2012/03/15
シリーズ記事 【トルコ旅行記】
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その14 古代ローマ時代の遺跡 (1) アスペンドス
私たちのツアーでは、トルコ到着はアンタルヤ空港でした。到着の翌日は、ホテルから近いところにあったモスクの見学、それから、船で川下りをしました。
モスクは立派でしたが、2年前に建設されたものなので、イスタンブールで見学したブルーモスクの見事さからいけば見劣りしてしまいます。イスラム文化の説明として、1つはモスクを見学させなければ、という意図だったのでしょうけれど。
川下りは時間の無駄と思われるスケジュール。雨が降っていたので、せっかく連れて行ってもらった地中海は灰色で美しくもない。
午後には、古代ローマの遺跡を見学するというので、朝から楽しみにしていました。
◆ アスペンドスのローマ劇場
アンタリヤ市から東に50Km弱のところにアスペンドス(Aspendos)の遺跡がありました。
この地方にはギリシャ人が紀元前1000年ころから移住し、古代ローマ時代になると、アスペンドスはパンフィリア地方の主要都市として栄えたのだそうです。
ガイドさんは、世界で最もよく保存されているローマ時代の円形劇場だと言っていて、私たちを案内しました。
なるほど、すごい! こんなに見事に保存されている劇場を見たのは初めてでした。遺跡が好きなので、トルコに来て良かった、とまで感激してしまいました。
15,000人を収容できるのだそうです。幅100m、奥行き70m、正面の壁の高さは22m。
建築されたのは紀元前2世紀だそうですが、見事な保存状態でした。
古代ローマ時代の劇場はあちこちに残っていて今日でも利用されていますが、座席となる石段の部分などは新しくつけているのに、ここは修復したところはごく少ないのです。
今回のトルコ旅行の1カ月前には、クロアチアのプーラで同じように古代ローマ時代につくられたコロシアムを見ていましたが、アスペンドスの方がインパクトが大きかったです。
プーラの遺跡について書いた日記:
★ クロアチアの名所旧跡を見学 2012/01/08
プーラの方が大きいのではありますすが、アスペンドスは正面の壁に彫刻などまで残っているのが素晴らしい。
この壁の上の部分に、くっきりと彫刻があるのが見えました。
掘り込まれているのはアポロンの像と言われています。
劇場を囲む2重の壁も、しっかりと保存されていました。
◆ 世界で最も保存状態が良いローマ劇場というのは誇張では?
フランスにもオランジュにローマ劇場があり、ここでは大きな音楽祭が開かれるので何度も行っています。でも、アスペンドスに比べたら、形しか残っていなかったのを修復した状態に過ぎないと思いました。
記憶に残っている見事な古代劇場は、イタリアやギリシャで幾つも見ています。でも、思い浮かぶのはギリシャ劇場でした。
ローマ劇場として、ここが世界で最も保存状態が良いのだろうか?...
ガイドさんの説明を何日間か続けて聞いていたら、彼は世界で最も優れているのはトルコだと言いきってしまう人だと分かってきたのです。
トルコから帰って数日たったとき、たまたまつけたテレビで海外取材番組をしていて、シリアに残るローマ劇場が出てきました。
世界遺産にも指定されていBosraのローマ劇場でした(Wikipedia情報)。 こちらは円柱も見事に残っていて、世界で最もよく保存されているというなら、ここではないかな? 他にも、もっと保存状態が良いものがあるのかも知れない。
アスペンドスのローマ劇場についてフランス情報を調べてみたら、ここの古代劇場は「最も保存状態が良いローマ劇場のひとつ」あるいは「小アジアで最も保存状態が良い」と表現されていました。やはり、ガイドさんはオーバーだったようです。
それでも、圧倒されるほどアスペンドスの劇場には感激しました。個人で旅行していたら1日中ここに残っている遺跡群の中を歩いたと思うけれど、団体旅行だとハイライトだけの観光になってしまうので残念...。アスペンドスにはアクロポリスや水道橋なども残っているのです。
情報リンク:
☆ Insecula: Aspendos ⇒ Théâtre d'Aspendos
☆ Wikipedia: Aspendos
☆ ☆ 世界大百科事典: 小アジア
☆ Wikipedia: ローマ劇場
次は、見学したもう一つのローマ遺跡をご紹介します。
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