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今年の「#文学」
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GPU(Graphic Processing Unit)の進化はめざましいものがある。PentiumMMXの時代は、プロセッサを強化して音楽からグラフィックまですべてをプロセッサベースで行なうという戦略を打ち立てていたゲイツ氏も(MMXの略がMultiMediaExtentionの略だということからも、そのへんの時代背景を伺い知ることが出来る)、時代の趨勢には敵わない。 プロセッサまわりの進化の速度に比べてバスまわりの進化は遅く、結局のところ3D処理はすべてグラフィックボード内で完結させるような方向性になった。すなわち、グラフィックチップそのものが進化を余儀なくされたわけで、DirectX8/9やOpenGL SL(Shading Language)を見てもわかるように、グラフィックプロセッサはプログラマブルで、超高速の浮動小数演算やらベクタ演算やらを行なう能力を備えている。 ともなれば、
紙媒体のほうの拙著『解析魔法少女美咲ちゃん マジカル・オープン!』は一度絶版になったんだ。自分で言うのも何だが、リバースアセンブルの名著であり、教科書的な存在であるから、アマゾンのマーケットプレイスでは長らく定価の数倍というプレミア価格となっていた。 プレミア価格になってからも「再販しないんですか?」とブログの読者の方などから問い合わせを数多くいただき、これは再販すべきだよなぁと思って出版社のほうに増刷するか、無料でPDFか何かを公開させてもらえないかと何度か出版社の編集担当に交渉したのだが、これがどうもうまくいかなかった。 まず、本文の著作権自体は著者(私)にある。だから絶版になったあと本文だけを公開することは出来る。しかし図は、下書きは私が書いたものではあるが、出版社の編集側で手直ししたものが本には使われているし、組版をしたのは出版社である。これらに関する権利が出版社にある。また、表紙
私が小学生のころに『ゲームセンターあらし』という漫画が流行った。(1979〜1983年)「炎のコマ」と言う「スティックを高速で操作することでプレイヤーの操作するキャラクターが敵からの攻撃を潜り抜ける」というインチキまがいの技が出てくる。 私は小学生にして、その漫画に出てくる平安京エイリアンぐらいのゲームならオールアセンブラで余裕で作れる程度には天才児(?)だったので、「いくらスティックを高速に動かそうと、1回の描画ごとに1回の入力受付しかしないのだから、単に入力が取りこぼされるだけだろ。所詮、漫画だな。」と小馬鹿にしたものだった。 ところが、その考え方は間違いなんじゃないかと最近思うわけだ。 キーボード入力のようなユーザー入力は取りこぼしてはならないのである。ユーザーは1秒間にたかだか10文字程度しか入力できない。キー入力の遅い人は数文字が限界かも知れない。それなのにCPU負荷が高いときや
電王戦出場バージョンのやねうら王、提出期限が今日までだ。定跡は16手目までしか出来なかった。32手目までの定跡は1/4ほど出来たが、全部作るにはあと1ヶ月ほどかかりそう…。(要するに今回は間に合わない) 部屋のPCはフル稼働で、冬だというのに暖房を入れなくても暖かい。それどころか日中は冷房を入れないと暑くて部屋に居られないぐらいだ。 肝心のおもてなし定跡だが、後手番ということもあって、あまり芳しくない。後手番だと評価値が-100ぐらいからスタートする。AWAKEの巨瀬さんに「序盤で評価値-100の局面から指し継がせたとき、-100側は勝率3%ぐらい落ちますよね?」と尋ねたら「もっとじゃないかな…。5%ぐらい?」と返ってきたので、もしかしたら、コンピューター将棋では後手番は勝率45%ぐらいなのかも知れない。 Bonanza6と10分切れ負けで100戦させたら95-2-3。負けた3局はいずれも
羽生さんは以前、雑誌の取材で将棋の神と対局したらどれくらいの手合であるかと問われ角落ちならいい勝負だろうと答えた。 では、この将棋の神様のレーティングはいくらなのか? 一見、神様には無限のレーティングがつくかのように思えるが、それは間違っている。話を単純化するために、枝刈りなしに深さ固定でmin-max探索を行なうときのことを考える。 評価関数はBonanza以下の精度しかないものとする。この場合、読みの深さが1手深くなるごとにR100〜150程度しか上がらない。少し多めに見積もって、R300上がるとしよう。実際はある程度以上探索深さが深くなると読みが1手深くなったときのレーティングの伸びも小さくなっていくのだが、ここでは均等にR300ずつ上がり続けるとしよう。そして3手読めばだいたいR1000ぐらいである。計算が面倒なのでここはR900ということにしよう。ということは、大雑把には次のよう
駒得のみの評価関数の将棋ソフトとして私が作った「ひよこ将棋」がある。将棋ソフトの開発者のなかで「ひよこ」と言えば「駒得のみ」の代名詞ともなっているぐらいである。私は駒得のみの評価関数の将棋ソフトに命をかけていると言っても良い。 駒得のみということは、評価関数の学習のために人間の棋譜を用いていないし、評価関数もあってないようなもので、純粋に探索のみでどれだけの強さになるのかという指標としての意味がある。 「でも駒割の点数は棋譜からの学習を使ったのでしょう?」と言われそうだが、先日公開した「駒得のみの評価関数にしたやねうら王」では点数は私が適当に決めた。角と馬との点数の差は300点である。飛車と龍との点数の差も300点である。本当、テキトーである。 それでもそこそこ強く、コメント欄にもあったように、いまどきのPCで対戦した場合、3分切れ負けであれば、将棋ウォーズ3段程度ではなかなか歯がたたない
電王戦に向けていまやねうら王に定跡を搭載するための作業をしている。 本電王戦はソフトを事前貸出をしてソフトの穴を探すためにプロ棋士側が研究するという、非生産的な行為にプロ棋士の多くの時間が消費される。電王戦は全くの茶番劇である。 このようなプロ棋士側の非生産的な行為をなんとか生産的な行為に変換できないものかと考えて誕生したのが、やねうらおもてなし定跡である。「やねうらお」を「もてなし」する定跡ではなく、「やねうら」「おもてなし」定跡であり、「田村ゆかり、さんじゅうななさい」ではなく「田村ゆかりさん、じゅうななさい」なのである。(なんのこっちゃ) 早い話、多少不利になるような変化であれ、プロの実戦に出てくるような形をたくさん入れて、せめて事前研究のときに将棋を少しでも楽しんでもらおうと思ったわけですよ。ところが、これがとてつもなく面倒なんすよ。 まず定跡をどうやって自動で生成しますか? 1)
少し誤解している人がいらっしゃるようなので補足します。 まず、人間の棋譜を参考にせずに学習させようとした場合、探索で正しい手が指せるのは詰みの絡む局面(≒終盤)だけなので、終盤の指し手から(開始して、それを前倒ししていき、最終的に序盤の指し手を)学習させるというのは当然のことです。これは私のアイデアではないです。オセロのロジステロなど先行事例(10数年以上前から!)は多数あります。 この部分、誤解している人が多いので、以下に「ひまわり(将棋)」の山本さんのツイートを紹介しておきます。 https://twitter.com/kyamamoto9120/status/529958077491970049 https://twitter.com/kyamamoto9120/status/529960169023631360 その上で私のアイデアは、二点あります。 一つは、学習に強化学習(TD法
昨日までの記事で、書き忘れていたことがあるので、いくつか補足しておきたいと思います。 ■ SeleneはBonafishか? Bonafishというのは、評価関数がBonanzaのfv.bin相当で、探索部をStockfishに差し替えたものを言います。 西海枝さんに聞いてみたところ、「Bonafishも、実は作ったんですけどねー(あんまり強くなくて、いまはBonafishではない)」とのことです。 私もBonafish作りましたが、PonaX相手に3割勝てなかったので、西海枝さんのほうは評価値の差分計算の方法がまずく、npsが私のBonafishより2割ぐらい遅いようなので、おそらく25%ぐらいしか勝てないでしょう。 「SeleneがPonaXに4割勝つ」ということの意味するところは、つまり、そこからの改良(主にNDFの相対KPPでの学習をしたことによる棋力向上)でしょう。 ■ mate
■ 2014/11/3 7:53 会場到着 マリーアントワネット「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」 訳 : 私は早く着きすぎて朝食のパンがまだ用意されていないので、昨日の残りもののお菓子を食べて過ごしています。 ※ ドワンゴの人より。朝食は8:30ごろにいつものところに置いておきますとのこと。 ■ 2014/11/3 8:00 今年のAperyは何が改良されたのか? やね「評価関数の学習に多項式近似を使う件、成功したんですね?」 杉田「あれね、うまくいかなかったんですよー」 やね「そうなんですか?」 杉田「多項式だと、サンプルがないところに極端に大きな値がつくことがあって…」 やね「な、、なるほど」 ■ 2014/11/3 8:01 Aperyのいまは? やね「ということは、相対KPPを取り入れたわけですか」 平岡「そうですね」 やね「手番評価、結局入れなかったんですよね?」
■ 2014/11/02 8:31 無料飲み物きぼんぬ さあ、今日もお腹を空かせたハイエナどものお出ましだ! 訳:私は無料の飲み物があると聞いて昨日から水分を摂っていないので、早めに水分補給をしないと脱水症状になって、また倒れます。 ※ ちなみに今日は無料朝食はないのだそうです。 ■ 2014/11/02 8:35 Calamityはそんなに強くない!? 昨日、私がmtmtさんに今回10位までに入るソフトはBonanzaに圧倒的に勝ち越すでしょう*1と話していたことを受けて。 かず(Calamityの作者)「CalamityはBonanzaにはそんなに勝たないと思います」 やね「あれ?そうなの?どれくらい勝つの?」 かず「Bonanzaとはやってないので詳しいことはわからないですが…」 だそうです。 そんなわけで本件については謹んで訂正させていただきます。 ■ 2014/11/2 8:45
■ 2014/11/01 9:40 朝食きぼんぬ Aperyの平岡さんが、朝食が出るらしいので食べずに出発とかツイートしてたのを見て、ああ、ドワンゴからのメールにそんなこと書いてあったなーと思って、私も食べずに出発したんですけど、何の手違いか、ドリンクはあるものの朝食はありませんでした。同じ考えで会場に臨んだ乞食ども開発者の皆さんがお腹をすかせておられます。 ■ 2014/11/01 9:45 やねうら王セットアップ やねうら王の最新の評価関数バイナリをAWSから持ってきました イテレーションを繰り返した結果、指し手一致率はじわじわ上がっているようです。 io_log.txt(62): << Prediction(%) = 41.6054, 61.9203, 72.6732, 79.4686, 84.0842, 87.3918, 89.838, 91.6833, io_log.txt(17
■ 2014/10/31 6:30 人間の棋譜からのみの学習 一昨日に書いた、私の対局棋譜16局のみで学習させる件ですが、評価関数パラメーターの初期値はゼロです。やねうら王2014の評価値とは何も関係ありません。 全くのゼロからの学習です。 ついでに言うと「初段〜3段ぐらい」になったと書きました。24のRで言うとR1500〜2000ぐらいという意味ですが、もともと駒得だけの評価関数でもR1600〜R1800ぐらいあるので、別にさほど強くはなっていません。 人間の少ない対局棋譜から棋風を学習するという部分が面白く、また、少ない棋譜から学習できるということがエポックメイキングなのです。まあ、この価値は、わからない人にはわからないでしょうけども…。 人間の場合、子供が将棋を覚えてプロ棋士になるまでに何万局も並べるわけではありません。もっと少ない対局数から学習できます。それは、人間の汎化能力が優れ
今年の2月ごろの話なんだけど、ゲーム会社の社長とこんな会話をした。 社長「やねさん、クラッシュ・オブ・クラン知ってる?」 やね「知らないっす。」 社長「クラッシュ・オブ・クランみたいなゲーム作りたいんだよねぇ。ちょっとやってみてよ。」 言われるままにクラッシュ・オブ・クラン(クラクラ)をインストールしたのだが、絵柄が生理的に受け付けなかった。そこで、クラクラのパクリゲーと言われる、『進撃の巨人』のほうをやることにした。『進撃の巨人』のほうは、劣化版のクラクラである。一応、今年の4月の時点で200万ダウンロード突破とかなんとかでTV CMをしていたので知っている人も多いだろう。 この手の課金型のソシャゲーは金を使えば、あとは時間さえあれば誰でも上位になれるわけで、今回、私はあえて無課金のままどこまでいけるかやっていたわけだが、先々月の時点で個人ランキング10位台。(特定されるとゲームがやりに
■ 2014/10/24 22:30 ETV特集「棋士VS将棋ソフト 激闘5番勝負」 明日のNHKで、以下の前回の電王戦の特集があります。以前、私が取材を受けたときの映像を再編集したものらしく、今回は1時間番組なので前回の『サキどり』のときより詳しく取り上げてもらえるようです。 【番組概要】 NHK Eテレ ETV特集「棋士VS将棋ソフト 激闘5番勝負」 放送日時:2014年10月25日23時 (再放送:2014年11月1日0時 ※10月31日深夜) http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2014/1025.html ■ 2014/10/24 24:00 Bonanzaのmake_listの38要素化 Bonanzaのmake_listの38要素化について解説記事を書いたので興味のある人は御覧ください。 Bonanzaのmake_listの38要素化 http:
■ 2014/10/15 9:00 Stockfishの最新版は罠なのか 5日ほど前にStockfishの最新版(GitHub上のもの)を参考に探索部分を調整した。Stockfishの前回からの差分調べたり、デバッグしたりするのに丸2日ぐらいかかって、そのあと2日ほどかけて200戦ほど対戦させると古いバージョンに対して1割ほど負け越していた。なんなんだろう。最新版は罠なのか?もっと対戦させるべきなんだろうけど、やっている戦型が偏っているせいもあってか正確な比較になっていない気もするし、とりあえず負け越しは気分が悪いので涙目でrollback。 ■ 2014/10/15 19:30 やねうら未来探索について コメント欄より。 > 「将棋ソフトの流れを汲まない」ってところについてもう少し詳しく書いてくれると嬉しいです。 (自分以外の)日本人が考え出した将棋ソフトのアイデア・実装を一切使わないと
第二回電王トーナメントPVの撮影が昨日あって、そこで今大会の抱負とか意気込みとか何かそういうのしゃべったのだけど、そもそも、んなもん何もねえんだよ!ヽ(`Д´)ノ 開発のモチベーション全然上がらないし、コードも1行も書いてねーよ!ヽ(`Д´)ノ なんでモチベーションが上がらないのか自分でもわからん…。というか、なんでお前ら、そんなにヒートアップしてるんだ?それが信じられん。お前らは熱帯雨林気候か知らんが、こっちはツンドラ気候である。お前らはアゲアゲかも知れんが、こっちはサゲサゲなのである。お前らは追い越し禁止かも知れんがこっちはインポなのである。 何故自分のモチベーションが上がらないのか、インタビュー中もずっと考えていたのだが、例えば、前回の電王戦でお世話になった、将棋観戦記者の松本博文さん。松本さんは東大の法学部を卒業して、それで将棋の観戦記者になっている。東大将棋部OBであり、自身の将
早すぎだろ。まだ何もしてないぞ。電王トーナメントにエントリーするかどうかすら躊躇うレベルだ。 そして全くやる気が沸かない。こりゃ今回は駄目かも知れんね。 ところが、先週から息子(5歳)が将棋を始めた。くもん出版の将棋盤を嫁が買ってきたのだ。駒に移動できる升が書いてあるので息子にもわかりやすいようだ。息子に将棋を教えていると何か将棋熱が戻ってくるかも知れない。 NEW スタディ将棋 (リニューアル) 出版社/メーカー: くもん出版(KUMON PUBLISHING)発売日: 2009/06/15メディア: おもちゃ&ホビー購入: 9人 クリック: 110回この商品を含むブログ (13件) を見る 息子に将棋を教えていると次の将棋の格言がおかしいことに気づいた。 「飛車当たりに香を打つ」の意味で、「飛車取りに香を打つ」と言うから、「両取り」も別に使ってもいいのではないかと言われるかも知れない。
いまどきは世間でもコンプライアンスに五月蝿くて、テレビ放送でヤラせなんかしようものなら強い批判を浴びる。しかし、許される範囲のヤラせというのも現実的には存在する。 例えば、ある会社に訪問するとき、「ここが、XXXを作っているYYY会社ですねー。お邪魔しまーす」みたいな会社の玄関から入ってくるシーンがよくテレビで流れるわけであるが、あれもヤラせと言えばヤラせである。実際は、いったんその会社の担当者と打ち合わせをしたあと、「最後に、玄関から入ってくるところ撮影させてもらっていいっすか?」みたいな話になる。「いいですよ」と言うと、改めて玄関から撮影するわけである。 玄関あけたらいきなりカメラを回しているだとか、そんなことはありえない。私は過去、数十回メディアの取材を受けたが、いきなりカメラを回しているテレビ局や雑誌記者なんて一度もいなかった。 そりゃそうだろう。玄関あけていきなりテレビカメラが回
昨年の電王トーナメントで優勝したPonanzaがPonaXとして商品化された。定価13,824円と比較的高めの設定だったが、「高すぎやろw」という棚瀬さん(東大将棋の作者)のツッコミに対して「それだけの価値はありますよ」と自信満々の山本君(Ponanza作者)。 https://twitter.com/issei_y/status/453474099461758977 ところが、発売後、PonaXがあまりにも出来がひどいのでアマゾンでのレビューは将棋ソフトとしてかつてないほど荒れ放題となっている。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JH47X2S/aaaaab0c-22/ref=nosim ※ PonaXがどうひどいのかについて、ここには書かない。具体的な内容はアマゾンのレビューを見ていただきたい。 ここでは長文になるのを避けて ・何故
今日からボカロを始めることにした。もちろん、ボカロを作るところからだ。ボカロを含めて音源も自作する。楽器(ハード)も自作する。 音楽理論も自分で構築しなおす。自動作曲のためのプログラムも作る。そうして、やっと自分だけの音楽が完成する。とりあえず、目標はそこだ。 ■ ボカロを作るとは? 初音ミクに代表されるようなボーカロイドは、「あ」「い」「う」など、人間がそれぞれの文字を発声したものを録音しておき再生しているだけである。つながりが不自然なところは二文字、ときとして三文字つなげたファイルも持っている。ただそれだけである。私はそういうことをしたいわけではない。声を一から作るところからだ。 ■ スーパーファミコンのDSP 順序立てて話そう。 私は高校生のときにアーケードの麻雀の移植のために音声合成の処理を書いたことがある。*1 このプログラムは実際には世に出なかったわけであるが、私はそれ以前から
※ 今日は、前回記事で書ききれなかった残り半分について書きます。 【前回記事】 将棋における駒落ちのルールとその考察 http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140414#p1 「コンピューター将棋 vs 人間」という対局において、どんな手合いが適切なのか。コンピューター将棋の近年の進歩はめざましく、10万円未満で買えるような家庭用PCであっても、互角以上に戦える人間というのは将棋人口のうちの一握りであり、もう最後の砦(プロ棋士、あるいはそのなかでもトップレベルのプロ棋士)しか残されていないのが実状である。 将棋ソフトのほうも、「人間の大局観」をプログラムするのが難しいと言われていた時代はとっくに過ぎ去っており、Bonanzaに代表されるような三駒関係という精度の低い評価関数(※)であっても、PCの演算能力に任せて先を読めば(きちんと探索すれば)、トップレベルの人
※ 一昨日の電王戦第五局の終了後の記者会見でうまく話せなかったことをここにきちんとまとめなおしておきます。一度に書ききれないので今回は半分ぐらいをまず書きます。 以前、羽生さんが「打ち歩詰めが禁じ手でなければ、将棋は先手必勝(なのではないか)」と発言して波紋を呼んだことは将棋ファンなら誰でも知っているだろう。もちろん、羽生さんが打ち歩詰めが有りのルールにおいて先手勝ちの変化を見つけているというわけではないと思う。将棋の変化はそこまで狭くない。羽生先生の思考過程は、おそらくこうだ。 「打ち歩詰め」は数ある将棋のルールにおいて長年淘汰されなかった重要なルールである。長年淘汰されなかったからにはそれなりの理由、何らかの必然性があるはずである。それは、「打ち歩詰め」というルールなしでは、ゲームとして成立しない何かがあるのではないか。「打ち歩詰め」をなくしてみても、将棋のゲーム性はそこまで変わらない
Ponanzaの対局が終わるまで、私は隣の部屋でCSAの山田さん、瀧澤会長やアマ強豪の古作さん、量子将棋の人とかHEROZの林社長など超豪華メンバーと局面を検討していたのだが、終局するころには、私は暑くて眠くて人がいっぱいで立って移動できないので水なくて脱水症状ぎみになってて、記者会見で自分が何しゃべったかもよくわからない状態だった。眼球が痛いし、目の焦点合わないし、手の震えは止まらないし、頭くらくらした。 まあ、なんにしても電王戦、無事終わって本当に良かった。 電王トーナメントから電王戦本番まで私は当日にやねうら王がフリーズする夢を見て不安で眠れない日が続いたせいか、体重がずいぶん減ったのだが、電王戦もようやく無事終わったことだし、「これは電王戦ダイエットだったのだ」とでも思うことにしよう。いまは終わったばかりで、なかなかそんな気持ちの切り替えも難しいが…。 関係者の皆さん、将棋ファンの
※ この記事は電王戦 第五局が始まる3日前に書いている。 Ponanzaが他のどのソフトより一回り強いソフトであることには誰も異存はないだろう。 ノーパソで人間の強豪相手に166連勝とか凄すぎて言葉も出ない。 そんなPonanzaだが、開発者の山本君自身が「銀ばさみ」を弱点として挙げている。 https://twitter.com/kagami_tomo/status/452827971808534528 初めてこの話題を聞く将棋ファンにとっては「これだけ化け物級の将棋ソフトが銀ばさみなどと言う初歩的な手筋を食らうはずがない」と考えるだろうが、銀ばさみを食らいやすいというのは本当のことなのだ。 ライトな将棋ファンのために説明しておくが、銀はさみというのは次図のような形で銀が死んでいることを言う。 歩がタダ取りできると思って銀で歩を取りに行ったときに、銀の前に歩を打たれて上図のような形となり
第四局は、将棋の内容的にも非常に素晴らしい戦いだった。両者の力が存分に発揮された白熱した戦いだった。矢倉の達人、森下卓先生に矢倉で勝つ。棋譜だけ見ればツツカナ側が森下先生ではないかと思ってしまうほどだ。 森下先生は事前対局はそれほどされていなかったようなのだが、ツツカナは比較的事前研究されると弱点が見つかりやすいのではないかと私は思う。ちょっと、私の考えの道筋だけ書いておく。 今回のような貸し出しアリのルールの場合、ファミコンのゲーム攻略のようにしてプロ棋士側が勝率を最大化しようと思ったときに、コンピューター同士対戦させるという方策がまず考えられる。どうせなら、本番と同じ持ち時間で対戦相手のソフトを一番強いソフトと対戦させておくほうがなお良い。これを最初に言い出したのはプロ棋士の西尾明六段だと思うので、ここではこれを西尾戦略と呼ぶことにする。 https://twitter.com/nis
将棋連盟の谷川会長とドワンゴの川上会長との夢の対談が実現してました!この記事、もしかしてエイプリルフール企画じゃないかと思ったら、公開日は4月2日になっていたので、エイプリルフール企画ではないようです。いやー、凄いですね。谷川会長がインベーダーゲームで「100円玉がどんどんなくなっていく」ところとか想像つかないですけど、意外な一面が垣間見れて妙に親近感がわきました。 電王戦は,21世紀を生きる人類を映し出す鏡なのかも――将棋棋士・谷川浩司氏がゲストの「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」第16回 http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20140314022/ ちなみに上記の記事中に出てくる、「人間を将棋ソフトのAIの一種だと考えて分類すると同型のソフトとして分類される」理論は、私の以下の記事にあります。興味のある方は、併せて御覧ください。この理論
この解説動画、実に素晴らしい。こういう解説をコンピューターが自動生成できるようになると将棋はもっと楽しくなるんだろうな。 第3回将棋電王戦 佐藤紳哉 六段 vs やねうら王をビジュアル解説
※ いま14時。電王戦第三局の決着がついていない段階でこの記事を書いています。 YSSは序盤に時間を使わなさ過ぎる。これは電王トーナメントのときにも思っていた。開発者が自己対戦での勝率を上げるようにチューンしていくと、序盤で時間を使っても勝率は下がるのだ。この理由はいろいろあるのだが、主な要因としてソフト同士だと序盤は定跡の進行になりやすいというのがある。自己対戦だと特に、定跡を抜けたあたり(30手目付近)に時間をそんなに使っても、優勢な局面に持ち込める確率は低く、終盤のねじり合いのところに時間を残したほうが頓死などが減り、勝率が上がるのであろう。 だから、開発者は普通は序盤に時間を使わない方向でチューンしてしまう。私は、人間相手の対戦ではこれは全くの間違ったチューンだと思っている。(※ ソフト対人間の対局データが大量にあるわけではないので、これは私がそう思っている(信じている)という話で
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