円と放物線が接する問題、名古屋大学文系2009年度第二問の解説 |
なんか落とし物を届けたに行ったら、おっさんに唾かけられた気分や。
名古屋大学文系2009年度第二問の解説
[問題]
放物線y=ax^2(a>0)と円(x-b)^2+(y-1)^2=1(b>0)が点P(p,q)で接しているとする。
ただし、0<p<bとする。この円の中心Qからx軸に下ろした垂線とx軸との交点をRとしたとき、∠PQR=120°であるとする。
ここで、放物線と円が点Pで接するとはPが放物線と円の共有点であり、かつ点Pにおける放物線の接線と点Pにおける円の接線が一致することである。
(1)a,bの値を求めよ。
(2)点Pと点Rを結ぶ短い方の弧とx軸および放物線で囲まれた部分の面積を求めよ。
[解答と解説]
えっと放物線と円が点P(p,q)で接すると言うことは、点Pが共有点で点Pにおける接線の傾きが等しいことだから
点Pが共有点より
q=ap^2
(p-b)^2+(q-1)^2=1
接線の傾きはy=ax^2の微分
(ax^2)'=2ax
から点Pにおける傾きは2ap
円の(p,q)における接線は
(p-b)(x-b)+(q-1)(x-1)=1
から傾きは
-(p-b)/(q-1)
やから
2ap=-(p-b)/(q-1)
これらを解いてまず
q=ap^2
(p-b)^2+(q-1)^2=1
からq消去して
a^2p^4+(1-2a)p^2-2bp+b^2=0
…
ってやってると
だら~ん血吐いて倒れます。
血吐いてから倒れるんじゃなくて、倒れてから血吐きます。
こういう円が絡む問題は計算だけでやるんじゃなくて、図形的に解くのがポイントなことが非常に多いねんな。
まさにこの問題はそういう図形的にやるやつの典型やと思うええ問題やと思うわ。
まずは図を書いてみると、ちょうど円はx軸と放物線の両方に接してることがわかります。
それでまずは点Pが共有点になることは、PQ=1であればええねんけど∠PQR=120°やったからこのことも併せて図のような直角三角形を考えて
P(p,ap^2),Q(b,1)やから
b-p=cos30°
ap^2-1=sin30°
って式が立ちます。
これでPQ=1と∠PQR=120°の両方の条件を表せてるねんな。
それで次は接線の傾きが等しいって条件を式にせなあかんねんけど、これも図形的に言うと円において
円の性質から直線PQと点Pにおける接線は垂直に交わりますやん。
だから
PQの傾き=tan150°=-1/√3
やから円の点Pにおける接線の傾きmとすると
(-1/√3)・m=-1
⇔
m=√3
って点Pにおける接線の傾きが図形的に求まって、今度は放物線の点P(p,ap^2)における傾きは微分したらええから
(ax^2)'=2ax
より
2ap
でこの二つの傾きが等しくないとあかんから
2ap=√3
になります。
b-p=cos30°
ap^2-1=sin30°
2ap=√3
の三式から
p=√3,a=1,b=3(√3)/2
だからこういう風に円が出てくると、計算式だけでやるより図形的にやると格段に計算量が減って上手いこといくことが多いねんな。
この問題で、こういう考え方とか勉強したってください。
(2)
面積はこれも図形的にパズルみたいに処理をするのがポイントで図のように求める面積のとこを斜線部を引くと
斜線部=(四角形OPQR)-(QPRの扇型)
でさらに四角形OPQRの方は三角形と台形にわけると計算出来るから
斜線部=(四角形OPQR)-(QPRの扇型)
=(図の三角形)+(図の台形)-(QPRの扇型)
=1/2・√2・3/2+1/2・(3/2+1)・(√3)/2-π/3
=9(√3)/8-π/3
こういう説明をごちゃごちゃ書くより図を描くと言う解答の書き方とかも真似して身につけたってください。
ちなみにこの問題はセンター試験数学ⅡB2002年度の第二問とほとんど同じやったりします。
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空間ベクトルの問題、名古屋大学文系2009年度第一問の解説 |
やさしいお兄さんたちと遊ぶ会に参加した時の話あるけど聞く?
名古屋大学文系2009年度第一問の解説
[問題]
空間のベクトルOA→=(1,0,0),OB→=(a,b,0),OC→が、条件
|OB→|=|OC→|=1,OA→・OB→=1/3,OA→・OC→=1/2,OB→・OC→=5/6
をみたしているとする。ただし、a,bは正の数とする。
(1)a,bの値を求めよ。
(2)三角形OABの面積Sを求めよ。
(3)四面体OABCの体積Vを求めよ。
[解答と解説]
(1)この問題は内積とかベクトルの計算が出来るか?って言うようなことを聞いてきてます。
a→=(x,y,z)とb→=(x',y',z')があると内積は
a→・b→=xx'+yy'+zz'
と計算して
a→の長さ|a→|って言うのは|a→|^2=a→・a→と二乗して内積として解釈されてました。
だから
|OB→|^2=1
⇔
OB→・OB→=1
⇔
(a,b,0)・(a,b,0)=1
⇔
a^2+b^2+0^2=1
⇔
a^2+b^2=1
また
OA→・OB→=1/3
⇔
(1,0,0)・(a,b,0)=1/3
⇔
a=1/3
でa=1/3をa^2+b^2=1に代入してbは正だから
b^2=1-(1/3)^1=8/9
より
b=(2√2)/3
(2)
OA→とOB→がわかってて、△OABの面積を求めろ言うたら
S=1/2√(|OA→|^2|OB→|^2-(OA→・OB→)^2)
=1/2√(1^2・1^2-(1/3)^2)
=(√2)/3
って求めてください。
こんなマニアックな公式覚えてへんわ!
って言う厳しい意見もありますが、これは意外にもよく出ててセンター試験でも結構使いこともありますが覚えてなくても普通に三角形の面積を求めようとしたら自然とこうなります。
なんでか言うとOA→とOB→のなす角度をθとすると、OA→=a→,OB→=b→とおいて
1/2|a→||b→|sinθ
が面積やけど、まずsinθがいるからこれは内積からcosθをまずは求めて
cosθ=(a→・b→)/|a→||b→|
それで0≦θ≦180°だから
sinθ=√(1-(cosθ)^2)
=√(1-((a→・b→)/|a→||b→|)^2)
この値を計算してから
1/2|a→||b→|sinθ
を計算したらええねんけど、これcosθをだすときに(a→・b→)/|a→||b→|と言うように|a→||b→|で割ってから、1/2|a→||b→|sinθでまた|a→||b→|をかけてるから微妙に二度手間なってますやん。
だから数字を入れるのは最後にして、まずは文字のまま計算進めてみると
1/2|a→||b→|sinθ
=1/2|a→||b→|√(1-(a→・b→)^2/|a→|^2|b→|^2)
=1/2√(|a→|^2|b→|^2-(a→・b→)^2)
でここまで計算して|a→|と|b→|とa→・b→の値をいれたら計算がちょっと早いから自然とこの形になるわけやねんな。
だからこうやって導きながら使ったらええねんけど、やっぱり覚えてしまったら便利で早いと思います。
(3)
まずOC→を求めて点Cの座標を求めたらええってことはわかります。
そこから三角形OABの面積を(2)で求めさせられたからには体積Vを求める時に△OABを底面と考えて点Cの高さを求めるんちゃうかってとこまではゴルゴンゾーラやろ。
どういう意味やねん。
だから高さを求めるには点Cから平面OABに垂線CHを降ろして
○点は平面OAB上より
OH→=αOA→+βOB→(α,βは定数)
○直線CH⊥平面OABより
CH→・OA→=0
CH→・OB→=0
と言うように式をたてて解くのがお決まりでした。
ただ、図を描いてみたらそんなややこしいことせんでも平面OABはxy平面やから高さはCのz座標なだけってことに気づきます。
だからまずはなんか知らんけど図をかいてみるってことが大切やねん。
大切と言うか、もう基本やな。
考える前になんか知らんけど図をかいてみる。
そしたらわかってくるねん。
OC→=(X,Y,Z)とおくと
OA→・OC→=1/2⇔X=1/2
OB→・OC→=5/6⇔X/3+2(√2)Y/3=5/6
|OC→|=1⇔X^2+Y^2+Z^2=1
これらを解いて
(X,Y,Z)=(1/2,(√2)/2,±1/2)
Zは二つ出て来るけど、どっちでも高さ1/2になるから体積は同じです。
だから
V=1/3・S・1/2=(√2)/18
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整数問題、名古屋大学理系2009年度第4問の(B)の解説 |
そうか、君たちはパポられた子供たちか。
名古屋大学理系2009年度第4問の(B)の解説
[問題]
x,yを正の正数とする。
(1)2/x+1/y=1/4をみたす組(x,y)をすべて求めよ。
(2)pを3以上の素数とする。
2/x+1/y=1/pをみたす組(x,y)のうち、2x+3yを最小にする(x,y)を求めよ。
[解答と解説]
これは
(因数分解された文字式)=(整数)
と言う形にして整数の約数を考えて解く典型的な整数問題です。
この整数問題…因数分解をする解法の記事を参照してやってくれ。
この問題でやると
2/x+1/y=1/4
で4xyをかけて分数を無くして
xy-8y-4x=0
これでまずはxかyかで整理します。
次数が低い方で整理するのが基本ですが、これはどっちも同じやからどっちでもええねんけど、何となくxでやってみます。
(y-4)x-8y=0
これでxの係数がy-4yから-8yのとこを-8(y-4)にしたら因数分解出来そうです。
そうすると32大きくなるから32を引いて帳尻をあわせます。
(y-4)x-8(y-4)-32=0
⇔
(y-4)(x-8)=32
これで
(因数分解された文字式)=(整数)
になりました。
後は(x-8,y-4)の組は32の約数になって
(x-8,y-4)=(1,32),(2,16),(4,8),(8,4),(16,2),(32,1)
,(-1,-32),(-2,-16),(-4,-8),(-8,-4),(-16,-2),(-32,-1)
ってなるけどxとyは正の整数だからマイナスの方は不適です。
まあこうやって全部調べて書いてしまったらええんけど、負の方はないって示すとしたら
x-8<0とするとx-8とy-4は同符号やからy-4<0で
x-8≧1-8=-7
y-4≧1-4=-3
で(x-8)(y-4)≦21
となって32にはならないことがわかります。
後は
(x-8,y-4)=(1,32),(2,16),(4,8),(8,4),(16,2),(32,1)
から
(x,y)=(9,36),(10,20),(12,12),(16,8),(24,6),(40,5)
(2)
2/x+1/y=1/p
さっきと同じように因数分解したらよくて、まずpxyをかけて分数をなくしてしまって
xy-2py-px=0
xについて整理して
(y-p)x-2py=0
次に-2pyでy-pをつくり出したらええから
(y-p)x-2p(y-p)-2p^2=0
⇔
(y-p)(x-2p)=2p^2
それで2p^2の約数はpが素数やから
{1,2,p,2p,p^2,2p^2}
の6つで
(x-2p,y-p)=(1,2p^2),(p,2p),(p^2,2),(2,p^2),(2p,p),(2p^2,1),
(-1,-2p^2),(-p,-2p),(-p^2,-2),(-2,-p^2),(-2p,-p),(-2p^2,-1)
でx,yは正の整数だからマイナスの方は不適と書いたらええねんけど、さっきと同じで負の方はないって示すとしたら
x-2p<0
とすると
y-p<0
で
x-2p≧1-2p,y-p≧1-p
だから
(x-2p)(y-p)≦(1-2p)(1-p)<2p^2
より負の方はないことが示せるねんな。
だから
(x-2p,y-p)=(1,2p^2),(p,2p),(p^2,2),(2,p^2),(2p,p),(2p^2,1)
で(x,y)を求めたら
(x,y)=(1+2p,2p^2+p),(3p,3p),(p^2+2p,2+p),(2+2p,p^2+p),(4p,2p),(2p^2+2p,p+1)
この問題はここで終わりじゃなくて、このうち2x+3yが最小になるやつを求めろってややこしいことを聞いてきてます。
こっちは疲れてるのにな。
もうはよ家帰って、ママに膝枕してもらって寝たいわ。
だからそれぞれの組に対して2x+3yの値を求めると順に
6p^2+7p+2,15p,2p^2+7p+6,3p^2+7p+4,14p,4p^2+7p+3
このうち最小のものを求めろ…
オイッチニ
オイッチニ
ってなりそうやけど、まだこうなるには早いねん。
一般的に男性が持つような欲求が自分にあるのは認識しているが、これくらいは通常の常識の範囲内なわけや。
そこで処理の仕方とかコツを学んでいって欲しいねんな。
6p^2+7p+2,15p,2p^2+7p+6,3p^2+7p+4,14p,4p^2+7p+3
を見比べると、明らかなのが
15p>14p
や。
それでp≧3やったからp^2≧3pですやん。
これを使えばpの2次式でも14pと比べられそうやろ。
こういうダイナミックな評価は大学の解析の問題とかでもよく使うから、こんなやり方あったなって覚えといてくれ。
こんなん思いつかんわ
じゃなくて
こういう処理の仕方をすればいいのか、覚えておこう
って感じや。
6p^2+7p+2≧6・3p+7p+2=25p+2>25p
3p^2+7p+4≧3・3p+7p+4=16p+4>16p
4p^2+7p+3≧4・3p+7p+3=19p+3>19p
でこれらは14pより大きいことがわかるようになりました。
ただ2p^2+7p+6は同じようやると
2p^2+7p+6≧2・3p+7p+6=13p+6>13p
と言うように14pより大きいと示されへんねん。
だからこれだけ別個に調べる必要があって
2p^2+7p+6-14p=2(p-7/4)^2-1/8
だからpは素数やけど実数の範囲で考えてみると
y=2(x-7/4)^2-1/8(x≧3)
の二次関数はグラフを書くと定義域が軸より右側だから単調増加でx=3で最小値3をとるから
素数の範囲でもp≧3より
2p^2+7p+6-14p=2(p-7/4)^2-1/8≧3>0
で
2p^2+7p+6>14p
がわかりました。
だから最小値は14pで対応してる(x,y)は(4p,2p)です。
名古屋大学の入試の数学の過去問の解説
整数問題の解法の解説と問題演習
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京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。 東京で数学と物理の講師やってます
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