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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

確率の問題、大阪大学2008年度理系の第五問の解説
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大阪大学2008年度理系第5問の解説

[問題]
1枚の硬貨を繰り返し投げる反復思考を行い、表が500回続けて出たときに終わるものとする。nを500以上の自然数とするとき、この反復思考がn回目で終わる確率をp(n)とする。

(1)501≦n≦1000のとき、p(n)はnに関係なく一定の値になることを示し、またその値を求めよ。

(2)p(1002)-p(1001)の値を求めよ。

(3)1002≦n≦1500のとき,p(n+1)-p(n)の値を求めよ。


[解答と解説]
(1)
090929_m1.jpg

p(n)はnに関係なく一定の値になることを示し、またその値を求めよ…

これを読むと

一定の値になることを示す→その値を求める

ってことを示さなあかんようやけど、こういうのはたいがい

値が求まったら一定の値やった

って論理をすり替えて答えます。


だから501≦n≦1000のときp(n)の値を求めたらええねんけど、500回表が続いたら終わるってことやから、n回目で終わるのはどんな目の出方をしたのか考える時、後ろの方から考えなあかんわけやな。

こうやって表か裏か決まっていくのは1回目からやけど、確率や場合の数を求める時はその順番じゃなくて条件の厳しい回の方から計算したり数え上げるのがコツやねん。
まあ何回もやってることかもしれんけど。

それで○を表、×を裏とすると後ろの方は
×○○○…○
って×の後に○が500個続くねん。

終わるのは必ず最後はこういう並びになってるわけや。

この確率は(1/2)^501


そしたら、最初のn-501回はどうなってるか考えると、501≦n≦1000やから0≦n-501≦499で500回目が裏なわけやから○と×どんな並びでもええわけやねんな。
だから表または裏を△とすると
△△…△×○○…○
って形で△はn-501回、○は500回続いてて、確率は△は1だから
p(n)=1^(n-501)・(1/2)^(501)
=(1/2)^501

でp(n)の値はnに関係なく一定の値(1/2)^501って求まりました。


(2)
p(1002)-p(1001)を求めろってことやけど、まず後ろから501回は
×○○○…○
ってならないとあかんかって、この部分の確率は(1/2)^501でした。

この前の500個はどうなってるか考えると終わったらあかんねんな。

そう終わったらあかん。

ここで終わったらあかんねん。

「ここで終わったらあかんのですわ」って言うキーワードが来たら

090929_m3.jpg

余事象やったわけやな。

そんな癖のあるキーワードじゃなかったような。

しかもこの図はどういう意味やねん。


~でない確率とか言うキーワードがきたら余事象を考えて欲しいねんな。

ただそもそも、余事象を考えることは非常に有効な場合が多いので余事象を考えてみるは優先度の高い選択肢として扱ってあげてください。

090929_m2.jpg

と言うことでn=1001では

[500回で終わらない並び]×○○…○

やから500回で終わる確率は全部○の(1/2)^500やから

p(1001)=(1-(1/2)^500)(1/2)^501

次にn=1002では後ろの501回は

×○○…○

と言う並びで最初の501回は終わったらあかんわけやから、500回で終わらない、かつ、501で終わらない並びやから、その部分の確率は1-(1/2)^500-(1/2)^501だから求める確率は

p(1002)=(1-(1/2)^500-(1/2)^501)(1/2)^501

よって
p(1002)-p(1001)=-(1/2)^1002

(3)
090929_m4.jpg

数学は前の問題が誘導になってて、それを強く意識してやらなあかんことが多いねんけど、まあ時には意識しない方が解ける場合もあります。
この場合も、本来は(2)で具体的な数字でやってみて、それを参考に(3)で一般的なnでやってみようと言う意図やねんけど、もしかするとこれは(2)は無い方が最初から一般的に考えるから解きやすいんかもしれません。


最後の501回の並びは
×○○…○
で最初のn-501回は終わらなければいいから

[k回で終わらない並び(k=1,2,…,n-501)]×○○…○

って言う並びで確率は

p(n)=(1-p(500)-p(501)-…-p(n-501))(1/2)^501

また

p(n+1)=(1-p(500)-p(501)-…-p(n-501)-p(n-500))(1/2)^501

だから

p(n+1)-p(n)=-p(n-500)(1/2)^501

p(n-500)の値は、1002≦n≦1500から502≦n-500≦1000だから(1)より

p(n-500)=(1/2)^501

って決まってて

p(n+1)-p(n)=-(1/2)^1002

って求まりました。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説




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回転体の体積の問題、大阪大学2008年度理系第四問の解説
ちょっと北海道の無人島に静養いしに行ってくるわ。

大阪大学2008年度理系の第四問の解説します。

[問題]
090928_m1.jpg

tを負の実数とし、xy平面上で曲線y=2^(2x+2t)と曲線y=2^(x+3t)およびy軸で囲まれる部分をDとする。
(1)Dをx軸のまわりに1回転させてできる回転体の体積V(t)を求めよ、
(2)tが負の実数の範囲を動くとき、V(t)の最大値を求めよ。


[解答と解説]
特になんとも無いごく普通の数学3Cの問題です。
ただ一つ言うなら、回転体の体積の求めかたと2^xの積分が出来るかってことぐらいです。

二つ言うてるけどな。


どんな難関大学でさえ、普通の数学3Cの問題が出されることがよくあるから絶対に数学3Cはマスターしておいてください。
やり方さえちゃんと覚えれば、数学1Aや2Bと違って簡単に解けるし非常にコストパフォーマンスは高いです。

それでも入試本番で数学3Cやってへんわ、うへ~って白目むいてあほみたいな顔してるやつがおるわけやねんな。


まあ大学からしても数学3Cがままならんようじゃ困るわけやねん。

(1)
090928_m2.jpg

まずはグラフを書かなあかんねんけど回転体の体積を求めるだけやから、微分して詳しく書く必要はなくて大小関係や交点などがわかれば十分です。

そうやな、差を計算するとわかりやすいかな。

2^(2x+2t)-2^(x+3t)=2^(x+2t)(2^x-2^t)

でこの正負で大小関係はかわるねんけど、2^(x+2t)の部分は正やから2^x-2^tだけ考えたらよくて

x<tの時、2^(2x+2t)<2^(x+3t)
x=tの時、2^(2x+2t)=2^(x+3t)
x>tの時、2^(2x+2t)>2^(x+3t)

それでグラフを書いて、Dを図示しときます。

図からDをx軸でまわりの回転体は、Dの上側の境界のグラフy=2^(2x+2t)による回転体から下側のy=2^(x+3t)による回転体を引いたらよくて


V(t)=π∫(t,0)(2^(2x+2t))^2dx-π∫(t,0)(2^(x+3t))^2dx
=π∫(t,0)(2^(4x+4t)-2^(2x+6t))dx


後は2^xの積分やな。
e^xしか積分せえへんから、忘れやすいけど

∫2^xdx=2^x/log2+C(Cは∫定数)

まあe^xの積分はe^xがわかってれば

∫2^xdx=∫e^(xlog2)x
=e^(xlog2)/log2+C
=2^x/log2+C

って言うように導けるねんけど。

それで計算していって
V(t)=π[e^(4x+4t)/4log2-2^(2x+6t)/2log2](t,0)
=π/4log2・(2^8t-2・2^6t+2^4t)
=π/4log2・2^4t(2^2t-1)^2


(2)
090928_m3.jpg

単純にxで微分して増減を調べても全然問題ないねんけど、一応X二次関数で出来て
X=2^tとおくとt<0から0<X<1で

V(t)=π/4log2・X^2(X-1)^2
=π/4log2・(X(1-X))^2

0<X<1だからX(1-X)>0で

X(1-X)=-(X-1/2)^2+1/4

より0<X(1-X)≦1/4⇔0<{X(1-x)}^2≦1/16だから{X(1-X)}^2はX=1/2つまりt=-1/2の時、最大値16をとるから、V(t)はこの時最大で最大値はπ/64log2になります。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説




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微分と数列の問題、大阪大学2008年度理系の第三問の解説
なんか汗臭いおっさんとすれ違った時のテンションやわ。
もうやる気なくした。

今日は適当や。

大阪大学2008年度の理系の第三問の解説。


[問題]
090926_m1.jpg

Nを2以上の自然数とする。
(1)関数f(x)=(N-x)logxを1≦x≦Nの範囲で考える。このとき、曲線y=f(x)は上に凸であり、関数f(x)は極大値を1つだけとる。このことを示せ。

(2)自然数の列a_1,a_2,…,a_Nを
a_n=n^(N-n)(n=1,2,3,…,N)
で定める。a_1,a_2,…,a_Nのうちで最大の値をMとし、M=a_nとなるnの個数をkとする。このときk≦2であることを示せ。

(3) (2)でk=2となるのは、Nが2のときだけであることを示せ。


[解答と解説]
090926_m3.jpg

凸であることを調べろってことは二階微分せなあかんってことやな。

まあとりあえずは2階微分してみよ、

f'(x)=-logx+(N-x)/x
f''(x)=1/x-1/x^2

で1≦x≦Nやからf''(x)<0で上に凸ってことがわかります。

それと、f''(x)はf'(x)の微分であるってことも忘れたらあかんかって、f''(x)<0ってことはf'(x)は単調減少なわけやな。

より正確に言うにはg(x)を関数としてg(x)が単調減少であるとは
a<bの時g(a)>g(b)

a>bの時g(a)≧g(b)
の二つが本によってバラバラに定義されていますが、今回はf''(x)<0だから
a<bの時g(a)>g(b)
の方になるので、イコールがつかないことを明確に区別して扱いたい時には

狭義単調減少

と言う言葉を使ってみてください。


まあ、本当はちゃんと区別せなあかんのに適当な模範解答も見られるからそこまで要求されることあんまり無いんやろうけどな。


それでf(x)が極大値をただ一つ持つってことはf'(x)が定義でf'(x)=0となるxがただ一つあって狭義単調減少なわけやから定義域の端点のx=1で正で、x=Nで負であることが言えるんちゃうかって予想がたつわけやねんな。

実際f'(1)=N-1>0,f'(N)=-logN<0

でf'(α)=0(1<α<N)となるαがただ一つ存在することになります。


ここで単調減少って言葉が
a>bの時g(a)≧g(b)
を意味してしまったら、これを示しただけでは例えば
f'(x)=
(x-3)^2(1≦x<3)
0(3≦x<4)
-(x-4)^2(4≦x<N)
と言うような関数ならば、今書いた意味の単調減少でf'(x)=0となるxが無限にある(非可算無限とか言う)ことになるから困るねんな。


まあなんか頭わけわからんことなったら、気にしないでください。

高校ではこの辺あまり気にしなくてもたぶん大丈夫やし、何よりも増減表を書いたらはっきりこの辺のことが示されるので増減表を書いておけば大丈夫です。

言葉をだらだら書くより増減表やな。


(2)
090926_m2.jpg

これはなんか問題文にややこしいことを書いてて、難しそうやねんけどとりあえず(1)で書いた増減表とかを元にしてグラフを書いてみてください。
数学は考える前にまずは図やからな。


なんでy=(N-x)logxのグラフなんか言うたらloga_n=(N-x)logn=f(n)やから、f(n)=logMとなる個数を調べたらええわけやねんな。

まあそれはさすがにピンと来るかもしれんな。

それでy=(N-x)logxのグラフを書いてみたら、そもそもy=一定の直線をどこの引いても共有点は2個以下やろ。

だからMがどんな値であろうとy=(N-x)logxとy=logMの共有点は2個以下やし、さらに整数の点になるものだけ考えても2個以下なわけや。

だからk≦2やねん。

これMが最大値とか書いてるけど関係ないねんな。


解析的な問題ではこういう、そもそも実数でも成り立たないことを示したり、そもそもMはどんな値でも成り立たないとか言うような論理をよく使うからこの示しかた覚えとってください。


(3)
090926_m4.jpg

a_1=1,a_N=1やからk=2となる時はN=2となる時ってことはa_1=1,a_2=1で最大値1ってことやろな。

f(x)はx=αで最大やったからその隣にあるxが整数になる点がf(n)が最大になる点でa_nも最大になるわけやけど、x=αの両隣の二つのxが整数になる点の値が同じやったらええわけや。

だからiをi≦α<i+1となる自然数として
f(i)=f(i+1)
やったらええねん。

f(i)=f(i+1)⇔a_i=a_(i+1)
⇔i^(N-i)=(i+1)^(N-i-1)

凄い解析的な考え方が続いてたけど、こっからは整数問題になってiとi+1は連続2整数やからどっちかが奇数でどっちが偶数なわけやん。

だからこの式が成り立つには、偶数と奇数が等しいわけがないから偶数の方の指数を0にして1にしたら奇数にやん。
それで奇数の方を1にしたらええねん。

つまりiが偶数の時はi+1が奇数で
N-i=0かつ1=i+1

i=N=0
これはiが0なのもおかしいしN≧2やったから不適やな。


iが奇数の時はi+1が偶数で
N-i-1=0かつi=1

i=1、N=2
これはオッケーでN=2って決まります。


この問題は数列の問題を解くのに、まず実数の範囲で考えて、それから整数の点を考えると言う流れの問題で色々とよく使う考え方が入っているし、実数の範囲で考える誘導がついてますがもっと難しい問題では自分で関数を設定しなければならないこともあるので、この解き方とか流れを覚えておいてください。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説

整数問題の解法の解説と問題演習




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