大国主(おおくにぬし)とは日本神話に登場する神のうちの一柱である。
「古事記」や「日本書紀」ではスサノオの6世後の子孫と記されている。
葦原中国(あしはらのなかつくに:現在の日本)の国土を開拓し、農業・商業・医療を普及させたと伝えられている。
大国主の最大の特徴として、大変な美男子であったと伝えられており?神話内でも女神との色恋沙汰や女神を巡っての八十神(大国主の兄神達)との確執など、昼ドラでも採用されないであろうドロドロの人生を歩む。
全ては書ききれないが、その波乱万丈な生涯を要約するとだいたい以下のようになる。
・・・という具合に、様々な試練を周りの動物や神(ほぼ女神)の助けによって乗り越え、葦原中国の王にまで成り上がる感動?のサクセスストーリーである。
ちなみに、髪を柱に括り付けられたスサノオは自分の元を去ってゆく大国主に対して「その刀と弓で兄神達を倒し立派な宮殿を建ててこの国の王になってしまえこの野郎!」と辛口ながらも大国主にエールを送っている。母に会いたいと泣き叫んだり、糞をまき散らしていた頃に比べると随分と成長したようだ。そしてこれが日本初のツンデレである。
しかし、6世代も歳が離れているのになぜまだ生きているのかは不明。娘の出自も不明。
さて葦原中国の王となった大国主の元へ少彦名命(スクナビコナ)と呼ばれる神がやってくる。
大国主は少彦名命と共に農業の普及、商業の発展、医療を広め葦原中国を豊かな国へ発展させていく。しかし、ある日突然、少彦名命は常世の国(おそらくあの世)へと旅立ってしまう。これからどうやって国を造ろうと嘆いていると海の向こうから光り輝く神が現れた。大国主が「そなたは誰だ?」と問うとその神は「我はあなたの和魂(にぎみたま:穏和な人格)だ。私を大和の国(今の奈良県)の三輪山に祭れば国造りに協力しよう」と答えたという。自演乙
こうして大国主はもう一人の自分と共に再び国造りを進めていくことになる。
なお、大国主の和魂は名を大物主といい、現在は奈良県の大神神社に祭られている。なお、この大物主自身も大国主とは別に3柱の女神に夜這いをかけたり、子供を儲けたり、結婚したり、命を奪ったりしている。
大国主が国造りを終えた頃、高天原(たかまがはら)から下界を見下ろす神がいた。天照大御神である。
天照は「葦原中国は私の子孫達が治めるべきだ」という号令を発し何人かの神々を使者として地上に派遣する。しかし 始めに使わされた天穂日命(あめのほひのみこと)はあまりに地上の居心地が良かったのか、そのまま大国主の家来となってしまい三年以上経っても高天原に戻らない。続いて使わされた天若日子(あめのわかひこ)は大国主の娘と結婚してしまい、これまた八年経っても高天原に戻らなかった。
天照は三番目の使者として建御雷神(たけみかずち)を派遣する。建御雷神は大国主のおもてなし攻撃の前に先手を取って国譲りの交渉を開始する。建御雷神が「天照大御神は葦原中国は我が子によって統治されるべきだと仰せであるがそなたの意見はどうか」と大国主に問うと大国主は、自分に意見を聞く前に自分の息子の一人である事代主神(ことしろぬし)に意見を聞くよう建御雷神に返答する。建御雷神が事代主神に意見を聞くと事代主神は「恐れ多い事です。この国の統治は天の神々にお譲りしましょう」と答えた。
次に大国主はもう一人の息子である建御名方神(たけみなかた)にも意見を聞くよう建御雷神に求めた。建御名方神は力比べによって建御雷神を追い払おうとするが建御雷神は自分の手を氷柱や剣に変化させるチート能力を発揮し建御名方神の命を奪おうとする。建御雷神によって遠く諏訪の国(今の長野県)まで追い詰められた建御名方神は「もう天の神々には逆らわないし二度とこの土地から出ないと約束するから命だけは助けて下さい」と言い建御雷神に服従した。
建御名方神を屈服させた建御雷神は三度大国主に国を譲るよう迫ると、大国主は「天の神が住まうような宮殿を建ててくれるのであれば国譲りに応じましょう」と条件付きで国譲りに応じた。この時に大国主の住まう宮殿として建てられたのが現在の出雲大社の起源とされている。
こうして天津神に国を譲った(奪われた?)大国主は、今も出雲大社に祭られている。
出雲大社の宮司は、先祖代々出雲国造家(いずもこくそうけ)が務めている。この出雲国造家は、前述の国譲りの際に大国主の家来となった天穂日命の末裔にあたり、神話の時代から現在に至るまで大国主に使えて続けている。
出雲大社のご利益として真っ先に挙げられるのが「縁結び」のご利益である。
これは大国主が国譲りの際に得たもう一つの条件「幽世の支配権」 に由来している。
幽世(かくりよ)とは目に見えない世界という意味を持つことから、これを支配する大国主は死後の世界やこの世のあらゆる縁を司る総元締めとされている。旧暦の10月(神無月)に八百万の神々が出雲の国に集まり縁結びの会議を行うとされる神事も由来はここから来ていると思われる。
大国主は非常に多くの別名を持つ。大国主に限らず日本の神々はいくつかの別名を持っているが大国主の場合は特にその数が多い。これは元々は別々であった神を一つの名前に統合したものという説やあるいは大国主が多くの女神を口説く際に用いた偽名であるとの説がある。代表的な名前は主に以下のものが挙げられる。
上に列挙した以外にも、漢字表記の違いや書物での違いも含めると更に多くの名前がある。また、中世には七福神の一柱である大黒天と習合し福の神としても信仰されるようになった。
イケメンとして名高い。しかし「本当に古文書にイケメン云々書いてあるのか?」と疑問に思った人もいるだろう。
上記のように、因幡の白兎の話では多数の兄を差し置いてヤガミヒメに求婚を受け入れられているのでイケメン説に信憑性が増す。・・・が、実は古事記の該当部分には外見については何とも書かれていない。ウサギを助けた結果であるので、ヤガミヒメは外見ではなく心の優しさや医療知識の豊富さに惚れたとも解釈でき、イケメンと言い切る根拠にはやや弱い。
しかしその後の古事記中の別エピソードでは、スサノオの娘のスセリビメが、大国主と初対面の際に一目で恋に落ちている。その時に「甚麗神來(すげーかっこいい神様が来たよパパ!)」と父スサノオに報告もしている。よって実際に、女を一目惚れさせる程には外見もイケていたと思われる。
ただしスサノオはこれに対して「葦原色許男(あんな奴は、「葦原国のブサイク野郎」だ)」と返し、以後あの手この手の陰険な方法で大国主をぶっ殺そうとし始める。男の目からはあまりイケメンには見えない、いわゆる女受けのいい御顔だったのかもしれない。単に、娘の彼氏に対する父の嫉妬かもしれないが。
(※なお、「色許(しこ。醜とも表記する)」は「強くおそろしい」という意味であるとして、「色許男、醜男」=「強い男」、と解釈する説もある。これからぶち殺そうとする相手を「強い男」と称えるのも不自然な気がするものの、「最初から大国主を強者と見込んだため、娘を任せるに足る男か確認する意味で、命がけのような試練を課したのだ」と考えれば、一応筋は通る。)
なおスセリビメは上記「概要」でも触れたように、父スサノオの邪魔をしてまで大国主を助け、彼と駆け落ちして、ついには大国主の正妻となる。つまりヤガミヒメは後から来た女に正妻の座を勝ち取られてしまった形になる。だが、大国主とスセリビメが結ばれた様子を見たヤガミヒメは、泣き事も言わず静かに故郷の因幡に戻り、隠居してしまったという。このようにスセリビメが割と快活・豪放なイメージで描かれるのに対し、ヤガミヒメは控えめで大人しい女性に描写されているようだ。貴方はどちらが好み?
掲示板
43 ななしのよっしん
2022/03/20(日) 19:49:07 ID: L386BXLf8h
記事では曖昧な書き方だけど、大国主は母の願いで殺意溢れる兄達から逃れて「根の国」に赴き、その王たるスサノオと王女スセリヒメに会っている
根の国とは古事記では黄泉の比良坂の向こうにある国とされており、黄泉の国そのもののことと考えられている
スサノオが元からの望み通り母のいる黄泉の国に赴いてその王になるのは自然だ。スセリヒメが奇稲田姫との娘なのかははっきり出典がない
いくら英雄は色好みであの世巡りがノルマとは言え、あの世から嫁を連れて来たなんて世界でも大国主ぐらいであろう
44 ななしのよっしん
2022/05/30(月) 09:32:59 ID: bUcA/YdfNm
頼まれたら断れない人もとい断れない神様の印象
ダイコクだからってシヴァと習合させられてハンマー持たせられちゃったり
45 ななしのよっしん
2024/01/27(土) 12:24:33 ID: L386BXLf8h
>>42
初期皇室の本拠地、三輪神社の祭神だもんな
本来の皇室の最高神だったのかもしれないし、
出雲族から皇室が国を譲り受けた後に出雲の最高神を怨霊信仰的に崇拝していたのかも
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/23(月) 09:00
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