けて上から1つずつ取り出すので便利だっただろうと思います。
昔のフランス家庭では、丸い大きなパンをお父さんが胸に抱えて、家族に切り分けたのだそうです。
切り分ける前には、パンにナイフで十字を入れる風習がありました。
つまり、パンは神聖なものだったのでしょうね。
今日は、パン屋さんが十字模様を入れて焼いたものも売られています。
◆ パヌティエールと呼ぶパン戸棚
クイズにした美しいパン戸棚は、フランスではPanetière(パヌティエール)と呼ばれます。
ちなみに、パヌティエールは女性名詞なのですが、panetierと男性系にすると、昔の学校や兵営などのパン配給係り、王室のパン焼き役になります。 フランス語では、職業の名前が男性系で、その女性形は道具の名前というのが多いのです。
Googleフランスで画像検索した結果:
☆ 「panetière」を検索
☆ 「Panetière provençale」で検索
戸棚の横幅は80センチくらいのが多いようでした。
大きなパンが幾つ入るのか?...
でも、こんな贅沢な調度品は、豊かな家庭が使っていたものだろうと思います。大家族の農家が1週間食べられる大量のパンを保存するには小さすぎたでしょう。
柵で覆われているのは、パンが腐らないように通風を良くするため。
ネズミが入り込まないようにするために、足がついていました。 そんなくらいでネズミが入らないかなと思うのですが、足の高さは計算していたのでしょうね。
コメントをいただいて気がついたのですが、豪華なパン戸棚は富の象徴でもあっただろうと思いました。
プロヴァンス風パン戸棚は17世紀に登場しています。
18世紀にフランスの他の地方にも広がり、19世紀に爆発的に普及しました。置くのではなくて、壁に掛けられるスタイルも多くなったようですが、それでも伝統を重んじるために足は残しています。
フランスでは、第一次世界大戦後まで使われていたようです。その頃から、家庭や共同のパン焼き窯で焼いたパンを1週間も保存したりはせず、毎日パンを買うようになってからパン戸棚が必要になくなったということになるでしょう。
このような美しいパン戸棚は、アンティークショップでは人気のアイテムのようです。 画像が入っているページへのリンクを入れます:
☆ Panetière Provençale en Noyer Epoque XVIIIème (1,050ユーロ)
☆ アンティークショップでPanetièreを検索:
⇒ Panetière provencale en noyer (1,500ユーロ)
☆ Panetière Provençale, Époque Xviiième Siècle (2,500ユーロ)
書いた数字はアンティークショップで売っていた値段。20万円前後という感じですね。
◆ 昔のフランス人はたくさんパンを食べていた
18世紀、庶民はパンで主なカロリーをとっていて、1人1日あたり1キロも食べていたのだそう。
19世紀にはパンでお腹を膨らませる必要はなくなって消費が減り、現在のフランス人は1日に平均150グラムしか食べないのだそうです。130グラム、160グラムという記述もありました。
20世紀初頭のパンの消費に比べても、5分の1に減少しています。
バゲットの重さは200グラムから250グラム。朝昼晩で、1人がバゲット1本分も食べないというのは信じられない気がするのですけれど、そんなものかな...。
パヌティエールとよぶン戸棚に実用性はなくなったのですが、フランス人の食事にはパンが欠かせないので、現代風のパン戸棚や、バゲットを入れて台所に下げておく布製の袋などがあります。
パンを入れる戸棚でも、美しくない現代風のものはパヌティエール(panetière)とは呼ばず、 huche à pain(パン櫃) と呼ぶように感じました。高さ80センチ、横幅40センチくらいの、バゲットを入れるのに適した箱が典型的な形のようです。
☆ huche à painの画像をGoogleで検索
◆ フランス人は何にでも鍵をかけたがる?
アルフォンス・ドーデはプロヴァンス的なユーモアで、このパヌティエールのことをこう表現したのだそうです。
「腕が入る広い格子と金庫の錠前」
クイズにしたパン戸棚は、中に入れるものは丸見えなのに、鍵付きの扉があるのも特徴の1つだと思うので、そこをアップした写真を入れてみます。
パン戸棚の鍵はお父さんが持っていたという人もいたのですが、どこの家でもそうだったのかはわかりません。
鍵をかけておくのは、昔は大家族だったし、使用人も家の中にいましたから、盗まれないようにということがあったかも知れない。1週間に1回しか家でパンを焼かないとしたら、その次にパンを焼くまでの間になくなってしまったら困るので、子どものつまみ食いもさせなかったかのかな?...
でも、フランスの昔の家具というのは、衣装ダンスもそうだし、食器戸棚もそうですが、扉ごとに鍵がついています。扉を開けるための取っ手がないので、鍵を引っ張って開けることになります。
もちろん、イケアで売っているような現代風の安い家具、日本と同じように取っ手が付いています。でも、フランス人は古めかしい家具が好きなので、鍵が取っ手代わりの家具は非常に多いです。アンティーク家具でも、さすがに引き出しには取っ手がついていますが、2つの引き出しの間に鍵をつけたりしている。
普通の大きさのアンティーク調の食器戸棚に付いている鍵を数えてみたら、8つでした。1軒の家にある鍵を全部数えたら、どのくらいあるのだろう? ありすぎるので、数えてみる気もしません!
もしも鍵をかけて、それをどこかにしまったら、扉を開ける度に鍵を探すことになる。家具に鍵をかけているフランス人はいないと思います。でも、邪魔だからと鍵を抜いてしまったら、扉が開けることができないので、付けたままにしています。変なの...。
当然ながら、鍵を真っ直ぐに引っ張ると、鍵穴から鍵が抜けてしまいます。どうして取っ手をつけないのか、ずっと不思議に思っています。私はよく鍵を引き抜いてしまって、勢いがあまると鍵は家具の下に転がってしまったりするので、不便で仕方ないシステムだと恨みに思っているので!
フランス人は鍵をかけるのが好きではないかと思っていること、フランスにある扉が開けにくいことは、書くと長くなるので別の機会にします。
クイズ: これは何でしょう? - 城のダイニングルームにあったもの
クイズの出題 ⇒ ヒント ⇒ 解答
ブログ内リンク:
★ 目次: アンティーク、蚤の市などについて書いた記事
★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化
★ 目次: クイズを出した記事一覧
外部リンク:
☆ Quand le pain avait son écrin la panetière
☆ La panetière, le meuble provençal
☆ Wikipédia: Panetière provençale
☆ Wikipédia: Panetière
☆ Le Dictionnaire Pratique de Menuiserie - Ebénisterie - Charpente: Panetière
☆ Une brève histoire de la baguette en France
☆ Consommation de baguettes de pain en France
☆ 仏農水省: Les Français gros mangeurs de pain
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バゲットは、翌日にはもう固くなってしまいます。頑張って食べても、3日目には歯が立たないほど固くなる。
それで、どうするかというと、惜しげなく捨てるのです。田舎でウサギや鶏を飼っている家では、古パンは餌にするのはありますが。
◆ 硬くなったフランスパンでパン粉を作る
私は、固くなったパンを砕いてパン粉にします。
前回の日記「パンを主食にする文化って、不便...」で書いたように、遠くのパン屋まで行って、これは美味しいというパンを選んだのに、捨てるのはどうにも忍びない...。
とはいっても、パン粉はそんなに使うわけではないので、やはり捨てるパンも多いのですが。
パン粉を作るためにアイディア商品など買ったりもしたのですが、一番気に入った道具は、石臼。
中国系の店で売っていたものを買いました。 石をくりぬいた臼は非常に高いのですが、私が買ったのは粉にした石を固めて作ってあるとのこと。それで手が出る値段だったのでした。
ずっしりと重い石臼。
これに固くなったバゲットを入れて、付属の棒で軽く叩くと、簡単に粉になっていきます。
質の良いフランスパンを荒く砕いて作ったパン粉をフライにすると、日本で買うパン粉より美味しくできるので気に入っています。
カリカリ感がとても良いのです。日本に帰国するときには古パンを持って帰りたくなるほど! でも、そこまですることもないと思って、硬くなったパンをスーツケースに入れるのはやめていますけれど...。
◆ フランスのパン粉
パン粉を作るようになったのは、フランスで売っているパン粉(Chapelure)は粒が小さくて、日本の料理に使うには適さないというのも理由。
フランスのパン粉は、荒く挽いた小麦粉というような粒なのです。
肉屋さんの店先。手前にある茶色の粉をかぶっているのがそれ。
パン粉をまぶしてしまった料理というのは、フランスでは非常に庶民的で、好かれているとは感じません。それで、豚カツを作ると言うと、フランス人たちは良い顔をしてくれません。
私の特製パン粉ではパリっとあがるので、食べさせてしまうと美味しいと言われます。特に、カキフライは好評でした。
パン粉をまぶした料理に使うpaner(形容詞にするとpané)という単語が、フランス人の食欲をそそらないように感じます。
◆ 豚カツ
日本の友人の中に、豚カツは優れた日本料理なので世界に広めたいと言っている人がいます。
最近のフランスにある日本料理のレストランでも、豚カツを出すところがボツボツでてきたような気もします。フランスの日本料理店には、日本系と中国系があるのですが(後者が大半を占める)、豚カツをメニューにするのは日本系ではないかという気がします。私が日本料理をレストランで食べるのはごくまれなので、判断はできないのですが。
もしも日本系で豚カツを出しているのだとすると、日本人には豚カツは日本料理で、中国系の人たちにはそう思えないのかもしれない、という気もしてきます。
豚カツを説明するには、フランス人には「Porc pané(ポール・パネ)」と言えば、何であるか想像してもらえます。 でも、パン粉をまぶした「パネ」には良いイメージがない。
なので、私はフランス人が豚カツを好むかというのには疑問を持っています。
私が子どものころには、脂分が不足していました。
だから、学校給食で、コッペパンを揚げて砂糖をまぶした揚げパンがでるのがとても嬉しかった。 毎週、金曜日に出たメニュー♪
フランス人たちが思い出話しを語るとき、給食で出てきた不味い料理の話しをよくします。
でも、私が学校給食で思い出せるのは、好きだった揚げパンと、臭くて嫌いだった脱脂粉乳のミルクしかありません。
給食の定番として出る料理というのもあったはずなのに、何も覚えていない...。思い出したときに目に浮かぶのは、何を入れても不味そうに見えるアルミの食器くらいかな...。
◆ 豚カツの歴史
豚カツは、何となく伝統的な日本料理ではないような気がする。この際、調べてみました。
Wikipediaの「豚カツ」から要約してみると、トンカツの歴史というのは、次のようなものなのだそう。
明治洋食事始め ― とんかつの誕生 |
| 1872年 (明治5年): | 仮名垣魯文著『西洋料理通』に「ホールコットレット」として記述された。 ※ 油で揚げるのではなく、西洋風に油でソテーしたカツレツ |
| 1899年 (明治32年): | 銀座の洋食店「煉瓦亭」が「豚肉のカツレツ」をメニューに採用(のちに「ポークカツレツ」と改称される)。 牛肉でなく豚肉を使い、ソテー(炒め揚げ)ではなく天ぷらのように大量の油で揚げ、温野菜のかわりに生キャベツの千切りを添えて提供。 |
| 1932年 (昭和7年): | とんかつ専門店が次々と開店し、とんかつブームがおきる。 |
やはり、始めに作られたのは、西洋料理から入ったカツレツ。これを天ぷらのように油の中で揚げるのを考案したのが日本、ということらしい。
◆ コートレットという料理
豚カツのルーツとされるカツレツは、フランス語のcôtelette(コートレット)から来ているのだそう。
côtelette(コートレット)と聞くと、私は骨付き背肉(ロース)を思い浮かべるのですけれど、それを使ってソテーにする料理があるのでした。
※ Côtelette Pojarski(ポジェルスキー風コートレット)という料理は、子牛などの挽き肉をロース肉の断面の形にして、パン粉を付けて炒めた料理。
肉屋で、子牛にパン粉をまぶした肉を売っているのを見ますが、これがコートレットでしょうか? そのままフライパンにオイルを敷いて焼けば料理になるという形。
パン粉のキメが細かいと美味しそうには見えないので買ったことがありません。レストランで食べたこともないし、友人の家に行ったときに出てきたこともありません。
高度成長期になる前のフランスでは、貧しい家では肉はご馳走だったのだそう。肉にパン粉をまぶしてボリュームを出すのは、貧しい食卓だった時代の料理だったのではないかという気もします。
これだけ肉を大量に食べるフランスで、肉はご馳走だったというのは信じられないのですが...。そんな話しを書いた日記:
★ 田舎で育った人から昔の話しを聞くのが好き 2012/11/19
イタリアを旅行したときには、何だか分らなくて注文して出てきたのがコートレットだったのを思い出します。パサパサで、酷い料理だったので、もう20年以上たっているのに、ローマに到着して一番始めに食べたこの料理を、まざまざと覚えています。
イタリアでは付け合せの野菜を別に注文する風習があるのを全く知らなかったのも失敗。皿にパン粉をまぶした肉がのっているだけの、なんとも耐え難く、味気ない料理だったのでした。このときの恨みには根強いものがあるので、あれから、イタリアでは肉料理を注文するのをやめてしまっています!
◆ フランス式豚カツ?
トンカツの作り方を見せるフランスの動画があったので見たら、やはり使うのは「日本のパン粉」に限る、としていました。
日本のパン粉は「Panko」、あるいは「日本のパン粉」として、フランスでも市販もされていました。WikipediaにもPankoとして紹介しています(Bread crumbs)。
でも、この動画の豚カツの作り方は変ですよ~!
油で揚げないで、フライパンに油をしいて焼いているのです。これだと、豚カツのルーツのカツレツではないですか?!
レシピを紹介している男性は、「毎週食べたくなる」なんて言っていますが、ただ日本風のパン粉を使っているというだけではないですか? コメントには、日本のパン粉は市販もされているけれど、パン・ド・ミーの皮の部分を取り除けばできる、と言っている人もいますね。
私は、フランスパンから作ったパン粉の豚カツも美味しいと思うし、それは油でカラっと揚げているのが味を引き出しているのだと思うのですけど...。
もったいぶって豚カツのレシピを紹介しています。動画が入ったのは2013年4月なので、最近のフランスでの日本食ブームから、このレシピ・サイトでも入れたのでしょうね。
フランス人が作る日本料理も邪道が多いし、日本人がつくるフランス料理も日本人向けにアレンジしているものが多いので、自分が美味しいと喜べるなら何でも良いとは思います。
◆ フライヤー
なぜ、上に紹介した豚カツのレシピではソテーにしていたのか?
まず、フランスの料理には、カツやコロッケのように大量の油で揚げるという料理はほとんど存在していません。思いつくのは、フライドポテトと小魚の揚げ物くらい。
つまり、鍋に油をたくさん入れて揚げてくださいというレシピだと、フランス人は困ってしまうのではないでしょうか?
揚げ物をすると台所が汚れるというのも、嫌われる理由のはず。フランス人家庭の台所はピカピカに掃除しているので、私が天ぷらなどの油が飛び散ってしまう料理をすると、嫌な顔をされます!
フランスでフライドポテトなどを作るには、「friteuse
これだと、炊飯器のようにぴったり蓋を閉めてしまうので、油が飛ばないし、煙も出ないのです。
これに入れるのは、日本の天ぷら油のような液体ではなくて、Végétalineと呼ぶ固形の油を入れて溶かすのが普通だと思います。
でも、最近は進歩しているのを知らなかった! 右に画像を入れたものは「オイルなし」というタイプなのでした。
鍋の中にジャガイモを切ったものを入れて、スプーン1杯のオイルを入れるとフライドポテトができるのですって。
それで揚げ物ができるなら欲しくなる道具ですが、本当に揚げ物の味にでくるとは信じられない...。
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☆ オイルを使わないフライヤーを楽天市場で検索
メーカーのサイトにあるレシピは、こちら。
やはり、天ぷらなどには向かないように見えました。
ちょっと笑ってしまったのは、日本市場向けのサイズに見える器具なこと。
1回にはほんの少ししかできないみたい...。
これだと、フランス人1人分にしかならないですよ~。
日本のサイトでは100グラムのフライドポテトを作るのがレシピとして紹介されていました。でも、フランスアマゾンで売っているノンフライヤーでは、1.5キロのフライドポテトを作れるという記述でした!
硬くなってしまったパンをパン粉にするフランス人がどのくらいいるか分りませんが、もう1つ、有名な古パン再利用方法があります。
伝統的な料理のはずなのですが、フランスの伝統として残っているようにも見えないので気になる。それを次回に書きます。
⇒ フレンチトーストをフランス人は嫌う?
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★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き釜など
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☆ Que faire avec du pain rassis ?
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パン屋では売れ残りのパンを翌日に売るわけにはいかないので、余分には焼きません。それで、人口が多い大都会ならともかく、小さな町や村で夕方にパンを買いに行くと、何も残っていないという場面によく遭遇します。
◆ 美味しいパンがあれば、美味しい食事ができる
パンがないと食事にならないので困るのです。
日本だったら、急なお客さんが来ても、人数に合わせてご飯を炊けば良いので全く問題はないのに...。
むかしイギリスでホームステーしていたときには、パンの代わりに蒸かしたジャガイモが出たりもしたのですが、フランスではそういうことはやらないようです。
確かに、フランスの食事にはつきもののチーズを出して、それをジャガイモで食べろ、というのはありえない!
急の来客があるような家庭では、どこでもパンを冷凍してストックしているのではないかという気がします。
パンが美味しいかどうかで、食事はかなり左右されます。なんでもないパテでも、パンがおいしければどんどん食べられてしまう。
それで、買い物に行く町では、どこのパンが美味しいかを探しています。
最近のフランスはBIOブームで、どこの朝市でもオーガニック農家がパンを作って売っているような気がします。

無農薬の穀物で作ったパンは魅力的なのですが、ずっしりとしたパンなので好きではありません。無農薬だからパンが膨らまないということもないと思うので不思議。美味しいパンを作るというのは非常に難しいのではないかな?...
◆ 冷凍に耐えるパンを探す
私の場合は、歩いて行けるところにパン屋はないこともあって、簡単にパンを手に入れることができる環境にはありません。それで、冷凍に耐える質の良いパンを買いだめして、常にストックしています。
冷凍に耐えるパンは、おいそれとはありません。普通のバゲットを冷凍したら、解凍したときに皮がポロポロと剥げ落ちてしまって、どうしようもない姿になるのです。
選び方の第一条件は、皮が厚いパンだと思っています。さらに、解凍しても美味しいパンであるためには、工場で大量生産はされていないパン。これは、パンをひっくり返してみれば、すぐにわかります。
↓ こんな風なパンを買って、解凍したときに美味しいかを実験してみます。
パンを買って帰ったら、すぐに密封して冷凍。食べるときには、冷凍庫から出してからすぐ、少し温めたオーブンで5分焼きます。 すると、焼き立てのパン。冷凍したパンなわけですが、下手な普通のパンより遥かに美味しいです。
上には画像をいただけるものを入れたのですが、冷凍するために選ぶバケットは、もう少し細いのを選びます。高温でさっと解凍してしまうパンが良いからです。
毎日買いに行くことを与儀なくされ、翌々日になったら捨てるしかない。
昔のパンは、大きくて、1週間くらいは食べ続けることができたのです。
日曜日に焼きたてのパンを食べる。お父さんが大きなパンを胸にかかえて、そこに十字の印をつけてから、みんなに切り分ける。
... そんな昔の場面は映画などで見ただけなのですが、胸に抱えるほど大きなパンをスライスするのはちょっとした技術。
◆ 最近のお気に入りはビュシュロン
フランスで売っているパンには、バゲット以外にも色々な種類があるのですが、最近気に入っているのは「Bûcheron(ビュシュロン)」というパン。木こりの意味があるのですが、何で作っているのかは不明。ライ麦が入っているような気がします。
このパンの作り方を見せている動画:
Réalisation du Pain Bûcheron étapes par étapes, une recette parmi temps d'autres...
重さ15.2キロの巨大なビュシュロンを作っている動画:
Réalisation d'un Pain Bûcheron de 15.2 Kg, façonnage et cuissonバゲット3本くらいの大きさのを買っています。大きさが違ってできるので、目方で料金が決まるというもの。パン屋では機械でスライスもしてくれるのですが、私はそのままが気に入っています。
このパンは冷凍しません。スライスしたものを解凍すると、パサパサでおいしくない。丸のまま冷凍すると、解凍するのが難しいので実験していません。
切りながら食べていくのですが、1週間たっても食べられるパンなのです。
フランス式に、フキンでパンを包んで保管します。これは乾燥を防ぐためなのかな?... 2日たつと、パンの皮が軟らかくなりすぎてしまい、それをすぎると全体が固くなってきます。
それで、柔らかすぎるときは、オーブンでさっと焼いて皮をパリっとさせます。硬くなってしまったら、水滴をパラパラかけてオーブンで焼きます。
どうすれば、無駄なく、美味しいパンが食べられるか、実験しながら研究してしまう...。
こういうパンは「pains spéciaux(特殊パン)」と呼んで、普通のバゲットより高い値段になっています。そういうパンなのだし、なにしろ遠くのパン屋まで行って買っているので、残ったときに捨てるのは気がとがめるのです。
でも、普通のフランス人たちは、硬くなってしまったパンを惜しげなく捨てているのです。
古くなったパンに対しては「pain rassis」という言い方もあるのですが、その使い道について話しを続けます:
その1: ★ パン粉が気になる。ついでに、豚カツも気になった
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外部リンク:
☆ Pains spéciaux: lequel choisir?
☆ フランス人とパン-無しで生きていけない!-
【パリのパン屋情報 -Le Figaro 2013年】
☆ Les 5 pains spéciaux à Paris
☆ La meilleure baguette de Paris 2013 se trouve dans le XIVe
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シリーズ記事 【フランス人にとっての米】
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その1
フランス人は、米は南国でしか育たないと思っているようです。
フランスでの米の産地はカマルグ地方で、それは南仏の湿地帯です。それと、東南アジアなど、暑い国から米を輸入しているからできるイメージのよう。
日本では、東北地方が米の産地となっているので、私には納得できない考え方。それに、日本では水路を整備しているから、湿地帯でなくても水田があるのだし...。
日本で米に詳しい人に聞いたら、日本の寒冷地で米が生産されるのは品種改良をした結果であって、米はやはり暑いところで育つ植物なのだ、と言われました。
遅かりし! フランス人に、雪がたくさん降るような地域の方が美味しい米ができるのだ、と言ってしまっていた...。
◆ 米は野菜
むかし、米は野菜の1つだ、とフランス人に言われたときには驚きました。
でも、考えてみれば当然。ご版のように食べるのはパンなのですから、米は野菜の場しかない!
米が添えられた料理を見ると、確かに野菜だな... と感じます。
フランスに慣れていなかったころ、フランス人家庭に招待されると、よく米が付け合わせにされるので参りました。
私が日本人なので、米を出したら喜ぶと思って料理してくれたのは分かります。でも、米の付け合わせというのは余り好きではないのです。パンがあるときに、ご飯も食べる、というのは抵抗があるのです。
いつの間にか、私はフランス人と同じようにフランス料理を食べられる、と友人たちに分かったのか、米を出してあげても私が喜ばないせいか、最近はめったにライスを添えた料理を出されることはなくなりました。
あるいは、フランス人が米を余り食べなくなったのかな?...
フランス人は年に米7キロ食べる、という最近の統計がありました。
そんなに食べているとは、少し意外...。
◆ 外米とベタベタ米
外米はおいしくない、という感覚が、私には根付いていました。思えば、「外米」とは排他的な表現ですね。
在日外国人が「ガイジン」と呼ばれると侮辱されていると感じると言っていたのが印象に残ったので、「外国人」と言うように努力しています。「外米」という言い方も、「外人」と排他的に表現するように侮辱的な感覚があると感じるので、使うのは避けたくなります。
日本の食文化に欠かせない大豆などは輸入品に頼っているので、せめて米だけは国産を保護して欲しいとは思うのですけれど。
米に関してフランスで知ったのは、日本では「外米」と言って嫌われるパサパサの米が、とても美味しい場合もあることでした。
外米を食べる国では、そういうパサパサの米に合った料理を作っているのですよね。逆に、日本の米でパエーリャとか、リゾットなどの外国料理を作ったら美味しくない。
中華料理屋で食べるriz cantonais(チャーハン)が大好きだ、というフランス人がいました。
私も作れる。日本から持ってきた極上の米でチャーハンを作ってあげました。すると、「ベタベタでおいしくない」と言われてしまった! 日本で作って人に出すと、美味しいと褒められたりしていたので自信があったに、がっかり…。
確かに、フランスのチャイニーズレストランで出てくるチャーハンは、米がパラパラしていて、それが美味しいのでした…。
日本でパサパサの米を「外米」と言ってランクを下げるように、フランスではベタベタにひっつく米に対して、「riz collant」という呼び名があります。日本の米は、このカテゴリーに入れられます。
スーパーで安売りされていた米 ↓
細長い粒で、べたつかない、と明記されています。これがフランス人向けにはアピールするのです。
べたつく米は、フランス人には悪いイメージでした。最近のフランスでの寿司ブームのおかげで、寿司にはこれでなければいけない、として評価されるようになってきていますが。
でも、日本の普通の米と、エスニック料理などで使うモチ米と、フランス人は区別できるのかな?… Wikipediaのフランス語ページでは、みんなゴッチャにしていますよ...(riz gluant、riz glutineux、riz collant、riz doux)。
寿司パーティーをしたとき、日本から持ってきたササニシキのご飯を出したら、集まったフランス人たちから「米がこんなに美味しいとは思っていなかった」と絶賛されました。
日本の米には甘みというか、うまみというか、米そのものの風味があるのですよね。
もっとも、最近の私は、フランス人に白いご飯は出さなくなりました。混ぜご飯にした方が喜ばれるので。何も入れなくても、炊きあがってからバターを少し入れて出しています。酪農家の手作りバターだと、香りがあがって素晴らしくなるのです。
私も、その方が好きだし。子どもの頃には、毎日出される白いご飯が嫌で、お茶碗に入ったご飯に少し穴をあけ、そこにバターとお醤油をたらして食べていました。そんな変な食べ方をするのは私だけなのかな?...
◆ 非常に美味しかった黒い米
米は野菜のように料理の付け合わせで食べるので、パッケージは小型。でも、色々な種類が売られています。
見本市でメーカーが展示していた米
友人から、スーパーで簡単に手に入る良い米として勧められたのは、Taureau Ailéというメーカーのバスマティ。
南仏カマルグの米なのでした。
やっぱり、フランス人も国産が一番ですか。
フランスで、非常に美味しい米に出会ったこと米がありました。
ミシュランの3つ星を持つレストランに行ったとき、料理の付け合わせになって出てきた米。
びっくりするほど香りが高く、シャキとした触感がたまらなく良い。
この米をレストランのブティックで売っていたので、小さな袋を買いました。
見本として少し残しておいたはずなのを探しだしてみたら、パッケージにはバスマティと書いてある。
普通にフランスで書くバスマティは白い米なのですけれど...。
日本も同じようです:
☆ 日本で市販されているバスマティライスを検索
黒くて、非常に細い粒だったので、Riz sauvage(野生米)と呼ばれる種類かもしれない。Wikipédiaに入っているRiz sauvageに入っている画像と同じ米に見えるのですけれど、パッケージには「Basmati」と書いてあるのだから、それを信じるしかない。
あの米は何だったのだろう?...
後にも先にも食べたことがない美味しい米でした。 でも、調理法も良かったのだろうな...。
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シリーズ記事 【硬質小麦の粗びき粉】
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その3
私は「スムール(semoule)」と呼んでいる粗びき粉なのですが、日本では「クスクス」と呼ぶのが普及しているようです。
ネットショップで売られているかと「クスクス」を探してみると、この粗挽き粉がど~っと出てきます。
そんなに日本に普及している食材なのでしょうか?!
☆ 「クスクス」をキーワードにして楽天市場で検索
◆ クスクス粉と呼べば簡単なのだけれど...
硬質小麦の粉が日本語ではクスクスと呼ぶのが一般化しているのなら、クスクス粉と呼んでしまえば良いのでしょう。
フランス語でも、この食材をクスクス(couscous)と呼んでいるようでした。クスクスという有名な料理に使うということを分かりやすくするためなのではないかな?
でも、この食材、どうもよく分からない。
というのも、色々な単語が飛び出して、それが全部同じものと受け取って良いのかどうか分からなくなるからです。
どんな単語が出てきたのか、並べてみますね。
| フランス語 | semoule、semoule de blé dur、blé concassé boulghour、bourghol、boulgour、borghol、burghul couscous、pilpil |
| 日本語 | クスクス、ブルグール、ブルグル、ブルガー、ブルグア、 セモリナ、デュラムセモリナ粉、デュラム小麦、 ひき割り小麦、粗挽き小麦 |
こんなのを眺めていると、頭が混乱してくる!
これらがどう違うのか確かめるのは放棄したくなったのですが、少しは調べてみたのでメモしておきます。
まず、フランス語を辞書でひいて検証。
◆ semoule (スムール)
semoule(スムール)とは?
(1) セモリナ
- 硬質小麦(特にデュラム小麦)の粗びき粉。パスタ類、クスクスの材料
- 米、ソバ,トウモロコシなどのひきわり粉。プディング、フレークの材料
(2) 粒度の粗い粉状物
主に穀物を挽いた粉がスムールなわけですね。
思い出せば、sucre semouleはグラニュー糖だった。スムールに似たような大きさになった砂糖だからなのだろうな...。
辞書の説明では不十分なので、インターネットで製造法を探してみました。
スムールの製造法:
・小麦粉から作るスムールは、たいていは硬質小麦(blé dur)を使う。
・ふすまと胚芽を除いてから細かくくだき、水につける。
・生地を細い糸に整え、それを蒸し、乾燥し、顆粒状に整える(粒の大きさは大、中、小とある)。
普通の小麦粉のように製粉したというのではなくて、一度火を入れているのですね。
そう言われれば、タブレは、お湯でふくらませただけで食べるというのも納得できます。前回の日記(クスクスは手間のかかる料理)で書いたように、私はクスクスという料理で使うクスクス粉をふかす、というのが頭にあったので、タブレも同じようにするのだと思っていたわけです。
でも、お湯で膨らませただけで食べられるスムールなのに、クスクスを作るときには、あんなに手間をかけてむさなければならない、というのが新たな疑問になってしまう...。
◆ boulghour (ブルグール)
タブレを作るときと、クスクスを作るときでは、違うスムールを使うのだろうか?
Wikipédiaの「Taboulé(タブレ)」の項目を見ると、タブレの材料に使うのはboulghour(仏語)だと書いてありました。
☆ Wikipédia: Taboulé
boulghour(ブルグール)は、トルコ語のbulgurから入った単語。仏仏辞典によれば、この単語がフランスの文献に現れたのは1863年。
でも、この単語は仏和辞典には記載がありません。
Wikipédia のboulghourを見ると、日本語へのリンクがない。英語ではBulgurにリンクされているので(トルコ語なわけですね)、それを英和辞典でひくと、「ブルグア」という片仮名表記で出てきました。
でも、「ブルグア」は日本語としては一般化はされていないらしい。Wikipediaのboulghourに戻って、書いてあることを見たのですが、本当なのかどうかわからない。
詳しく製造法を書いているサイトがありました。
ブルグールの製造法:
・麦を半日水につけておく。
・水切りをし、2日か3日放置して発芽させる。
・1時間半ほど煮てから、ただちに乾燥させ、砕く。
スムールと同様に、ふかして乾燥させて砕くという3段階の作業は全く同じですね。
boulghourは、boulgour、bourghol、borghol、burghulと呼ばれることもあるのだそう。だとすると、日本語で色々な呼び名が使われているのも納得。
日本語のレシピの紹介では「ブルグール」という名前がよく使われていたのですが、その名前で商品を売ることはごく少ないようです。
日本のサイトを見ていると、「ブルガー」という呼び名が目立ちました。 それから、「ブルグル」と呼んでいるのもある。
◆ 硬質小麦(デュラム小麦)
スムールが好きな私なのですが、スパケッティも好きなのです。硬質小麦はおいしいのだな、と改めて感心。
ともかく、パスタを作るために硬質小麦粉を買う人もいるわけですよね。その場合は、小麦粉のような細かな粉になっている必要がある。
一方、クスクスやタブレを作るときには、ツブツブの形がなければいけない。
「デュラム小麦」ということで検索すると、パスタを作るための小麦粉が出てくる、という感じがしました。
| ☆ クスクスで検索 ☆ ブルガーで検索 ☆ ブルグールで検索 ☆ デュラム小麦で検索 |
◆ pilpil
スムールとブルグールの違いを調べていたら、pilpil(ピルピル)などという面白い名前のものまで出てきました。
レバノンのタブレにはこれを使うらしい。ふすま小麦を加熱して乾燥して砕いたものだけれど、粒子が細かいのだそうです。
見た目はスムールやブルグールにそっくりで、料理でも同じように使うとのこと。
◆ タブレには何を使えば良いの?
ここまで調べたのは、前々回の日記(暑いときに食べたくなるタブレ)を書いて、タブレを自分で作ってみたいと思ったからでした。
同じように見える小麦の粗びき粉の名称が色々とあるので、どれがタブレにできるのだろうと思ったわけです。
クスクスという料理は小麦の粗びき粉を蒸して準備するのに、スムールの方はお湯でふやかせば良いだけなので(レシピによっては水でしている)、粉の固さが違っていて当然ではないですか?
フランス語で説明を読んでいると、それぞれ違うことを言っているので、どれが本当なのか分からない!
フランス人でも違いが分からないらしくて、「どう違うのでしょう?」とフォーラムでやっているのが幾つもありました。
答えを紹介してみると...
(1) ブルグールは色々な穀物をミックスしていることが多い。
(2) クスクスよりブルグールの方が粒が大きい。
|
ただし、丸のままの粒だといけない。
一般的に、フランスではタブレにする定番はブルグール(boulghour)ということは言えるように感じました。
ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
★ 目次: 珍しい植物の食材 (野菜、穀物、ハーブ、山菜など)
情報(外部リンク):
☆ Guide santé: Semoule | Boulghour | Pilpil
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シリーズ記事 【硬質小麦の粗びき粉】
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その2
前回の日記「暑いときに食べたくなるタブレ」で、タブレと呼ぶサラダが簡単に作れてしまうことに驚いたと書いたのですが、それには理由があります。
フランスに普及しているマグレブ料理のクスクス(couscous)も、タブレと同じように硬質小麦を砕いた粉(スムール)が使われているのですが、この料理はとても手間がかかる料理だからです。
それで、タブレも、同じに時間をかけて作る料理なのだろうと思って、自分で作ろうと思ってみたこともありませんでした。
ところが、タブレは私にも簡単にできてしまいそうなレシピなのでした。
◆ タブレとクスクスのスムールは同じではなかった
フランスのお米の宣伝で、パラパラで、べたつかない米であることを見せているのがありました。スムールもそういうのがおいしい。
美味しいクスクス料理を出す店で、スムールのパラパラ具合を見せる写真を撮ってみたことがありました。
このでは、お持ち帰りのクスクスも売っていました。それで、これでタブレを作りたいから、ふかしたスムールを売って欲しいと言ったら、断られてしまいました。
クスクスとタブレでは、スムールの火の遠し方が違うので、クスクス用のスムールはタブレにできないと言うのです。
このくらいパラパラだったらタブレにしても美味しいだろうと思ったのですが...。
でも、考えてみると、この店のスムールはとても粉が細かいです。タブレのは、もう少し粒が大きくないといけない、というのもあるだろうな...。
まず、クスクスという料理がどんなものなのか書かなければいけないですね。
◆ クスクスという料理
でも、インド料理店ではなく、ただ家庭で作るカレーライスよりは上にランクします。
だって、色々なバーベキューが添え物になっているので、立派な一品になるのです。
フランスで気に入っているクスクス料理の店です↓
クスクスを食べに行った日のこと: (1) クスクスという料理 2008/09/16
フランスのクスクスは、お肉類も、スムールも、食べきれないほど、どさ~っと出てくるのがクスクスの特徴。
フランス人は、お腹がすいているときでないと食べられないボリュームだと言います。でも私は、生クリームこってりのフランス料理より、クスクスの方が胃にもたれないで食べられると感じているのですけど...。
もっとも、お肉たっぷりのクスクスというのはフランス式アレンジかもしれません。モロッコで食べたときは、野菜しかないクスクスなので、アレアレ... と思ったことがありました。
思えば、 パエーリャも同じかもしれません。この料理ができたときには、私たちが想像するように、魚介類がいっぱいのったのではなかったそうですから。
◆ クスクス鍋でふかす
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でも、料理するのは酷く手間がかかるのだそう。
まず、スムール(硬質小麦の粗びき粉)を「couscoussier」と呼ぶ特製鍋でふかすのが大変。
鍋で米を炊くときには蓋をずらしたり、火加減を変える、という程度の手間ではないのです。
途中で水を足して、かき混ぜたりもします。
Cuisine Orientale - La semoule du Couscous methode traditionnelle
この粉(スムール)をいかに上手にふかすかが、クスクスの味を決定します。
ベトベトになってしまうと、いただけない!
サラサラのスムールだと、お腹にもたれないので、いくらでも食べられてしまいます。
タブレも同じような硬質小麦の粗びき粉を使っているので、タブレを作るときも、ふかす必要があるのだろうと思っていました。ところが、タブレの方は、スムールにお湯を入れてふやかすだけで良いのでした。
ところで、この硬質小麦から作ったスムールというのは何なのだろうか?
調べてみました。
続きへ: クスクスやタブレに使う硬質小麦の粗びき粉は何?内部リンク :
★ クスクスを食べに行った日のこと: (1) クスクスという料理 2008/09/16
★ フランス人のお気に入り料理のトップになった「クスクス」が出た食事会 2011/09/22
★ 目次: フランスで食べる郷土料理、地方特産食品、外国料理
情報(外部リンク):
☆ 本場北アフリカのクスクスの蒸し方
☆ 「クスクス」をキーワードにして楽天市場で検索
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シリーズ記事 【硬質小麦の粗びき粉】
目次へ
その1
ふと、食べたくなったフランスの食べ物があります。
タブレ(taboulé)と呼ばれるサラダ。
どんなものなのかお見せするために写真を入れようと思ったのですが、フランスではありふれた料理なので写真をとっていないのでした。
私が得意とする(?)残り物再利用料理の記録にタブレが見えるので、その写真を入れておきます。
左側に写っているのがタブレで、右の緑色のは海藻サラダです。
フランスでよくあるパターンですが、ふらりとやって来た友人たちとおしゃべりしていたら食事の時間になったので、「食べていらっしゃいな」と誘ったときにお通しとして出した一皿です。
冷蔵庫の中を覗いてみると、まともに出すには量が足りないサラダが2品あったので、こんなものにしてしました。
◆ ゆずの葉を利用
残り物だというのをカモフラージュするために、柚子の葉を敷いてみました。
種から植木鉢で育てたユズはかなり大きく成長したのですが、こんな寒い国では、実はおろか、花も咲きそうにありません。
それで、ユズの葉を飾りに使うことにしました。
ユズの葉はツヤツヤしていて美しく、かなり強い香りがあるので、お皿の飾りにはもってこいではないですか?!
同じことを思う人はいるものですね。スイス在住の日本人の方が、やはりユズに実はなりそうもないと、葉を料理に使う方法を紹介されていました。
葉を糸のように細く切って... とあったのですが、その後にどうするかは忘れてしまいました。すぐに試してみたのですが、私には食べておいしいとは感じなかったので、ブログのURL保存していなかったのです。
脱線してしまいました!
タブレのお話しをしているのでした。
◆ お気に入りのタブレは...
上に入れた写真のタブレと海藻サラダは、時々行く魚屋さんで買ったものです。
この店のタブレは絶品♪
出来合いのお惣菜は、1ランクも数ランクも下にする私なのですが、自分でゼロから作っても、これだけにはならないと思う出来なのです。
何しろ、エビがたくさん入っていてるのが嬉しい♪
市販のタブレを買ったときには、むきエビか、ザリガニ(Écrevisse)を加えるのですが、この店のはその必要はありません。
それでも、いつも私が加えるのは、次のもの:
・細かくちぎったミントの葉
・トマトのみじん切り
・干しブドウ
・オリーブオイル
タブレに使われている、あの、何なのかよく知らない小麦粉の粗びき粉が好きなのです。
これが硬質小麦だ、ということだけは知っています。フランス人には「semoule(スムール)」といえば、このご飯みたいなもののことを言いたいのだ、と分かってもらえます。
ところで、タブレはレバノンが本場だそうですが、フランスではアフリカ旧植民地諸国の料理として普及しています。
レバノンのタブレは、パセリが多くて、スムールの量が少ないのが特徴なのだそう。それからレタスを入れたりもする。そう聞くと納得。タブレのレシピを探してみたのですが、これはフランスで食べる私が好きなタブレとは違う、というのが多かったのです。
私には美味しそうに見えなかったのも、 レバノンのはスムールが少ないからだったようです。
◆ タブレは簡単に作れるのだった!
タブレはさっぱりしているので、暑くて食欲がないときには料理です。
ああ~、あのタブレが食べたい!...
でも、今年の夏は日本で過ごしているので、おあずけ...
仕方がないので、タブレはどうやって作るのかを調べてみました。
何も出来合いものもを買う必要がないくらい、意外に簡単にできてしまうのでした!
☆ タブレ(簡単なクスクスの戻し方)
フランスの動画で、オーソドックスなタブレを作っているのをリンクしておきます:
La meilleure façon de... Réussir son taboulé - 750g
動画で見せてくださらなくったて... と思うほど、簡単。
ここでは4人前の材料として、以下のとおり:
・スムール(中粒) 200グラム
・ドマト 200グラム
・キュウリ 半分
・赤いピーマン 半分
・葉玉ねぎ 半分
・オリーブオイル 12cl
・レモン汁 5cl
・ミントの葉 半束
・パセリ 半束
・塩、コショウ
加える野菜は、このレシピにある食材である必要はなく、家にある野菜を使っていますが、全く問題なし。
◆ 日本でもタブレという料理が知られている?
フランスで「スムール」と呼ぶものを日本では何と呼ぶのだろうと調べてみたら、驚いたことに、日本でも存在していることを知りました。ただし「クスクスのサラダ」と呼ぶことが多いようです。
- 『クスクスサラダ』フランスの定番お惣菜!|シェフ三國の簡単レシピ - YouTube
- 【ヴィーガン】野菜を沢山食べたくなる美味しいクスクスのサラダ!作り方。vegan/Taboulé タブレ - YouTube
日本語で書かれたタブレのレシピを見ると、スムールは「クスクス」と呼ぶのが一般的なようです。それで、タブレを「クスクスのサラダ」という名前にしたのでしょう。
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でも、右に入れたのはモロッコ産なのですが、「クスクス」と大きく書いてあって、「硬質小麦のスムール」という文字は小さいですね。
そもそも、タブレに使うスムールと、クスクスに使うスムールは、原料としては同じものなのだろうか?...
この際、スムールとは何なのかを調べてみました。
続きへ: クスクスは手間のかかる料理内部リンク:
★ ピクニックに持って行くサラダにはタブレが最適? 2016/08/25
★ やって来た友達に食事を出せないと、そんなに気まずいの? 2007/02/13
★ 日本料理を作った夕食会のメニュー 2011/08/10
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事
★ 目次: 食材と料理に関して書いた日記のピックアップ
情報(外部リンク):
☆ パセリたっぷり! レバノン風タブレ
☆ 楽天市場でクスクスを検索
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