マジコンはいけないものか?
著作権法改正の話について、まずDVDが気になったのでそれについて書きました。マジコンについてはあまり考えなかったんだけれど、そんなにマジコンっていけないものかね?
先に断っておきますが、俺は私的利用にならないコピー、特にネットで不特定多数にばらまく・あるいはばらまける状態にすることはもちろんいけないと思っています。それは、それでお金儲けをする権利のある人の、その権利を間違いなく侵害しますから。
逆に言うと問題はそこであって、そこでしかないと思うんです。不正コピーがされればお金儲けの権利が侵害されますね。単純にコピーの数*売値=損害額とはいかないでしょうが、それによって支払い逃れをする奴 (つまり、不正コピーがなかったら買っていたであろう奴) の分は間違いなく損害でしょう。しかし、それさえなければ何も損害はないはずなんです。マジコンを全くの私的利用で使う分には、何か損害は出るんでしょうか?
今のマジコンがどんなになっているのか実は詳しく知りませんので、見当違いなことを言っているかもしれませんが。んー、これを報じるニュースには暗号解読が云々とありましたが…暗号を破る試みが悪だということですかね?
確かに、信書開封は刑法で罪とされています。しかし、紙の封と電磁的書類の暗号化ではまた性質が違います。開封した封筒にはその証拠が残りますが、解読された暗号化電子書類には証拠は残りません、残りようがありませんね。また、しっかりとした封筒に入れられていれば中身のコピーはできませんが、暗号化電子書類はコピーは完全に可能なのです。よって、実は機密がダダ漏れなのに誰も気づかないなんてことにもなりかねません。そこで暗号解読の試みが正当に存在できることは暗号の強度の保証となるはずです。例えばNTTでも研究されているようですし。悪い奴はどうせ禁止したってやりますしね。ですから、暗号解読を悪とするわけではないはずですし、そうだとしたらそれはおかしいです。
パソコンにデータを読み取らせることがいけない、というわけでもないはずで…ファミコンやスーファミを持っていた方。あなたのハードは動きますか?さすがに年月も経ちました、もう壊れてしまったという方も多いでしょう。品揃えのいい中古屋に行けば動くハードも置いていたりしますが、うーん、それだっていつ壊れるか分からないし、最近じゃ古い電化製品が発火するという事故もあると聞きます。今をときめく最新ハードもやがていつかはそうなる日が来ます。またファミコン・スーファミの話に戻らせてもらうと、ハードが生きていてもバッテリーバックアップカセットの電池が切れてしまっている場合もあります。
そういうときに、マジコンでパソコンに取り込んで、エミュレータ上でプレイするというのはいけないことなんでしょうか?エミュレータ、もう不正コピーの代名詞みたいな感がありますが、手持ちのカセットをマジコンで吸い上げて、別にそれをネットにアップすることもなく、個人的に楽しむのは何も問題はないはずです。「そのゲームで遊ぶ権利」を買っているんですから。悪いのはネットにアップしてばらまく奴。
今はWiiのバーチャルコンソールがあります、わざわざそんなことをする必要はなかろう、という声も聞こえて来そうですが…バーチャルコンソールが今まで販売された全てのソフトを網羅しているわけでもないでしょう。それにこれは図書館のような公的サービスとは違うので、今のところ拡大傾向にあるみたいでそれはすごく良いことですが、いつか突然サービス終了になるかも分かりません。それは任天堂の経営判断です。ソフトウェアの保存と利用継続のために、正当にマジコンを利用することはできると思います。
よって、俺にはマジコンを規制しなければならない理由がよく分かりません。
なお、以下は俺の勝手な想像になってしまいますが…マジコン・エミュレータがなかったらバーチャルコンソールもなかったんじゃないか?
理由ですが、まず、時期的な問題。エミュレータで、PC上でファミコンやスーファミを遊ぶことが流行ったのは90年代の終わりから00年代の前半であったと記憶しています。そして、バーチャルコンソール構想の発表がWikipediaによると2005年5月17日となっています。更にファミコンの名作のGBA移植「ファミコンミニ」シリーズの発売が2004年2月14日なんですよ (ファミコン20周年企画とのことですが、バーチャルコンソールの実験の要素が多分にあったと思います) 。ここ、エミュレータが盛り上がって危機感を覚えたか、あるいは商機を感じたかでこの商品を投入してきた、って気がしません?
内容的な問題もあります。例えばファミコンで発売したドラクエの、スーファミへの移植は、ソフトウェア用語の「移植 (Porting) 」ではなく、実質「リメイク」でした。音楽もグラフィックも、場合によっちゃストーリーまでスーファミの処理能力に合わせて豪華なものになっていました。ドラクエはエニックスですが、任天堂のものだって同じことが起きていました。「スーパーマリオコレクション」覚えています?しかし、ファミコンミニも、バーチャルコンソールもほぼ「移植」です。中にはバグすらそのままのものもあったとも聞きます。ハードウェアの処理能力はGBAだってスーファミの上を行っていて、Wiiなんかもっと上なんですから、不自然といえば不自然です。エミュレータによって、過去のゲームも「リメイク」しなくても「移植」で充分売れる、と気づいたのかな、と。
で、俺はバーチャルコンソールはマジコンとかエミュレータの影響を受けて生まれたものだと勝手に思っています。…勝手にとは書きましたが、影響がないとはいえないでしょ。ちなみに音楽の世界では、リリース予定のなかったライブ音源などが海賊版として出回り、それに対抗するために後から正規版が発売されるというのはよくあることです。で、マジコンがいざ規制されて、バーチャルコンソールでしか古いゲームが遊べなくなって、競争相手もいなくなったところで任天堂がバーチャルコンソールから情熱を失ったりしなければいいんですけれど。さすがにこの言い方は盗人猛々しいという感じですかね。
しかし、当時エミュレータで遊んでいた人って、そんなに悪い人たちでもないと思うんですよ。なぜなら、バーチャルコンソールが生まれた2005年以降も更新を続けているサイトはほとんどないから。探してご覧なさい、エミュレータの情報サイトはほとんど00年代前半で更新がストップしていますし、エミュレータ本体も開発停止状態になっているものが多いのです。彼らは、支払い逃れを目的とする悪い奴らじゃなくて、ただレトロゲームがやりたかっただけの可愛い奴なんじゃないかと俺は思うのです。
先に断っておきますが、俺は私的利用にならないコピー、特にネットで不特定多数にばらまく・あるいはばらまける状態にすることはもちろんいけないと思っています。それは、それでお金儲けをする権利のある人の、その権利を間違いなく侵害しますから。
逆に言うと問題はそこであって、そこでしかないと思うんです。不正コピーがされればお金儲けの権利が侵害されますね。単純にコピーの数*売値=損害額とはいかないでしょうが、それによって支払い逃れをする奴 (つまり、不正コピーがなかったら買っていたであろう奴) の分は間違いなく損害でしょう。しかし、それさえなければ何も損害はないはずなんです。マジコンを全くの私的利用で使う分には、何か損害は出るんでしょうか?
今のマジコンがどんなになっているのか実は詳しく知りませんので、見当違いなことを言っているかもしれませんが。んー、これを報じるニュースには暗号解読が云々とありましたが…暗号を破る試みが悪だということですかね?
確かに、信書開封は刑法で罪とされています。しかし、紙の封と電磁的書類の暗号化ではまた性質が違います。開封した封筒にはその証拠が残りますが、解読された暗号化電子書類には証拠は残りません、残りようがありませんね。また、しっかりとした封筒に入れられていれば中身のコピーはできませんが、暗号化電子書類はコピーは完全に可能なのです。よって、実は機密がダダ漏れなのに誰も気づかないなんてことにもなりかねません。そこで暗号解読の試みが正当に存在できることは暗号の強度の保証となるはずです。例えばNTTでも研究されているようですし。悪い奴はどうせ禁止したってやりますしね。ですから、暗号解読を悪とするわけではないはずですし、そうだとしたらそれはおかしいです。
パソコンにデータを読み取らせることがいけない、というわけでもないはずで…ファミコンやスーファミを持っていた方。あなたのハードは動きますか?さすがに年月も経ちました、もう壊れてしまったという方も多いでしょう。品揃えのいい中古屋に行けば動くハードも置いていたりしますが、うーん、それだっていつ壊れるか分からないし、最近じゃ古い電化製品が発火するという事故もあると聞きます。今をときめく最新ハードもやがていつかはそうなる日が来ます。またファミコン・スーファミの話に戻らせてもらうと、ハードが生きていてもバッテリーバックアップカセットの電池が切れてしまっている場合もあります。
そういうときに、マジコンでパソコンに取り込んで、エミュレータ上でプレイするというのはいけないことなんでしょうか?エミュレータ、もう不正コピーの代名詞みたいな感がありますが、手持ちのカセットをマジコンで吸い上げて、別にそれをネットにアップすることもなく、個人的に楽しむのは何も問題はないはずです。「そのゲームで遊ぶ権利」を買っているんですから。悪いのはネットにアップしてばらまく奴。
今はWiiのバーチャルコンソールがあります、わざわざそんなことをする必要はなかろう、という声も聞こえて来そうですが…バーチャルコンソールが今まで販売された全てのソフトを網羅しているわけでもないでしょう。それにこれは図書館のような公的サービスとは違うので、今のところ拡大傾向にあるみたいでそれはすごく良いことですが、いつか突然サービス終了になるかも分かりません。それは任天堂の経営判断です。ソフトウェアの保存と利用継続のために、正当にマジコンを利用することはできると思います。
よって、俺にはマジコンを規制しなければならない理由がよく分かりません。
なお、以下は俺の勝手な想像になってしまいますが…マジコン・エミュレータがなかったらバーチャルコンソールもなかったんじゃないか?
理由ですが、まず、時期的な問題。エミュレータで、PC上でファミコンやスーファミを遊ぶことが流行ったのは90年代の終わりから00年代の前半であったと記憶しています。そして、バーチャルコンソール構想の発表がWikipediaによると2005年5月17日となっています。更にファミコンの名作のGBA移植「ファミコンミニ」シリーズの発売が2004年2月14日なんですよ (ファミコン20周年企画とのことですが、バーチャルコンソールの実験の要素が多分にあったと思います) 。ここ、エミュレータが盛り上がって危機感を覚えたか、あるいは商機を感じたかでこの商品を投入してきた、って気がしません?
内容的な問題もあります。例えばファミコンで発売したドラクエの、スーファミへの移植は、ソフトウェア用語の「移植 (Porting) 」ではなく、実質「リメイク」でした。音楽もグラフィックも、場合によっちゃストーリーまでスーファミの処理能力に合わせて豪華なものになっていました。ドラクエはエニックスですが、任天堂のものだって同じことが起きていました。「スーパーマリオコレクション」覚えています?しかし、ファミコンミニも、バーチャルコンソールもほぼ「移植」です。中にはバグすらそのままのものもあったとも聞きます。ハードウェアの処理能力はGBAだってスーファミの上を行っていて、Wiiなんかもっと上なんですから、不自然といえば不自然です。エミュレータによって、過去のゲームも「リメイク」しなくても「移植」で充分売れる、と気づいたのかな、と。
で、俺はバーチャルコンソールはマジコンとかエミュレータの影響を受けて生まれたものだと勝手に思っています。…勝手にとは書きましたが、影響がないとはいえないでしょ。ちなみに音楽の世界では、リリース予定のなかったライブ音源などが海賊版として出回り、それに対抗するために後から正規版が発売されるというのはよくあることです。で、マジコンがいざ規制されて、バーチャルコンソールでしか古いゲームが遊べなくなって、競争相手もいなくなったところで任天堂がバーチャルコンソールから情熱を失ったりしなければいいんですけれど。さすがにこの言い方は盗人猛々しいという感じですかね。
しかし、当時エミュレータで遊んでいた人って、そんなに悪い人たちでもないと思うんですよ。なぜなら、バーチャルコンソールが生まれた2005年以降も更新を続けているサイトはほとんどないから。探してご覧なさい、エミュレータの情報サイトはほとんど00年代前半で更新がストップしていますし、エミュレータ本体も開発停止状態になっているものが多いのです。彼らは、支払い逃れを目的とする悪い奴らじゃなくて、ただレトロゲームがやりたかっただけの可愛い奴なんじゃないかと俺は思うのです。
- 関連記事