センター試験数学1の2010年度第4問の数と式の問題の解説 |
リクエストに答えてセンター試験の数学1Aじゃなくて数学1の方の解説しますわ。
数学1は初めてやけど、結構面白いもんやな。
センター試験数学1Aの2010年度題4問の数と式の問題の解説
[問題]
m,nを自然数とし、1<m<nとする。
α=√m-√(m-1),β=√n-√(n-1)
とおく。さらに
S=αβ+α/β+β/α+1/(αβ)
とおく。
(1)m=3,n=6のとき
α+1/α=[ア]√[イ],β+1/β=[ウ]√[エ]
であり、S=[オカ]√[キ]である。
(2)S=8√3ならば,mn=[クケ]である。このとき
m=[コ],n=[サ]
または
m=[シ],n=[ス]
である。ただし、[コ]<[シ]とする。
(3)等式
α^2β^2+α^2/β^2+β^2/α^2+1/α^2β^2=500
が成り立つのは、m=[セ],n=[ソタ]のときである。
[解答と解説]
(1)まずは普通に分母を有理化して計算してみ
α+1/α=√3-√2+1/(√3-√2)
=√3-√2+(√3+√2)/(3-2)
=2√3
β+1/β=√6-√5+1/(√6-√5)
=√6-√5+(√6+√5)/(6-5)
=2√6
α+1/αとβ+1/βを求めさせておいて、Sを計算させるってことはSはこういう形にたぶんなるんやろな。
因数分解の基本として次数の低い文字で整理してみるってことやけど、αもβも次数は同じやからαで整理してみると
S=(β+1/β)α+(β+1/β)1/α
=(β+1/β)(α+1/α)
これで
S=(2√3)(2√6)
=12√2
(2)これ(1)からα+1/α=2√m,β+1/β=2√nなんちゃうかって思うやんな。
思わんかったら、まあ提灯振り回して廊下を歩いて下さいって感じやねんけど。
実際にα+1/α=√m-√(m-1)+1/(√m-√(m-1))
=√m-√(m-1)+(√m+√(m-1))/(m-(m-1))
=2√m
β+1/β=2√n
それでS=(α+1/α)(β+1/β)やったから
8√3=(2√m)(2√n)
⇔
2√3=√(mn)
⇔
mn=12
12の約数は{1,2,3,4,6,12}で1<m<nやから
(m,n)=(2,6),(3,4)の場合だけです。
だから(1)の解き方をヒントにしていくのがコツやねんな。
後はmn=12とか言う式の場合、mとnが整数なら12の約数しか入らないから取り合る値は限られてくるねんな。
そういう整数問題の解き方を覚えておいてください、
(3)
α^2β^2+α^2/β^2+β^2/α^2+1/α^2β^2=500
の左辺の式は
αβ+α/β+β/α+1/αβ
に似てるから、とりあえず同じような因数分解すると
(α^2+1/α^2)(β^2+1/β^2)=500
それでこれにα=√m-√(m-1)とか代入していってもええねんけど、もう少し前の結果が使えて
α^2+1/α^2=(α+1/α)^2-2
β^2+1/β^2=(β+1/β)^2-2
だから
α^2+1/α^2=(2√m)^2-2=2(2m-1)
β^2+1/β-2=(2√n)^2-2=2(2n-1)
こうやってαと1/αの積は1だからそれを使って
α^2+1/α^2=(α+1/α)^2-2
みたいな変形はよくやります。
これで
(α^2+1/α^2)(β^2+1/β^2)=500
⇔
2(2m-1)2(2n-1)=500
⇔
(2m-1)(2n-1)=125
125の約数は{1,5,25,125}の4つだけで1<m<nより1<2m-1<2n-1だから
(2m-1,2n-1)=(5,25)⇔(m,n)(3,13)しかあり得ないことになります。
数学1も新鮮でええな。
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整数問題の解法の解説と問題演習
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センター試験数学2B、2010年度の第4問、ベクトルの問題の解説 |
小箱を見てたらキレそうになるな。
センター試験数学2B、2010年度の第4問のベクトルの問題の解説
[問題]
二つずつ平行な三組の平面で囲まれた立体を平行六面体という。辺の長さがすべて1の平行六面体ABCD-EFGHがあり、∠EAB=∠DAB=π/2,∠EAD=π/3である。AB→=p→,AD→=q→,AE→=r→とおく。

0<a<1,0<b<1とする。辺ABを辺a:(1-a)の比に内分する点をX,辺BFをb:(1-b)の比に内分する点をYとする。点Xを通り直線AHに平行な直線と辺GHとの交点をZとする。三角形XYZを含む平面をαとする。
(1)p→・q→=p→・r→=[ア],q→・r→=[イ]/[ウ]である。ベクトルXY→は,a,b,p→,r→を用いてXY→=(1-[エ])p→+[オ]r→と表される。
EC→・XZ→=[カ]である。
(2)直線ECと平面αが垂直に交わるとし、交点をKとする。EC→が三角形XYZの2辺と垂直であることから、[キ]a+b=[ク]が成り立つ。
以下では、b=1/2とする。このときa=[ケ]/[コ]である。EK→を実数cを用いてEK→=cEC→と表すと、AK→=AE→+cEC→である。一方、点Kは平面α上にあるから、AK→は実数s,tを用いて
AK→=AX→+xXY→+tXZ→
=(1/[サ]・s+[ケ]/[コ])p→+tq→+(1/[シ]・s+t)r→
と表される。これらより,C=[ス]/[セ]である。よって、点Eと平面αとの距離|EK→|は([ソ]√[タ])/[チ]となる。
[解答と解説]
わかりやすく言うと、サイコロを一組の対面してる面をくり抜いて人差し指でぐにゅにゅ!ってこれ以上はもうおかしくなるってとこまで押した感じの図形です。
余計わかりにくいわ!
(1)p→とq→,p→とr→は直交してるから
p→・q→=p→・r→=0
q→とr→はなす角度がπ/3でそれぞれ長さが1だから
q→・r→=1・1・cosπ/3=1/2
この問題ではAB→=p→,AD→=q→,AE→=r→と置いてるようにAを始点としてAB→,AD→,AE→を基本ベクトルに置いてるからAを始点にそろえていってp→,q→,r→であらわしていく方針で
AX→=ap→
AY→=bAF→+(1-b)AB→
=b(p→+r→)+(1-b)p→
=p→+br→
よって
XY→=AY→-AX→
=(1-a)p→+br→
また
EC→=AC→-AE→
=p→+q→-r→
点Xを通り直線AHに平行な直線と辺GHとの交点がZより
XZ→=AH→=q→+r→
よって
EC→・XZ→=(p→+q→-r→)(q→+r→)
=p→(q→+r→)+(q→-r→)(q→+r→)
=0
これは直交してたみたいやな。
そういう直交するあれやったってことか。
(2)、(1)の流れを考えて平面αはXZ→とXY→であらわせて直線ECがこの二つのベクトルが等しければ平面α⊥直線ECでした。
でもEC→とXZ→の内積は0やったからこれはすでに垂直です。
だから後はEC→・XY→=0が成り立てばええねん。
EC→・XY→=0
⇔
(p→+q→-r→)・((1-a)p→+br→)=0
⇔
(1-a)+b/2-b=0
⇔
2a+b=2
b=1/2とすればa=3/4です。
さすがにこれは、鼻水垂らしながらお茶漬け食べててもわかります。
それで点Eと平面αの距離|EK→|を求めようとしてるみたいで、Kが直線EC上であるって条件から
EK→=cEC→
⇔
AK→-AE→=cEC→
⇔
AK→=AE→+cEC→
=r→+c(p→+q→-r→)
=cp→+cq→+(1-c)r→
次に点Kは平面α上にあるって条件から、実数s,tを用いて
XK→=sXY→+tXZ→
⇔
AK→-AX→=sXY→+tXZ→
⇔
AK→=AX→+sXY→+tXZ→
=ap→+s{(1-a)p→+br→}+t(q→+r→)
=(s/4+3/4)p+tq→+(s/2+t)r→
これでさっきの式とp→,q→,r→は一次独立だから定数比較して
c=s/4+3/4
c=t
1-c=s/2+t
これを解いてc=5/8
だからEK→=(5/8)EC→
で
|EK→|=(5/8)|p→+q→-r→|
=(5/8)√(1+1+1+2・0-2・1/2-2・0)
=(5√2)/8
ベクトルの問題としてかなりよくある問題で、解き方が身に付いてたら全然考えることなくぶーわーやってたらなんか知らんけど出来ると思います。
しっかりこれくらいの解法は暗記したってください。
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センター試験数学2B、2010年度の第3問、数列の問題の解説 |
今からドラえもんとしばきあいしてもらいます。
センター試験2010年度数学2Bの第3問の数列の問題の解説をします。
[問題]
自然数の列1,2,3,4,…を,次のように群に分ける。
1|2,3,4,5|6,7,8,9,10,11,12|…
第1群 第2群 第3群
ここで,一般に第n群は(3n-2)個の項からなるものとする。第n群の最後の項をa_nで表す。
(1)a_1=1,a_2=5,a_3=12,a_4=[アイ]である。
a_n-a_(n-1)=[ウ]-[エ] (n=2,3,4,…)
が成り立ち
a_n=[オ]/[カ]・n^[キ]-[ク]/[ケ]・n (n=1,2,3,…)
である。
よって,600は,第[コサ]群の小さい方から[シス]番目の項である。
(2)n=1,2,3,…に対し,第(n+1)群の小さい方から2n番目の項をb_nで表すと
b_n=[セ]/[ソ]・n^[タ]+[チ]/[ツ]・n
であり
1/b_n=[テ]/[ト]・(1/n-1/(n+[ナ]))
が成り立つ。これより
Σ(k=1~n)1/b_k=[ニ]n/([ヌ]n+[ネ]) (n=1,2,3,…)
となる。
[解答と解説]
群数列ネタとかベタベタなんが出てきたな。
群数列はだいたい第n群の1番目は全体で何項目なのかを出すと上手くいくねんけど、この問題では第n群の最後の項をa_nとしてこれを求めさせてるみたいやです。
(1)a_3=12より3群目の最後の項のは全体で12項目で4群は(3・4-2)=10項あるから4群目の最後の項は全体で
12+10=22項目
だからa_4=22です。
同様にして第n群は(3n-2)項あって第n-1群の最後の項は全体でa_(n-1)項目だから第n群の最後の項は全体で
a_(n-1)+(3n-2)項目
よって
a_n=a_(n-1)+(3n-2)
⇔a
a_n-a_(n-1)=3n-2
よって階差数列だからn≧2の時
a_n=a_1+Σ(k=2~n)(3k-2)
=Σ(k=1~n)(3k-2)
=1/2・n・(1+(3n-2))
=3n^2/2-n/2
等差数列の和は1/2×(項数)×(初項+末項)で出すのが若干早いかもな。
これでn=1を代入すえるとa_1=1よりn≧1でも成立。
600は第n群の小さい方から何番目かってことですが、これもよくあるパターンで
まず何群目かを出してから、その群の中で何番目かを計算してます。
600が第n群であるとすると
a_(n-1)<600≦a_n
⇔
3(n-1)^2/2-(n-1)/2<600≦3n^2/2-n/2
これを実際にはどうやって解くかと言うと、厳密にやろうとしてどるああー!!って脳を損傷するくらい計算しまくるんじゃなくて3n^2/2-n/2は3n^2/2の方がn/2より次数が大きいから3n^2/2の方が数字がはるかに大きいわけで、だいたい3n^2/2の値に近いはずです。
だから3n^2/2=600としてみるとn^2=400⇔n=20で、だいたいn=20辺りを調べてみるとええと検討をつけるのがコツやねん。
するとa_20=3・20^2/2-20/2=600-10=590これは600より小さい。
a_21=3・21^2/2-21/2=651これは600より大きい。
だから
a_20<600≦a_21
で600は第21群目にあることがわかります。
それで600は小さい方から何番目かは、第n群で小さい方からm番目はa_(n-1)+mって表せるから
a_20+m=600⇔m=600-590=10
(2)
b_nは第(n+1)群の小さい方から2n番目ってことやから
b_n=a_n+2n
=3n^2/2-n/2+2n
=3n^2/2+3n/2
これの逆数をとって
1/b_n=1/(3n^2/2+3n/2)
=2/{3n(n+1)}
=2/3(1/n-1/(n+1))
と言うように部分分数分解してくれってことみたいやな。
後は和を求めたらよくて部分分数で階差数列の和になってるから足すと最初と最後の項が残って
Σ(k=1~n)1/b_k=Σ(k=1~n)2/3(1/k-1/(k+1))
=2/3・(1-1/(n+1))
=2n/(3n+3)
まあよくある問題のパターンそのまんまなので、ちゃんと勉強した人なら余裕やと思います。
解けない人は単に、解き方を知らないだけで覚えたら終わりです。
群数列を知らない子供たちって言うんかな。
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