『メンタル脳』(アンデシュ・ハンセン 著)の読書感想文
株主優待で貰った図書カードを使い、以下の本を買いました。
同じ著者の『スマホ脳』が良かったのですが、この本も面白い内容でした。
本では、脳にスポットを当てて、不安の原因を説明しています。
脳は生きのびることを目的にしていて、それ以外のことは二の次。
脳が進化した時代は危険が多く、あらゆる方向からリスクが降ってきた。
現在では危険の種類が変わったが、脳はその変化についていけない。
脳にしてみれば、不安は「危ないかもしれない」と警告する手段。
不安は自然な制御メカニズムで、人類の歴史を通じて私たちを危機から守ってきた。
不安を感じるということは正常に機能している証拠である。
ある意味、警報機の誤作動で過剰にメンタルが反応してしまっている。
自分にもかなり思い当たる節があります。
僕は仕事ができなくて、散々悩んできました。
しかし、本来は仕事ができなくても大した問題ではありません。
長時間労働を強いられる訳でもなかったし、関係者から激詰めされることもありません。
クビになることもなく、毎月30万円ぐらい貰って、十分な生活ができます。
仮に失敗しても、おそらくこの状況は変わらないでしょう。
ただ、分からないこと、先行き不透明なことがあると、僕のアラームはけたたましい音を立てて鳴り続けていました。
その状態が続くと、脳が生命の危機を感じて、行動をストップさせたのでしょう。
結果、何も手につかないことが定期的にありました。
本書では、メンタル健全化の方法として、運動やSNS制限等を挙げていますが、一方ではこんな風にも書いています。
私たちの脳は今とは全く違った世界で進化してきました。
そのためにちょっと困ったことになるのですが、そこはどうしようもありません。
そんな脳には優しくし、わかってあげる努力も必要です。
進化の過程で作られた脳のシステムは強力なもの。
人類の歴史から見たら僅かな時間である自分の人生で、意識改革しようと思ったところで、脳に抗うことは難しいのでしょう。
幸いセミリタイアしたことで、異常なアラーム音は鳴り止みました。
それほどまでして守ろうとしてくれた自分の命を大切に、日々行動しないといけないと思いました。
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