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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

中学の因数分解の公式の図形的な覚え方

因数分解は最初は難しいです。
覚えなければならいのが難しいとこです。

と言うことで、今日は僕と一緒に因数分解を覚えましょう。
ちょっと恐い言い方ですねこれ。

あらゆる角度から見ると、覚えられる時があります。
だから今日は因数分解の図形的な意味を解説したいと思います。
そしたら、紙とエンピツとはさみを用意してください。

そんなん書いてもみんな絶対用意せえへんのやろうけどな。。

まず
(a+b)^2=a^2+2ab+b^2
からです。

(a+b)^2はこの図の一番大きい辺の長さa+bの正方形の面積になります。
この正方形の面積を図のように区切ると、
辺の長さaの正方形と辺の長さaとbの長方形二つと辺の長さbの正方形になります。

これらの正方形や長方形を全て足すと、もとの辺の長さa+bの正方形になります。

こういう風に考えると(a+b)^2=a^2+2ab+b^2って式も何となく図形的に見えるような気がしてきます。

さて、次は(a-b)^2=a^2-2ab+b+2^bです。
これも同じように考えるわけですが、ちょっとややこしいです。
math080728_2.jpg
(a-b)^2は図の赤い斜線の正方形の面積です。
これは元の大きな辺の長さaの正方向からブーメラン型のとこを引いた面積になりますが、そのブーメラン型が若干難しいです。
これは辺の長さaとbの長方形をa^2から二回引いてみます。
そしたら、二つの長方形の重なった所の辺の長さbの正方形を一回余分に引くことになるからこれを最後に足します。

これで
(a-b)^2=a^2-2ab+b^2
も図形的に見えんことも無いことがわかりました。

正直、ちょっと無理あったかもしれません。

次はa^2-b^2=(a+b)(a-b)です。
math080728_3.jpg
これは、辺の長さaの正方形から辺の長さbの正方形を引いたところの面積です。
はい、図の黒い斜線部ですね。

この部分を求めるには、図のように切って横につなげて長方形にします。
この長方形は、辺の長さは(a+b)と(a-b)です。

だから
a^2-b^2=(a+b)(a-b)
も図形的に理解できたような気がするようになりました。

最終的には因数分解はやりまくって身体で覚えるもんですが、最初のうちはこういう風に工夫したりするとわかりやすいかもしれません。




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pdfファイル
なんと数学の記事を大学院生のたけし君(本当の名前違います)がpdfファイルにしてくれました。

ここ


高校数学の問題と解説


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(京都大学文系)命題p:あるnに対して√nと√(n+1)は共に有理数である。 命題q:すべてのnに対して、√(n+1) - √nは無理数である。

外に出ればセミがミンミンと無く声が聞こえる夏休みにも入り、すっかり夏休みに入りそうになりました。

今日は京大文系の2007年の問題です。

[問題]
080726_1.jpg
nを1以上の整数とするとき、次の2つの命題はそれぞれ正しいか。
正しいときは証明し、正しくないときはその理由を述べよ。

命題p:あるnに対して√nと√(n+1)は共に有理数である。
命題q:すべてのnに対して、√(n+1) - √nは無理数である。

[解答・解説]
命題pからいきましょう。

まず自然数nに対して√nが有理数ってことは√nは整数のはずです。
当たり前ですが一応示したほうがいいかもしれません。

ただ案外気づかずに有理数のままやってしまうもんやと思うから、計算がぶーわーなった子がたくさん出たかもしれません。

√nが有理数とすると互いに素な自然数iとjを使って√n=i/jとあらわせてnj^2=i^2でiとjは互いに素だからj=1とか√2が有理数である証明みたいにしてもいいかもしれませんが、

nが平方数でなかったら√nは無理数はたぶん自明だから、

nが平方数なら√nは整数
nが平方数でないなら√nは無理数

√nが有理数⇔√nが整数
としてもいいかもしれません。

どこまで自明とするかがちょっと悩むとこです。

と言うことは、√nと√(n+1)は共に有理数ってことは√nと√(n+1)は共に整数ってことです。

整数なら差が1以上です。

整数問題ってこういう当たり前のことをよく使います。
4-3=1、5-3=2
とか言うように異なる整数で大きいほうから小さいほうを引くと、そら差は1以上になります。

ところが、さすがに√nと√(n+1)が差が1以上あるとは思えません。

そこをついていきます。

式にすれば
√(n+1)-√n
が1未満であれば、pは正しくないことが証明されます。

中学では分母を有理化しろって教えられました。

高校では分子を有理化しろって教えられます。
たぶん。

有理化と言っても

(√x-√y)(√x+√y)=x-y

を使います。

これは文系の問題ですが、理系の人なら数学IIIの極限求めるのにもよくつかったと思います。

さっそく分子を有理化してみましょう。

√(n+1)-√n=(√(n+1)-√n)(√(n+1)+√n)/(√(n+1)+√n)=1/(√(n+1)+√n)<1
(nは自然数より)

で1未満であることがわかりました。

よって√nと√(n+1)を共に有理数とすると√nと√(n+1)は共に整数であるが

0<√(n+1)-√n<1

より矛盾。

したがって命題pは正しくない。
080726_2.jpg

次に命題qですが、恐らくこれは正しいと感覚的に思えます。

出題者の意図としてpの方は結構当たり前なのでpはqを示すためにあると考えて良さそうです。

pを使う形にもっていくには、背理法を使って

あるnに対して、√(n+1) - √nは有理数である

として矛盾を示すことを考えます。

さっきもやりましたが、もう有理数と言えば

互いに素な整数iとjを用いてi/jと表せる

を反射的に思い浮かべるようにしてください。

そらこれで解けない問題もあるかもしれませんが、かなりの割合で解けます。

「有理数と言えば

互いに素な整数iとjを用いてi/jと表せる」

これさえあれば株の取引も出来ます。

と言うことで、√(n+1) - √nが有理数とすると互いに素な整数iとjを用いて
√(n+1) - √n=i/j(i≠0、j≠0)…①

そこで、また分子は有理化します。

1/(√(n+1)+√n)=i/j

√(n+1)+√n=j/i…②

①と②から

√(n+1)=1/2(i/j+j/i)

√n=1/2(j/i-i/j)

となって、√(n+1)と√nはともに有理数となります。

しかし、これはさっき正しくないことを証明したから矛盾してます。

よって命題qは正しいことが証明されました。

080726_3.jpg
時間が余った時は、ノートの下に図を描く練習でもしときましょう。



京都大学の入試の数学の過去問の解説

高校数学の入試問題の解説(主に受験)

整数問題の解法の解説と問題演習




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