ヴィンテージとは、以下の意味を持つ。
本稿では、3の意味で説明する。
ジョークエキスパンションやホリデーギフトカードを除くほぼありとあらゆるカードが使える。この環境で使えない禁止カードは2020年5月現在以下の38枚である。
別のゲーム用の策略を除けばゲームの成立、進行に致命的な影響を与えるカードばかりであり、逆を言えばゲーム進行さえ妨害しなければ「こんなん使えれば勝てるに決まってんだろ」ってレベルの超強力カードですら禁止になっていない。どれほど歴史に名を(あるいは悪名を)刻んできたカードであっても使用可能なのである。
当然だが、このままでは環境バランスもへったくれもないので、その手の強力カードは禁止ではないものの1枚しか使用できない「制限カード」とすることで環境を制約している。2020年8月現在、制限カードは50枚存在する。
一言でいうなら「Magic:the Gatheringの失敗の歴史のぶつけ合い」。
最強のゲーム加速手段であるパワー9を1枚づつとはいえ使用可能な唯一のフォーマット。そのため、環境は1手目から大量にクリーチャーを並べてみたり、相手の動きを完全に封じたり、あるいはそのまま1ターンキルに持ち込んだりといった超高速の駆け引きの応酬である。他のゲームはおろか、他のMTGのフォーマットですら中々起きないような事が平然と横行するTCG界の魔境であり、参入障壁も併せて「行きつくところまでたどり着いてしまったプレイヤー」のためのフォーマットといえる。
こんなところにまで使われるカードというのは当然ながら常軌を逸したパワーカードであったり、序盤から終盤まで隙が無い汎用性を持つカードであったりする。また、「ストーム」や「発掘」、「アーティファクト単」といったようにデッキ全体が統一されたコンセプトで組まれている場合、それはおおむね環境を滅茶苦茶に破壊するほど強すぎた失敗コンセプトであり、かつて様々な時代で猛威を振るったデッキ同士がもし最強の状態で競い合ったらどうなるか?という子供じみた疑問に答えるための隔離病棟ドリームマッチ的な側面を持ったフォーマットである。
なお、それらを除去、妨害するためのカードやそれを手に入れるためのドローカードもまた低コスト、広範囲、高汎用性をもつ史上最高クラスのものが用いられるため、一瞬で決着がつかなかった場合、どのフォーマットよりも徹底的に長引く。この両極端な二面性もまた特徴の一つ。
言うまでもないが、高い。
上記の通り過激なフォーマットではあるが、実際は「安価に組んだデッキ」を持ち込んでも環境の把握さえしっかりしていればちゃんと勝つことはできる。ただ、そのようなデッキにパワー9、特にBlack LotusとMoxシリーズを入れると「安価に組んだデッキの上位互換」となってしまう。これがパワー9の恐ろしいところであり、パワー9の、ひいてはヴィンテージのデッキが高価な理由である。
稀な例として、特殊なカードを用いてパワー9を使わせないことに特化、自分にもかかる影響を排するためにあえてパワー9を使わない構築も見られる場合があるが、その「パワー9を使わせないためのカード」をより早く使うための最良の方法はパワー9を使うことである。他環境にもまして一手の遅れが致命傷となるヴィンテージにおいて、カードをより早く使えるほうが強いというのは言及するまでもないことだろう。
一応他の例としては、「発掘」という特殊なデッキがパワー9を用いない(用いても強くならない)比較的安価なデッキとして知られる。なお、実際のデッキレシピはこちらから参照できるが、その値段は(2016年末の相場において)35万程度とのことである。十分高いわ。
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最終更新:2024/12/23(月) 09:00
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