2021/09/26
大前玲子さん、中島玲子さん、谷口秀一さんを探ります
近鉄バファローズが北川選手の代打逆転満塁サヨナラホームランでパ・リーグの優勝を決めてから、今日(9/26)が20年目です。今年、バファローズが優勝した場合、オリックス球団としては25年ぶりとなりますが、近鉄からのファンとしては、心情的には複雑です。ただ、今年優勝決めれれば、そういう複雑な状況も解消されますので、何とか決めてほしいところです。
冒頭から別方向に熱くなってしまいまして恐縮ですが、先週は「おかえりモネ」の脚本家の安達奈緒子さんと、奥田圭子さん主演「こんな学園みたことない!」のメインライターの溝田佳奈さんが、日本脚本家連盟スクールの同窓というお話をさせて頂きましたが、メインという事はサブの方についても知りたいと思われた方も多い(?)と想像しますので、今回は溝田さん以外のお三方について、整理させて頂きます。
まずは5話、6話の共同執筆で担当された大前玲子さんですが、現在もシナリオ・センターをはじめとしてシナリオ教室の講師をされている様で、webでも近影の情報があります。シナリオセンターの関連で、山梨の北杜市とも縁がおありの様で「シナリオ教室」の講師や市のフリーペーパーに「ラジオドラマの書き方」を寄稿されたり、エフエム八ヶ岳でDJをされてたりとご活躍の範囲も広く、お声も聴くことができました。
少し前の本ながら「狙ってみたいあなたのためのシナリオ・コンクール攻略ガイド」という本に執筆者のお一人として参加されており、その本の紹介文章によると、神奈川県出身で1985年に2時間ドラマで脚本家デビューという記載が有りました。(画像は大前さんも参加された6話より)
1987年の「こんな学園みたことない!」制作当時は、大前さんもデビュー3年目という事になりますが、脚本やストーリーに変化を付ける為の応援参加という事だったのかもしれません。
もうお一方の中島玲子さんは、5話で大前玲子さんとの共同執筆の後、7話、9話、10話、13話、14話と物語のターニングポイントとも言うべき話数の脚本を担当されてます。
中島さんについてはあまり詳細の経歴分からないのですが、奥田圭子さんもご出演された浜木綿子さんの「おふくろ」シリーズや、同じく浜さん主演の「尼さん探偵シリーズ」(未見なので、影同心Ⅱしか浮かばないですが、朝日放送制作みたいです。毎日放送に必殺を真似された事への意趣返しでしょうか・・)
調べる限り、中島さんの一番古い作品が1986年ですので、「こんな学園ー」放映当時はやはり新進の脚本家さんだったのでしょうか?
ただ、中島さんは烏山興業の壊滅編と、青葉コンサルタントの登場編という全体の設定にも影響のあるお話も担当されてますので、もしかするとドラマの構想段階のディスカッション等にも参加されてたかもしれません。
起用について想像する中で、山内プロデューサーの「必殺シリーズを作った男達」に、ドラマの設定について色々な脚本家の方を集めて太秦近辺の旅館や、「千里 石亭」でワイガヤで打ち合わせをしていたという話がに記載されていたことを思い出しました。
同様の事が「こんな学園みたことない!」でも行われて、溝田さんはもちろんのこと、中島さん、大前さん、更には荒木プロデューサー等も参加されていたのかもしれないですね。
因みに文化庁委託でテレビドラマ脚本のアーカイブという作業が行われており、中島さん執筆の14話の脚本が寄贈されている様です。
サインから判断するに、14話に登場された孝介の父親役の大林丈史さんの寄贈品のようです。どちらかといえば、ブラック指令等、悪役イメージの強い大林さんですが、非常に有難いですね。
こちらのアーカイブには、佳子さん関係では他に「鎌倉ペンション物語」、「天使のアッパーカット」の一部が収蔵されている様です。
最後にもうお一方、21話、22話のみの担当の谷口秀一さんは、調べる限りでは東京ヴォードビルショーの演出から放送作家になられて、「笑っていいとも!」や「吉本天然素材」等の脚本・構成を手掛けられた方の様です。
この方だけ、毛色が少し違う気がしますが、バラエティー畑からの参加という事で、もしかするとIVSテレビ制作さんの流れで起用されたのかもしれないなという気がします。ただ、22話も青葉コンサルタントの退場編で、かなり重要な回です。野球でいうと終盤手前のセットアッパーという感じになるのでしょうか?
色々調べてはみたものの、決め手になる情報が少なく、断言できる内容がほとんどないのが残念ですが、ご紹介させて頂いた皆様の書かれた作品を34年経過しても楽しませて頂いておりますので、万一このblogがお目に留まりましたら、当時の事を教えて頂けると本当に有難いです。
それではこの辺りで、M君の謎かけで締めさせて頂きます。
お題は、大前玲子さんに因んで、ラジオドラマです。
ラジオドラマと掛けて
休診日の病院と解く
その心は
ミルことはできません
それでは次回もよろしくお願いします。
コメント
Re: 脚本、よくよく考えると…
こんばんは。分析の通り、5話、6話はクラスの雰囲気の変化とさやかの成長編ですね。
その分仰られる通り、自然児要素が無くなるのは少し残念ではあります。もう少し見たかった気はします。
中島さん担当回が一郎編であったのは狙いなんでしょうかね。プロデューサー側から、中島さん指名だったのでしょうか。
担当されている方違っても、雰囲気に大きなズレが無かったり、一応設定が踏襲されている様に思われるのは、
シリーズ構成を溝田さんがやられていたからでしょうか?
脚本がきちんとした形で資料として残るのは、大林さんの寄贈のおかげで本当に有難いと思います。
バファローズはまだ期待してます。なんとか2001年の時の様な感動を期待したいです。
「影同心Ⅱ」の時期はそうなるんでしょうね。であれば、京都での撮影は大変だったかもしれないですね。
謎かけありがとうございます。
2021/09/28 22:32 by 夢 時次郎 URL 編集
脚本、よくよく考えると…
同時に、自然児(失礼!)・世間ずれとの決別を促すことにもなりますが。
中島さん担当回の7話・9話・10話は、それこそ「一郎・負のスパイラル物語」だった訳で。
更に言えば、京子一派のパワーバランスの変化を描いたのも、10話と13話でしたね。
強敵続出の「ワルキューレさやか祭り」や、鳩山先生をスルーしまくるさやかさんなど、唯一の男性脚本家・谷口さんの担当回は、作品のこれまでの流れで言うと、かなり異質な内容の気もします。
でもこうした方々の担当回が「川の支流」のような形で、溝田さんによるストーリーの主流を補い、確固たるストーリーという大河になっていったのかな…とも思います。
脚本アーカイブの件は私も存じておりました。
大林さん、ゲスト出演ながら脚本を大事に保管・そして寄贈されていた訳で…本当に感謝ですね。
近鉄が最後の優勝を決めた時、私は仕事中でしたが「近鉄優勝したようだが、何だかすごい勝ち方だったらしい」と耳に入り、帰宅後試合を見て、とにかくたまげました。
しかも満塁弾の北川選手は、元阪神の選手…。
その後F1観戦で鈴鹿に行ったとき、近鉄の駅でバファローズ優勝の印刷物(広報紙?)を手にした記憶があります。
あれだけ好調だった今年のバファローズが、ここに来て勢いがダウンしてきたのは気がかりです…。
既に手放してしまいましたが「必殺シリーズを創った男」は、私も買って読みました。ちょうど必殺がマイブームになった時期でして。
「影同心Ⅱ」出演当時の浜木綿子さんは、それこそ後に俳優となるあの方を、働きながら育てていた時期なんだよな…と、最近しみじみ思います。
>Mさん
これは巧い!
年間グランプリ候補登場ですね。
座布団、もちろん三枚行かせてください!
2021/09/27 08:25 by リトルノ URL 編集