空間ベクトルの二つの線分が交点を持つ条件、京都大学2006年度理系前期第2問の解説 |
たかしを返してくれ~うへ~。
そういうことで京都大学2006年度理系前期第2問の解説したい思います。
[問題]
点Oを原点とする座標空間の3点をA(0,1,2),B(2,3,0),P(5+t,9+2t,5+3t)とする。線分OPと線分ABが交点を持つような実数tが存在することを示せ。またそのとき、交点の座標を求めよ。
[解答と解説]
チャート式みたいな問題やなこれは。
こういう問題を京大の理系で出すことに試験として意味があるのかどうかは知らんけど、ベクトルを勉強するために解き方を覚えるのにええって感じですわ。
簡単な問題ではありますがその分、正確に論理的に書くことが要求されているかもしれなくて解けたつもりでも意外と点数がないってことにもしかするとなるかもしれんから注意してください。
線分OPと線分ABが交点Qを持つ条件は
OQ→=sOP→(0≦s≦1)
AQ→=uAB→(0≦u≦1)
となる実数s,t,uが存在することです。
線分なので0≦s≦1,0≦u≦1って範囲を忘れないでください。
こういう実数s,t,uが存在すれば交点を持つわけで、
「存在する」
って言うことを証明する一つの方法は
「実際に求める」
です。
OQ→=sOP→
=(5s+ts,9s+2ts,5s+3ts)
AQ→=uAB→
⇔
OQ→-OA→=u(OB→-OA→)
⇔
OQ→(2u,2u+1,-2u+2)
だから二つの式から座標を比べて
2u=5s+ts
2u+1=9s+2ts
-2u+2=5s+3ts
これを解くと
(s,t,u)=(1/3,-1,2/3)
でこれは0≦s≦1,0≦u≦1を満たしていて線分OPと線分ABが交点を持つには、実際にt=-1であればよいから線分OPと線分ABが交点を持つようなtが存在することが言えました。
最後に座標はOQ→を求めるだけで
Q(4/3,7/3,2/3)
です。
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xの整式f(x)が(x-α)^2で割り切れるための必要十分条件 |
今からxの2次以上の整式f(x)が(x-α)^2で割り切れる条件を説明したい思います。
因数定理から
f(x)が(x-α)で割り切れる⇔f(α)=0
は知ってのとおりですが、このx-αの二乗の
f(x)が(x-α)^2で割り切れる
の必要十分な条件がたまに忘れられてるような気がします。
結論から言えば
f(x)が(x-α)^2で割り切れる
⇔
f(α)=0,f'(α)=0
です。
割り算の問題やのに微分!?うへ~ってなりそうですが、とりあえず説明させてください。
僕に説明するチャンスをください。
足の指でも何でも舐めるから。
イメージを掴んでもらえたらなって言う趣旨で証明方法はぐちゅぐちゅになってます。
x-α=tとおくとf(x)=f(t+α)はtの整式になります。
だから
f(x)=f(t+α)=a_nt^n+…+a_2t^2+a_1t+a_0
とおけます。
(a_0,a_1,…,a_nは定数)
この式からf(x)が(x-α)^2=t^2で割り切れる必要十分な条件は
tの係数a_1が0
定数a_0が0
であることがわかります。
まず定数a_0はt=0での値で
a_0=f(0+α)
やから
f(α)=0
であれば良いことがわかります。
一次のtの係数が出てくるのはtで微分したら定数部分になりました。
こういう一次の係数って言う所から微分って言うのが出てくるわけやねんな。
それでt(=x-α)で微分するのとxで微分するのは一緒やったからxでf(x)を微分すると
df(x)/dx=df(t+α)/dt=na_nt^(n-1)+…+2a_2t+a_1
よって定数a_1はt=0での値で
a_1=f'(0+α)
やから
f'(α)=0
であればよい。
これで
f(x)が(x-α)^2で割り切れる
⇔
f(α)=0,f'(α)=0
がたぶん雰囲気がわかってもらえと思います。
f(x)=a_n(x-α)^n+a_(n-1)x^(n-1)+…a_2(x-α)^2+a_1(x-α)+a_0
ってx-αの多項式と考えて、
定数部分が0⇔f(α)
一次の係数が0⇔f'(α)=0
と言う意味です。
これはグラフで考えるとy=f(x)のn次関数を考えると、f'(α)=0,f(α)=0はx=αでx軸に接する条件になってます。
f'(α)=0はx=αでの接線の傾きが0
f(α)=0は(α,0)を通る
やな。
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因数定理の問題、京都大学2006年度理系第一問文系第三問の文理共通の問題の解説 |
まさると遊びたい気分や、うへ~。
京都大学2006年度の理系第一問、文系第三問の整式の問題を解説したい思います。
[問題]
Q(x)を2次式とする。整式P(x)はQ(x)では割り切れないが、{P(x)}^2はQ(x)で割り切れるという。このとき2次方程式Q(x)=0は重解をもつことを示せ。
[解答と解説]
当たり前のようやけど、それをどう説明するか?って感じの問題です。
条件を整理して正しく因数定理を使わないと、出来たつもりでも密かに路地で血吐いてることになります。
条件は
○Q(x)は2次式
○P(x)はQ(x)では割り切れない
○{P(x)}^2はQ(x)で割り切れる
の三つで,まず解いてみるとわかるねんけど、
Q(x)=0は2次式⇔Q(x)=a(x-α)(x-β)(a≠0)
と一般的にやってしまうと{P(x)}^2はQ(x)で割り切れるの条件がちょっと使いにくくなります。
と言うのは
P(x)が(x-α)で割り切れる
⇔
P(α)=0
の因数定理と
P(x)が(x-α)^2で割り切れる
⇔
P(α)=0,P'(α)=0
の因数定理の2乗版みたいな定理がありますが
α≠βの時は
{P(x)}^2が(x-α)と(x-β)で割り切れる
⇔
{P(α)}^2=0,{P(β)}^2=0
⇔P(α)=0,P(β)=0
α=βの場合は{P(x)}^2の微分は2P(x)P'(x)だから
{P(x)}^2が(x-α)^2で割り切れる
⇔
{P(α)}^2=0,2P(α)P'(α)=0
⇔
P(α)=0
と場合分けしてちゃんと書かなあかんから大変です。
だからα≠βと先に仮定してから矛盾を導くと、すっきりかけます。
○Q(x)が2次式である
と言う条件のとこで
Q(x)が重解を持たないと仮定すると
Q(x)=a(x-α)(x-β)(a≠0,α≠β)
とおいて
○{P(x)}^2はQ(x)で割り切れる
の条件から因数定理を使って
{P(x)}^2はQ(x)で割り切れる
⇔
{P(x)}^2は(x-α)と(x-α)で割り切れる
⇔
{P(α)}^2=0,{P(β)}^2=0
⇔
P(α)=0,P(β)=0
⇔
P(x)は(x-α)と(x-β)で割り切れる
⇔
P(x)はQ(x)で割り切れる。
ここで
○P(x)はQ(x)では割り切れない
の条件を使って矛盾と言えて、α≠βであってQ(x)は重解を持つってことが言えます。
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