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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

正四面体ABCDの∠APB>90°となる部分の面積、大阪大学の問題の解説
はい、今日は大阪大学の問題を解説します。

年度とか理系とか文系とか何もかも不明です。


[問題]
1辺の長さ2の正四面体ABCDの表面上にあって∠APB>90°をみたす点P全体のなす集合をMとする。Mの面積を求めよ。


[解答と解説]
090531_m1.jpg

この∠APB>90°をみたす点P全体のなす集合ってやつがちょっと難しいかもしれんな。
でもこれはたまに出てくるから、覚えていてほしいねん。

この直径ABの円を考えて、点Pが円周上にあれば∠APB=90°です。

これは有名な話やな。

それで点Pがこの円より内側にあれば∠APB>90°

点Pがこの円より外側にあれば∠APB<90°なわけや。

言われてみれば、中学生ぐらいのレベルの話やねんけど実際これを使って解くことがあんまり無いかもしれんな。


それで今回は立体図形やから、直径ABの球を考えて球の内側にあれば∠APB>90°って言うのを使うねん。

090531_m2.jpg

だから正四面体と球の共通部分がMになるわけや。

これを図に書いてみると若干難しいかもしれんけど、立体図形は二次元に落として考える処理していくと意外と簡単で、やっぱり二次元に落として考えるのがまずやって欲しい解き方やねん。

だから△ABC,△ABD,△ACD,△BCDの四つの面を考えて、△ABC,△ABDはABを直径とした円と三角形の共通部分を考えたらオッケーで、これは両方ともMの部分が合同になってます。

それで△ACD,△BCDは辺ABの中点Eつまり球の中心になるけど、△BCDでは点Eから△BCDに垂線EHをおろして点Hを中心として点Bを通る円との△BCDの共通部分がMになります。
もちろん△ACDも同じ形な。
これはちょうど球を平面BCDで切った断面の円のことを考えるわけやねん。


形がわかってきたところで、△ABCのMと△BCDのMの部分の面積を求めて2倍して足せばええことがわかってきました。

090531_m3.jpg

まず△ABCでは図のようにEを中心とした半径1の円とACとの交点をF,BCとの交点をGとすると
△AEFに注目すると、直感的に正三角形ってことがわかりますが一応証明すれば

EA=EF=(円の半径)=1
よって二等辺三角形になるから
∠EFA=∠EAF=60°
よって△AEFは正三角形

同じようにして三角BEGも正三角形

だから

∠FEG=180°-60°-60°=60°

これで面積が求められて、いつものように絵を描いて絵で考えてこの△ABCでのMの面積は

2×(1辺の長さ1の正三角形)+(半径1中心角60°の扇形)
=√2/2+π/6

と求まりました。

090531_m4.jpg

ややこしいんが△BCDの形やな。
これは点Eから△BCDに垂線EHをおろして点Hを中心とした点B通る円と△BCDの共通部分がMやけど、元の正四面体と球から考えればこの円の半径rは三平方の定理から
EH^2+r^2=1
から求める必要がありそうですが、この△BCDの図だけでも半径rは求まります。

円とBCとの交点はGでしたが、円とBDとの交点をIとして点Hは辺CDの垂直二等分線上です。
それで円周角と中心角の関係から
∠GHI=2∠IBG=120°

だから△BHGにおいて余弦定理から

BG^2=GH^2+BH^2-2GH・BHcos120°

r^2=1/3

よりr=1/√3です。

090531_m5.jpg

ここまでわかれば、この△BCDでのMの面積は

2×(2辺の長さがr、その間の角が120°の三角形)+(半径r中心角120°の扇形)

=1/(2√3)+π/9


これでMの面積は

2×(√2/2+π/6)+2×(1/(2√3)+π/9)
=(4√3)/3+5π/9


結構大変な問題やけど、面白いし、考え方とか解き方とか勉強になると僕は個人的に思わなくもないと思わざるをえなく思うことも無きにしろあらずです。

それどっちやねん。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説

高校数学の入試問題などの解説




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接線と面積の問題、東京大学1978年度文系第四問の解説
とりあえずビニール袋を頭にかぶってくれ。

東京大学1978年文系第4問の解説。
また間違えてるとこあったらしばいてくれ。

[問題]
090529_m1.jpg

xy平面で点P(-3,6)を通り、曲線y=x^3-5x^2+x+9…(1)に接する直線のうち、接点のx座標がx≧0みたすものをPQ,PRとする。ただしこれらの直線は点Q,Rにおいて曲線(1)に接するものとする。このとき曲線(1)の点Qから点Rまでの部分と、線分PQ、線分PRで囲まれた領域の面積を求めよ、



[解答と解説]
090529_m2.jpg

東大にしては文系ってこともあるけど。かなりやりやすい問題ですがただ式がややこしくなりそうなことをやるとこがポイントかな。
東大はややこしくなるもんやからな。

曲線(1)上の点T(t,t^3-5t^2+t+9)における接線がP(-3,6)を通るとすると

PTの傾き=点Tの接線の傾き

という方程式をたてます。

(1)を微分して

y'=3x^2-10x+1

だから

(t^3-5t^2+9-6)/(t-(-3))=3t^2-10t+1

これがなんかややこしい式やけど、ほんまにこんなん計算するんか?って血吐きそうやけど、まだ血吐くには早いわけや。

整理してみると

t(t+5)(t-3)=0

ってかなり単純な式になって

t=0,-5,3

ってわかるねん。

後は接点はx≧0を考えてたらx=0,3での接線を考えたらよくて

Q(0,9),R(3,-6)ってわかるわけや。

まあどっちがQかRの指定がないから、どっちでもええねんけど。

面積を求めるにはまず直線PRを求めて
y=-2x

(1)の増減表を書いてグラフを書いて、直線PRと直線PQを書き込みます。

090529_m3.jpg

図の斜線部になってます。

090529_m4.jpg

後は面積を求めるだけで、左側の三角形と右側の曲線部分にわけて

左側の三角形の面積は1/2×9×3=27/2

右側は積分を計算して

∫(0,3)(x^3-5x^2+9-(-2x))dx
=∫(0,3)(x-3)^2(x+1)dx

x=3で接するから因数分解できます。
x-3で積分すると楽そうだから

=∫(0,3)(x-3)^2(x-3+4)dx
=∫(0,3){(x-3)^3*4(x-3)^2}dx
=[(x-3)^4/4+4(x-3)^3/3](0,3)
=-81/4+36

別にもっと普通に積分してもそんな労力かわらんかもしれんけどな。


だから求める面積は

27/2-81/4+36=117/4

ってわかりました。


あいかわらず人を不安にさせる数字やなこれ。

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定点を通る問題、東京大学1978年度文系第二問の解説
今日も1978年代にタイムスリップ。
うへ~。

またおかしいところがあったらしばいてください。
東京大学1978年度文系第二問の解説
[問題]
090528_m1.jpg

二つの放物線y=x^2-2x+2…(1),y=-x^2+ax+b…(2)は、それらの交点の一つPで、接線が互いに直交しているものとする。このとき、放物線(2)は,a,bの値に無関係な一定の点Qを通ることを証明し、Qの座標を求めよ。


[解答と解説]
090528_m2.jpg

まずPのx座標をだすために(1)(2)からy消去してみると
x^2-2x+2=-x^2+ax+b

2x^2-(2+a)x+2-b=0

この判別式をDとすると解を持つには
D=(2+a)^2-4・(2-b)・2≧0

a^2+4a+8b-12≧0

でないとあかんけど、このxの値を出すのは式がややこしくなりそうやから、これはひとまずよくあるやり方やけど解の一つをαと置いて、αは

2α^2-(2+a)α+2-b=0

が成り立つ実数であるとしておきます。


それで次にそれぞれ微分すると
(x^2-2x+2)'=2x-2
(-x^2+ax+b)'=-2x+a
やから、

(1)と(2)がx=αで直交する⇔
(2α-2)(-2α+a)=-1⇔
-4α^2+(2a+4)α-2a+1=0

なわけやけど、αはどんな値やったかと言うと

2α^2-(2+a)α+2-b=0

が成り立つ値やから、よくあるがの

α^2=((2+a)α-2+b)/2

と変形して左辺はα^2で、右辺はαの式でこれで次数が下げられるわけやな。
-4α^2+(2a+4)α-2a+1=0に代入すると

-2((2+a)α-2+b)+(2a+4)α-2a+1=0

a=5/2-b

とαが消えるやないか!

αが消えるやないか!

αが消えるやない…

αが消え…


もうええって。

つまり、直交する条件はa=5/2-bであると言う条件だけ考えたら良いことになります。

090528_m3.jpg

まとめると

a^2+4a+8b-12≧0
a=5/2-b

であればええねんけど、a^2+4a+8b-12≧0にa=5/2-bを代入すると

(b-1/2)^2+4≧0

で全ての実数bで成立することになるから

a=5/2-b

だけ考えたらええことになります。


後は(2)がどんなbに対しても定点を通ることを示したらいいわけですが、こういう定点を通ることを示す問題の定石にしたがって、
まずaを消去して1パラーメーターにして

y=-x^2+(5/2-b)x+b

bについて整理して

(1-x)b-x^2+5x/2-y=0

これでbの係数が0,定数部分が0になればどんなbに対してもこの方程式は成立するから

1-x=0
-x^2+5x/2-y=0

x=1,y=3/2

つまり、どんなbに対しても(2)は(1,3/2)を通ることになります。

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