Internet Archive に大量のパブリックドメイン映画がアップされています
正月休みは映画を観て過ごすという方も多いかと思います。うちのブログ的おすすめとして、パブリックドメインの映画はいかがでしょうか。
インターネットで、もちろん無料で、パブリックドメインとなった映画の配信を行っているサイトがあります。まずは、前にうちのブログでも紹介したと思いますが、 Public Domain Movie Torrents 。ただこれの利用のためにはBitTorrentのソフトが必要で、少々面倒。
そこで、ブラウザで観られるものとして、 Internet Archive はいかがでしょう。ここも検索が面倒ですが、Wikipediaに項目のある、インターネットアーカイブで観ることのできる映画一覧がありました。
Pages that link to "Template:Internet Archive film" - Wikipedia, the free encyclopedia
ただこれでも探すのは大変でしょうから、なにしろ1500以上もリストアップされていますからね…代表的なものをあげておきます。なお Internet Archive では他の動画形式と併存的にではありますがTheoraも採用しており、これに対応しているFirefox3.6などではローカルに保存せずともブラウザ上で再生することができます。それぞれのリンクから飛んだ先のページの左手側、 Ogg Video というのがそれです。
黄金狂時代
解説は不要ですよね。
戦艦ポチョムキン
これも解説不要ですな。
カリガリ博士
1920年のドイツ映画ですね。独特のセット、独特の演技、独特のメイク、独特の撮影技法、そして意外な結末。これも映画史に残る作品であり、かつ今観てもおもしろい。
月世界旅行
映画史といえば、複数のシーンがあり、また物語があるという点について世界初であるらしい映画としてこれをあげないワケにはいきませんな。今観ると映画というよりかは舞台演劇といった感じで、また科学考証もめちゃくちゃですが、なかなか味のある作品です。ちなみに日本語字幕版がこちらから観ることができます、CC-BY-NC-SAだそうですが。
プラン9・フロム・アウタースペース
世界最低映画の名高い作品ですね。詳細はググってみることをおすすめします。
ジャズ・シンガー
世界初のトーキーとして有名な作品です。人種差別的な描写を批判されることも多いと聞きますが…まあ、今人種差別を煽るような作品を撮る者があればそれはどうかと思いますが、歴史を遡って変えることはできませんし、悲しい歴史もあったという証拠しても残しておく意味はあるかと。
ロストワールド
ジュラシックパークではありませんよ、コナン・ドイルの小説の映画化です。ストップモーションで恐竜が動き回ります。怪獣映画はキングコングが最初だと聞いていましたが、どうやらそれよりも前があったようで。これは恐竜なので怪獣とは違うのかもしれませんが、どこかで巨大生物が見つかって、それが街に現れてパニックになるという怪獣映画の重要な要素をもつものです。ちなみにこの映画のワンシーン (1時間4分37秒あたり) が、米国のシチュエーションコメディ「アルフ」に使われていました、ゴジラとして。
スーパーマンシリーズ
みんな大好きスーパーマン。俺も大好きでした。これは1940年代に作られたアニメーション映画なので、悲しいことに戦争宣伝の要素がありますが… (ただ、軍需産業の不正を暴く、みたいなエピソードもあるのでそれ一辺倒ではありません) 。「やる夫で学ぶアニメの歴史」にこのアニメのことが言及されていまして、それによるとまず実写を撮ってそれをトレースするというものすごく面倒な手法が使われているとか。それと、登場するメカニカルモンスターはラピュタのロボット兵の元ネタと思われるということも書いてありました。
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
同HD版
ゾンビ映画の鬼才、ジョージ・A・ロメロの初ゾンビ作品。ゾンビをそれまでの魔導士によって魂を抜かれた奴隷 (ブードゥー教的ゾンビ) ではなく、自己増殖し人間に敵対するモンスターとして描いた初の映画とされています (ただし、このアイディアはロメロ氏オリジナルではなく小説 I am Legend からだそうですが) 。なお、ロメロ監督は存命で今も作品を撮っていると聞いていますが、米国の旧著作権法の扱い上パブリックドメインとなっているようです。
では、良い年末を、そして良いお年をお迎えください。
インターネットで、もちろん無料で、パブリックドメインとなった映画の配信を行っているサイトがあります。まずは、前にうちのブログでも紹介したと思いますが、 Public Domain Movie Torrents 。ただこれの利用のためにはBitTorrentのソフトが必要で、少々面倒。
そこで、ブラウザで観られるものとして、 Internet Archive はいかがでしょう。ここも検索が面倒ですが、Wikipediaに項目のある、インターネットアーカイブで観ることのできる映画一覧がありました。
Pages that link to "Template:Internet Archive film" - Wikipedia, the free encyclopedia
ただこれでも探すのは大変でしょうから、なにしろ1500以上もリストアップされていますからね…代表的なものをあげておきます。なお Internet Archive では他の動画形式と併存的にではありますがTheoraも採用しており、これに対応しているFirefox3.6などではローカルに保存せずともブラウザ上で再生することができます。それぞれのリンクから飛んだ先のページの左手側、 Ogg Video というのがそれです。
黄金狂時代
解説は不要ですよね。
戦艦ポチョムキン
これも解説不要ですな。
カリガリ博士
1920年のドイツ映画ですね。独特のセット、独特の演技、独特のメイク、独特の撮影技法、そして意外な結末。これも映画史に残る作品であり、かつ今観てもおもしろい。
月世界旅行
映画史といえば、複数のシーンがあり、また物語があるという点について世界初であるらしい映画としてこれをあげないワケにはいきませんな。今観ると映画というよりかは舞台演劇といった感じで、また科学考証もめちゃくちゃですが、なかなか味のある作品です。ちなみに日本語字幕版がこちらから観ることができます、CC-BY-NC-SAだそうですが。
プラン9・フロム・アウタースペース
世界最低映画の名高い作品ですね。詳細はググってみることをおすすめします。
ジャズ・シンガー
世界初のトーキーとして有名な作品です。人種差別的な描写を批判されることも多いと聞きますが…まあ、今人種差別を煽るような作品を撮る者があればそれはどうかと思いますが、歴史を遡って変えることはできませんし、悲しい歴史もあったという証拠しても残しておく意味はあるかと。
ロストワールド
ジュラシックパークではありませんよ、コナン・ドイルの小説の映画化です。ストップモーションで恐竜が動き回ります。怪獣映画はキングコングが最初だと聞いていましたが、どうやらそれよりも前があったようで。これは恐竜なので怪獣とは違うのかもしれませんが、どこかで巨大生物が見つかって、それが街に現れてパニックになるという怪獣映画の重要な要素をもつものです。ちなみにこの映画のワンシーン (1時間4分37秒あたり) が、米国のシチュエーションコメディ「アルフ」に使われていました、ゴジラとして。
スーパーマンシリーズ
みんな大好きスーパーマン。俺も大好きでした。これは1940年代に作られたアニメーション映画なので、悲しいことに戦争宣伝の要素がありますが… (ただ、軍需産業の不正を暴く、みたいなエピソードもあるのでそれ一辺倒ではありません) 。「やる夫で学ぶアニメの歴史」にこのアニメのことが言及されていまして、それによるとまず実写を撮ってそれをトレースするというものすごく面倒な手法が使われているとか。それと、登場するメカニカルモンスターはラピュタのロボット兵の元ネタと思われるということも書いてありました。
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
同HD版
ゾンビ映画の鬼才、ジョージ・A・ロメロの初ゾンビ作品。ゾンビをそれまでの魔導士によって魂を抜かれた奴隷 (ブードゥー教的ゾンビ) ではなく、自己増殖し人間に敵対するモンスターとして描いた初の映画とされています (ただし、このアイディアはロメロ氏オリジナルではなく小説 I am Legend からだそうですが) 。なお、ロメロ監督は存命で今も作品を撮っていると聞いていますが、米国の旧著作権法の扱い上パブリックドメインとなっているようです。
では、良い年末を、そして良いお年をお迎えください。
マジコンはいけないものか?
著作権法改正の話について、まずDVDが気になったのでそれについて書きました。マジコンについてはあまり考えなかったんだけれど、そんなにマジコンっていけないものかね?
先に断っておきますが、俺は私的利用にならないコピー、特にネットで不特定多数にばらまく・あるいはばらまける状態にすることはもちろんいけないと思っています。それは、それでお金儲けをする権利のある人の、その権利を間違いなく侵害しますから。
逆に言うと問題はそこであって、そこでしかないと思うんです。不正コピーがされればお金儲けの権利が侵害されますね。単純にコピーの数*売値=損害額とはいかないでしょうが、それによって支払い逃れをする奴 (つまり、不正コピーがなかったら買っていたであろう奴) の分は間違いなく損害でしょう。しかし、それさえなければ何も損害はないはずなんです。マジコンを全くの私的利用で使う分には、何か損害は出るんでしょうか?
今のマジコンがどんなになっているのか実は詳しく知りませんので、見当違いなことを言っているかもしれませんが。んー、これを報じるニュースには暗号解読が云々とありましたが…暗号を破る試みが悪だということですかね?
確かに、信書開封は刑法で罪とされています。しかし、紙の封と電磁的書類の暗号化ではまた性質が違います。開封した封筒にはその証拠が残りますが、解読された暗号化電子書類には証拠は残りません、残りようがありませんね。また、しっかりとした封筒に入れられていれば中身のコピーはできませんが、暗号化電子書類はコピーは完全に可能なのです。よって、実は機密がダダ漏れなのに誰も気づかないなんてことにもなりかねません。そこで暗号解読の試みが正当に存在できることは暗号の強度の保証となるはずです。例えばNTTでも研究されているようですし。悪い奴はどうせ禁止したってやりますしね。ですから、暗号解読を悪とするわけではないはずですし、そうだとしたらそれはおかしいです。
パソコンにデータを読み取らせることがいけない、というわけでもないはずで…ファミコンやスーファミを持っていた方。あなたのハードは動きますか?さすがに年月も経ちました、もう壊れてしまったという方も多いでしょう。品揃えのいい中古屋に行けば動くハードも置いていたりしますが、うーん、それだっていつ壊れるか分からないし、最近じゃ古い電化製品が発火するという事故もあると聞きます。今をときめく最新ハードもやがていつかはそうなる日が来ます。またファミコン・スーファミの話に戻らせてもらうと、ハードが生きていてもバッテリーバックアップカセットの電池が切れてしまっている場合もあります。
そういうときに、マジコンでパソコンに取り込んで、エミュレータ上でプレイするというのはいけないことなんでしょうか?エミュレータ、もう不正コピーの代名詞みたいな感がありますが、手持ちのカセットをマジコンで吸い上げて、別にそれをネットにアップすることもなく、個人的に楽しむのは何も問題はないはずです。「そのゲームで遊ぶ権利」を買っているんですから。悪いのはネットにアップしてばらまく奴。
今はWiiのバーチャルコンソールがあります、わざわざそんなことをする必要はなかろう、という声も聞こえて来そうですが…バーチャルコンソールが今まで販売された全てのソフトを網羅しているわけでもないでしょう。それにこれは図書館のような公的サービスとは違うので、今のところ拡大傾向にあるみたいでそれはすごく良いことですが、いつか突然サービス終了になるかも分かりません。それは任天堂の経営判断です。ソフトウェアの保存と利用継続のために、正当にマジコンを利用することはできると思います。
よって、俺にはマジコンを規制しなければならない理由がよく分かりません。
なお、以下は俺の勝手な想像になってしまいますが…マジコン・エミュレータがなかったらバーチャルコンソールもなかったんじゃないか?
理由ですが、まず、時期的な問題。エミュレータで、PC上でファミコンやスーファミを遊ぶことが流行ったのは90年代の終わりから00年代の前半であったと記憶しています。そして、バーチャルコンソール構想の発表がWikipediaによると2005年5月17日となっています。更にファミコンの名作のGBA移植「ファミコンミニ」シリーズの発売が2004年2月14日なんですよ (ファミコン20周年企画とのことですが、バーチャルコンソールの実験の要素が多分にあったと思います) 。ここ、エミュレータが盛り上がって危機感を覚えたか、あるいは商機を感じたかでこの商品を投入してきた、って気がしません?
内容的な問題もあります。例えばファミコンで発売したドラクエの、スーファミへの移植は、ソフトウェア用語の「移植 (Porting) 」ではなく、実質「リメイク」でした。音楽もグラフィックも、場合によっちゃストーリーまでスーファミの処理能力に合わせて豪華なものになっていました。ドラクエはエニックスですが、任天堂のものだって同じことが起きていました。「スーパーマリオコレクション」覚えています?しかし、ファミコンミニも、バーチャルコンソールもほぼ「移植」です。中にはバグすらそのままのものもあったとも聞きます。ハードウェアの処理能力はGBAだってスーファミの上を行っていて、Wiiなんかもっと上なんですから、不自然といえば不自然です。エミュレータによって、過去のゲームも「リメイク」しなくても「移植」で充分売れる、と気づいたのかな、と。
で、俺はバーチャルコンソールはマジコンとかエミュレータの影響を受けて生まれたものだと勝手に思っています。…勝手にとは書きましたが、影響がないとはいえないでしょ。ちなみに音楽の世界では、リリース予定のなかったライブ音源などが海賊版として出回り、それに対抗するために後から正規版が発売されるというのはよくあることです。で、マジコンがいざ規制されて、バーチャルコンソールでしか古いゲームが遊べなくなって、競争相手もいなくなったところで任天堂がバーチャルコンソールから情熱を失ったりしなければいいんですけれど。さすがにこの言い方は盗人猛々しいという感じですかね。
しかし、当時エミュレータで遊んでいた人って、そんなに悪い人たちでもないと思うんですよ。なぜなら、バーチャルコンソールが生まれた2005年以降も更新を続けているサイトはほとんどないから。探してご覧なさい、エミュレータの情報サイトはほとんど00年代前半で更新がストップしていますし、エミュレータ本体も開発停止状態になっているものが多いのです。彼らは、支払い逃れを目的とする悪い奴らじゃなくて、ただレトロゲームがやりたかっただけの可愛い奴なんじゃないかと俺は思うのです。
先に断っておきますが、俺は私的利用にならないコピー、特にネットで不特定多数にばらまく・あるいはばらまける状態にすることはもちろんいけないと思っています。それは、それでお金儲けをする権利のある人の、その権利を間違いなく侵害しますから。
逆に言うと問題はそこであって、そこでしかないと思うんです。不正コピーがされればお金儲けの権利が侵害されますね。単純にコピーの数*売値=損害額とはいかないでしょうが、それによって支払い逃れをする奴 (つまり、不正コピーがなかったら買っていたであろう奴) の分は間違いなく損害でしょう。しかし、それさえなければ何も損害はないはずなんです。マジコンを全くの私的利用で使う分には、何か損害は出るんでしょうか?
今のマジコンがどんなになっているのか実は詳しく知りませんので、見当違いなことを言っているかもしれませんが。んー、これを報じるニュースには暗号解読が云々とありましたが…暗号を破る試みが悪だということですかね?
確かに、信書開封は刑法で罪とされています。しかし、紙の封と電磁的書類の暗号化ではまた性質が違います。開封した封筒にはその証拠が残りますが、解読された暗号化電子書類には証拠は残りません、残りようがありませんね。また、しっかりとした封筒に入れられていれば中身のコピーはできませんが、暗号化電子書類はコピーは完全に可能なのです。よって、実は機密がダダ漏れなのに誰も気づかないなんてことにもなりかねません。そこで暗号解読の試みが正当に存在できることは暗号の強度の保証となるはずです。例えばNTTでも研究されているようですし。悪い奴はどうせ禁止したってやりますしね。ですから、暗号解読を悪とするわけではないはずですし、そうだとしたらそれはおかしいです。
パソコンにデータを読み取らせることがいけない、というわけでもないはずで…ファミコンやスーファミを持っていた方。あなたのハードは動きますか?さすがに年月も経ちました、もう壊れてしまったという方も多いでしょう。品揃えのいい中古屋に行けば動くハードも置いていたりしますが、うーん、それだっていつ壊れるか分からないし、最近じゃ古い電化製品が発火するという事故もあると聞きます。今をときめく最新ハードもやがていつかはそうなる日が来ます。またファミコン・スーファミの話に戻らせてもらうと、ハードが生きていてもバッテリーバックアップカセットの電池が切れてしまっている場合もあります。
そういうときに、マジコンでパソコンに取り込んで、エミュレータ上でプレイするというのはいけないことなんでしょうか?エミュレータ、もう不正コピーの代名詞みたいな感がありますが、手持ちのカセットをマジコンで吸い上げて、別にそれをネットにアップすることもなく、個人的に楽しむのは何も問題はないはずです。「そのゲームで遊ぶ権利」を買っているんですから。悪いのはネットにアップしてばらまく奴。
今はWiiのバーチャルコンソールがあります、わざわざそんなことをする必要はなかろう、という声も聞こえて来そうですが…バーチャルコンソールが今まで販売された全てのソフトを網羅しているわけでもないでしょう。それにこれは図書館のような公的サービスとは違うので、今のところ拡大傾向にあるみたいでそれはすごく良いことですが、いつか突然サービス終了になるかも分かりません。それは任天堂の経営判断です。ソフトウェアの保存と利用継続のために、正当にマジコンを利用することはできると思います。
よって、俺にはマジコンを規制しなければならない理由がよく分かりません。
なお、以下は俺の勝手な想像になってしまいますが…マジコン・エミュレータがなかったらバーチャルコンソールもなかったんじゃないか?
理由ですが、まず、時期的な問題。エミュレータで、PC上でファミコンやスーファミを遊ぶことが流行ったのは90年代の終わりから00年代の前半であったと記憶しています。そして、バーチャルコンソール構想の発表がWikipediaによると2005年5月17日となっています。更にファミコンの名作のGBA移植「ファミコンミニ」シリーズの発売が2004年2月14日なんですよ (ファミコン20周年企画とのことですが、バーチャルコンソールの実験の要素が多分にあったと思います) 。ここ、エミュレータが盛り上がって危機感を覚えたか、あるいは商機を感じたかでこの商品を投入してきた、って気がしません?
内容的な問題もあります。例えばファミコンで発売したドラクエの、スーファミへの移植は、ソフトウェア用語の「移植 (Porting) 」ではなく、実質「リメイク」でした。音楽もグラフィックも、場合によっちゃストーリーまでスーファミの処理能力に合わせて豪華なものになっていました。ドラクエはエニックスですが、任天堂のものだって同じことが起きていました。「スーパーマリオコレクション」覚えています?しかし、ファミコンミニも、バーチャルコンソールもほぼ「移植」です。中にはバグすらそのままのものもあったとも聞きます。ハードウェアの処理能力はGBAだってスーファミの上を行っていて、Wiiなんかもっと上なんですから、不自然といえば不自然です。エミュレータによって、過去のゲームも「リメイク」しなくても「移植」で充分売れる、と気づいたのかな、と。
で、俺はバーチャルコンソールはマジコンとかエミュレータの影響を受けて生まれたものだと勝手に思っています。…勝手にとは書きましたが、影響がないとはいえないでしょ。ちなみに音楽の世界では、リリース予定のなかったライブ音源などが海賊版として出回り、それに対抗するために後から正規版が発売されるというのはよくあることです。で、マジコンがいざ規制されて、バーチャルコンソールでしか古いゲームが遊べなくなって、競争相手もいなくなったところで任天堂がバーチャルコンソールから情熱を失ったりしなければいいんですけれど。さすがにこの言い方は盗人猛々しいという感じですかね。
しかし、当時エミュレータで遊んでいた人って、そんなに悪い人たちでもないと思うんですよ。なぜなら、バーチャルコンソールが生まれた2005年以降も更新を続けているサイトはほとんどないから。探してご覧なさい、エミュレータの情報サイトはほとんど00年代前半で更新がストップしていますし、エミュレータ本体も開発停止状態になっているものが多いのです。彼らは、支払い逃れを目的とする悪い奴らじゃなくて、ただレトロゲームがやりたかっただけの可愛い奴なんじゃないかと俺は思うのです。
DVDコピー違法化に反対、では著作権侵害にはどうすべきか?
DVDコピーの違法化について、友人から「じゃあ著作権侵害にはどう対処するべきなのかな」と質問を受けました。
俺はうまく答えられませんでした。前の記事に書いたことくらいしか。あと、暗号解読の自由がむしろ暗号の安全性の担保になることも言いましたが、まあそれは今回のこととはあまり関係がないかな。
ところで、アクセス解析を見ていると「DVDコピー、家庭内も禁止へ libdvdcss」というキーワードでうちのブログに飛んできてくれた方がいました。俺もググってみると、こちらのサイトさんがトップになっていました。
DVDコピー、家庭内も禁止へ 暗号で保護のソフト対象 - いくやの斬鉄日記
---ここから、上記記事からの引用---
この改正によって違法コピーが減るのかどうなのかはよくわかりませんし、正規に購入している人(私のことだ)は不便になるしで、いったい誰が得するのかよくわかりません。
(中略)
確かに現状リッピング自体は違法ではありませんが、アップロードは違法です(ついでに今はダウンロードも違法ですね)。
---引用ここまで---
そうだ、こういうことですよ。無権限でのアップロード・ダウンロードが違法なんだから、それで充分じゃないか (俺はダウンロード違法化は反対ですが、無権限で不特定多数にばらまける状態にすることが悪だということに異はありません) 。その人が手元ですることまで規制することに、何の利益もないはず。現実の損害はアップロードさえなければありえないんですから。正当な利用者に不利益を課すことはむしろ不正の助長になるというのはこれも前に書きました。
改めて、反対の意思を表明します。「いくやの斬鉄日記」さん、ありがとうございます。
ところで、先ほどの記事の、コメント欄からも引用。
---引用ここから---
前々から
「バックアップを作らせないのだから、絶版にするなよ」
とは思ってました。
---引用ここまで---
これも大きな問題です。絶版になっている、しかし著作権の切れていないものについての正当な利用についても考えるべきです。漫画についてはすこし進展がありましたね。
俺はうまく答えられませんでした。前の記事に書いたことくらいしか。あと、暗号解読の自由がむしろ暗号の安全性の担保になることも言いましたが、まあそれは今回のこととはあまり関係がないかな。
ところで、アクセス解析を見ていると「DVDコピー、家庭内も禁止へ libdvdcss」というキーワードでうちのブログに飛んできてくれた方がいました。俺もググってみると、こちらのサイトさんがトップになっていました。
DVDコピー、家庭内も禁止へ 暗号で保護のソフト対象 - いくやの斬鉄日記
---ここから、上記記事からの引用---
この改正によって違法コピーが減るのかどうなのかはよくわかりませんし、正規に購入している人(私のことだ)は不便になるしで、いったい誰が得するのかよくわかりません。
(中略)
確かに現状リッピング自体は違法ではありませんが、アップロードは違法です(ついでに今はダウンロードも違法ですね)。
---引用ここまで---
そうだ、こういうことですよ。無権限でのアップロード・ダウンロードが違法なんだから、それで充分じゃないか (俺はダウンロード違法化は反対ですが、無権限で不特定多数にばらまける状態にすることが悪だということに異はありません) 。その人が手元ですることまで規制することに、何の利益もないはず。現実の損害はアップロードさえなければありえないんですから。正当な利用者に不利益を課すことはむしろ不正の助長になるというのはこれも前に書きました。
改めて、反対の意思を表明します。「いくやの斬鉄日記」さん、ありがとうございます。
ところで、先ほどの記事の、コメント欄からも引用。
---引用ここから---
前々から
「バックアップを作らせないのだから、絶版にするなよ」
とは思ってました。
---引用ここまで---
これも大きな問題です。絶版になっている、しかし著作権の切れていないものについての正当な利用についても考えるべきです。漫画についてはすこし進展がありましたね。
絶版漫画をPDFにしてネットで配信する赤松健氏のプロジェクト、βテスト開始
赤松健氏の、絶版漫画をPDFにしてネットで配信するプロジェクト、以前ご紹介しましたが、ベータテストが始まったようです。
Jコミ
Debian squeeze/sid の evince + poppler-data で読み込むと、この様になりました。
問題なく表示されています。
ただ…例えば3ページ目など、文字だけで構成されているページまで画像扱いってのはちょっと美しくないですよね。PDFには文字も取り込めるんだからそこは文字でよかったんじゃないでしょうか。
それともうひとつ、本当にサイトの屋号は「Jコミ」で行くのですね…。もうちょっと伝わる屋号にはできなかったんでしょうか。
俺は小学生のころ、タイトルは内容が何なのかを示しつつ、人の興味を引くものでなければならないと教わりました。そして、それとほぼ同時期にテレビで見たことによると、横文字はキャッチーな気がするが、今日の世の中は横文字で溢れているので意外に目を引かず、しかも内容が伝わりにくいとのことでした。
今でもよく覚えています。その番組で示されていた実例ですが、ある下着メーカーが特別な加工を施した革靴の中でも蒸れにくく嫌な匂いも生じにくい靴下を開発し、これを「フレッシュライフ」と名づけて販売したそうですが、全く売れなかったそうな。それでこれを「通勤快足」に名前を変えて売ってみたところ今度は飛ぶように売れた、という話。何となく分かってもらえますかね。「フレッシュ」も「ライフ」も割とありきたりな言葉である上、何がフレッシュなのかもよく分かりません。いや、ライフがフレッシュなんでしょうけれど、そのライフというのが結構漠然とした概念ですからねえ。逆に通勤快足なら、混雑した電車通勤でも足が快適である、というものだと一発で伝わりますわね (日本人限定ではありますけれど) 。通勤快速の混雑イメージと、その音感と、漢字の持つ情報性を見事に利用した例ですよ。
まあここまで素晴らしい例はそうそうないものでしょう。これを引き合いに出すのはさすがに悪い気はしますが、「Jコミ」という屋号のどこにも絶版漫画の (広告つき) 無料配信という要素はないわけで。しかも、こういっちゃ何ですが、すんごいありきたりな感じでもありますし。特に今、赤松氏も指摘しているように、漫画のネット配信サービスはたくさんあるんです。それらと一緒のものだと思われちゃ困るでしょう。俺だって、このサービスを応援したいと思う身、それは嫌です (ところかまわず性的な内容を含む広告を垂れるサイトも多く、悪い印象を持っている人も少なくないのです) 。もうちょっと伝わる屋号にはできませんかね。今更遅いか。
…余談の方が長くなってしまった。しかし俺はこのサービスを応援したいと思っています。みなさんも、ダウンロードして、広告クリックして、もしよかったら現在連載中の作品も手にしてみようじゃありませんか。
追記
あくまで「伝わりにくい」「意外とキャッチーじゃない」としたたけで、横文字がいけないというわけではありませんよ。
Jコミ
Debian squeeze/sid の evince + poppler-data で読み込むと、この様になりました。
問題なく表示されています。
ただ…例えば3ページ目など、文字だけで構成されているページまで画像扱いってのはちょっと美しくないですよね。PDFには文字も取り込めるんだからそこは文字でよかったんじゃないでしょうか。
それともうひとつ、本当にサイトの屋号は「Jコミ」で行くのですね…。もうちょっと伝わる屋号にはできなかったんでしょうか。
俺は小学生のころ、タイトルは内容が何なのかを示しつつ、人の興味を引くものでなければならないと教わりました。そして、それとほぼ同時期にテレビで見たことによると、横文字はキャッチーな気がするが、今日の世の中は横文字で溢れているので意外に目を引かず、しかも内容が伝わりにくいとのことでした。
今でもよく覚えています。その番組で示されていた実例ですが、ある下着メーカーが特別な加工を施した革靴の中でも蒸れにくく嫌な匂いも生じにくい靴下を開発し、これを「フレッシュライフ」と名づけて販売したそうですが、全く売れなかったそうな。それでこれを「通勤快足」に名前を変えて売ってみたところ今度は飛ぶように売れた、という話。何となく分かってもらえますかね。「フレッシュ」も「ライフ」も割とありきたりな言葉である上、何がフレッシュなのかもよく分かりません。いや、ライフがフレッシュなんでしょうけれど、そのライフというのが結構漠然とした概念ですからねえ。逆に通勤快足なら、混雑した電車通勤でも足が快適である、というものだと一発で伝わりますわね (日本人限定ではありますけれど) 。通勤快速の混雑イメージと、その音感と、漢字の持つ情報性を見事に利用した例ですよ。
ちなみに俺はその商品名とこの逸話はよく覚えているんですが、このメーカーの名前は全く思い出せません。今ググってみたら「レナウン」さんだそうです。
まあここまで素晴らしい例はそうそうないものでしょう。これを引き合いに出すのはさすがに悪い気はしますが、「Jコミ」という屋号のどこにも絶版漫画の (広告つき) 無料配信という要素はないわけで。しかも、こういっちゃ何ですが、すんごいありきたりな感じでもありますし。特に今、赤松氏も指摘しているように、漫画のネット配信サービスはたくさんあるんです。それらと一緒のものだと思われちゃ困るでしょう。俺だって、このサービスを応援したいと思う身、それは嫌です (ところかまわず性的な内容を含む広告を垂れるサイトも多く、悪い印象を持っている人も少なくないのです) 。もうちょっと伝わる屋号にはできませんかね。今更遅いか。
…余談の方が長くなってしまった。しかし俺はこのサービスを応援したいと思っています。みなさんも、ダウンロードして、広告クリックして、もしよかったら現在連載中の作品も手にしてみようじゃありませんか。
追記
あくまで「伝わりにくい」「意外とキャッチーじゃない」としたたけで、横文字がいけないというわけではありませんよ。
DVDのコピー禁止を法律に盛り込むことに強く反対します
asahi.com(朝日新聞社):DVDコピー、家庭内も禁止へ 暗号で保護のソフト対象 - 社会
DVDのコピー禁止を法律に盛り込むことに強く反対します。なぜなら、Linux上でのDVD視聴が不可能になりかねないからです。
Linux上では、 Content Scramble System (以下CSS) というアクセスコントロールのかかったDVDの内容にアクセスするために、libdvdcss2というものを利用します。これは、DVDプレーヤーに搭載されていたCSS解除アルゴリズムを、当時十代であったノルウェーのプログラマー、ヨン・レック・ヨハンセン氏が解析したものだそうです。氏は著作権法違反で起訴さましたが無罪となりました。それゆえ、libdvdcss2はLinux界で広く使われるようになり、LinuxでもDVDが楽しめるようになったのです。
このlibdvdcss2、「保護を破るプログラムの製造や配布」に当たるということにされかねません。これが入手できなくなると、LinuxでDVDを再生する術がなくなります。
…そんなバカな、だって?WindowsにだってCSSを通じてDVDにアクセスするのにはデコーダを買って用意する必要があり (例えばPowerDVDなんかにはデコーダが含まれている、これをインストールしない状態でWMPでDVDを見ようとすると、デコーダを買えと言われる) 、Linuxでも正規のデコーダを販売するようになればいいだけの話だろうと?
たぶん、そうそううまくはいかないと思います。
「オープンソースDRM」の不可能性について - SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載
どうでしょう?デコーダの権利者が、Linux用の正規のデコーダを配布することを許すでしょうか?オープンソースOSでこれを走らせることはコントロールの潜脱になるとか解釈されはしないでしょうか。
では、オープンソースによるソフトウェア開発そのものが悪いのでしょうか?こんなコンテンツ保護のできないシステムが悪だと言われてしまいそうですが…俺はそうは思いません、むしろ極めて健全なソフトウェア開発形態であると思います。
人間は、その歴史の中で培われた膨大な知識を、書とすることで保存してきました。小中高と通った人はその授業で教科書を使ったでしょう。大学に入ったら、専門書を買ったり図書館で借りたりしてそれで勉強したでしょう。偉い学者も、既になされた知の蓄積を無視して仕事をすることは絶対にないと言えるでしょう。この人間の知の営みは、誰も否定できないものです。では、先人のソースコードを元に新たなソフトウェアを開発しさらにそのソースコードを公開するこのオープンソースの取り組みと、ソースコードをその価値がなくなるまで隠し続け社会には還元しないクローズドな開発、どちらが健全でしょうか。後者は人類の知の営みの歴史から外れるという意味ではすごく不健全です、いけないことであるとまでは言えませんが。
今日、様々なところでLinuxが利用されています。サーバー、組み込みシステムはもちろんのこと、PC用OSとしての世界シェアも調査によってばらつきはあるものの概ね1%前後の数値を獲得しています。また、一部の地方自治体にOOoが採用され、中にはUbuntuを採用したというものもありました。それに、他国製のクローズドソースのOSを使うこと自体にセキュリティ的な問題はないか、と危惧する声もあります。例えばNSAとマイクロソフトがグルになってWindowsにバックドアを仕込んでいたら、一体我々はどうやってこれから情報を守ったらよいのでしょうか。いや、これはファンタジーではなく、例えば米国政府も中国レノボのPCに中国当局製バックドアを仕込まれることを憂慮しているそうですよ。
米国務省購入PCの「スパイ疑惑」にレノボが反論 - CNET Japan
逆もまた然りでしょう。他方Linuxならば、ソースコードが開示されるのでそういうものがあっても誰かが気づくことは期待できます。公開するソースコードには載せず、開発陣に紛れ込んだ諜報部員がこっそりソースコードにバックドアを加えてビルドしたものを配布したとしても、それはGPL違反ですからこれまた誰かが気がつくことは期待できます、例えば公開ソースコードを手元でビルドしたものとハッシュが合わないとか。
よって、オープンソースをコンピュータ業界から締め出すことは、公益、いや国益にすら関わってくる問題であると思います。もちろん今回はオープンソースを締め出すなんて話ではないのですが、DVDが再生できないとなるとLinuxのPC利用に大きな打撃になることは間違いないのです。どうか、「保護を破るプログラムの製造や配布」については考え直してくださいませ。
…トロンを使おうなんて言わんといてくださいよ。組み込み分野としては広く使われているようですが、一般的なコンピュータ用として使われる実績はあまりないわけですし、アプリケーションだって十分とは言えないでしょう。
追記
ではじゃあ著作権侵害にはどう対処するべきなのか、という質問を受けました。こちらへどうぞ。
DVDのコピー禁止を法律に盛り込むことに強く反対します。なぜなら、Linux上でのDVD視聴が不可能になりかねないからです。
Linux上では、 Content Scramble System (以下CSS) というアクセスコントロールのかかったDVDの内容にアクセスするために、libdvdcss2というものを利用します。これは、DVDプレーヤーに搭載されていたCSS解除アルゴリズムを、当時十代であったノルウェーのプログラマー、ヨン・レック・ヨハンセン氏が解析したものだそうです。氏は著作権法違反で起訴さましたが無罪となりました。それゆえ、libdvdcss2はLinux界で広く使われるようになり、LinuxでもDVDが楽しめるようになったのです。
このlibdvdcss2、「保護を破るプログラムの製造や配布」に当たるということにされかねません。これが入手できなくなると、LinuxでDVDを再生する術がなくなります。
…そんなバカな、だって?WindowsにだってCSSを通じてDVDにアクセスするのにはデコーダを買って用意する必要があり (例えばPowerDVDなんかにはデコーダが含まれている、これをインストールしない状態でWMPでDVDを見ようとすると、デコーダを買えと言われる) 、Linuxでも正規のデコーダを販売するようになればいいだけの話だろうと?
たぶん、そうそううまくはいかないと思います。
「オープンソースDRM」の不可能性について - SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載
どうでしょう?デコーダの権利者が、Linux用の正規のデコーダを配布することを許すでしょうか?オープンソースOSでこれを走らせることはコントロールの潜脱になるとか解釈されはしないでしょうか。
では、オープンソースによるソフトウェア開発そのものが悪いのでしょうか?こんなコンテンツ保護のできないシステムが悪だと言われてしまいそうですが…俺はそうは思いません、むしろ極めて健全なソフトウェア開発形態であると思います。
人間は、その歴史の中で培われた膨大な知識を、書とすることで保存してきました。小中高と通った人はその授業で教科書を使ったでしょう。大学に入ったら、専門書を買ったり図書館で借りたりしてそれで勉強したでしょう。偉い学者も、既になされた知の蓄積を無視して仕事をすることは絶対にないと言えるでしょう。この人間の知の営みは、誰も否定できないものです。では、先人のソースコードを元に新たなソフトウェアを開発しさらにそのソースコードを公開するこのオープンソースの取り組みと、ソースコードをその価値がなくなるまで隠し続け社会には還元しないクローズドな開発、どちらが健全でしょうか。後者は人類の知の営みの歴史から外れるという意味ではすごく不健全です、いけないことであるとまでは言えませんが。
今日、様々なところでLinuxが利用されています。サーバー、組み込みシステムはもちろんのこと、PC用OSとしての世界シェアも調査によってばらつきはあるものの概ね1%前後の数値を獲得しています。また、一部の地方自治体にOOoが採用され、中にはUbuntuを採用したというものもありました。それに、他国製のクローズドソースのOSを使うこと自体にセキュリティ的な問題はないか、と危惧する声もあります。例えばNSAとマイクロソフトがグルになってWindowsにバックドアを仕込んでいたら、一体我々はどうやってこれから情報を守ったらよいのでしょうか。いや、これはファンタジーではなく、例えば米国政府も中国レノボのPCに中国当局製バックドアを仕込まれることを憂慮しているそうですよ。
米国務省購入PCの「スパイ疑惑」にレノボが反論 - CNET Japan
逆もまた然りでしょう。他方Linuxならば、ソースコードが開示されるのでそういうものがあっても誰かが気づくことは期待できます。公開するソースコードには載せず、開発陣に紛れ込んだ諜報部員がこっそりソースコードにバックドアを加えてビルドしたものを配布したとしても、それはGPL違反ですからこれまた誰かが気がつくことは期待できます、例えば公開ソースコードを手元でビルドしたものとハッシュが合わないとか。
よって、オープンソースをコンピュータ業界から締め出すことは、公益、いや国益にすら関わってくる問題であると思います。もちろん今回はオープンソースを締め出すなんて話ではないのですが、DVDが再生できないとなるとLinuxのPC利用に大きな打撃になることは間違いないのです。どうか、「保護を破るプログラムの製造や配布」については考え直してくださいませ。
…トロンを使おうなんて言わんといてくださいよ。組み込み分野としては広く使われているようですが、一般的なコンピュータ用として使われる実績はあまりないわけですし、アプリケーションだって十分とは言えないでしょう。
追記
ではじゃあ著作権侵害にはどう対処するべきなのか、という質問を受けました。こちらへどうぞ。