頭痛いときは、色々と切り落とす以外に道がないな。
名古屋大学2009年度理系第三問の解説
[問題]
行列A=1/2(0 -1 1 -1)に対して、座標空間の点P_nの座標(a_n,b_n,c_n)(n=1,2,3,…)を,
(a_1,b_1,c_1)=(1,0,0),
(a_(n+1),b_(n+1))=A(a_n,b_n),
c_(n+1)=c_n+√(a_nb_n)
(n=1,2,3,…)
で定める。
(1)A^3を求めよ。
(2)点P_2,P_3,P_4の座標を求めよ。
(3)点P_nの座標を求めよ。
[解答と解説]
(1)
まずは単純にA^3を計算するだけやけど、だいたいこんなんが出てきたら0になったり単位行列の定数倍になって、それを使って解くことが多いな。
この問題も実際
A^2=1/4(-1 1 -1 0)
A^3=1/8(1 0 0 1)
で単位行列の1/8倍になるやろ。
ほんまこのパターンは多いですわ。
(2)
これも単純に計算したってください。
まあ単純な計算問題が続いてるけど有名国立受ける人でも、そもそも行列の計算が怪しい人がいるからな。
反対に言うと数学3Cはちゃんとやれば簡単に点数がとれるから非常にコストパフォーマンスが高いねん。
だから数学3Cはしっかりやってな。
(a_2,b_2)=A(a_1,b_1)
=(0,1/2)
で
c_2=c_1+√(a_1b_1)=0
(a_3,b_3)=A^2(a_1,b_1)
=(-1/4,-1/4)
c_3=c_2+√(a_2b_2)
=0
(a_4,b_4)=A^3(a_1,b_1)
=(1/8,0)
c_4=c_3+√(a_3b_3)
=1/4
だから
P_2(0,1/2,0),P(-1/4,-1/4,0),P4(1/8,0,1/4)
まあ空間の座標になってるけど、そんなことは余り気にせずに計算だけやってください。
こんなん深く考えたら負けやねん。
むしろ大切なのは、なんでA^3を求めてP_2とP_3とP_4の座標を求めさせられたかや。
それが次の問題やな。
(3)
だいたい前問がヒントになってると言うことをかなり意識をしてやって欲しいねんけど、
この問題も(1)からA^3=1/8Eやから3ごとに1/8倍になってることがわかって、(2)からP_2,P_3,P_4を求めたから、
x,yの座標については
P_2→P_5→P_8って言うごとに1/8倍
同じように
P_3→P_6→P_9
P_4→P_7→P_10
ごとに1/8倍ずつになってるからもはや求まったも同然みたいなもんですわ。
だから3で割った余りで場合わけしてmを自然数として
(a_(3m-2),b_(3m-2))=(1/8)^(m-1)(a_1,b_1)
=((1/8)^(m-1),0)
(a_(3m-1),b_(3m-1))=(1/8)^(m-1)(a_2,b_2)
=(0,1/2(1/8)^(m-1))
(a_3m,b_3m)=(1/8)^(m-1)(a_3,b_3)
=(-1/4(1/8)^(m-1),-1/4(1/8)^(m-1))
次はc_nを求めるにはc_(n+1)=c_n+√(a_nb_n)に代入したらええから、3で割った余りで場合分けして代入していってみると
b_(3m-2)=0
a_(3m-1)=0
やから
√(a_(3m-1)b_(3m-1))=√(a_(3m-2)b_(3m-2))=0
になるから
c_3m=c_3m-1=c_3m-2
になることに気づくねんな。
だからc_(3(m+1)-2)とc_(3m-2)の関係を調べたらええねん。
c_(3(m+1)-2)=c_3m+√(a_3mb_3m)
=c_3m+1/4(1/8)^(m-1)
=c_(3m-2)+1/4(1/8)^(m-1)
これは階差数列で求められる漸化式のタイプやから
m≧2の時
c_(3m-2)=c_3+Σ(k=1~m-1)1/4(1/8)^(k-1)
=2/7(1-(1/8)^(m-1))
でこれはm=1を代入すると0になるかm=1でも成立するねん。
だからまとめると
P_(3m-2)((1/8)^(m-1),0,2/7(1-(1/8)^(m-1)))
P_(3m-1)(0,1/2(1/8)^(m-1),2/7(1-(1/8)^(m-1)))
P_3m(-1/4(1/8)^(m-1),-1/4(1/8)^(,-1),2/7(1-(1/8)^(m-1)))
この辺で終わっとこか。
名古屋大学の入試の数学の過去問の解説
- 関連記事
-
テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育
|