絶対値のグラフの問題、大阪大学2008年度文系第三問の解説 |
右の目玉がくりぬけた気分やけどええかな?
大阪大学2008年度文系第三問の解説
[問題]
aを正の定数とし。
f(x)=||x-3a|-a|,
g(x)=-x^2+6ax-5a^2+a
を考える、
(1)方程式f(x)=aの解を求めよ。
(2)y=f(x)のグラフとy=g(x)のグラフで囲まれた部分の面積Sを求めよ。
[解答と解説]
(1)は特にそれほど問題はないと思います。
ただ絶対値をはずす時に、絶対値が二重になってるから2回二乗して外すと4次方程式になって若干ややこしいから、素直に場合分けで外した方が便利もことが多いので意識しといたってください。
だから
f(x)=a
⇔
||x-3a|-a|=a
⇔
|x-3a|-a=±a
⇔
|x-3a|=2a,0
⇔
x-3a=±2a,0
⇔
x=a,3a,5a
です。
(2)は面積を求めるのには、そらy=f(x)とy=g(x)のグラフを書いて求めるのはお決まりやけどまずは
y=||x-3a|-a|
のグラフの書き方から説明しときましょか。
正当な方法としては、
○単純に場合分けして絶対値を外す
例えばy=|x-b|って関数なら
|x-b|=
x-b(x≧b)
b-x(x≦b)
ほんまに普通の方法やけど、なんやかんやで結局この方法でやるしかなかったりとかで一番大切やねん。
もう一つは
○x軸について折り返す。
さっきのy=|x-b|やったらy=x-bのグラフを書いてx軸より下の部分をx軸について折り返したら出来るやってやつや。
これを使って書けることも多くて、今回の問題もこれで書けます。
それじゃあ、ぐちゅぐちゅなんかやって焦らしててもあれやから始めよか。
まず場合わけしてグラフを書く解答から紹介しますわ。
y=||x-3a|-a|
でまず|x-3a|から絶対を外して、x≧3aとx≦3aで場合わけします。
(i)x≧3aの時
f(x)=|x-3a-a|
=|x-4a|
今度は|x-4a|を外して,x≧4aとx≦4aで場合分けしなあかんけどx≧3aやから
x≧4aと3a≦x≦4aの場合分けになるな。
|x-4a|
=
x-4a(4a≦x)
-x+4a(3a≦x≦4a)
同じようにして
(i)x≦3aの時
f(x)=|-x+3a-a|
=|-x+2a|
今度は|-x+2a|を外して,x≧2aとx≦2aで場合分けしなあかんけどx≦3aやから
2a≦xと2a≦x≦3aの場合分けで
|-x+2a|
=
-x+2a(x≦2a)
x-2a(2a≦x≦3a)
これでグラフを書いたらできあがりですわ。
まあちょっと面倒な感じやな。
それで一つのx軸について折り返す方法はこの場合平行移動も駆使せなあかんかって
y=x-3aを書く
↓x軸で折り返し
y=|x-3a|のグラフになる
↓y軸-a平行移動
y=|x-3a|-aのグラフになる。
↓x軸で折り返し
y=||x-3a|-a|のグラフになる。
解答にこういう図を書いたらオッケーや。
日本語だらだら書くより図な。
それと折り返してるとことかx軸やy軸の交点とか座標を書き込んどけば、問題を解く上で役にたつねん。
この問題の場合については、この書き方はかなり有効なわけやな。
全部直線やし傾きも1か-1でx=3aで対称やし、図形的に考えた方がわかりやすいタイプのグラフやからな。
それとy=g(x)の二次関数のグラフがこのy=f(x)のグラフとどういう風な位置に来るのか考えて書かなあかんねんけど、まずは平方完成してみると
g(x)=-(x-3a)^2+4a^2+a
で頂点は(3a.4a^2+a)でちょうどy=f(x)がx=3aで山の頂点になってるから、そことx座標が同じで
4a^2+a>a
やから二次関数の頂点の方が上になります。
と言うことは、後はy=f(x)の山になってるとこと交わるのか、谷になってるとこと交わるのかが問題になるけど、図形的に
山になってるとこで交わってたら、x=2aでg(x)は負
谷になってるとこで交わってたら、x=2aでg(x)は正
のはずやから
g(2a)=3a^2+a>0
やから、谷になってるとこと交わるねんな。
それでグラフを書くと
こんな感じになってて、y=f(x)とy=g(x)の交点のx座標は
x≦2aにおいて
-x+2a=-x^2+6ax-5a^2+a
⇔
(x-a)(x-5a-1)=0
でx≦2aやからx=a
x≧4aのにおいて
x-4a=-x^2+6ax-5a^2+a
⇔
(x-5a)(x-a+1)=0
でx≧4aやからx=5a
だから後は斜線部の面積をコツコツ求めて
S=∫(a,2a){(-x^2+6ax-5a^2+a)-(-x+2a)}dx
+∫(2a,3a){(-x^2+6ax-5a^2+a)-(x-2a)}dx
+∫(3a,4a){(-x^2+6ax-5a^2+a)-(-x+4a)}dx
+∫(4a,5a){(-x^2+6ax-5a^2+a)-(x-4a)}dx
=…
ってやってると、三時間後にママがえらいあの子出てこうへんな思って部屋をのぞいてみたら
こんなことになってて、急いで病院につれて行かれることになります。
まあ出来んこともないし、これくらいは計算出来る根性と技術があった方がええとは思うねんけどな。
でもなんか忘れてへん?
そう、(1)のf(x)=aが使われてないねん。
さすがやな、よくわかってるな。
前問が誘導やヒントになってることを、意識しなあかん言うてるのが身についてきてるな。
f(x)=aになるのはx=a,3a,5aやけど、これはy=f(x)とy=g(x)の交点とy=(x)のまんなかの山の頂点の位置でした。
と言うことは直線y=aを考えるともの凄く見通しがよくなってて、y=aとy=g(x)の交点のx座標は3a,5aやから
g(x)-a=-(x-3a)(x-5a)
ってなってるねんな。
さらにこれがわかってれば、y=g(x)の頂点やらy=f(x)の山と谷どっちで交わるかとか考えなくてもよかってん。
y=aを基準に考えれば図から
S=(y=aより上の山の部分)+(y=aの下にある二つの三角形)
で式を立てたらよくて(y=aより上の山の部分)は直線y=aと二次関数y=g(x)に囲まれた部分で交点のx座標もx=a,5aと簡単で∫(α,β)(x-α)(x-β)dx=-(β-α)^3/6の公式が使えて
S=∫(a,5a)(g(x)-a)dx+2×(1/2×2a×a)
=-∫(a,5a)(x-a)(x-5a)dx+2a^2
=(4a)^3/6+2a^2
=32a^2/3+2a^3
だから(1)によってy=aを考えろって言う誘導にちゃんと乗れると、かなり計算は簡単やねんな。
でもそれに気づかなくても根性で計算してください。
少々方法がまずくても、計算してしまった方が結局早いことあるし、その強引さが底力やと思います。
大阪大学の入試の数学の過去問の解説
テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育
|
▲ページトップへ
三次方程式の問題、大阪大学2008年度文系の第二問の解説 |
最近下痢が流行ってるから、こんな問題が出るんやろな。
大阪大学2008年度文系第二問の解説です。
[問題]
実数a,bを係数に含む3次式
P(x)=x^3+3ax^2+3ax+b
を考える。P(x)の複素数の範囲における因数分解を
P(x)=(x-α)(x-β)(x-γ)
とする。α、β、γの間にα+γ=2βという関係があるとき、以下の問いに答えよ。
(1)bをaの式で表せ。
(2)α,β,γがすべて実数であるとする。このときaのとりうる値の範囲を求めよ。
(3)(1)で求めたaの式をf(a)とする。aが(2)の範囲を動くとき、関数b=f(a)のグラフをかけ。
[解答と解説]
ぱっと見た感じから言うても三次方程式の解と係数の関係をつかいそうで、実際使ってα,β,γとa,bの関係式を作るねんけど、ここでお兄ちゃんと三次方程式の解と係数の関係でも確認しとこか。
3次方程式の解と係数の関係は
ax^3+bx^2+cx+d=0(a≠0)
の三次方程式を考えて、aが0なら三次方程式違うからa≠0の仮定を忘れたらあかんねんけど、この解をα,β,γとすると
α+β+γ=-b/a
αβ+βγ+γα=c/a
αβγ=-d/a
って関係式が成り立つねん。
これが解と係数の関係やな。
これは覚えておいてください。
まあ覚えると言っても
ax^3+bx^2+cx+d=a(x-α)(x-β)(x-γ)
って因数分解出来るから
a(x-α)(x-β)(x-γ)=ax^3-a(α+β+γ)x^2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ
って展開して
ax^3+bx^2+cx+d=ax^3-a(α+β+γ)x^2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ
って恒等式が成り立つから、後は係数を比較しただけの話やから、覚えなくてもすぐにわかるねんけど。
α+β+γとαβ+βγ+γαとαβγは対称式でよく見かける形やしな。
それでこの問題の場合、解と係数の関係から
α+β+γ=-3a
αβ+βγ+γα=3a
αβγ=-b
って言う式と
α+γ=2β
が成りたつって問題文に書いててこういうのを計算しようとすると
こういうノンバーバルな状態になるねんな。
非言語的な状態や。
その身のこなしとかでわかって欲しいわけや。
それでこういう3つの文字の対称式での計算はどう扱ったらいいのかと言うと
(α+β)+γ
(α+β)γ+αβ
(αβ)γ
って考えるとα+βとαβの式になるわけやねんな。
こうやって扱うことが結構多いから、注意したってくれ。
それで解答は
(1)
α+β+γ=-3a
αβ+βγ+γα=3a
αβγ=-b
α+γ=2β
でαかβかγかを機械的に消していったら出来るんやろうけど、さっき言ったみたいにα+γとαγの式として見ると
(α+γ)+β=-3a
(α+γ)β+γα=3a
(αγ)β=-b
α+γ=2β
だからα+γ=2βを(α+γ)+β=-3aに代入して
3β=-3aからβ=-a
でα+γ=-2aで
今度はそれらを(α+γ)β+γα=3aに代入していって
2a^2+γα=3aからγα=3a-2a^2
だから(αγ)β=-bから
b=-(3a-2a^2)(-a)
=3a^2-2a^3
って求まりました。
こうやってα+γ,αγとか2文字の対称式として見るとかなり見通しがよくなることがあるねんな。
(2)
(1)からα,β,γは
α+γ=-2a
αγ=3a-2a^2
β=-a
が成りたつものやねんけど、βはもう-aって実数ってわかってしまってるからα,γが実数やったらええねんな。
だから
α+γ=-2a
αγ=3a-2a^2
に注目したらよくて、これも結局α+γ,αγとか2文字の対称式として見る考え方が有効に働いてるけど、
これはもう解と係数の関係から
t^2+2at+3a-2a^2=0
の解がα,γからこれが実数解を持てばいいから判別式をDとするとD≧0であればよくて
D/4≧0⇔
a^2-3a+2a^2≧0
⇔
a(a-1)≧0
⇔
a≦0,1≦a
うん、出来ました。
(3)
微分の問題をとりあえず出さなあかんから無理矢理に出してる感じやけど
f(a)=3a^2-2a^3
微分して
f'(a)=6a-6a^2
=-6a(a-1)
だからとりあえずはaが全ての実数の範囲での増減表を書いてみてf(a)のグラフを考えてからa≦0,1≦aの範囲の部分を抜き出して書けばええかな。
端点a=0とa=1は入るから●にしてあげてな。
●はその点をとるときで、○はとらない場合やな。
端点は自分のにあんま自信ないから○か●で見えんようにしてあげなあかんねん。
友達同士で銭湯に入るときと同じ理論や。
あ、オレだけちょっと…みたいな。
大阪大学の入試の数学の過去問の解説
テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育
|
▲ページトップへ
▲ページトップへ
|
プロフィール |
Author:わんこら
京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。 東京で数学と物理の講師やってます
わんこら日記で日記とか勉強の仕方とか書いています
わんこらチャンネル チャンネル登録お願いします
わんこら式数学の勉強法
→メール 迷惑メールにされる危険性があるので出来るだけ kazuyuki_ht○guitar.ocn.ne.jp (○を@にしてください)に送ってください 勉強とかでどんな悩み持ってるかなど色々と教えてくれると嬉しいです。 わんこら式のやり方についてのメールはわんこら式診断プログラムを参考にしてください
詳しいプロフィール
人気blogランキングへ
相互リンクも募集してます。
何かあれば kazuschool_ht★yahoo.co.jp かメールフォームからメールください。 (★を@にしてください)
|
お勧めの参考書、ノート |
数学でお勧めのノートは KOKUYOの無地 → 理由
センター試験は過去問が大切
チャートが終わったらお勧め
大学への数学1対1シリーズ
数学1
数学A
数学2
数学B
数学3
数学C
|
|
|