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情動機能とは何か 五年ほど前のことです。ある企業からの依頼で人間の心的機能に着目した研究プロジェクトを立ち上げました。ヒトは、いつ、どんな場面で、愉しいと感じるのでしょうか。心底「愉しい」と感じているのは、いったいどういう時か。そのメカニズムが解明できれば、商品開発に活かせるかもしれない。そんな期待をもって研究会はスタートしました。『談』に登場していただいた何人かの先生にもご参加いただき、心理学、脳科学、生理学、哲学といった学問領域を超えて、毎回活発な意見交換がなされました。その研究会の座長を務められた松本元氏(理化学研究所脳科学研究センター・ディレクター[二○○三年に逝去])は、プロジェクトを立ち上げるにあたり次のように宣言しています。 「脳は、生存という生物にとって最も根源的な欲求のために、自らを設定し、設定した目標を達成するための仕組みをつくることを目的とする身体器官である。この目的
つじい・たかし=つつみ・せいじ 1927年東京生まれ。詩人・作家。 東京大学経済学部卒業。経済学博士(堤清二名義で1996年中央大学で学位取得)。西武流通グループ代表、セゾングループ代表などを歴任。現在、セゾン文化財団およびセゾン現代美術館理事長。また、日本芸術院会員、日本中国文化交流協会会長などを兼任。自身の創作活動の他に、セゾン文化財団およびセゾン現代美術館の理事長・堤清二として、舞台芸術と美術などを支援し続けている。著書に、詩集『異邦人』書肆ユリイカ、1961、『群青、わが黙示』思潮社、1992、小説『いつもと同じ春』河出書房新社、1983、『虹の岬』中央公論社、1994、『沈める城』文藝春秋、1998、『茜色の空』文藝春秋、2010、『叙情と闘争』中央公論新社、2009、他多数 私は市場経済というのは、 いくつかの前提を満たせば大変優れたシステムだと思います。 しかし市場経済が即、
資源化するからだ・・・再生医療の供給源としての 粥川準ニ Junji Kayukawa ヒトクローン胚からES細胞をつくり、それを分化させてできた移植用組織を患者に移植することを 「セラピューティック・クローニング」、治療目的のクローンといいます。 セラピューティック・クローニングの一番の問題は、 肉体的、精神的負担の、男女の非対称性ということがあからさまに出てきてしまうということです。 卵子というのは女性からしか採れないわけで、体外受精を始めとして生殖技術というのは、 基本的に肉体的にも精神的にもその負担というのは圧倒的に女性にかかるわけです。それをどう考えるかということです。 かゆかわ・じゅんじ 1969年愛知県生まれ。編集者を経て、96年よりフリーに。現在、医療、食料、環境など、科学技術と人間社会との関係を独自の視点から取材、執筆を行う。著書に、『クローン人間』光文社新書、2003、
せとやま・こういち 1966年広島県生まれ。大阪大学大学院法学研究科修了(法学博士)、米国ウィスコンシン大学マディソン校ロースクール修了(M.L.I., LL.M.)。大阪大学留学生センター准教授。法学(法理学、法と医療・生命倫理、行動心理学的「法と経済学」)専攻。主な論文に「遺伝子医療時代における倫理規範と法政策」杉田米行編『日米の医療』所収、大阪大学出版会、2008、「遺伝子情報例外主義論争が提起する問題」甲斐克則編『遺伝情報と法政策』所収、成文堂、2007、 Arguments For and Against Genetic Privacy Protection Laws, 54 Osaka Univ. Law Review (2007)、「自己決定の合理性と人間の選好—Behavioral Law & Economicsの知的洞察と法的パターナリズム—」日本法哲学会編『宗教と法』有
私たちは、なぜ科学を選ぶのか。 若すぎる科学、科学者の役割 「環境の分野は、科学としてまだ若すぎるんですよ」。開口いちばん渡辺正氏の口から飛び出したのはこんな言葉だった。生まれてまだ半世紀もたたない科学であれば、いろいろな解釈が出てきて当然である。新しい発見だってまだまだあるだろう。時には勇み足になって、間違った見方をすることもあるかもしれない。どれもこれも、結局のところこの科学がいまだ発展途上にあるゆえのことなのだ。その意味ではダイオキシン問題もほかの環境問題と同じである。しかし、ダイオキシンがほかの地球環境問題と一線を画すのは、そのシロ/クロがまだはっきりしない段階で、法律にまでなってしまったことである。そして、国民に厖大なつけ(財政負担)をおしつける結果になった。ダイオキシンは、科学でのきちっとした議論を経ずに、一気に社会の問題になった。そこに、ダイオキシン問題の看過できない理由があ
「生-権力」はどのように現れるか 杉田敦 Atsushi Sugita 生-権力というのは国家権力を通じて現れるわけですが、必ずしも否定的なものとして出てくるとは限らない。 ある場面では、ポジティヴにも解釈できることもあるんです。生-権力とは、そういう二面性をもっている。 というか、そもそも権力というもの自体が、二面性をもっているものなんです。 生-権力にしても権力のメカニズムにしても、いいか悪いかというものではなくて、そこに既にあるものなんです。 それをどのように受け入れるかは、個人の問題であり、自分の問題です。 すぎた・あつし 1959年群馬県生まれ。東京大学法学部卒業。現在、法政大学法学部教授。政治理論専攻。著書に、『境界線の政治学』岩波書店、2005、『デモクラシーの論じ方』ちくま新書、2001、『権力』岩波書店、2000、共著書に、『社会の喪失』中公新書、2005、訳書に、『アイ
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『談』編集長のブログへ [最新号]談 no.130 web版 トライコトミー……二項対立を超えて 表紙 舟越桂 森へ行く日 The Day I Go to the Forest 本文ポートレイト撮影:坂本政十賜 Gallery:木本圭子 しみず・たかし 1967年生まれ。東洋大学教授、井上円了哲学センター理事。日本文藝家協会会員。専門は哲学、情報創造論。著書に『空海論/仏教論』(以文社 2023)、『実在への殺到』(水声社 2017)、『ミシェル・セール:普遍学からアクター・ネットワークまで』(白水社 2013)、共著に『今日のアニミズム』(奥野克巳と共著、以文社 2021)他 。 機械論的にも決定できないし、 自性があるとも言えない、 そして世界を成り立たせている摂理には従っている、 という意味では「自然のなかのもろもろ」も私たちもじつは同じなんです。 そのような汎生命的な自然観というの
池田 これは、僕が連載している『ちくま』にも書いたことだけど、僕が嫌煙権運動を「禁煙原理主義」と揶揄するのは、他人に迷惑をかけない限りたばこを吸うのは許される、と言っておきながら、実際のところこうした運動が、喫煙者の権利を抑圧する方向へ向かっているからなんです。そもそも、僕の大学で構内を全面禁煙にすべきだ、という議論が持ち上がって頭にきてそういうことを言い出したんだけど、これはまさに、喫煙者の権利の抑圧でしょう。ある先生は、校内に灰皿があるからいけないんだ、なんて言っていたけど、灰皿がなければ構内はたばこの吸殻だらけになる。誰が掃除するんだっていうの。それじゃ、たばこを吸ったヤツは退学にしろ、なんて言う。そんな大学、誰も来なくなってつぶれますよね。だから、校内禁煙にしたらたばこを一○本くらいくわえて歩いてやるって言ったら、とくに女の先生たちから白い眼で見られてしまって(笑)。まあ、そういう
表紙:岡崎乾二郎「斧を磨いて針にする」 本文ポートレイト撮影:鈴木理策 特別企画 藤部明子「The Hotel Upstairs」より ひらやま・ようすけ Yosuke Hirayama 1958年大阪市生まれ。神戸大学工学部環境計画学科卒業。同大学院博士課程修了。現在、神戸大学発達科学部教授。著書に『不完全都市 神戸・ニューヨーク・ベルリン』学芸出版社、2003、『Housing and Social Change: East-West Perspectives』共著、Routledge、2003、『Comparing Social Policies』共著、Policy Press、 2003、『コミュニティ・ベースト・ハウジング 現代アメリカの近隣再生』、ドメス出版、1993、他がある。 いがらし・たろう Taro Igarashi 1967年フランス・パリ生まれ。東京大学工学部建築学
(対談) 斎藤環×北田暁大 匿名化するメディアからメディア化する匿名性へ ……2ちゃんねる、Blog、チャットのディスクール 斎藤環 Tamaki Saito 欲望をギリギリまで切り詰めていくと、やはり固有なものでありたいという欲望は消えないと思うんです。言い換えれば、完全な匿名性に堪え得る人間は、私の考えではいないと思う。完全な匿名性というのは、欲望もない、欲望が消滅してしまうということですから。「2ちゃんねる」が一見なんでもありの空間に見えながらも、「荒し」や「フレーミング」が考えられるほどには多くないのは、そうした欲望が残されているからじゃないだろうか。 さいとう・たまき 1961年、岩手県生まれ。筑波大学医学専門学群卒業(環境生態学)。医学博士。現在、爽風会佐々木病院精神科診療部長(1987年より勤務)。また,青少年健康センターで「実践的ひきこもり講座」ならびに「ひきこもり家族会」
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