もう今日は数学でお手てがビクビクや。
京都大学2006年理系前期第5問の解説です。
[問題]
△ABCに対し、辺AB上に点Pを、辺BC上に点Qを、辺CA上に点Rを、頂点とは異なるようにとる。
この3点がそれぞれの辺上を動くとき、この3点を頂点とする三角形の重心はどのような範囲を動くか図示せよ。
[解答と解説]
おそらく、どんな図になるかは結構わかると思います。
ただそれをどうやって説明して数学的に示すかが難しいところです。
京大はこういう類の問題もよく出てるような気がします。
ベクトルの解法パターンに則って、始点をAに揃えてAB→,AC→で点をどんどん条件を数式化していってみよか。
辺AB上に点Pを、辺BC上に点Qを、辺CA上に点Rって条件から
AP→=sAB→,AQ→=(1-t)AB→+tAC→,AR→=uAC→
(0<s<1,0<t<1,0<u<1)
とおけて
△PQRの重心をXとしておくと
AX→=(AP→+AQ→+AR→)/3
=AB→/3+sAB→/3+uAC→/3+tBC→/3
となりました。
本来よくやる解法パターンはAB→,AC→だけで表すけど、この問題はs,t,uを動かさなあかんからs,t,uについて整理してるとこに注意したってくれ。
これで何となくはわかると思いますが、どう数学的に説明していくか?です。
そこでこういうベクトルの軌跡の問題でよくやりますが、AB→/3のようなのを辺ABを1:2に内分する点をDとして
AB→/3=AD→
ってベクトルが表す点に名前をつけることです。
これでかなり説明しやすくなります。
キーとなる点はs,t,uが0か1になるような端の点で
(s,t,u)=(0,0,0),(0,0,1),(0,1,0),(0,1,1),(1,0,0),(1,0,1),(1,1,0),(1,1,1)
でのXの位置を考えると
辺ABを1:2,2:1に内分する点をD,E
辺BCを1:2,2:1に内分する点をF,H
辺CAを1:2,2:1に内分する点をI,J
△ABCの重心をG
のこれらの7つの点で尽くされます。
こうやって点に名前をつけて置くとかなりすっきり説明しやすくなります。
わかりやすいようにベクトルであらわしておいて
AD→=AB→/3、AE→=2AB→/3,AF→=(2AB→+AC→)/3,
AH→=(AB→+2AC→)/3,AI→=2AC→/3,AJ→=AC→/3,
AG→=(AB→+AC→)/3で
AX→=AD→+sAB→/3+uAC→/3+tBC→/3
これで点DからsAB→/3+uAC→/3+tBC→/3を加えて点の動く領域を考えたええわけや。
ただ変数が3つなのは困るから、まずは
sAB→/3+uAC→/3
を考えるねん。
これは0<s<1,0<t<1で動かすと平行四辺形やったわけや。
だからAY→=AD→+sAB→/3+uAC→/3と置くとYが動くのは平行四辺形DEFGの内部って言えるねん。
まあ本当はこのAY→=AB→/3+sAB→/3+uAC→/3の動きを考えた結果、
AB→/3,2AB→/3,2AB→/3+AC→,(AB→/3+AC→)/3
の点が説明するのに必要になってE,F,Gって名前をつけると言う思考やねんけどな。
実際の思考と解答が反対になってしまったのは、解答をきれいに書かなあかんって言うのもあって、こんなことなってしまってるねん。
Yが動くのは平行四辺形DEFGの内部で
AX→=AY→+tBC→/3
やから、後は平行四辺形DEFGをBC→/3平行移動させた時に通る領域を考えたらよくなりますよね。
うんうん。
それは端の点を考えたらいいから
AD→+BC→/3,AE→+BC→/3,AF→+BC→/3,AG→+BC→/3
となる点やねんけど、これがAJ→,AG→,AH→,AI→
になってるわけや。
だからこれも本当は、
AD→+BC→/3,AE→+BC→/3,AF→+BC→/3,AG→+BC→/3
の点が説明するのに必要やからJ,G,H,Iって名前をつけるって言う思考をしてるわけやねんな。
まあGはすでに名前つけてるけど。
図示すると平行四辺形DEFGを→BC/3平行移動させて通った領域は六角形DEFHIJの内部になるねん。
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