東方儚月抄 単語

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トウホウボウゲツショウ

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東方儚月抄とは、上海アリス幻樂団(ZUN氏)制作弾幕STG東方Project」を漫画化、小説化した作品である。

概要

東方初の本格シナリオ」という触れ込みの企画で、内容的には「東方永夜抄 ~ Imperishable Night.」の後日談にあたるオリジナルストーリーである。本作が初登場のキャラクターには綿月依姫綿月豊姫レイセンらが存在する。

この作品は他の東方作品とは違い、ひとつの異変発生解決といった一日で終わるものではなく、長期にかけて各キャラクター行動を追ったものであるため、描かれている期間が非常に長くなっている。物語の中で数ヶ単位で時間が飛ぶこともしくなく、途中で風神録の出来事も起こっていることが確認される。なお、東方緋想天での会話より緋想天の事件までには終了していることがうかがえる。

また、三誌縦断連載の形態をとっており、

の三種類が存在する。

 

ちなみに、東方儚月抄の熱狂的なファン(信者)はボウゲッシャーと呼ばれる。

漫画版『東方儚月抄 ~ Silent Sinner in Blue.』

月刊ComicREXにて連載されていた漫画作画秋★枝原作ZUN。通称「抄(あきえだげっしょう)」。

単に「儚月抄」と言った場合はにこの作品をす、中核的な存在。

再度の侵攻を企てる八雲紫彼女に先んじてへ行こうとするレミリア、さらにその周辺の様々な思惑と同時期に発生している内部の混乱を描いている。

2007年7月号から2009年5月号まで連載。単行本は上巻・中巻・底巻の三冊。
ComicREX11月号には、単行本収納BOXが付録としてついた。

なお、日本神話神様大国主」が東方関連の動画に出てきた際に、やたらとイケメン扱いのコメントが流れる一因となっている作品でもある。
元々の日本神話の中でも女神に一ぼれされたり、傷ついたを助けたり(「因幡の白兎」)とイケメン的な神様ではある。しかし本作中ではさらに、
 て 「大変な美男子 達の憧れ」
 霊 「大国主命とかどうかしら? 美形だって言うし」
  「たちがいつも歌にしている神様ですか? あいつらのアイドル的な」
 と、イケメンであることを強調された言及が何度もなされている。

上巻

第一話から第七話まで収録。
霊夢と魔理沙。裏表ロケットラジコン操作するパチュリー。背表ロケットの上部(上筒男命)。
巻末にTOKIAMEとあらたとしひらより上巻の発売を祝うメッセージが寄せられている。
また、「儚月抄」の単行本の中でCDが付いているのはこの巻のみ。

  1. 妖怪宇宙旅行
  2. 綿月のスペルカード ~ Lunatic Blue
  3. 呑んべぇのレムリア(Retro Ver)
第一話 賢者の計画

神様の力を借りる方法について霊夢に稽古をつけ始めた。
最近の様子がおかしいので、何か企んでいるのではないかと霊夢は心配する。
近く起こるであろう面倒事に備えて、一人でも修行をし続けることにした霊夢
大国主命の力を借りるのはどうだろうか(美形だって言うし)などと考えていたところに、
一匹の妖怪がふらふらと現れ、倒れこんだ。

永遠亭では毎満月の日に、の入ったを搗きげる例祭が行われていた。
これは月の都から逃げ続けていた輝夜永琳鈴仙たちが自らの罪を償うために行っている行事なのだが、
を搗く達は本来の的とは違う、ダイコク様に感謝する歌を歌いながら搗いていたので、鈴仙は嗜めた。

そのでは不穏な噂が飛び交っていたようだ。
「新しい勢力が生まれてを支配しようとしている」「新勢力により人間が表のに刺した旗が抜かれた」
等の噂が達を混乱させているらしい。
本来月の都の人は表のを弄ることはできないので、その表のの旗が抜かれたということは、
増長した月の民同士の争い「戦争」が起こることを意味するのではないかと輝夜永琳は考えていた。

は式神の達を使って協力者への呼びかけと情報を集めていた。
からの報告を受けたは妖しい笑いを浮かべ、「第二次戦争」を始めることを宣言した。

第二話 玉兎の手紙

霊夢妖怪神社で休ませ、医者も呼ぼうとしてあげたが、ちゃっかりが持っていた羽衣を拝借していた。
は羽衣を取り返すと、霊夢が寝ている間に、の呼びに導かれて神社を立ち去った。

、玉であり、地上の者には発音することのできない名前を使われ、永琳に呼び出された。
永琳の正体を聞くと、自分を匿って欲しいと言い出す。
では不死のを飲んで閉された罪人の名前を冠する面探計画、「嫦娥計画」に対する恐怖や、
新しい勢力が革命を起こそうとしているなどの流言飛語で混乱の中にあった。
嫦娥の罪の肩代わりにを搗くことに嫌気が差してから逃げ出したのだ。
そこで玉が当てにしていたのが「八意永琳の逆襲」説で、革命リーダーとされる永琳を頼って地上に逃げてきたのだった。

永琳は自分を悪役に仕立て、月の都混乱させている者の正体を探りたかった。
永琳は玉を匿うことはせず、羽衣を使ってに帰るように言うと、月の都を守るリーダーに渡すように一通の封書を与えた。
これを渡せば玉の逃亡罪は帳消しになるだろう。

神社で修業を続ける霊夢とそれを見る魔理沙は、に昇っていく流れ星を観測したのだった。

第三話 紅いロケット

紅魔館レミリアは、一ヶ前にから「月の都に侵入し、めぼしい技術を奪ってくる」計画への協力を持ちかけられていた。
妖怪の数が増えたからかつてのように負けることはない、方のような妖怪が協力してくれるなら簡単にめぼしい物を見つけてくれる、
等のの言葉で興味を持ったレミリアは、「先に行って侵略し、を驚かせる計画」を始める。
パチュリーへ行く方法を作らせるため、咲夜資料集めを命じると、
たまたま香霖堂に資料が入荷しており、いとも簡単に、
ロケットには「三段で構成された筒状のもの」が必要であるという情報を手に入れることができたのだった。

第四話 旧友の雨月

白玉楼妖夢幽々子団子を食べながら中秋の名月を楽しんでいた。
妖夢幽々子は二ヶ前にから「吸血鬼達がに行くことがないように監視する」ことの協力を持ちかけられていた。
く、間違ってレミリアらがに行ってしまったら、ただでさえ強力な月の民を警させ、勝ちくなってしまうからだという。
しかし幽々子は、も理解していない意を理解したのか、興味いと言い放った。

妖夢もわけがわからなかったので、二ヶ間、一人でレミリア達の監視をしていた。
そのことを幽々子に報告すると、幽々子は「あること」を霊夢に伝えるように命じる。
それがロケットの推進力になり、レミリアロケット完成するだろうと言うのだ。
完成させてはに都合が悪いはずのロケット完成させてしまおうとする幽々子意が妖夢にはわからなかった。

第五話 住吉計画

紅魔館ロケットは、外観は出来ていたが、推進力が見つからず完成しなかった。
パチュリー咲夜に推進力となる「三段の筒状の魔力」を見つけてくるように命ずる。
咲夜は何のことだかわからず、霊夢に相談をするが、霊夢も全くわからなかった。
そこへ妖夢が現れ、ロケット宇宙を飛ぶなので、に関するものではなく、航に関するものを探すべきだと言う。
幻想郷にはいので、航に関する神様を呼んでも意味がい、と霊夢が言おうとしたその時、答えが見つかった。

上筒之男命、中筒男命、底筒男命、三柱併せて住吉さんと呼ばれる航神様
霊夢ロケットに乗せ、この神様の力を呼び出させることによってロケットは推進力を得ることができるのだった。
「住吉侵略計画(スミヨシプロジェクト)」はここに完成した。

第六話 三神式月ロケット

住吉三神を呼び出すための修業をする霊夢と魔理沙神様について会話する。
神様は何分割しても同じ力を持つ。神様の宿る場所があれば無限神様を増やすことができる。
そんな物理法則に反したことができるのは、神様に神霊とは精神、つまり「考え方」を示すからで、
考え方は伝播しても減らないからだという。
つまり、神様が宿るというのは神様の性格を持つこと。よって、多くの神様(考え方)を宿らせると神様同士が喧嘩してしまうのである。
ついでに神奈子のような体を持った神様は、自分の神霊を分霊させることで増えるのだという。(つまり本体は増えない)

霊夢へ行くことに面さを感じるようになっており、魔理沙ロケットび込んでに行くつもりになっていた。
レミリア達は、ロケット発進の前祝いとして、咲夜が短時間で作ったヴィンテージワインを飲んでいた。
月の都に向けて式神を飛ばしていた。
における月の都は、地上での幻想郷と同じ関係にある。
外の世界ロケットでは月の都は見つけられない。力では別の生き物を「表の」に連れて行くことはできない。
幻想郷ロケットならば――

式神が突然月の都へのを見失い、息絶えた。

第七話 月のお姫様

中華風な外観の建物が立ち並ぶ月の都
永琳からの封書を渡すため、玉月の都を守るリーダー綿月姉妹の宮殿していた。
入り口で門番ともめているところに、「と山を繋ぐ綿月豊姫が両手にを抱えて落ちてきた。
豊姫は玉を屋敷に招き入れると、の「神霊の依り憑く綿月依姫に嗜められる。
二人は玉の話を聞くことにした。玉から永琳の話を聞くと、懐かしさを感じると共に、
永琳師匠であり、建前上の使者のリーダーとして討伐しなければならない罪人であるが、そのつもりはいことを話す。

二人は玉に地上に逃げた「罰として」この宮殿に住み、共に月の都を守ることを命じ、
新しい名前レイセン」を与えた。これは昔地上に逃げ名前だった。

二人はこれでまた玉を束ねるリーダーをつけられてしまうと、自らの甘さを省みる。
しかし、綿月姉妹には多くの人手が必要である理由があったのだ。

いよいよ永琳の封書を開く二人、中の手紙に書かれていたのは――

中巻

第八話から第十四話まで収録。
豊姫依姫。裏表ロケットの前に並ぶパチュリーレミリア咲夜。背表ロケット中部(中筒男命)。

第八話 賢者の封書

依姫の率いる達は稽古をサボって噂話にを咲かせていたり寝てたり本読んでたり食ってたり散々な状態で、
依姫の気配を感じると稽古を始めるのだった。
依姫から「新しいレイセン」を仲間に加えるように言われ、快く受け入れるのであった。

月の都が存在するのはの裏側と呼ばれるが、この場合の裏表とは結界の外側か内側かという意味である。
裏側の穢れのないと豊かな都の美しいであるが、
表側は荒とした生命のないとして、機械の残骸や旗など穢れ人間の跡が眠っている。

豊姫依姫は、綿月系ゆえ懐かしく感じるを眺めながら、永琳手紙思い出す。
不確かな噂が飛び交う中、二人が信用できるのは永琳手紙だけであった。
二人は永琳手紙が示す通り、個別に動くことを確かめるのであった。

紅魔館ロケットを見た永琳は、その完璧さに驚いていた。
住吉三神の加護を得ることはの入れ知恵なのだろうか。
このロケットが確実にに辿り着くように、ある工作を施すのだった。

第十話 幻想ケープカナベラル

霊夢魔理沙咲夜レミリア妖精メイド3匹が乗り込み、外からパチュリー儀式を行う。
住吉三神の神降ろしを行い、ついにロケットへと飛び立った。

飛ぶロケットを眺める永遠亭の住人達。
侵略者は吸血鬼のことだったのかと輝夜は言い、あんなロケットで辿り着くのか心配する。
そこで永琳が確実に辿り着く仕掛け、の羽衣を貼り付けておいたことを話すと、吸血鬼侵略することを望んでいるのかと問い詰め鈴仙
永琳は、「本当の犯人を見つけ、月の都を守るために」ロケット計画を成功させようとしていることを明かす。
黒幕なのかはわかりきっている。あとは綿月姉妹にかかっていた。

第十一話 青い宙を行く

パチュリー図書館永琳輝夜が訪れた。
どうやって、どういうつもりでロケットを作ったのか問い詰め永琳に、パチュリー意を明かす。
レミリアが踊らされてることも、ロケットの羽衣が仕掛けてあることも、
本当にを攻めるのを望んでいるのがであり、ゆえに都合よくロケット情報が手に入ったことも、
全てわかった上でロケットを作ったのだった。単にレミリア儘に付き合っただけだった。
地上に残ったのは痛いに遭いたくないからだけれども。

底の筒と中の筒を切り離し、ロケットは「普通空気のある宇宙」を順調に飛び続けていた。
そして、ついにに辿り着くと、の上にっ逆さまに墜落していった。

(このようにに向かう方法にレミリア運命を操る程度の能力はあまり使われていなさそうだ)

第十二話 豊かの海

幻想郷い。豊かのを呆然と見つめる霊夢と魔理沙ロケットは大破し、帰りはどうするのか。
一方レミリアは付近を探検していた。周りにはばかり。

霊夢と魔理沙の下には長いを持った依姫が現れた。
住吉三神を呼び出していたのは霊夢であったことを確かめると、その園様のを地面に刺した。
すると大量のが地面から生えてきて、霊夢と魔理沙を閉じ込めてしまった。
そこへレミリア咲夜、玉達が戻ってきて、レミリアの前にあっさり逃げてしまったことを報告する。
呆れる依姫だが、間入れず何かの術をレミリアに放とうとする。
しかし、咲夜が時を止めて依姫の後ろを取り羽交い締めにする。驚く依姫
咲夜を地面から抜くと、霊夢と魔理沙を閉じ込めていたも引っ込む。
依姫は一行にに来た的を尋ねる。的は何だっけ?等と気なことを言う霊夢達。
しかしレミリアは言い放つ。「月の都乗っ取りだ」
依姫は不敵に笑った。

第十三話 月面の美しさ

依姫が羽交い締めにされた状態から腕に火をわせる。思わずひるんで手を離してしまう咲夜
その火は全てを焼き尽くす神の火、愛宕様の火であった。
依姫の力は霊夢が最近習得した神降ろしの完成形だったのだ。
依姫は、霊夢が不正な神降ろしをしたことにより、謀反を疑われていた。
再び園様の霊夢達を閉じ込め、その疑いが晴れることを喜ぶ依姫
魔理沙依姫と戦っても勝ちがないことを悟り、降参を宣言する。
その代わり、幻想郷の「知的で美しい決闘ルールスペルカード戦による決闘を提案する。
精神的な戦いであれば、で忌み嫌われている殺生をして駄に血を流すこともない。
魔理沙は勝っても負けても大人しく地上に帰ることを約束し、それならばと依姫決闘に乗ることにした。
レミリア咲夜決闘の一番手を命じた。

第十四話 金属の戦い

永琳手紙には、依姫は豊かのに現れる敵を迎え撃つようにと示が書かれていた。
その敵は依姫の潔明するのに役立つとも。そして、その通りになった。

依姫は火雷命を呼び出し、と雷と炎で咲夜を攻撃する。
咲夜が炎に包まれたかと思ったその時、咲夜は再び依姫の後ろに回り込み、ナイフを突きつけていた。
その時既に依姫ナイフで囲んでおり、おまけルミネスリコシェで攻撃した。
しかし、依姫金山命を呼び出し、ナイフに変えてこれを防ぐ。
更にそのナイフに戻り、逆に咲夜の方に飛んでいった。
咲夜は時を止めて逃げようとするが、それを察した依姫は再び雷を降らす。
時は止まったものの、まで止まってしまい、全く身動きがとれなくなってしまった咲夜旗を上げた。

依姫八百万の技があるので一人頭二つしか使わなければ399万回連戦しても勝てると語する。
そして二番手として魔理沙が立ち上がった。

底巻

第十五話から最終話まで収録。
幽々子。裏表はうたた寝するレミリアパチュリーと、それを見ている咲夜。背表ロケットの底部(底筒男命)。
下巻ではなく底巻なのは住吉三神にちなんだものと思われる。

第十五話 星屑の人間

魔理沙スターダストレヴァリエやイベントホライズンで攻撃するが、
弾幕依姫の周りで止まってしまったり、で切り払われてしまったりと、全くがたたない。
依姫弾幕にあてつけて、天津を呼び出し魔理沙を攻撃した。

霊夢は今回悪いのはに攻め込んだこっちなので、負ける予感があった。
特にレミリアは一番簡単に負けるだろうと予想する。
話をしている霊夢レミリアの下に攻撃を受けた魔理沙が吹っ飛んできた。
本気を出せとレミリアが促すと、魔理沙は得意技、ファイナルスパークを放つ。
しかしその直線の攻撃は、園様のを構えた依姫には全く通じない。
ならばと線を二本放つダブルスパークで攻撃するが、
一方は同じように構えたに切り裂かれ、もう一方はを構えたまま呼び出した石凝姥命が創りだした八咫によって跳ね返される。
魔理沙は降参し、次はレミリアの番となった。

妖夢幽々子の畔に来ていた。これからやることは一つだと幽々子が言うと、妖夢紅魔館しなのかかと答える。
幽々子はそれを聞くと笑った。

第十七話 二十七と三分の一の罠

賢者に辿り着いた。賢者は丁度留守であったので、待ちますかとが言うと、
は、そうではなく賢者の住処にび込んでめぼしいお宝を奪って来いと言う。
そんなことで千年前の辱をらし満足できるのかとねると、
は、それでいい、どうせ地上の者は月の民に敵わないのだからと言う。
力では、と付け加えて。

霊夢依姫が戦っているが、霊夢は既に手を地についている。
霊夢神様相手だと戦いにくい、もっと妖怪らしい妖怪を退治したいと愚痴を言いながら、依姫に一枚の札を投げる。
札を切り裂く依姫だが、札からはい何かが現れた。
それは霊夢が神降ろしした、大禍日が溜め込んだ厄災であり、寿命をもたらす穢れだった。
これを一つ一つ潰さなければは地上と変わらなくなる、これで弾を避けることはできなくなったと霊夢は言う。
まるで、倒して然るべき妖怪みたいだ。霊夢が。と、魔理沙言った、

賢者の住処への界を開け、中に入った驚愕する幻想郷に戻ってきていたのだ。
夜空に浮かぶ満月は少し欠けており、幻想郷を繋ぐ界は閉じて、戻れなくなってしまう。
これは永琳の仕掛けたトラップなのだと、豊姫レイセンが現れた。

第十八話 月の頭脳

ロケットは囮で本物は静かに現れる、永琳手紙の通りになったと豊姫
茫然とするに対し、自分と一戦交えるのかと問う。

霊夢依姫は互いに息を切らして戦っていた。依姫伊豆売を呼び出し、霊夢穢れ弾を祓う。
巫女の姿の神など聞いたことがないと霊夢は言うが、依姫は勉強不足ねと言って、霊夢の首に突きつけた。

一方で、幻想郷では豊姫の首に扇子を突きつけていた。
その扇子を一素粒子レベル浄化するを起こすの最新兵器だった。
は大笑いし、降参を宣言する。
更には土下座までして許しを請うのであった。

第十九話 縛られた大地の神

フェムトファイバーの組紐で縛られ捕らえられた。
フェムトファイバーは不浄な者の出入りを禁じるために使われた縄であるが、
本当は月の民に逆らう者を封印する役割を持っていた。
それこそが出雲の大社で大国主、つまりダイコク様を封印する注連縄であり、
新しく幻想郷に来た諏訪神社にあるものと同じ意味を持っていたのだ。

豊姫は、依姫の方の戦いも終わったことの報告を受ける。
これで「び込んだ不浄な者は全て捕まえた」と言う。
それを聞いたは、縛られたまま妖しい笑みを浮かべるのであった。

永遠亭では例祭が行われており、達はまたダイコク様に感謝する歌を歌いながらを搗いていた。
そこへレイセンが現れ、てゐに封書を渡す。その姿をに、の使者より地上の神様のほうが頼りになるじゃないかとてゐは言った。

手紙にはを攻めようとしていた犯人は捕まえたことが報告されていた。
上手く行きすぎて不安になりつつも、満月団子を楽しむ永遠亭の住人達であった。

――にはまだ侵入者が残っていた

第二十話 最後にして幽かな穢れ

神社から霊夢がいなくなって二十五日、他の者は帰ってきたのに霊夢だけが帰ってこない。
射命丸は、そろそろ新しい巫女を捜さなきゃいけない時期なのかと考えていた。
紅魔館に潜入取材を試みるも、レミリア興味から別のものに移っており、話を聞くことはできなかった。
しかし、ちゃんと霊夢は帰ってきた。
依姫には身の潔明して謀反の噂を消す必要があったので、
自分以外、霊夢にも神降ろしができることを見せて回っていたので、時間がかかったのだった。

射命丸土産話を語る霊夢。手を触れずに開く(自動ドアの様なもの?)、文字の拡大縮小が自在な本(タブレット的な?)、月の民の人となり。
そして、見覚えのある亡霊が居たことについて。

最終話 青の宴

神社レミリア達がやってきた。お詫びを兼ねて霊夢達をに招待すると言う。
これで新しい記事が書けそうだと喜ぶ射命丸だが、その横で見覚えのが飛び去ったことに気づいていた。

子供のように悔しがるだったが、式神からが去ったことの報告を受けると、途端に態度を変えて勝利宣言をする。
は見りだったのだ。
一体何が起きていたというのか、白玉楼にてに説明する。

は最初から月の民と一戦交えようとなどしていなかった。
正面から侵入するロケット組は囮であると見せかけて侵入する自身も囮だったのだ。
2種類の囮で豊と依姫の2人を個別に引きつけて、その隙に幽々月に侵入させる。
幽々子達は死者であり、既に浄土の住人であるので、穢れい。
だから月の都び込んでも立たないので、き巣には最適だったのだ。

そこまでして幽々子賢者から盗んできたものは、一つの古びた。それはで漬けられた々古であった。
あれだけ騒ぎを起こして盗んできたものが一本。は呆れる。は大爆笑する。
そして、その勝利を祝うのであった。

レミリアの言うとは図書館に作ったプールだった。プールに入るのは妖怪はともかく人間には寒いだけなので大不評。
そこへ幽々子が現れ、いいが手に入ったので宴会をしようと言う。
を飲んで宴会を楽しむ。
霊夢は言う、「みたいなができてもやることは一緒ね」と。
は言う、「それが穢れだらけの人間のいいところでしょう?」と。

謀反の噂、戦争、住吉三神ロケットの進入、それを囮として侵入した「黒幕」、それらは全部を盗み出すことに使われていた。
してやられたことに気づいた綿月姉妹はぎゃふんと言う他なかった。

しかし、本当に的は、を盗み出すことだけにあったのか?

小説版『東方儚月抄 ~ Cage in Lunatic Runagate.』

キャラクター情報誌「キャラメル」で連載されていた小説ZUN自らが執筆している。挿絵はTOKIAME。通称「抄(ほねげっしょう)」。

東方キャラ一人称小説で、役は毎回変わっている。永夜抄漫画版儚月抄の裏話が描かれており、儚月抄を楽しむためには不可欠な存在である。
がなぜ第二次戦争を計画したのか、その的は何だったのか等、重要なこともこの小説で明かされている。

2007年6月発売の創刊号から2009年8月発売のVol.9まで連載。単行本は一巻のみ。表輝夜、裏表永琳

各話の形式

第一話 賢者の追憶 八意永琳一人称
第二話 三千年の玉 蓬莱山輝夜一人称
第三話 浄土の竜宮城 綿月豊姫一人称
第四話 不尽の火 藤原妹紅一人称
第五話 果てしなく低い地上から 八雲紫一人称
第六話 愚者の封書 レイセン一人称
第七話 半身半義 魂魄妖夢一人称
最終話 二つの望郷 三人称

最終話は連載時には前後編に分かれて掲載された。

4コマ版『東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡』

4コマ漫画誌「まんが4コマKINGSぱれっと」で連載されていた作品。作画あらたとしひら、原案はZUN。 通称「うどんげっしょう」。

役は鈴仙・優曇華院・イナバで、彼女永遠亭の日々を描く。

本作のみ、神主原作ではなく「原案」としてクレジットされている。半公式同人扱いだろうか。漫画小説とはストーリー的なリンクはほとんどなく、シリアスなどどこ吹くマイペースにはっちゃけている。

優曇華てゐに振り回されたり輝夜に振り回されたり永琳お仕置きされたり失禁したり寝込んだりアイキャンフライしたりするお話である。(※誇し)

特別編としてコミックマーケット一迅社企業ブースで販売された小冊子やスクールカレンダーに収録された4コマも存在する。

2007年8月号から2010年2月号まで連載。単行本は上下両巻発売中。

その他、詳細は「東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡」の項を参照。

上巻

第1話から第15話まで+おまけ収録。
通常版の表鈴仙てゐ、裏表永琳輝夜
限定版の表うどんげ(フィギュア)in兎鍋、裏表うどんげフィギュアを前や横、上から見たイラスト
限定版にはうどんげフィギュアが付いてくる。

下巻

第16話から第30話まで+おまけ収録
限定版にはてゐフィギュアがついてくる。

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