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- ナショナルジオグラフィック日本版
- 2012年12月号
- 海に沈んだドッガーランド
海に沈んだドッガーランド
北海で引き揚げられた謎の人骨や人工物。それは、海底に消えた人々の暮らしを伝えるものだった。
北海の海底からは、ときに奇妙なものが引き揚げられる。人間のあごの骨、巨大な獣の牙、遠い昔に絶滅したサイの仲間の骨、磨かれた矢じり、模様が施された斧……。それらは遠い昔、「ドッガーランド」と呼ばれる大地に暮らしていた人々の痕跡だ。
ブリテン島の東方沖には、かつては陸地が広がり、狩猟採集民が暮らしていた。だが8200年ほど前、海面上昇が進むとともに、人々は慣れ親しんだ土地を追われていった。
気候変動に見舞われた中石器時代は、同じような状況に直面する私たち現代人が教訓にすべき時代でもある。当時の人々は、海面上昇にどう対処したのか。幻の大地「ドッガーランド」の謎を追う。
現在の北海の底がかつては陸地で、しかも多くの人々が住んでいたというのは興味深いですが、そこが陸地だった当時の地形がかなり詳細にわかっているのも驚きでした。1万6000年前から現在にかけて変わっていく陸地の範囲を示した地図は、必見です。川や湖のあった場所もはっきり描かれています。また、現在では英国であまり見かけなくなったツルは、ドッガーランドの人々の貴重な栄養源だったそうです。確かめようもありませんが、ツルって一体どんな味がするんだろうと考えてしまいました。(編集M.N)