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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

絶対値のグラフの問題、大阪大学2008年度文系第三問の解説
右の目玉がくりぬけた気分やけどええかな?

大阪大学2008年度文系第三問の解説



[問題]
091002m1.jpg

aを正の定数とし。
f(x)=||x-3a|-a|,
g(x)=-x^2+6ax-5a^2+a
を考える、
(1)方程式f(x)=aの解を求めよ。
(2)y=f(x)のグラフとy=g(x)のグラフで囲まれた部分の面積Sを求めよ。



[解答と解説]
091002m2.jpg

(1)は特にそれほど問題はないと思います。
ただ絶対値をはずす時に、絶対値が二重になってるから2回二乗して外すと4次方程式になって若干ややこしいから、素直に場合分けで外した方が便利もことが多いので意識しといたってください。

だから
f(x)=a

||x-3a|-a|=a

|x-3a|-a=±a

|x-3a|=2a,0

x-3a=±2a,0

x=a,3a,5a

です。


(2)は面積を求めるのには、そらy=f(x)とy=g(x)のグラフを書いて求めるのはお決まりやけどまずは
y=||x-3a|-a|
のグラフの書き方から説明しときましょか。

091002m3.jpg

正当な方法としては、

○単純に場合分けして絶対値を外す

例えばy=|x-b|って関数なら
|x-b|=
x-b(x≧b)
b-x(x≦b)

ほんまに普通の方法やけど、なんやかんやで結局この方法でやるしかなかったりとかで一番大切やねん。

もう一つは

○x軸について折り返す。

さっきのy=|x-b|やったらy=x-bのグラフを書いてx軸より下の部分をx軸について折り返したら出来るやってやつや。

これを使って書けることも多くて、今回の問題もこれで書けます。



それじゃあ、ぐちゅぐちゅなんかやって焦らしててもあれやから始めよか。

091002m4.jpg

まず場合わけしてグラフを書く解答から紹介しますわ。

y=||x-3a|-a|
でまず|x-3a|から絶対を外して、x≧3aとx≦3aで場合わけします。
(i)x≧3aの時
f(x)=|x-3a-a|
=|x-4a|
今度は|x-4a|を外して,x≧4aとx≦4aで場合分けしなあかんけどx≧3aやから
x≧4aと3a≦x≦4aの場合分けになるな。

|x-4a|
=
x-4a(4a≦x)
-x+4a(3a≦x≦4a)

同じようにして
(i)x≦3aの時
f(x)=|-x+3a-a|
=|-x+2a|
今度は|-x+2a|を外して,x≧2aとx≦2aで場合分けしなあかんけどx≦3aやから
2a≦xと2a≦x≦3aの場合分けで

|-x+2a|
=
-x+2a(x≦2a)
x-2a(2a≦x≦3a)

これでグラフを書いたらできあがりですわ。

まあちょっと面倒な感じやな。


それで一つのx軸について折り返す方法はこの場合平行移動も駆使せなあかんかって

091002m5.jpg
091002m6.jpg

y=x-3aを書く

↓x軸で折り返し

y=|x-3a|のグラフになる

↓y軸-a平行移動

y=|x-3a|-aのグラフになる。

↓x軸で折り返し

y=||x-3a|-a|のグラフになる。


解答にこういう図を書いたらオッケーや。
日本語だらだら書くより図な。

それと折り返してるとことかx軸やy軸の交点とか座標を書き込んどけば、問題を解く上で役にたつねん。

この問題の場合については、この書き方はかなり有効なわけやな。
全部直線やし傾きも1か-1でx=3aで対称やし、図形的に考えた方がわかりやすいタイプのグラフやからな。

091002m7.jpg

それとy=g(x)の二次関数のグラフがこのy=f(x)のグラフとどういう風な位置に来るのか考えて書かなあかんねんけど、まずは平方完成してみると

g(x)=-(x-3a)^2+4a^2+a

で頂点は(3a.4a^2+a)でちょうどy=f(x)がx=3aで山の頂点になってるから、そことx座標が同じで
4a^2+a>a
やから二次関数の頂点の方が上になります。

と言うことは、後はy=f(x)の山になってるとこと交わるのか、谷になってるとこと交わるのかが問題になるけど、図形的に
山になってるとこで交わってたら、x=2aでg(x)は負
谷になってるとこで交わってたら、x=2aでg(x)は正
のはずやから

g(2a)=3a^2+a>0

やから、谷になってるとこと交わるねんな。


それでグラフを書くと

091002m8.jpg

こんな感じになってて、y=f(x)とy=g(x)の交点のx座標は

x≦2aにおいて
-x+2a=-x^2+6ax-5a^2+a

(x-a)(x-5a-1)=0
でx≦2aやからx=a

x≧4aのにおいて
x-4a=-x^2+6ax-5a^2+a

(x-5a)(x-a+1)=0
でx≧4aやからx=5a

だから後は斜線部の面積をコツコツ求めて

S=∫(a,2a){(-x^2+6ax-5a^2+a)-(-x+2a)}dx
+∫(2a,3a){(-x^2+6ax-5a^2+a)-(x-2a)}dx
+∫(3a,4a){(-x^2+6ax-5a^2+a)-(-x+4a)}dx
+∫(4a,5a){(-x^2+6ax-5a^2+a)-(x-4a)}dx

=…

ってやってると、三時間後にママがえらいあの子出てこうへんな思って部屋をのぞいてみたら

091002m9.jpg

こんなことになってて、急いで病院につれて行かれることになります。


まあ出来んこともないし、これくらいは計算出来る根性と技術があった方がええとは思うねんけどな。

でもなんか忘れてへん?

そう、(1)のf(x)=aが使われてないねん。

さすがやな、よくわかってるな。

前問が誘導やヒントになってることを、意識しなあかん言うてるのが身についてきてるな。


f(x)=aになるのはx=a,3a,5aやけど、これはy=f(x)とy=g(x)の交点とy=(x)のまんなかの山の頂点の位置でした。

と言うことは直線y=aを考えるともの凄く見通しがよくなってて、y=aとy=g(x)の交点のx座標は3a,5aやから

g(x)-a=-(x-3a)(x-5a)

ってなってるねんな。

さらにこれがわかってれば、y=g(x)の頂点やらy=f(x)の山と谷どっちで交わるかとか考えなくてもよかってん。

091002m10.jpg

y=aを基準に考えれば図から

S=(y=aより上の山の部分)+(y=aの下にある二つの三角形)

で式を立てたらよくて(y=aより上の山の部分)は直線y=aと二次関数y=g(x)に囲まれた部分で交点のx座標もx=a,5aと簡単で∫(α,β)(x-α)(x-β)dx=-(β-α)^3/6の公式が使えて

S=∫(a,5a)(g(x)-a)dx+2×(1/2×2a×a)
=-∫(a,5a)(x-a)(x-5a)dx+2a^2
=(4a)^3/6+2a^2
=32a^2/3+2a^3

だから(1)によってy=aを考えろって言う誘導にちゃんと乗れると、かなり計算は簡単やねんな。

でもそれに気づかなくても根性で計算してください。

少々方法がまずくても、計算してしまった方が結局早いことあるし、その強引さが底力やと思います。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説




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三次方程式の問題、大阪大学2008年度文系の第二問の解説
最近下痢が流行ってるから、こんな問題が出るんやろな。


大阪大学2008年度文系第二問の解説です。


[問題]
090939_m1.jpg

実数a,bを係数に含む3次式
P(x)=x^3+3ax^2+3ax+b
を考える。P(x)の複素数の範囲における因数分解を
P(x)=(x-α)(x-β)(x-γ)
とする。α、β、γの間にα+γ=2βという関係があるとき、以下の問いに答えよ。

(1)bをaの式で表せ。
(2)α,β,γがすべて実数であるとする。このときaのとりうる値の範囲を求めよ。
(3)(1)で求めたaの式をf(a)とする。aが(2)の範囲を動くとき、関数b=f(a)のグラフをかけ。


[解答と解説]
ぱっと見た感じから言うても三次方程式の解と係数の関係をつかいそうで、実際使ってα,β,γとa,bの関係式を作るねんけど、ここでお兄ちゃんと三次方程式の解と係数の関係でも確認しとこか。

090939_m2.jpg

3次方程式の解と係数の関係は
ax^3+bx^2+cx+d=0(a≠0)
の三次方程式を考えて、aが0なら三次方程式違うからa≠0の仮定を忘れたらあかんねんけど、この解をα,β,γとすると
α+β+γ=-b/a
αβ+βγ+γα=c/a
αβγ=-d/a
って関係式が成り立つねん。

これが解と係数の関係やな。

これは覚えておいてください。
まあ覚えると言っても
ax^3+bx^2+cx+d=a(x-α)(x-β)(x-γ)
って因数分解出来るから
a(x-α)(x-β)(x-γ)=ax^3-a(α+β+γ)x^2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ
って展開して
ax^3+bx^2+cx+d=ax^3-a(α+β+γ)x^2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ
って恒等式が成り立つから、後は係数を比較しただけの話やから、覚えなくてもすぐにわかるねんけど。

α+β+γとαβ+βγ+γαとαβγは対称式でよく見かける形やしな。


それでこの問題の場合、解と係数の関係から
α+β+γ=-3a
αβ+βγ+γα=3a
αβγ=-b
って言う式と
α+γ=2β
が成りたつって問題文に書いててこういうのを計算しようとすると

090939_m3.jpg

こういうノンバーバルな状態になるねんな。

非言語的な状態や。

その身のこなしとかでわかって欲しいわけや。



それでこういう3つの文字の対称式での計算はどう扱ったらいいのかと言うと

(α+β)+γ
(α+β)γ+αβ
(αβ)γ

って考えるとα+βとαβの式になるわけやねんな。
こうやって扱うことが結構多いから、注意したってくれ。


それで解答は
(1)
090939_m4.jpg
α+β+γ=-3a
αβ+βγ+γα=3a
αβγ=-b
α+γ=2β
でαかβかγかを機械的に消していったら出来るんやろうけど、さっき言ったみたいにα+γとαγの式として見ると
(α+γ)+β=-3a
(α+γ)β+γα=3a
(αγ)β=-b
α+γ=2β

だからα+γ=2βを(α+γ)+β=-3aに代入して
3β=-3aからβ=-a

でα+γ=-2aで

今度はそれらを(α+γ)β+γα=3aに代入していって

2a^2+γα=3aからγα=3a-2a^2

だから(αγ)β=-bから
b=-(3a-2a^2)(-a)
=3a^2-2a^3

って求まりました。

こうやってα+γ,αγとか2文字の対称式として見るとかなり見通しがよくなることがあるねんな。


(2)
090939_m5.jpg
(1)からα,β,γは
α+γ=-2a
αγ=3a-2a^2
β=-a
が成りたつものやねんけど、βはもう-aって実数ってわかってしまってるからα,γが実数やったらええねんな。
だから
α+γ=-2a
αγ=3a-2a^2
に注目したらよくて、これも結局α+γ,αγとか2文字の対称式として見る考え方が有効に働いてるけど、
これはもう解と係数の関係から

t^2+2at+3a-2a^2=0
の解がα,γからこれが実数解を持てばいいから判別式をDとするとD≧0であればよくて

D/4≧0⇔
a^2-3a+2a^2≧0

a(a-1)≧0

a≦0,1≦a

うん、出来ました。

(3)
090939_m6.jpg

微分の問題をとりあえず出さなあかんから無理矢理に出してる感じやけど

f(a)=3a^2-2a^3

微分して

f'(a)=6a-6a^2
=-6a(a-1)

だからとりあえずはaが全ての実数の範囲での増減表を書いてみてf(a)のグラフを考えてからa≦0,1≦aの範囲の部分を抜き出して書けばええかな。

端点a=0とa=1は入るから●にしてあげてな。

●はその点をとるときで、○はとらない場合やな。

端点は自分のにあんま自信ないから○か●で見えんようにしてあげなあかんねん。

友達同士で銭湯に入るときと同じ理論や。

あ、オレだけちょっと…みたいな。

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確率の問題、大阪大学2008年度理系の第五問の解説
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大阪大学2008年度理系第5問の解説

[問題]
1枚の硬貨を繰り返し投げる反復思考を行い、表が500回続けて出たときに終わるものとする。nを500以上の自然数とするとき、この反復思考がn回目で終わる確率をp(n)とする。

(1)501≦n≦1000のとき、p(n)はnに関係なく一定の値になることを示し、またその値を求めよ。

(2)p(1002)-p(1001)の値を求めよ。

(3)1002≦n≦1500のとき,p(n+1)-p(n)の値を求めよ。


[解答と解説]
(1)
090929_m1.jpg

p(n)はnに関係なく一定の値になることを示し、またその値を求めよ…

これを読むと

一定の値になることを示す→その値を求める

ってことを示さなあかんようやけど、こういうのはたいがい

値が求まったら一定の値やった

って論理をすり替えて答えます。


だから501≦n≦1000のときp(n)の値を求めたらええねんけど、500回表が続いたら終わるってことやから、n回目で終わるのはどんな目の出方をしたのか考える時、後ろの方から考えなあかんわけやな。

こうやって表か裏か決まっていくのは1回目からやけど、確率や場合の数を求める時はその順番じゃなくて条件の厳しい回の方から計算したり数え上げるのがコツやねん。
まあ何回もやってることかもしれんけど。

それで○を表、×を裏とすると後ろの方は
×○○○…○
って×の後に○が500個続くねん。

終わるのは必ず最後はこういう並びになってるわけや。

この確率は(1/2)^501


そしたら、最初のn-501回はどうなってるか考えると、501≦n≦1000やから0≦n-501≦499で500回目が裏なわけやから○と×どんな並びでもええわけやねんな。
だから表または裏を△とすると
△△…△×○○…○
って形で△はn-501回、○は500回続いてて、確率は△は1だから
p(n)=1^(n-501)・(1/2)^(501)
=(1/2)^501

でp(n)の値はnに関係なく一定の値(1/2)^501って求まりました。


(2)
p(1002)-p(1001)を求めろってことやけど、まず後ろから501回は
×○○○…○
ってならないとあかんかって、この部分の確率は(1/2)^501でした。

この前の500個はどうなってるか考えると終わったらあかんねんな。

そう終わったらあかん。

ここで終わったらあかんねん。

「ここで終わったらあかんのですわ」って言うキーワードが来たら

090929_m3.jpg

余事象やったわけやな。

そんな癖のあるキーワードじゃなかったような。

しかもこの図はどういう意味やねん。


~でない確率とか言うキーワードがきたら余事象を考えて欲しいねんな。

ただそもそも、余事象を考えることは非常に有効な場合が多いので余事象を考えてみるは優先度の高い選択肢として扱ってあげてください。

090929_m2.jpg

と言うことでn=1001では

[500回で終わらない並び]×○○…○

やから500回で終わる確率は全部○の(1/2)^500やから

p(1001)=(1-(1/2)^500)(1/2)^501

次にn=1002では後ろの501回は

×○○…○

と言う並びで最初の501回は終わったらあかんわけやから、500回で終わらない、かつ、501で終わらない並びやから、その部分の確率は1-(1/2)^500-(1/2)^501だから求める確率は

p(1002)=(1-(1/2)^500-(1/2)^501)(1/2)^501

よって
p(1002)-p(1001)=-(1/2)^1002

(3)
090929_m4.jpg

数学は前の問題が誘導になってて、それを強く意識してやらなあかんことが多いねんけど、まあ時には意識しない方が解ける場合もあります。
この場合も、本来は(2)で具体的な数字でやってみて、それを参考に(3)で一般的なnでやってみようと言う意図やねんけど、もしかするとこれは(2)は無い方が最初から一般的に考えるから解きやすいんかもしれません。


最後の501回の並びは
×○○…○
で最初のn-501回は終わらなければいいから

[k回で終わらない並び(k=1,2,…,n-501)]×○○…○

って言う並びで確率は

p(n)=(1-p(500)-p(501)-…-p(n-501))(1/2)^501

また

p(n+1)=(1-p(500)-p(501)-…-p(n-501)-p(n-500))(1/2)^501

だから

p(n+1)-p(n)=-p(n-500)(1/2)^501

p(n-500)の値は、1002≦n≦1500から502≦n-500≦1000だから(1)より

p(n-500)=(1/2)^501

って決まってて

p(n+1)-p(n)=-(1/2)^1002

って求まりました。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説




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京都大学理学部で数学と物理を勉強し、数学を専攻しました。
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