積分方程式の問題、東京大学2010年度文系第2問の解説 |
今日は美容院に行ったら、シャンプーしてもらう時に襟が濡れてん。
嘘やって。
そしたら、東京大学2010年度文系第2問の解説をします。
[問題]
2次関数f(x)=x^2+ax+bに対して
f(x+1)=c∫(0,1)(3x^2+4xt)f'(t)dt
がxについての恒等式になるような定数a,b,cの組をすべて求めよ。
[解答と解説]
f'(t)dtがあるってことは…はは~ん、f(t)で積分しろってことか。
でも4xtの項があるから、部分積分とかしたらええかもしれんな。
それでこういうのは特殊なxの値を入れてみると、結構解けたりするねん。
f(0)=bやろ
f(x+1)=c∫(0,1)(3x^2+4xt)f'(t)dtの式にもx=0を代入したら
f(1)=0で…
ってずっとこんなことやり続けてると、
いらっしゃ~いって登下校してる学生に挨拶してくる怪しいおっさんになります。
よく赤門でこんなわけわからんことなってる人いますよね。
京大出身やからって東大のことめちゃくちゃ書きすぎやろ。
ちゃうねん、そんなこと言うてる場合ちゃうねん。
東大の過去問を見てくれ。
似たような問題があって、ほんまにそのまま普通に計算するだけやったやろ。
これもそのまま普通に積分を計算して、係数比較すると言うとてつもなく普通にやるだけの問題です。
でも他の大学の問題をやってたら、小手先のテクニックを使わせる問題が多くて、反対に出来なくなるように成長していくと思うねん。
だから過去問をやってたくさん解法を覚えといて欲しいっていつも言うてるねん。
それで東大の問題やから、これは普通に解くんやろなってわかってくるねん。
それとか、これが解けるようになるには、この問題集をまずはやっていこうとか強くはっきりした目的からの、今出来る目標への分割じゃないと挫折しやすいねん。
また過去問の使い方でも読んで参考にしとってください。
わんこら式マスターへの道とかも。
それで解答やけど普通に計算して、係数比較するだけやって言うたらみんな出来ると思います。
後は東大はそこそこ計算させてくるから、計算間違いをしないように。
これも計算ミスをなくす方法でも読んどいてください。
この問題が解けないってことは、数学の力じゃなくて上に書いてるような、わんこら式的な考えが出来ないと言うこと以外にないからな。
ところが数学の力は実は、わんこら式的な考えが出来るか、どうかが大きく影響をしてくるねんけどな。
ええ加減に解答を説明せいって話やなこれ。
まず微分しておいて
f'(x)=2x+a
だから
f(x+1)=c∫(0,1)(3x^2+4xt)f'(t)dt
⇔
(x+1)^2+a(x+1)+b=c∫(0,1)(3x^2+4xt)(2t+a)dt
⇔
x^2+2x+1+ax+a+b=c∫(0,1)(8xt^2+(6x^2+4ax)t+3ax^2)dt
⇔
x^2+(2+a)x+1+a+b=c[8xt^3/3+(3x^2+2ax)t^2+3ax^2t](0,1)
⇔
x^2+(2+a)x+1+a+b=3c(1+a)x^2+(8/3+2a)cx
これが恒等式になるには係数比較して
3c(1+a)=1…①
(8/3+2a)c=2+a…②
0=1+a+b…③
後は連立方程式をといて、①と②からaとcが求まるから丁寧に処理してcを消去していくと
①から右辺≠0より1+a≠0だから1+aで割れて
c=1/(3(1+a))
②に代入して
(8/3+2a)/(3(a+1))=2+a
⇔
(8/3+2a)=3(1+a)(2+a)
⇔
(3a+5)(3a+2)=0
よってa=-5/3,-2/3
a=-5/3のとき、②からc=1/(3(1-5/3))=-1/2
③からb=-1-a=2/3
a=-2/3のとき、②からc=1/(3(1-2/3))=1
b=-1-a=-1/3
よって答えは
(a,b,c)=(-5/3,2/3,-1/2),(-2/3,-1/3,1)
東京大学の入試の数学の過去問の解説
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図形と方程式の問題、東京大学2010年度文系第1問の解説 |
友達にドストエフスキーの本を貸したらトイレに持って入られてると思わなあかんわ。
そしたら、東京大学2010年度文系第一問の解説をします。
[問題]
Oを原点とする座標平面上に点A(-3,0)をとり,0<θ<120°の範囲にあるθに対して、次の条件(i),(ii)をみたす2点B,Cを考える。
(i)Bはy>0の部分にあり,OB=2かつ∠AOB=180°-θである。
(ii)Cはy<0の部分にあり,OC=1かつ∠BOC=120°である。ただし△ABCはOを含むものとする。
以下の問(1),(2)に答えよ。
(1)△OABと△OACの面積が等しいとき,θの値を求めよ。
(2)θを0°<θ<120°の範囲で動かすとき,△OABと△OACの面積の和の最大値と,そのときのsinθの値を求めよ。
[解答と解説]
まず図を書く以外に何もない。
まずは図ですわ。
出来るだけ最初に図を描くって言葉にして意識をしてくれ。
ベクトルの問題とか必ずしもそうでもないこともあるねんけど、やっぱり東大の問題やしまず図ですわ。
しかし、この問題はセンター試験を簡単にしたような問題で、これを落とすと相当痛いんちゃうか。
特に全体的に問題はないと思います。
(1)
△OABの面積はOAの長さが3,OBの長さが2,∠AOB=180°-θやから
△OAB=1/2・3・2sinθ=3sinθ
△OACの面積はOAの長さが3,OCの長さ1,∠AOC=180°-(120°-θ)やから
△OAC=1/2・3・1・sin(120°-θ)=3/2・sin(120°-θ)
これが等しいければいいから
△OAB=△OAC
⇔
3sinθ=3/2・sin(120°-θ)
両辺に2/3をかけておいて、まあ加法定理で展開する以外に道がなさそうやから
2sinθ=(√3)/2・cosθ+1/2・sinθ
⇔
(√3)sinθ-cosθ=0
まあすぐにtanθ=1/√3やなってわかるけど、一応念のためにcosθ≠0であることを断っておいて
cosθ=0とするとsinθ=±1となり左辺=±√3,右辺=0で矛盾。
よってcosθ≠0でcosθで割って
tanθ=1/√3
よってθ=30°
(2)
もうそのまま計算を続けていくだけでポイントは、
加法定理でバラすことでsinθとcosθの1次式になる
よって合成が出来て最大値が求まる
って言うよくあるパターンなところです。
覚えていると思いますが覚えといてください。
△OAB+△OAC=3sinθ+3/2・sin(120°-θ)
=3sinθ+2/3((√3)/2・cosθ+1/2・sinθ)
=3/4・(5sinθ+(√3)cosθ)
=3/4・2√7・sin(θ+α)
=(3√7)/2・sin(θ+α)
(cosα=5/(2√7),sinα=√3/(2√7))
まあ合成は、sinでの合成とcosでの合成をスラスラ出るまでに覚えてたら早いな。
オレは昔は√(5^2+√3^2)=2√7でかけて割る
5sinθ+(√3)cosθ=2√7(5/(2√7)・sinθ+√3/(2√7)・cosθ)
と変形して5/(2√7)と√3/(2√7)は二乗した和が1
{5/(2√7)}^2+{√3/(2√7)}^2=1
だからcosα=5/(2√7),sinα=√3/(2√7)とおけて
5sinθ+(√3)cosθ=2√7(sinθcosα+cosθsinα)
=2√7sin(θ+α)
とか加法定理の形にして合成すると言う手順でやっててんけど、わんこら式を発展させてきた今、やっぱり合成の定理がスラスラ出るまで覚えた方が早くて正確で理解も早くなることに気づいてきました。
話は戻って(3√7)/2・sin(θ+α)の最大値を求めたらええねんけど、sin(θ+α)=1になる時やろって言うのは簡単に予想がたつと思うねん。
後はそれをどうやって、正確に書くかやな。
それには
○θ+αの動く範囲
○端点の評価
を考えるとええねん。
センターでもよくあるけどな。
θ+αの動く範囲は、αは定数でθが変数やから
0°<θ<120°よりα<θ+α<120°+αです。
それでこれが90°を含むことを示したいねん。
ついでに90°-360°=-270°よりは大きい範囲で90°+360=450°よりは小さい範囲であること言っておけば、完ぺきにθ+α=90°の時が最大やと言えるわけやな。
まあここまでしなくてもええかもしれんけど。
それで端点の評価は、要するにαの評価やから
cosα>0,sinα>0より0°<α<90°としてよい。
まあこれは360°<α<450°とか言いだすと、面倒やから0°<α<90°出来るならしてしまった方が便利ってわけですわ。
これより120°<120°+α<210°
よってα<θ+α<120°+αは90°を含んでいて、-270°よりは大きいし、450°よりは小さいこともわかったから
θ+α=90°ってばっちり答えられます。
つまりsinθ=sin(90°-α)=cosα=5/(2√7)の時ですわ。
最大値は(3√7)/2
これはセンター試験の勉強でもあるから、最低これくらいはスラスラ出来るように解法をしっかり覚えて欲しいとこですわ。
東京大学の入試の数学の過去問の解説
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空間図形の問題、東京大学2010年度理系第6問の解説 |
わんこら式数学の勉強法ver3.0に具体的なやり方の項目を追加で書いてもう疲れたとこですわ。
この少しの文章に膨大な時間と協力があって、めっちゃ大変やねんな。
ええからはよ、解説はじめろって感じやな。
東京大学2010年度理系第六問の解説
[問題]
四面体OABCにおいて,4つの面はすべて合同であり,OA=3,OB=√7,AB=2であるとする。また,3点O,A,Bを含む平面をLとする。
(1)点Cから平面Lにおろした垂線の足をHとおく。OH→をOA→とOB→を用いて表せ。
(2)0<t<1をみたす実数tに対して,線分OA,OB各々をt:1-tに内分する点をそれぞれPt,Qtとおく。2点Pt,Qtを通り,平面Lに垂直な平面をMとするとき,平面Mによる四面体OABCの切り口の面積S(t)を求めよ。
(3)tが0<t<1の範囲を動くとき,S(t)の最大値を求めよ。
[解答]
(1)
もし(1)が解けない人がいたら解法暗記がかなり不足しています。
まあ勉強は解法暗記以外に別に何もないねんけど。
ほんまにベクトルでよくある、そのままの問題やな。
まずは図を書く。
もうこれが一番最初にやることで、意識して書かなあかんねん。
そして
OA→=a→
OB→=b→
OC→=c→
と基本ベクトルで置いておけば、解答を書くのが早くなる上に、簡単になるように持っていってるから解ける可能性も高くなります。
次に長さはわかってるから、内積を出していくねんけど
OA→・OB→=(|OA→|^2+|OB→|^2-|AB→|^2)/2
とか公式として暗記してしまった方がええと思います。
a→・b→=(|a→|^2+|b→|^2-|a→-b→|^2)/2
=(9+7-4)/2=6
b→・c→=(|b→|^2+|c→|^2-|b→-c→|^2)/2
=(7+4-9)/2=1
c→・a→=(|c→|^2+|a→|^2-|c→-a→|^2)/2
=(4+9-7)/2=3
ここまで準備で後は、一つ一つ条件を数式化していきます。
点Cから平面Lにおろした垂線の足をHとおく
と言う文章を
○CHと平面Lは垂直である
○点Hは平面L上にある
の2つに分けてまず
○CHと平面Lは垂直である
はCHと平面Lは垂直である⇔CH→⊥a→,CH→⊥b→
と言うように平面L上の一次独立な二つのベクトルとCHが垂直やったらよくて
CH→・a→=0…①
CH→・b→=0…②
次の条件
○点Hは平面L上にある
はα,βを実数として
OH→=αa→+βb→…③
後は①,②,③を計算するだけですわ。
始点をOにそろえていくのが、基本やから①の式に③を代入して
CH→・a→=0⇔(OH→-c→)・a→=0
⇔(αa→+βb→-c→)・a→=0
⇔α|a→|^2+βa→・b→-c→・a→=0
⇔3α+2β=1…④
②の式に③を代入して
CH→・b→=0⇔(OH→-c→)・b→=0
⇔(αa→+βb→-c→)・b→=0
⇔αa→・b→+β|b→|^2-c→・b→=0
⇔6α+7β=1…⑤
後は④と⑤を連立させて解いて
α=5/9,β=-1/3
よって
OH→=5/9a→-1/3b→
これはほとんど考えずに出来るように、しっかりやり方を覚えておいて欲しいとこやな。
(2)
東大ではこの手の空間図形の問題が非常に多い。
非常に多いけど、共通してることは
「中学生的に解く!」
です。
これをもう少し詳しく書けば、式や考え方が簡単になるように立ち回るってことです。
ぶーわー数式を立てていって解けるってことはほとんど無いと思う。
そんなこと求められてなくて、簡単になるように、簡単になるように持って行くねん。
頑張ろうとするんじゃなくて、出来るように持って行く。
強いリーダーシップを育てたい東大はこういう考え方が出来る人材が必要なわけです。
まずMはLに垂直なわけやから、四面体を寝かせて考えたら楽やろ。
Lが下になるように寝かせると、随分見通しがよくなる。
すると、MがCより左側と右側で切り口が違うことが見えてくる。
左側にあれば、これは明らかに三角形。
右側にあれば、これは明らかに台形
台形が明らかかどうかは、ちょっと微妙やけどな。
(証明するとしたらLとBCとの交点をSt,LとACの交点をUtとすると、空間ベクトルの直線と平面の平行についての定理を使って
AB//RtQt⇒AB//M
AB//M⇒AB//StUt
よって四角形ABStUtは台形)
この切り替わりポイントは点Hを通るときであることもわかってくる。
すると点Hを通るときのtの値をt_0として、t_0を求めて場合わけする必要が出てくる。
t_0は単に
kPt_0Qt_0→=Qt_0H
とか式を立てても出来るし
OH→=5/9a→-1/3b→
と表されてると、Hはどんな点であったかわかる方法があったやんな。
5/9-1/3=2/9やから
5/9a→-1/3b→に2/9で割って,2/9をかけるってやつや。
OH→=2/9・(5/9a→-1/3b→)/(2/9)
=2/9・(5a→-3b→)/2
これで線分ABを3:5に外分する点をDとすると
OH→=2/9・OD→
やからOH:OD=2:9よりt_0=2/9とわかるわけですわ。
この割って、かけて、無理やり係数を足して1にする方法を覚えてない人はちゃんと覚えてな。
ということで場合わけしていきます
(i)0<t≦2/9の時
LとOCとの交点をRtとして△RtPtQtの面積を求めるわけですわ。
色々なやり方あるとは思うねんけど、自分の能力に頼るんじゃなくて簡単になるように持っていくねん。
東大では強くそういう戦略的なことが要求されるねん。
だから難しいことをやろうとせずに簡単に相似を使って求めてしまうねん。
△RtPtQt∽△CPt_0Qt_0
でPtQt:AB=t:1よりPtQt=2tやから相似比も
△RtPtQt:△CPt_0Qt_0=(2t)^2:(2t_0)^2
と簡単に求まるやろ。
後欲しいのは、高さ|CH→|やけどこれはベクトルであらわされてるわけやから、ここは単純計算をすればええねん。
|CH→|=|OH→-c→|=|5/9・a→-1/3・b→-c→|
=√{(5/9)^2|a→|^2+(1/3)^2|b→|^2+|c→|^2-2・5/9・1/3・a→・b→+2・1/3・b→・c→-2・5/9・c→・a→}
=2√(2/3)
これで
△CPt_0Qt_0=1/2・|CH→|Pt_0Qt_0
=2t_0√(2/3)
△RtPtQt:△CPt_0Qt_0=(2t)^2:(2t_0)^2
⇔
S(t):2t_0√(2/3)=(2t)^2:(2t_0)^2
⇔
S(t)=3(√6)t^2
(ii)2/9<t<1の時
LとBCの交点をSt,LとACの交点をUtとすると四角形StUtQtPtはStUt//QtPtの台形である。
これはさっき書いたとこです。
ここも複雑な計算をしていくんじゃなくて、簡単に簡単になるようように、単に上底と下底と高さを相似とかで求めて面積を求めます。
UtSt:AB=CSt:CB
=Qt_0Q_t:Q_t0B
=t-2/9:1-2/9
=9t-2:7
よってUtSt=2(9t-2)/7
点StからLに垂線StHtをとると
CH:StHt=CB:StB
=Qt_0B:QtB
=1-2/9:1-t
StHt=9(1-t)CH/7
だから
S(t)=1/2・(UtSt+PtQt)StHt
=12/49・(8t-1)(1-t)√6
まあこれだけ簡単にしようとしても、結構ややこしいけどな。
まとめて
S(t)=
3(√6)t^2(0<t≦2/9)
12/49・(8t-1)(1-t)√6(2/9<t<1)
この自分の能力に頼るのではなく、簡単に持っていく発想をこういう問題を通して覚えていってくれ。
後は平方完成するだけや。
それだけの話や。
東京大学の入試の数学の過去問の解説
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Author:わんこら
京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。 東京で数学と物理の講師やってます
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