『影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか』 (ロバート・B・チャルディーニ 著)の読書感想文
図書館で借りて、主に旅行中に以下の本を読みました。
我々がどんなことに影響されるか?について解説してあり、面白い本でした。
それによると、影響力の武器として6つの原理を挙げています。
①返報性
人から与えられたら自分も同じようなやり方で相手に返すように努める
②一貫性
自分の言葉、信念、考え方、行為を一貫したものにしたい、あるいは、他者からそう見られたい
③社会的証明
人がある状況で何を信じるべきか、どのように振る舞うべきかを決めるときに重視するのが、他の人びとがそこで何を信じているか、どのように行動しているかである
④好意
人は自分が好意を感じている知人に対してイエスと言う傾向がある
⑤権威
権威からの要求に服従させるような強い圧力が私たちの社会に存在する
⑥希少性
人は、機会を失いかけると、その機会をより価値のあるものとみなす
本では実例も豊富に紹介されており、自分を振り返っても納得させられるものでした。
無意識に影響を受けて、時に間違った判断をしてしまうと知ると、ネガティブな印象を受けます。
しかし、決して悪いばかりではないと述べられています。
流れの早い現代の生活では、私たちはこの種の思考の近道を使わざるを得ない。
それらがよく使われるのは、信頼性が最も高く、たいていは正しい選択ができる。
反撃を加えるべき本当の敵は、自然な状況でなら思考の近道を使う合図となる証拠を、改ざんしたり捏造したりする人びとだけです。
確かに、6つの原理で瞬時に判断を下すのは役立つことが多い。
③社会的証明を使って、人気商品を買うとハズレが少ない。
⑤権威を使って、専門家の意見を信じることは、自分の知識・経験が乏しい分野では有効。
「自分で考える」とか「常識を疑え」とか言いますが、思考の近道を使ったほうが、時間や労力の節約、さらには適切な判断を下せると思っています。
しかし、一方でそれらを悪用する輩がいるのも事実な訳で。
信じると疑うを状況に応じて使い分けられるようになることがポイントなんだろうと思います。
本でも防御法として対策が書かれていますし、修行していかないといけません。
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