弧度法とは180°=πと定義しているわけですが、何故かこうすると
{sin(ax)}'=acos(ax)
って微分をするとなんと角度のとこが外に出てきてしまうのに矛盾が生じません。
実際に、物理の等速円運動とか
x=(rcosωt,rsinωt)
v=dx/dt=(-rωsinωt,rωcosωt)
a=d^2x/dt^2=(-rω^2cosωt,-rω^2sinωt)
と角度のとこが外に出てきてもちゃんと物理現象と一致します。
何かマインドコントロールされた笑顔で野原を走る子供たちの気分です。
それでは180°=2πとしたら?とか、180°のままとかはどうなるんでしょうか。
sin360°xは微分すると360°cos360°x??
とか考えてしまいます。
オレは弧度法の本来の目的はちょっとわかりませんが、実は弧度法を用いるのは微分する時に便利なようにしているわけです。
sinの微分を考えてみましょう。
(sin(x+h)-sinx)/h=2cos(x+h/2)sin(h/2)/h
=cos(x+h/2)×sin(h/2)/(h/2)
でh→0の時
cos(x+h/2)→cosx
sin(h/2)/(h/2)→1
だから(sinx)'=cosx
でしたが、この
sin(h/2)/(h/2)→1
がポイントです。
だから、なぜ180°=πと定義しているのかと言うと
lim(x→0)sinx/x=1
の式がポイントです。
弧度法は、この値が1になるような定義です。
高校ではこういう証明でした。
ちょうど180°をπとする弧度法では角度は単位円の弧の長さと一致するから、
sinx<x<tanx
って式が成り立ちます。
だから180°を2πなんて定義すると
sinx<x/2<tanx
だから
sinx/x→1/2
とか微分がややこしいことになるだけです。
度数のままでも
sinx<πx/180°<tanx
で
sinx/x→π/180°
となって
(sinx)'=π/180°cosx
とちゃんと微分できます。
このπ/180°が不便だから
t=πx/180と変数を置き換えると、tは単位円の弧の長さで
sin(180°t/π)<t<tan(180°t/π)
だから
sin(180°t/π)/t→1
で綺麗になるから
もしかするとsinって関数は実は変数が度数xの関数f(x)では無く、変数が単位円の弧の長さtの関数g(t)では無いのか?
だからsin(180°t/π)を新しくsin(t)と定義しようと思ったのが弧度法かもしれません。
以下ここからは参考程度にしてください。
本当のところ、
sinx<x<tanx
だから
sinx/x→1
これらは循環論法です。
長さxが、
x=∫(0,x)√{(sint)'^2+(cost)'^2}dt
=∫(0,x)dt
=x
と微分を使って長さを求めていて、この長さを使って
(sinx)'=lim(h→0)(sin(x+h)-sinx)/h
=lim(h→0)(sinxcosh+cosxsinh-sinx)/h
=lim(h→0)(sinx(cosh-1) + cosx((sinh)/h))
=cosx
って言うように微分を求めているから、高校のはもちろん仕方のないことですが数学的な証明ではありません。
そこで厳密にはsin、cosはこう定義していて、
先に微分があってsinx/x→1を導いています。
Cは複素数で、もっと広く複素数の範囲で定義しています。
高校数学の公式や問題の解説
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