メインコンテンツにスキップ

現代版うさぎとカメ。うさぎがカメに助けを求めてやってきた(アメリカ)

記事の本文にスキップ

20件のコメントを見る

著者

公開:更新:

この画像を大きなサイズで見る

 「ウサギとカメ」といえば頭をよぎるのは、俊足のウサギと鈍足のカメの競争の話だろう。カメの速度を甘く見て昼寝をしたウサギが負けるどんでん返しの展開に、何事も侮るなかれ的な教訓があったりなかったりする有名な寓話だ。

 では現実のウサギとカメの相性はどうなのか?

広告の下に記事が続いています

 そもそも一般的な環境では知り合う確率が低そうな組み合わせだが、先月半ば米アリゾナ州にて、窮地にあった野生の子ウサギがペットのカメの小屋に駆け込むという出来事があったという。

カメの小屋で見つかった子ウサギ

 米アリゾナ州のホテルで宿泊客向けのレンジャーをしているロン・ブリンクさんはある朝、敷地内の小屋で眠るケヅメリクガメのワンバの様子を見に来た時、彼女の大きな体にすり寄っている小さなオスの野ウサギを発見した。

 ロンさんがそのオスの子ウサギをワンバから離そうとしたとき、ウサギの首に何か付いてるのが見えた。ワンバはロンさんの行動を敏感に察知し、何かを訴えるようなうなり声を上げた。

 ワンバはウサギに気づいているんだ。ロンさんがウサギの首をあらためてよく見ると、4重にもなった草が小さな細い首に食い込んでいた。

ワンバの小屋にいた子ウサギ

この画像を大きなサイズで見る
image credit:The Ritz-Carlton, Dove Mountain

 こりゃ大変だ早くとってやらないと。ロンさんはワンバの視線を受けながら草を取ってやった。

その後、子ウサギは生後2週間ほどと判明した

この画像を大きなサイズで見る
image credit:The Ritz-Carlton, Dove Mountain

暖かい避難場所に飛び込んだ子ウサギ

 昨日の夜はひどく冷え込んでいた。迷子のウサギがこんな目にあった事情はわからないが、草が巻きついた子ウサギはどうにか周辺の丘から下りてきて、暖房用の照明があるワンバの小屋に飛び込んだのだろう。

 野ウサギは大きなワンバの姿にびっくりしたに違いない。ワンバも心地よい寝室にいきなり入った小さな訪問客には驚いたかもしれないが、寒い外に追い返したりせず、すり寄るウサギに親切に接していたのだ。

 かくして、窮地にあったウサギは、ワンバの様子に安心して一緒に過ごした。そして器用な指先が無いワンバも、歯がゆい思いをしながら苦しそうな彼を見守ることしかできなかったのだ。

元飼い主が手放したカメ

 ワンバはかなりの物事を受け入れる懐が深いタイプのカメだった。実は彼女は飼育を放棄された過去がある。彼女はもともとはロンさんの友人のペットだったが、飼えなくなったと聞いたロンさんが引き取り、レンジャーの仕事をしながら施設で育てているのだ。

 当時のワンバは手のひらサイズだったが、11年後には重さ23キロまで成長し、同僚のレンジャーやホテルにもかわいがられる幸せなカメに育った。ワンバはのんびり屋のカメだが、彼女なりに感じ取っていることはちゃんとあるのだ。

仲が良いワンバとウサギ

この画像を大きなサイズで見る
image credit:The Ritz-Carlton, Dove Mountain

 幸いなことに子ウサギは回復中で、献身的なレンジャーはもちろん、ワンバからもたくさんの愛情を注がれている。あと数週間後には野生に戻れる見込みだ。でも丘の向こうに戻った時はきっとワンバのところに顔を出してくれるだろう。

via:thedodo・translated D/ edited by parumo

広告の下にスタッフが選んだ「あわせて読みたい」が続きます

同じカテゴリーの記事一覧

この記事へのコメント、20件

コメントを書く

  1. 童話のカメ:ウサギが昼寝している間にレースを逆転させる
    現実のカメ:困って飛び込んできた子ウサギに温かい寝床を提供する
    現実が童話より優しくてほっこり

  2. ケヅメがどのくらい巨大化するかなんて、調べればわかるだろう!!
    元の飼い主への怒りが沸いた。
    売った業者へも。

    だが、全てはこの小うさぎが駆け込むための天の配剤だったのかな?

    1. ※5
      大きくなりすぎたから飼えなくなったとは書いてないと思うけど。憶測した理由に勝手に怒るのはやめよう。
      一言で飼えなくなったと言っても、いろんな理由がある。飼い主側が体が不自由になって、物理的に面倒を見るのが不可能になったとか。飼育放棄なんて書いてあるけど、その表現が正しいかどうかはわからない。苦渋の決断として、他の飼い主を探すためにロンさんに相談したのかもしれないわけで。

  3. カメさんの母親のような包容力に感動した
    死ぬか生きるかの弱肉強食の動物達にもこんな一面があるとは……!

  4. むかし会ったことのあるケヅメリクガメは、割と人懐っこい動物だった。
    今回の話題からすると、ケヅメリクガメ全般がそうなのかな。

  5. 強大な母性と愛の前を阻むものなどない…
    種族の違いなどという障壁は消し飛び、この世は愛に覆われるであろう…

  6. ワンバ「このエサ勝手に付いてくるやんけ!よっしゃ!」みたいな展開にならなくて良かったw

  7. 亀さんはひんやりしてるだろうと思ったけど小屋全体が暖かいのか

  8. うそくせえ…
    第一、仔ウサギから野生の気配がない
    猫やアライグマが見逃すわけない

    1. ※13
      貴様の人生になんぞ不利益があるわけでもないのに何をピリピリしとるかね。

    2. 手のデカさ
      アリス症候群になったときみたいだ

      ※13
      野生ではないと書いてるよ、それにペットなら人間の気配のある構造物にむかうのは自然な行動
      あとどんなコメントでもそれにかこつけてピリピリをアンプリファイドするのはやめよう、皆たがいの顔も体調や年齢・知識量もしらない初対面以下の仲なのだから噛み合わないことがあるのは当然だ
      こういうときこそ色々と必要なのよ

  9. まぁ童話ってソモソモ教訓話だしね?
    ウサギさんが痛い目見る悪役担ってくれただけだしね?

  10. うーん、は虫類カフェのゾウガメ氏は懐深いというより周りに何がおるかなんて気にもしてなかったからのう(ブルドーザーチビ亀を押し退けるの図)
    まあ結果オーライで良かったのや

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

画像

画像についての記事をすべて見る

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

最新記事

最新記事をすべて見る