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⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 冬眠が明けたばかりでぼんやりしていたまゆさんですが、明日のお正月はポ村民みんなが村役場に集う日。 さぼろうとしていたまゆさんですが、マメチュー先生に促されて出席することになりました。 しかし体内時計が乱れまくってやたらと眠そうです。 そんな時、自宅の煙突の方から物音が… 「え?な、なにっ?」 「にゃぷー、ぷぷー」 「にゃこ!にゃこってば!起きてよ。変な音がするんだって!羽音?村長?」 「にゃぷぅー」 「わぁっ!」 「こんにちはだす」 「こんにちはだす…って、え?カラスケどうしたの?」 「お届け物だす。マメさんからだすよ。散歩をしていたら、たまたま頼まれたのだす」 「マメチュー先生から?カラスケ、力持ちなんだねぇ」 中身を確認してみると、納豆に韓国のりに卵、それからお蕎麦でした。 まゆさんが好
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 12月31日、まゆさん冬眠明け。 長いこと眠っていたからか、ぼんやりしているまゆさんは、起きたばかりだというのに再び眠そうです。 「まだ12月31日。冬休み中。冬眠の続きを…」 まゆさんは、うつらうつらしながらベッドへ向かいます。 まだ起きたばかりだというのに… 冬眠明けはいつもこんな感じでしばらくボーっとしてしまうようです。 「にゃこもおねむねむ…」 その時。 “ちりんちりん” 「この音はっ!」 大晦日の正午。 村長がならす鈴の音が村中に響き渡っています。 ちりんちりんちりん この鈴の音は冬眠から目覚めるよう、促す合図。 「やばっ。そうだ。明日は正月!」 「なんにゃ?おでかけにゃか?」 ポ村ではお正月になるとポ村民は皆、村役場に集まり年始のご挨拶をするのです。 このご挨拶に出席をしないと、
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「はぁ、なんかいっぱい寝たら疲れたなぁ」 冬眠から目覚めたまゆさんは、まだ夢の中にいるようなふわふわした感覚に包まれています。 一方、にゃこさんはまだ熟睡中。 「可愛い顔して寝てるわ」 さて、まゆさんの冬眠明けのお目覚め料理はお粥です。 長い間何も食べていなかったので、まずは胃に優しいものから頂きます。 村の名産品の梅干しをお供に。 「おいしー。ほっこり」 冬眠明け最初の朝食は、何でもない食べ物でもすごく美味しく感じます。 長いお休みの間に、たくさん寝て、のんびりご飯を食べて、ゆっくり過ごす。 せっかちな所もあるまゆさんですが、まだ頭もぼんやりしているため、このゆったり時間を満喫しているようです。 続いてのお粥のお供は、醤油をかけた鰹節。 鰹節が大好きなにゃこさん、その匂いで目が覚めたみたいです。 「あ
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら クリスマスも終わり、大晦日が近づいてきました。 ポ村ではこの期間に一番雪が降るので、冬眠したり家の中にこもったりする人が多いです。 まゆさんも現在、冬休み中の冬ごもり中。 ポ村に来てから、なぜかこの期間は物凄く眠たくなり、数日間眠ったままになることが多くなりました。 そのため、積雪量が穏やかになるお正月までの2、3日ほどは起きることなく眠りにつきます。 これは人ぞれぞれですが、まゆさんの場合は28、29日頃から毎年猛烈に眠くなり、そのまま大晦日のお昼ぐらいまでは一切起きず爆睡。 そんな今日は28日。 そろそろ冬眠に入ってしまう頃なのですが… 「ねむーいっ!あ、にゃこもう冬眠しちゃってんじゃん」 「にゃむにゃむ…」 にゃこさんは冬眠に向け、すでにたらふくご飯を食べたらしく、まゆさんより先に夢の中みたいです
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら これはポにゃちゃんが元気だった、とある冬のお話ー。 コンタックさんが、いらしてるにゃ。 ということは、おねにゃんのお仕事関係の方にゃすね? いい子のポにゃさん、コンタックさんにご挨拶するにゃす。 「おねにゃんがいつもお世話になっておりますにゃ」 さて、今度はコンタックさんにお茶をお出しするにゃわ。 にゃにゃ? なぜにゃ。なぜなのにゃ。 せっかくコンタックさんに、お茶とお茶菓子をお出ししようとしてたのに。 どうして。 「マルはいいにゃわあ」 ポにゃちゃんときたら、コンタックさんをほったらかしにしてまで、マルに吸い寄せられてしまうにゃんて。 もしこれが悪いマルだったら、大変にゃったわ。 悪いマルに捕まったらそれはもう、嫌なことされて、おねにゃんとも会わせてもらえなくて、ポにゃちゃん大変な目に遭う所にゃわ。
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 クリスマスの2次会をするため、小料理屋三すくみにおとずれたまゆさんとUSAさん。体調を崩していたUSAさんのためにハブ酒を用意していた、三すくみの皆さんですが、気味悪がられてしまいました。 結局選ばれたお酒はまゆさんはヤマモモ酒、USAさんは純米酒。 二人はお酒を飲みながら、会話を楽しんでいます。 「USAはさ、最後の晩餐何にする?食べなれたものにする?それとも大枚はたいて贅を極める?」 「最後に食べるもの?食べ放題じゃダメ?色々食べたいもの」 「話をつまんなくするなよ」 「ねぇ。それって地球が最後の日なの?それともあたしだけが最後を迎えるの?大枚はたくってことは、お店やってるんでしょ?ビュッフェ行ってもいいじゃん」 「そういう話をしてんじゃないんだけど」 「設定が気になるの~!何で最後なの
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら トゥルルルル、トゥルルルル 「ハイ、小料理屋三すくみでゴザイマス」 ここは村はずれにひっそりと佇む小さなお店。 メニューには、薬膳系のおつまみ等、体に良いものが多いようです。 「まゆさんとUSAさんが、今からイラッシャルソウヨ」 「最近USAさん、体調崩してイタラシイネ」 「お酒好キきなUSAさんには、ハブ酒ナンテドウカナ?」 「イイワネ、血の巡りも良くなるし、冬にピッタリのお酒ダモノネ」 “ガララ ”イラッシャイマセー” クリスマスの二次会に、この小料理屋を訪れたまゆさんとUSAさん。 先程のディナーもお鍋だったため、クリスマス感をとことん排除した一日となりました。 にゃこさんはすやすやと寝てしまっていたため、そのままマメチュー先生の所でお泊りです。 「あ、湯豆腐おいしそうー。この時間ちょうど食べたい
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 USAさんは、マメチュー先生お手製のクリスマスディナーが楽しみで仕方がない。飾りつけを終え、オードブルを食べ、いよいよお楽しみのメインが完成したようです。 「きゃー、ようやくメインね!」 「にゃっ!にゃにゃにゃにゃっ」 「ふー」 ところがメインが運ばれてくる前に、木じじいの困った声とにゃこさんの声が聞こえてくる。 「む?にゃこ、何してんの?」 にゃこさんは木じじいの頭の上の飾りに興味を持ったらしく、取ろうと奮闘しています。 どうやらねこさんもツリーやオーナメントを見ると、ウキウキしてしまうみたい。 「こらこら、にゃこ。木じじい困ってるでしょ。マメチュー先生もお料理を運べなくて困ってるじゃん」 「じゃあ、こっちの木に乗っかるにゃ」 「あら、にゃこちゃん!ツリーはだめよ」 「そうそう。木じじいも
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら クリスマスパーティーの準備中。 USAさんはクリスマスをめちゃくちゃ楽しみにしていたのですが、ここ最近体調がすぐれない日が続いていました。 記事:もうすぐクリスマス 結局USAさんの体調は、クリスマス当日になっても万全には回復しなかったようです。 先程から、ボーっとしたまま飾り付けしています。 今までであればUSAさんは、飾りつけの段階でワクワクし、張り切っていたのに。 「飾り付けが終わるまでは、いったん寝かしといてあげよ♪」 「まゆちゃん、みんざいってなんにゃ?おくすり?」 「そうだよ、USAを休ませてあげるためのお薬。あ、USAの好きなシャンパンと飲ませようかな」 心配しているのかなんなのか、まゆさんが良からぬことをクラゲさんに吹き込んでいます。 手に入れようと思えば、すぐに手に入る睡眠薬。 まゆさ
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 クリスマスを楽しみにしていたUSAさんですが、なにやら体調が良くないそうです。仕事終わり、薬局に遊びに来ていたくまじろ先生から問診を受けた結果”寒暖差疲労では?”と診断されます。 「自律神経が乱れて冷えやすくなる。食欲もなくなるよ」 一日の最低・最高気温に差がある、室内外の温度差も大きくなる、そんな季節におきやすい症状。 その差に対応するため熱を作ったり、放出したり必要以上に体はエネルギーを消費してしまうのです。 「そうなんですね。じゃぁ、あたしその寒暖差疲労なのかも」 「USA、体調を戻すためにもしっかり休んでなよ。ゆっくり寝てるといい。1週間くらい。ね?」 「1週間も休んだら、クリスマス終わって大晦日が来ちゃうじゃない。」 「でも心配だから」 「まゆちゃん、クリスマスパーティーにあたしを
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「あたしね。毎日クリスマス当日が来る日を楽しみにしながら、シュトーレンを少しずつ食べてるの」 USAさんが言うシュトーレンは、日持ちするドイツのお菓子です。 「あれ、おいしい?」 「おいしいわよー。まぁ実はあたしもクリスマスケーキの方が好きだけど、シュトーレンはクリスマスを盛り上げるのに一役買ってくれてるの」 「ふーん」 「この時期はお店に行くのも楽しいわよね。クリスマス用のグッズがたくさん並んでてさ。どれも可愛くって全部欲しくなっちゃう。そんで買ったものを並べるのがまた楽しくって!街がクリスマスっぽくなるのって、昔より早くなったじゃない?だから長い間ウキウキ出来ちゃうのよね」 クリスマスが近づくと、USAさんは都会の方へよく散策に行くらしい。 クリスマスツリーやイルミネーションを見て、クリスマスの雰囲
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 資格を取得するためお勉強で忙しいまゆさんに、遊んでもらえず拗ねていたにゃこさん。 小学一年生の男の子、トビーくんと遊んでもらう約束をしたのですが、どうやら熱を出してしまったようです。 数日後、熱は下がったようなのですが、咳と痰が続いているトビーくん。 マメチュー先生は処方された粉薬の飲み方を変更するよう、トビーくんに提案することにしました。 「トビーくん、もうお兄ちゃんになったじゃないですか?そろそろお薬、大人の飲み方してみませんか?」 「おとなの飲み方?してみるっ!おにいちゃんだもの!」 「お兄ちゃんねぇ。ならトイレも一人で行ける?真夜中に起きちゃったときのトイレ」 薬剤師だというのに、まゆさんはトビーくんにチャチャを入れています。 「トイレ、一人…行けるっ!行けるねー!!」 「今ちょっと
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 資格を取得するためお勉強で忙しいまゆさんに、遊んでもらえず拗ねていたにゃこさん。小学一年生の男の子、トビーくんと遊んでもらう約束をしたのですが、どうやら熱を出してしまったようです。それを知ったにゃこさんは、トビーくんの周囲をうろちょろ。困ったねこさんです。 トビーが気になっただけにゃのに。 一方、マメチュー先生から服薬指導を受けているトビーママ。 ”熱が出たらすぐにお薬を飲ませなくては!”と思っていたというトビーくんママ。 「子どものお熱が下がらないとすっごく不安で、心配で。そんなに高くなくても、熱があったら薬を飲ませた方が良いのかと…」 「平熱まで無理やり下げる必要はありません。安静にして、脇や足の付け根を冷やしてあげると良いと思います」 「そうだったんですね。分かりました。ありがとうござ
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「今は忙しいって言ったでしょ」 人が忙しい時ほど、周囲をちょろちょろする生き物、それがねこさん。 「ああああー、にゃこさん寂しいにゃぁ。誰もあそんでくれないにゃぁ。ひとりぼっちにゃわあぁ」 「大げさなんだから。試験が終わったら、たくさん遊んであげるってば」 まゆさんは現在、資格を取得するため勉強中。 薬剤師には認定薬剤師、専門薬剤師など様々な資格があります。 これらは働く上で必須ではないけれど、よりスキルを磨きたいという人にはとても役に立つ資格。 薬のプロとしてより高い知識を得るため、マメチュー先生もたくさんの資格を保有しています。 まゆさんもすでに漢方薬・生薬認定薬剤師の資格は持っている。 そしてさらに今、まゆさんが資格を取得しようとしているのが、在宅の患者さんをサポートするための資格、在宅療養支援薬
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 イチイさんとにゃこさんの元に突然現れたトビーくん。彼は見知らぬイチイさんを見て警戒しているようです。「何者だっ」 「ショッカーの一味か?それともばいきんまんかっ?!」 「その黒縛り何?」 「それともゴキブリかぁっ?!」 「嫌な”黒”持ってきたな。大人も泣くやつだぞそれ。……でさぁ」 先程の悪しきものが腐らせた土から、再び悪しきものが生まれそうになっています。 「むむっ、悪しきもの!」 「悪しきもの?そう言われてんのか」 「こいつ、こんなところにっ」 悪しきものはポ村の農家、ケイヒさんをいつも困らせています。 「農薬撒けばOkなやつ?薬って言っても農薬はうちの薬局には置いて無いけど」 「薬局?のうやくってそれ、オマエがかかったら死んじゃうやつか?」 「どういう意味?俺ゴキブリ決定ってこと?言っ
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 都会で数十店舗の調剤薬局を経営する、社長の息子のイチイさん。 とある薬剤師会で知り合ったポ村の村長に、薬剤師の指導をするよう頼まれていました。 「すいません。今日は出勤すると聞いていたんですけど…」 「ではちょっと一人で村を見学してから帰ります」 「そうですか。分かりました。ではまた今度」 一人でポ村を散策するイチイさん。 薬局ではマメチュー先生やクラゲさんにしか会うことがなく、指導の必要性を特に感じていないイチイさんですが、ポ村に訪問するのが好きなので村長に頼まれるたびに一応薬局を視察。 そしてマメチュー先生の仕事ぶりを見るたび、感心していました。 「村長は誰の指導をして欲しいっていうんだろうか…ん!?」 「初めて見る花。ポ村固有?」 「なんだこれ、急に枯れそう…この花の特徴かな?」 「…なんだこれ」
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎ 物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 冬を迎えたポ村。妖精の少女シルプさんは美容師のハイエさんに片思い中。遠くから見つめているだけで精いっぱいです。それなのにそんな彼女の元に、ハイエさんが村の子供たちと一緒に突然の登場。さらにはハイエさんにリンゴのスイーツを差し入れるために、マメチュー先生までやって来ました。 差し入れはたくさんあるとのことで、お言葉に甘えてその場にいたみんなで頂くことにしました。 「マメチュー先生、このアップルパイ。クランブルがサクサクしてすっごくおいしーです」 「ほんとですか?よかったです」 「ヨーグルトも甘酸っぱくてりんごがいいアクセントに。朝から元気出ました。ありがとうございます」 「どういたしましてです」 みの虫というのは、ミノガの赤ちゃんです。 「ミノガの赤ちゃんはね、男の子だけが大人になって空を飛
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 冬を迎えたポ村の朝。元気な子どもトビーくんとペンネくんは、美容師のハイエさんを連れてお散歩をしていました。彼らの近くではてんまさんと、ハイエさんに片思い中の妖精の少女シルプさんがおしゃべりをしています。 「ねぇ、てんま。女の子同士のおしゃべりっていいよね。なんかおちつく」 女子同士のおしゃべりセラピー。 村人各々が心を癒す術を持つ、それはセルフメディケーションを進めている村長がすごく喜ぶことだと思います。 「あーそんでーごはんたべー、よーくねむるー♪」 お散歩中のハイエさん、トビーくん、ペンネくんたちが、美容室近くにいたシルプさんたちの元に向かって歩いてきたようです。 「あー、てんまちゃんだ」 「おはよう」 「妖精さんもいるー」 「…」 「ほんとだ、一緒にあそぼー」 人見知りの妖精の少女シル
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ここはポ村。 現在、冬を迎えています。 トビーくんと、お友だちのペンネくん。 冬の早朝から、お外で元気に遊んでいます。 朝いちばん、まだ誰も歩いていない場所の霜柱を踏んであるくのが、冬の楽しみ。 「あらあら、おはよう」 まだ眠っていたところに、突然声を掛けられてびっくりしつつも、きちんと挨拶を返してくれました。 ハイエ美容室。 「あっ、やだ。ハイエさん、こっち来る」 人見知りの妖精の少女、シルプさんは今日も片思い中の彼、美容師のハイエさんを見つめていたようです。 関連記事:妖精の恋 好きな人のことは、何度も何度も出来る限りずっと見つめていたい。 でも家に帰って一人になるとあんなに見つめていたのに、なぜだか好きな人の顔がぼんやりとしてはっきりと思い出せなくなってしまう。 これってなぜなのでしょう。 「ハイ
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「ごめん、後でな」 「なんでにゃ?」 「うーん」 「なんで?」 「…」 「ああ、にゃこ…」 大好きなにゃこさんに泣かれてしまい困ってしまうケイヒさん。 でも… ケイヒさんは、先ほどからぼんやりと薬箱を眺めていました。薬を飲むのは苦手なくせに不安な気持ちからつい、色んな市販薬を買い置きしたくなる 安心のためだけに購入しているから、1・2回使って…もしくは1回も使わないまま使用期限が過ぎてしまう薬も多いようです。 実はケイヒさん、ちょっとしたストレスで、今日もまた胃が痛い。でも薬を飲むかどうか迷っている様子です。 ケイヒさんは、可愛いにゃこさんに泣かれると本当に困ってしまう。 「分かった、分かったよにゃこ」 「にゃむ?」 「ちょっと調子が悪かったんだけど、今さ、薬飲むから…薬が効くまでもう少し待ってな?」
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「うう、胃がいてぇ」 ポ村で農家を営むケイヒさん。 不安症なところがあるからか、彼は胃を痛めてしまうことが多いようです。なのですが、ケイヒさんは薬を飲むのが大の苦手。 関連記事:花粉症の季節 「最近、飯もあんま食ってないなぁ。このままだと冷蔵庫のもやし、腐っちゃうだろうなぁ。だからって捨てるのは、いやだなぁ。仕方ない、炒めてたべるか」 ・・・。 「いや、違う。痛くない、痛くない。気のせい気のせい。もやし捨てるなんて作った人に悪いし」 (もやしは購入品) ”薬飲むかなぁ” 「ああ、あの胃薬。飲むといつも喉に違和感を感じるから、飲みたくないんだよなー。やだなー。なんで違和感を感じるんだろう。一緒に飲む時の水の量とか関係してんのかな?」 こんな風に薬で困った時は… そうです、あの先生に相談しましょう。 「マメ
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ご近所のねこさん同士で行うとされているねこの集会。 なんでそんな可愛いことをしているのでしょう。 会話の内容等、ちっとも可愛くないことをしている可能性もありますけれど、それでもやっぱり可愛く思えてしまいます。 ねこさんのすることですからね。 こちらはポあねと住んでいた頃のご近所ねこ、ぷーちゃん。 どうやら地域ねこのようです。 当時はポあねの職場に近い、お茶が有名な地方都市に住んでいたので、近所に茶畑がありました。 初めてぷーちゃんと出会った時、かわいいねこさんがいると思い、この町に引っ越してきた旨、挨拶をしようと近くに寄って行きました。 すると近所のおばあさんに「お姉さんに可愛がって貰えて、よかったわねぇ」とぷーちゃんは、話しかけられている。このねこさんはご近所の方に可愛がられているのだと、そう思いまし
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 夏、おうちでねこさん、わこさん等と暮らしているお宅は、室内の温度に気を付けなければなりません。 エアコンも扇風機も苦手なポいもは、夏はたびたび熱中症のような症状にさいなまれてしまいます。こんな風にねこさんをポいもと同じような目に遭わせないよう、十分なケアが必要です。 DNA的には暑さに比較的強いと言われているねこさんですが、ポあねと暮らしていたポにゃちゃんはどさんこ。より夏の暑さをしんどいと思っているかもしれません。 とはいえ人間の場合、すぐに暮らしている環境に身体が適応してしまうので、ねこさんも多少は適応してくれているかもしれないですね。 ポあねはポにゃちゃんと共に暮らす際、一応エアコンを購入しました。もちろん、ポにゃちゃんが熱中症にならないためです。 タイマーを使って昼間、ポにゃちゃんだけになってし
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 ねこさんが大嫌いなまゆさんの伯母ペリコ。にゃこさんがまゆさんパパと遊びに行っている隙に、まゆさん宅に遊びに来たようです。ペリコ伯母さんは一人、おしゃべりをし過ぎたせいか、のどが痛くなってしまったとのこと。 「のど飴ある?」 「のど飴の場所?薬箱じゃない?」 「どこにあるの?」 「タンスの上だったかな。忘れた。探してみて」 「なによそれ。あたしが探すの?」 「自分が欲しいんでしょ?子供のころ遊ばなかった?物を隠して”宝探しゲーム”って。それをやらせてあげよう」 「いい年してやりたくないわよ。そんなこと」 「のどが痛いんでしょ?探している間だまってたら?少しのどを休ませなよ」 「探さなくちゃいけないなんて、なんかめんどくさいわねぇ」 「見つけたらカップ麺を食べさせてあげる。食べたことないって、し
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 ねこさんが大嫌いなまゆさんの伯母ペリコ。にゃこさんがまゆさんパパと遊びに行っている隙に、まゆさん宅に遊びに来たようです。おしゃべりな彼女は、遊びに来てからずっと一人で何かをしゃべっています。 「何この子。全然可愛くないじゃないの。これでアイドルなの?今の子って、昔の芸能人と雰囲気が変わったわよね。知ってる?昔はとっても素敵な人が多かったのよ。 そうそう、昨日お洋服買いに行ったらね、お店の人に似合ってるって凄く褒められたの。あたしいっつも褒められちゃうのよね。え?この話、何度も聞いたって?全く同じ話を、この間も言ってた?いいじゃない別に。あんたって口を開けば”前にも聞いた”っていうわよね。 あ、そうだ!初めてネイルして貰ったの。ちょっと恥ずかしいわね。でも似合ってない?そうそう、帽子変えたのよ
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 「えー父ちゃん、にゃこを連れてっちゃうの?」 「たまにはいいじゃないか、なぁにゃこ?久しぶりにお父さんと遊ぼうな?」 「にゃ」 「いやだよ、にゃこがいなかったら寂しいもん。絶対やだ」 「まゆちゃん、すぐ帰るにゃからね。今日はとうちゃんと遊んであげるお約束をしたのにゃ」 にゃこさんがいなくてさみしい… という以外にもにゃこさんがまゆさん宅からいなくなると、ちょっと憂鬱なことがある。 「じゃあさ、あんまりにゃこに父ちゃんの整髪料の匂いをくっつけないようにね。にゃこいっつもおじさん臭くなって帰って来るから」 「ええ?くっつけてるか?くっつけてないよなあ、にゃこ」 「にゃ」 「その子は何にも分からないんだから、聞いたってにこにこしているだけだよ。まぁ可愛がるのはいいけど」 「まゆちゃんそんなに悲しまにゃいで。じ
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら ついつい夜更かししてしまう、学生時代の夏休み。 これはポいもが、高校生だった頃のお話。 夜更かしが好きなのは、ねこさんも同じ。 元々夜行性と言われているねこさん。 人間と暮らしていると、ある程度は人間のライフスタイルに合わせてくれるようになる。 だからなのか、いつもはすでに寝ている夜中も、夏はポいもが寝ないと我が家のねこさん、ぽんちゃんもねんねしません。 それぞれ、夏の夜を満喫中。 「にゃー」 ぽんちゃんになかれるたびに父は都度起きて、窓を開けてあげています。 ぽんちゃん、本当は自分で窓を開けられるのに… 人間やねこさんは元気に活動している夏の夜ですが、意外と夏の虫は夜、静かです。 ゴキ太郎さんのようにカサカサと活動していることはあっても、秋の虫のように夏の虫は、夜中にうるさく鳴くことはありません。 夜
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 前回のお話 夏、よく道端で亡くなっている昆虫と言えば、アオドウガネ。せっかく生まれてきたのに… アオドウガネと同じくらい道端で亡くなっている昆虫に、蝉もいますね。 他の生物が亡くなっている姿はあまり見かけないのに、アオドウガネや蝉はどうして自分が死んだ事を伝えたいのでしょう。 せいぜい手を合わせる事くらいしか、私には出来ません。 私が住む地域でよく見かける蝉は、アブラゼミとかミンミンゼミ。 彼らには失礼ですけど、なかなかにトリッキーなお姿。 私には蝉の模様は怖いのですが、その模様の異様さが不思議で神秘的にも思えます。 個人的な感想になりますが、私にとっては蝉の子どもさんの方がまだ親しみやすい。 目は人間の目の方が、見た目はあんまし可愛く無い。 人間の目が昆虫についてたら今よりさらに怖い気がします。 逆に
⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら ⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら 夏。 昆虫たちが活発に活動してる季節です。 人間はね、だるそうにしている人が多いですけれどね。 昆虫たちは元気に飛び回る一方、あちこちで亡くなっている姿も見かけます。 中でもアオドウガネが、よく亡くなっているようです。 アオドウガネとは道端でひっくり返っている緑色の昆虫です。 アオドウガネも熱中症なのでしょうか? 優しい人は踏まれないよう、路上で弱っているアオドウガネを発見次第、自宅で保護してあげているそうです。 素敵ですね。 素敵じゃない私は、彼らがあまりにも道端で亡くなっているので、どれだけ亡くなっているのかつい、数えたくなってしまう。 ※苦手な生物についてのお話 「イチ、ニ」 前に住んでいた町の商店街では、結構な数のアオドウガネが路上で亡くなっていました。 「サン、シ」 商店街で人通りが多いため、
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