そうか、君たちはパポられた子供たちか。
名古屋大学理系2009年度第4問の(B)の解説
[問題]
x,yを正の正数とする。
(1)2/x+1/y=1/4をみたす組(x,y)をすべて求めよ。
(2)pを3以上の素数とする。
2/x+1/y=1/pをみたす組(x,y)のうち、2x+3yを最小にする(x,y)を求めよ。
[解答と解説]
これは
(因数分解された文字式)=(整数)
と言う形にして整数の約数を考えて解く典型的な整数問題です。
この整数問題…因数分解をする解法の記事を参照してやってくれ。
この問題でやると
2/x+1/y=1/4
で4xyをかけて分数を無くして
xy-8y-4x=0
これでまずはxかyかで整理します。
次数が低い方で整理するのが基本ですが、これはどっちも同じやからどっちでもええねんけど、何となくxでやってみます。
(y-4)x-8y=0
これでxの係数がy-4yから-8yのとこを-8(y-4)にしたら因数分解出来そうです。
そうすると32大きくなるから32を引いて帳尻をあわせます。
(y-4)x-8(y-4)-32=0
⇔
(y-4)(x-8)=32
これで
(因数分解された文字式)=(整数)
になりました。
後は(x-8,y-4)の組は32の約数になって
(x-8,y-4)=(1,32),(2,16),(4,8),(8,4),(16,2),(32,1)
,(-1,-32),(-2,-16),(-4,-8),(-8,-4),(-16,-2),(-32,-1)
ってなるけどxとyは正の整数だからマイナスの方は不適です。
まあこうやって全部調べて書いてしまったらええんけど、負の方はないって示すとしたら
x-8<0とするとx-8とy-4は同符号やからy-4<0で
x-8≧1-8=-7
y-4≧1-4=-3
で(x-8)(y-4)≦21
となって32にはならないことがわかります。
後は
(x-8,y-4)=(1,32),(2,16),(4,8),(8,4),(16,2),(32,1)
から
(x,y)=(9,36),(10,20),(12,12),(16,8),(24,6),(40,5)
(2)
2/x+1/y=1/p
さっきと同じように因数分解したらよくて、まずpxyをかけて分数をなくしてしまって
xy-2py-px=0
xについて整理して
(y-p)x-2py=0
次に-2pyでy-pをつくり出したらええから
(y-p)x-2p(y-p)-2p^2=0
⇔
(y-p)(x-2p)=2p^2
それで2p^2の約数はpが素数やから
{1,2,p,2p,p^2,2p^2}
の6つで
(x-2p,y-p)=(1,2p^2),(p,2p),(p^2,2),(2,p^2),(2p,p),(2p^2,1),
(-1,-2p^2),(-p,-2p),(-p^2,-2),(-2,-p^2),(-2p,-p),(-2p^2,-1)
でx,yは正の整数だからマイナスの方は不適と書いたらええねんけど、さっきと同じで負の方はないって示すとしたら
x-2p<0
とすると
y-p<0
で
x-2p≧1-2p,y-p≧1-p
だから
(x-2p)(y-p)≦(1-2p)(1-p)<2p^2
より負の方はないことが示せるねんな。
だから
(x-2p,y-p)=(1,2p^2),(p,2p),(p^2,2),(2,p^2),(2p,p),(2p^2,1)
で(x,y)を求めたら
(x,y)=(1+2p,2p^2+p),(3p,3p),(p^2+2p,2+p),(2+2p,p^2+p),(4p,2p),(2p^2+2p,p+1)
この問題はここで終わりじゃなくて、このうち2x+3yが最小になるやつを求めろってややこしいことを聞いてきてます。
こっちは疲れてるのにな。
もうはよ家帰って、ママに膝枕してもらって寝たいわ。
だからそれぞれの組に対して2x+3yの値を求めると順に
6p^2+7p+2,15p,2p^2+7p+6,3p^2+7p+4,14p,4p^2+7p+3
このうち最小のものを求めろ…
オイッチニ
オイッチニ
ってなりそうやけど、まだこうなるには早いねん。
一般的に男性が持つような欲求が自分にあるのは認識しているが、これくらいは通常の常識の範囲内なわけや。
そこで処理の仕方とかコツを学んでいって欲しいねんな。
6p^2+7p+2,15p,2p^2+7p+6,3p^2+7p+4,14p,4p^2+7p+3
を見比べると、明らかなのが
15p>14p
や。
それでp≧3やったからp^2≧3pですやん。
これを使えばpの2次式でも14pと比べられそうやろ。
こういうダイナミックな評価は大学の解析の問題とかでもよく使うから、こんなやり方あったなって覚えといてくれ。
こんなん思いつかんわ
じゃなくて
こういう処理の仕方をすればいいのか、覚えておこう
って感じや。
6p^2+7p+2≧6・3p+7p+2=25p+2>25p
3p^2+7p+4≧3・3p+7p+4=16p+4>16p
4p^2+7p+3≧4・3p+7p+3=19p+3>19p
でこれらは14pより大きいことがわかるようになりました。
ただ2p^2+7p+6は同じようやると
2p^2+7p+6≧2・3p+7p+6=13p+6>13p
と言うように14pより大きいと示されへんねん。
だからこれだけ別個に調べる必要があって
2p^2+7p+6-14p=2(p-7/4)^2-1/8
だからpは素数やけど実数の範囲で考えてみると
y=2(x-7/4)^2-1/8(x≧3)
の二次関数はグラフを書くと定義域が軸より右側だから単調増加でx=3で最小値3をとるから
素数の範囲でもp≧3より
2p^2+7p+6-14p=2(p-7/4)^2-1/8≧3>0
で
2p^2+7p+6>14p
がわかりました。
だから最小値は14pで対応してる(x,y)は(4p,2p)です。
名古屋大学の入試の数学の過去問の解説
整数問題の解法の解説と問題演習
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