2012/03/17
シリーズ記事 【トルコ旅行記】
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その17
フランス発の団体旅行に参加したのは、今回で2回目でした。1回目はエジプトのナイル河くだり2週間の旅(+カイロ自由滞在1週間)。
2回とも感心したのは、ガイドさんの説明が非常に充実していること。もう、大学の講義なみです!
◆ フランス人は歴史好き
フランス人は歴史ある古いものが好きな国民だと感じます。イタリアやギリシャを旅行していると、海岸沿いで聞こえてくるのはドイツ語ばかり。遺跡にいくと、フランス語ばかり聞こえてきます。ギリシャに行くときに買ったフランス語のガイドブックに、「午後の暑い時間に外を歩いているのは犬とフランス人だけだ」と書いてあったのですが、本当にそうだったので笑ってしまいました!
それでも、ミュージアムに行く人の割合からいったら、芸術の国といわれるフランスより、日本の方がずっと高いのではないでしょうか?
過去1年間にミュージアムないし特別展に行ったことがあるフランス人の割合は、33%(2006年)。
・管理職・自由業: 65%
・学生: 41%
・サラリーマン: 30%
・農業者: 24%
・ブルーカラー: 17%
・失業者: 18%(入場無料にしているミュージアムが多いのに)
・無職・専業主婦: 20%(日本の専業主婦はもっと行っているのでは?)
日本とフランスには大きな違いがあると思います。フランス人は、芸術に興味がある人はミュージアムに行くけれど、興味がなければお金を払うようなミュージアムには入らない。日本の場合は、マスコミなどで騒がれると、興味がなくても行く。
そんなことに少し触れた過去に日記:
★ オルナン市のクールベ美術館 2011/10/03
歴史や文化に触れるツアーの場合、フランス人の参加者は「ただ、そこに行った」というのでは許されないのだろうな、と思います。ガイドさんの説明は、大学の講義と同じくらい内容がつまっています。
しっかりとメモをとっている人たちもいます。ぎっしりと小さな字でメモをとっているので、そばで見ていると感心してしまいます。日本で会社勤めしていたときには、休暇を有効に使うために海外旅行ツアーに参加することが多かったのですが、メモなんかとっている人がいたかな?...
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◆ トルコは歴史が複雑すぎる!
今回のトルコ8日間ツアーでも、ガイドさんの説明は実に詳しいものでした。でも、トルコの歴史は複雑なので、私はほとんどお手上げ状態。
思えば、美術史や文学史はフランス語で授業を受けたりしていましたが、歴史なんかはフランス語で勉強することがなかったのでした。歴史に登場する単語は、日本語ならピンとくることでも、フランス語で説明されると分からない...。
例えば、今回覚えた「イティット」という言葉。
それを聞いて、SF映画の題名「E.T.(イーティ)」を思い浮かべてしまった私。語尾に「ット」を付けて女性系? 宇宙人みたいに見たことがない民族を連想してしまって聞き流していたのですが、ブログを書きながら気になってきたので確認してみたら、「ヒッタイト」のことなのでした!
フランス語の綴りは Hittites。英語と同じでした。分からない単語があったら、まず、フランス人が発音しないHを付けてみろ、と自分に言い聞かせているのに...。
トルコ9,000年の歴史。ローマ帝国に支配された時代もあっただろうな、というのは難なく理解できますが、そのほかにも色々と出てきすぎますよ~!
トルコ人の戦士 725年 【アンドレア・ミニチュアズ】 |
それがポンポン出てくるうえに、トルコを侵略した国々の話しにも及ぶ。
隣接した国も、時代によって名前が違うので複雑。
さらに、関係があった民族についてもゾロゾロと出てくる...。
ガイドさんのフランス語は、トルコ訛りか何かで発音が不正確であったとしても、非常にクリアーで分かりやすい説明をしてくれたので私には助かりました。
でも、歴史が複雑すぎる! 日本語で説明を聞いたとしても、私の小さな頭は混乱したと思う...。
昔の話しなので、色々な伝説などにも触れます。
例えば、「王様の耳はロバの耳」とミダス王(ミーダス)の話しも出てきました。
これは、フランスのシンボルのマリアンヌがかぶっているフリジア帽。フランス革命期にこの帽子をかぶったのが起源なのですが、それはどういう経緯だったかな?... などと考えたりしていると、なぜガイドさんがミダス王の物語を長々としていたのか忘れてしまった...。
◆ トルコ人のガイドさん
ツアーに参加していたフランス人たちも、トルコの複雑な歴史をトルコ人のガイドさんがフランス語で説明することを称賛していました。
ガイドになる前は大学でフランス文化を教える教師をしていたのだそう。ガイドになったのは、トルコの歴史に興味を持っていたからでもあったからだろうと思いました。
ガイドさんは、トルコの歴史を起源前から始めて、バスに乗っている時間が長いときに続きの話しをしていました。
説明が長くなったとき、こんな冗談が飛び出しました。
ガイドの仕事はとても好きなのですが、もしも辞めることになったら、僕はフランスに行こうと思います。この仕事をしていて自分の才能に気がついたので、それをフランスで活かそうと思うんです。
フランスでする仕事は、ベビーシッターです。僕の声は、とても心地よい響きがあるらしいのです...。
つまり、長々と複雑なトルコの歴史の話しなんかしていると、ウトウトしてくる人たちがいる、ということなのでした!
そこでガイドさんは話しをストップ。でも、しっかりと、次のときには、中断した部分から続きの歴史を話していました!
でも、ガイドさんは愛国心が強くて、隣接する外国に敵対心を持っている発言をしていました。マユツバで聞かなければならない発言もあるので、ヨーロッパの国際関係などには疎い私には、よけいに複雑になりました。
面白かった例として、アレキサンダー大王。この人物には悪い感情を持っていないようでした。でも、ちょっと変...。なぜか、話しをそのまま聞いていたら、アレキサンダー大王はトルコ人みたいに聞こえたのです。
「アレキサンダー大王が、どこの人だかは言わなかったよね」などと、ちゃんとチェックしている人がいました。
「でも、アレキサンダー大王はマケドニア出身で、ギリシャ人じゃないよ」
トルコといえば、私には強大な勢力をもったオスマン帝国のイメージが強かったのですが、外国から侵略され続けたトルコの歴史を知ると、ガイドさんの気持ちも分かる気もしてきます。
日本は、モンゴルの襲撃にも台風に助けられたし、キリスト教徒の国に植民地にされることもなかったのは幸運でした。そんな日本だったのに、現代になったら、原発をたくさんつくって、自分で自分の首を絞めることになった...。
トルコの歴史のアウトラインを示しているサイト:
☆ トルコ歴史まるわかりガイド
☆ トルコの歴史と文明
☆ 東西より侵攻をうけたトルコの歴史 面白く分かりよく
☆ Wikipedia: トルコの歴史
この記事へのコメント
つい先日、渋谷のトルコ料理のレストランに行ってきたばかりなのですが、お会計の時、ひょっとレジスタの後ろを見上げると、そこにはケマル・アタチュルクの絵が飾ってありました。
そう言えば、新宿のトルコレストランに行った時も、たまたま私がアタチュルクの名前を知っていたことで歓待された記憶があります。
様々な民族と絶えず緊張する対峙を強いられてきたトルコ。また全時代的な圧政に苦しんできた歴史の中で、アタチュルクの名前と存在は今でも国民に深く敬愛されている事を実感しました。
渋谷のお店では、イスタンブールをついコンスタンティノープルと読んでしまった私に「イスタンブールです。」と誇らしげに訂正してくれたのは、まだ1年前トルコから来日したばかりという娘さんでした。
彼女の流暢な日本語に驚く私に「日本語はトルコ語に似ているから覚えやすい。」と。
トルコ旅行の記事、これからゆっくり拝見させていただこうと思います。
そう言えば、新宿のトルコレストランに行った時も、たまたま私がアタチュルクの名前を知っていたことで歓待された記憶があります。
様々な民族と絶えず緊張する対峙を強いられてきたトルコ。また全時代的な圧政に苦しんできた歴史の中で、アタチュルクの名前と存在は今でも国民に深く敬愛されている事を実感しました。
渋谷のお店では、イスタンブールをついコンスタンティノープルと読んでしまった私に「イスタンブールです。」と誇らしげに訂正してくれたのは、まだ1年前トルコから来日したばかりという娘さんでした。
彼女の流暢な日本語に驚く私に「日本語はトルコ語に似ているから覚えやすい。」と。
トルコ旅行の記事、これからゆっくり拝見させていただこうと思います。
変換ミスが多くてすみません!!
「全時代的」→「前時代的」
「コンスタンティノープルと読んでしまった」→「呼んでしまった」
「全時代的」→「前時代的」
「コンスタンティノープルと読んでしまった」→「呼んでしまった」
aostaさんへ
貴重なコメント、ありがとうございます♪ 実は、ガイドさんがトルコ万歳!的な解説をしているので、それがどこから来るのかと気になっていたのです。
それを聞きながら思ったのは、2つの可能性でした:
(1) ガイド職の人は、トルコが素晴らしいと語らなければいけないことになっている(あるいは、そう教育されている)。
(2) 2年間という兵役で愛国心を叩き込まれている。
でも、日本にあるトルコレストランでそうだったということは、私のガイドさん個人の特徴だったのではない、と結論できますね。
天災からは逃れられない日本ですが、地続きの国がないというのは恵まれているのだな... と、ヨーロッパにいると感じます。日本では、国が存続していく上で、国民のアイデンティティーを強調する必要もないですから。この度の旅行では、アジアとヨーロッパに挟まれたトルコという国の複雑さを知らされて、こういう国もあるのだ... と考えこまされました。
>彼女の流暢な日本語に驚く私に「日本語はトルコ語に似ているから覚えやすい。」と。
⇒ これは私も思いました。妙に似ている!
日本人から「ポルトガル人は、鎖国時代に通商していたので親日感情をもっている」と言われたことがあったので、フランスにいるポルトガル人に聞いてみたら、悲しいことに、日本との関係は全く無知なのでした。でも、なぜか、トルコ人は親日感情を持っていると感じます。
>トルコ旅行の記事、これからゆっくり拝見させていただこうと思います。
⇒ ありがとうございます♪ 自分で書きとめておきたいことをメモしているだけなので、読んでいただくのは気が引けるのですが、実は、aostaさんだったらどう答えられるか知りたかったことをクイズにした日記を書いています。
カッパドキアの奇妙な形の石を何に例える?:
http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-1578.html
つまらないことにまで興味を持ってしまう私なのですが、ご協力くださったら嬉しいです。
aostaさんへ
タイプミスには気がついかないで意味をとっていたのですが、追加コメントをいただいて、コンスタンティノープルについて書くのを忘れていたのに気がつきました。
>イスタンブールをついコンスタンティノープルと読んでしまった私に「イスタンブールです。」と誇らしげに訂正
⇒ そこにもこだわるのですね。イスタンブールに行ったとき、一緒に旅行したフランス人から、「イスタンブールではなくて、コンスタンティノーブルと呼ぼうよ」と言われていたのです。「その方が音の響きも良いでしょう?」と言われて、歴史的背景もわからずに「うん」と答えていた私でした。
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