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酒井隆史の検索結果1 - 40 件 / 50件

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酒井隆史に関するエントリは50件あります。 思想、 労働、 社会 などが関連タグです。 人気エントリには 『なぜ「1日4時間労働」は実現しないのか…世界を覆う「クソどうでもいい仕事」という病(酒井 隆史)』などがあります。
  • なぜ「1æ—¥4時間労働」は実現しないのか…世界を覆う「クソどうでもいい仕事」という病(酒井 隆史)

    高収入で社会的承認を得ている人々の仕事が、実は穴を掘っては埋めるような無意味な仕事だった……? 彼らは自分が意味のない仕事をやっていることに気づき、苦しんでいるが、社会ではムダで無意味な仕事が増殖している——。 人類学者のデヴィッド・グレーバーが『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』で論じた「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」は、日本でも大きな反響を呼びました。 「ブルシット・ジョブ」とは何か? どのように「発見」されたのか? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが紹介します。 ある観察者が見た世界このようにまず想定してみましょう。 ひとつの世界があって、それをある人間が観察しています。 そこでは人はあくせく朝から晩まで仕事をしています。しかし、観察者の目には、その仕事のかなりの部分がなんの意味もなく、たとえば、必要のない穴

      なぜ「1日4時間労働」は実現しないのか…世界を覆う「クソどうでもいい仕事」という病(酒井 隆史)
    • ネオリベラリズムはなぜブルシット・ジョブを生み出してしまうのか(酒井 隆史)

      効率化をうたうネオリベラリズムが、非効率で不合理なブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)の増産に帰結してしまうのはなぜか? 社会思想史家にしてデヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』の訳者でもある酒井隆史氏による、「日常的ネオリベラリズム」批判序説。 「効率化」が効率的だなんて実感はどこにあるだろう? いつごろからか、なにごとにも「効率化」「合理化」「スリム化」などなど、一連の似たようなワードが呼号されるようになった。「規制緩和」、無駄の削減、合理化の導入、競争環境の導入によるスリム化、IT化による簡素化などなど、こういったお題目によって、わたしたちの生活はさまざまに変えられてきた。 ところが、みなさん、それによって日常生活がより解放的で自由になったという実感がどれほどあるだろうか? この問いは前回のウェブ記事(https://gendai.ismedia.jp/articles/

        ネオリベラリズムはなぜブルシット・ジョブを生み出してしまうのか(酒井 隆史)
      • なぜ「クソどうでもいい仕事」は増え続けるのか?(酒井 隆史)

        会議、押印、官僚的儀式、なんとかコンサルタントになんとかエグゼクティヴ……私たちはなぜ「無意味な仕事」に苦しみ、「いい感じ」で働く自由を阻害されなければならないのか? 話題沸騰のデヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』(岩波書店)の訳者・酒井隆史氏による、日本人のための「ブルシット・ジョブ」入門。 クソどうでもいい仕事!「ブルシット・ジョブ」って、なんだろう? おそらく初耳というひとが大半かもしれない。が、最近はそうでもないかもしれない。というのも、他でもない『ブルシット・ジョブ』の訳者のわたしも、ひとからこの話題を出されることがよくあるからだ。 少しずつ紹介されているからだろうが、それがたぶん、たくさんのひとの心の、多少なりとも琴線にふれなければ、それほど話題にもならないだろう。 それでは、まず「ブルシット・ジョブ」(以下、BSJ)とはなにか。筆者であり、

          なぜ「クソどうでもいい仕事」は増え続けるのか?(酒井 隆史)
        • 『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』(光文社) - 著者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ 翻訳:酒井 隆史 - 松原 隆一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

          『負債論』『ブルシット・ジョブ』のグレーバーの遺作、ついに邦訳。「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー。考古学、人類学の画期的な研究成果に基づく新・真・世界史!私たちの祖先は… 『負債論』『ブルシット・ジョブ』のグレーバーの遺作、ついに邦訳。 「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー。 考古学、人類学の画期的な研究成果に基づく新・真・世界史! 私たちの祖先は、自由で平等な無邪気な存在(byルソー)か、凶暴で戦争好きな存在(byホッブズ)として扱われてきた。そして文明とは、本来の自由を犠牲にする(byルソー)か、あるいは人間の卑しい本能を手なずける(byホッブズ)ことによってのみ達成されると教えられてきた。実はこのような言説は、18世紀、アメリカ大陸の先住民の観察者や知識人たちによる、ヨーロッパ社会への強力な批判に対するバックラッシュとして初めて登場したものなのである。 人類の歴史は、これまで

            『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』(光文社) - 著者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ 翻訳:酒井 隆史 - 松原 隆一郎による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
          • 「資本論」なぜ今読まれる? 酒井隆史・大阪府立大教授に聞く | 毎日新聞

            「マルクスよりマルクス主義が大事」と語る酒井隆史・大阪府立大教授=大阪市で2021年2月25日、清水有香撮影 19世紀の思想家カール・マルクスの大著「資本論」が改めて注目されている。「資本論」の名を冠した関連書が次々と刊行され、2020年秋に出版された「人新世の『資本論』」(斎藤幸平著・集英社)は20万部を超えるベストセラーに。なぜ今、資本論が読まれるのか。社会思想に詳しい酒井隆史・大阪府立大教授に聞いた。【清水有香】 資本主義そのものの危機 ――「資本論」の関連書が売れている背景には何があるのでしょうか? まず前提として、資本主義そのものがトータルな危機にさらされている今、それを根源的に問い返さなければという認識が広がっています。たとえば世界の政財界の指導者が集まるダボス会議は今年、資本主義体制を問い直す「グレートリセット」をテーマにした。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)や

              「資本論」なぜ今読まれる? 酒井隆史・大阪府立大教授に聞く | 毎日新聞
            • 日本で「選挙に行こう」というスローガンが「絶望の産物」になってしまっている理由(坂倉 昇平,酒井 隆史) @gendai_biz

              日本の労働現場のしんどさに対して、私たちはいったい、どうしたらいいのか? 労働運動の歴史や思想に精通した『ブルシット・ジョブの謎』の著者・酒井隆史氏(大阪府立大学教授)と、長時間労働やパワハラなどの労働相談を日々受けてサポートを行ってきた『大人のいじめ』の著者・坂倉昇平氏(労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」理事)に、市場の論理に回収されない「働くことの自律性」を取り戻すためにどんなことがなしうるかについて、語り合ってもらった。 (取材・構成:飯田一史) 他人に答えを求めるのをやめよう酒井 よくイベントで質疑応答の時間があると「じゃあ、どうしたらいいんですか」と訊かれます。『ブルシット・ジョブの謎』の刊行記念イベントでも同様でした。 本当はそこで、答えを他人に求めるのをやめて自分で模索を始めたときにこそ、われわれは解放される、といいたいのですが、なにか無責任な気もして、いつもどうした

                日本で「選挙に行こう」というスローガンが「絶望の産物」になってしまっている理由(坂倉 昇平,酒井 隆史) @gendai_biz
              • Amazon.co.jp: ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論: デヴィッド・グレーバー (è‘—), 酒井隆史 (翻訳), 芳賀達彦 (翻訳), 森田和樹 (翻訳): 本

                  Amazon.co.jp: ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論: デヴィッド・グレーバー (著), 酒井隆史 (翻訳), 芳賀達彦 (翻訳), 森田和樹 (翻訳): 本
                • なぜ世界中で「クソどうでもいい仕事」が増加しているのか、その深刻な構造(酒井 隆史) @gendai_biz

                  私たちはなぜ「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」に苦しみ続けるのか? なぜブルシット・ジョブは増え続けるのか? 人類学者のデヴィッド・グレーバーは、2013年にこの世界的現象を論じた小論「ブルシット・ジョブ現象について」を発表した。 ここでは、その論考について、『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが、わかりやすいように段落に番号をわりふり、小見出しを加え、なるべくエッセンスのみがわかるように整理したものを特別に掲載する。 ユートピアが実現しない理由【1】1930年、ジョン・メイナード・ケインズは、20世紀末までに、イギリスやアメリカのような国々では、テクノロジーの進歩によって週15時間労働が達成されるだろう、と予測した。テクノロジーの観点からすれば、これは完全に達成可能だ。ところが、その達成は起こらなかった。かわりに、テクノロジーはむし

                    なぜ世界中で「クソどうでもいい仕事」が増加しているのか、その深刻な構造(酒井 隆史) @gendai_biz
                  • 1) 「クソどうでもいい仕事」が増殖している。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞

                    1965年生まれ。大阪府立大学教授。 専攻は社会思想、都市史。 著書に『通天閣─新・日本資本主義発達史』 『完全版 自由論:現在性の系譜学』、 『暴力の哲学』(ともに河出文庫)など。 デヴィッド・グレーバー氏の著作は 『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』 (岩波書店) 『官僚制のユートピア』 『負債論─貨幣と暴力の5000年』(以上、以文社) の翻訳をおこなう(共訳・監訳を含む)。 訳書としてはほかに、マイク・デイヴィス 『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』 (共訳、明石書店)など。 酒井 ありがとうございます。 ── ただ普段からこういった本を 読み慣れているわけではなかったので、 自分が正しく内容を理解できているかどうか、 やや自信がなかったんですね。 また周りに「興味はあるけど読めてない」 という人も何人かいて。 それでこの本について、詳しい方による 初心者向けの解

                      1) 「クソどうでもいい仕事」が増殖している。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞
                    • 「クソどうでもいい仕事」が世界を覆う一方、ケア労働でいじめが蔓延する歴史的構造(酒井 隆史,坂倉 昇平) @gendai_biz

                      誰も読まない書類を作成する、「簡素化」を謳って導入されたはずの使いづらいアプリやサイトに膨大な量の情報を何度も記入させられる、ダメだとわかっている商品を広める広告を作る……こうした無目的で虚偽に満ち、みじめさを感じる「クソどうでもいい仕事」を“ブルシット・ジョブ”と名指して分析したデヴィッド・グレーバーの同名書を解説した『ブルシット・ジョブの謎』。 労災申請のほぼ半数がいじめ(ハラスメント)によるものである可能性が高く、それも雇用者(経営者)から被雇用者(労働者)によるものではなく同僚からのいじめであり、職場のいじめで精神障害を発症した件数がこの11年で10倍になった……これらの衝撃の事実を明らかにした『大人のいじめ』。 仕事の質や種類は異なれど、現代の労働の苦しみを扱ったふたつの本の著者である酒井隆史氏(大阪府立大学教授)と、坂倉昇平氏(労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」理事)に

                        「クソどうでもいい仕事」が世界を覆う一方、ケア労働でいじめが蔓延する歴史的構造(酒井 隆史,坂倉 昇平) @gendai_biz
                      • 追悼、デヴィッド・グレーバー。誰もが考えていることを膨らませる力。<酒井隆史×矢部史郎> « ハーバー・ビジネス・オンライン

                        David Graeber(Photo by Manuel Vazquez/Contour by Getty Images) 世界的に著名な人類学者であり、活動家でもあったデヴィッド・グレーバーが昨年急逝した。グレーバーの功績とは?日本ではいかに読まれたのか?「紀伊国屋じんぶん大賞2021」第1位も獲得した、グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』(岩波書店)の翻訳者である酒井隆史さん(大阪府立大教授)に、矢部史郎さんがお話を伺う。 (構成:福田慶太) 矢部 『負債論』(以文社)や『ブルシット・ジョブ』(岩波書店)などで多くの読者を獲得した、人類学者のデビッド・グレーバーが(昨年の)9月2日に亡くなった。これからグレーバーがもっと有意義な議論を展開していくことが期待されていたときなのに、いまだに信じられないほどで。 酒井さんはグレーバーの翻訳者にして友人でもあって、とく

                          追悼、デヴィッド・グレーバー。誰もが考えていることを膨らませる力。<酒井隆史×矢部史郎> « ハーバー・ビジネス・オンライン
                        • 人間狩り・奴隷制・国家なき社会[第1回]/酒井隆史×中村隆之×平田周

                          人間狩り・奴隷制・国家なき社会 ──シャマユー、ミシェル、そしてクラストル 酒井隆史 × 中村隆之 × 平田周 第1回 「グレゴワール・シャマユー/アンチ・フーコーのフーコー主義者」 編集部より 本記事は2021年11月5日、下北沢の書店「本屋B&B」で行われたオンライン・イベント「わたしたちは「人間」であって、人間ではない?」を再構成したものである。 半年以上前に開催された本イベントをここに再録するのは、この5月6日に、この記事内でも大きく取り上げられる思想史家・グレゴワール・シャマユーの『統治不能社会――権威主義的ネオリベラル主義の系譜学 』(信友健志訳、明石書店)という現代政治理論におけるひとつの達成とも言える書物が翻訳・出版されたことを記念する意味も込めている。 再録は全3回に分け、今回は第1回「グレゴワール・シャマユー/アンチ・フーコーのフーコー主義者」を掲載、以降、第2回「オレ

                            人間狩り・奴隷制・国家なき社会[第1回]/酒井隆史×中村隆之×平田周
                          • 追悼 デヴィッド・グレーバー(酒井隆史) - 岩波書店

                            そこで開かれた諸可能性は、二度と閉じられることはない ――追悼 デヴィッド・グレーバー 酒井隆史 ニューヨーク在住の著述家・翻訳家の友人、高祖岩三郎氏から、ニューヨークにいま、おもしろいヤツがいる、と聞いたのは二〇〇〇年代の半ばをすぎたころだった。街で会ってはしょっちゅう話をしている。人類学者でありながら、オルタグローバリゼーション運動に参加し、ときにスポークスマンとなり、しかもブラック・ブロック(日本ではいまだ、おそるべき「テロリスト」としての表象しかないのではないか)として行動し、なおかつそれを理論化し、大学をクビになった、あるいは、なりそうな人物がいる(実際、二〇〇四年にイェール大学からの契約を「政治的理由」で、打ち切られている)。しかも、その書くものがとんでもなくおもしろい、と。高祖氏がさっそく翻訳してくれた。それが『アナーキスト人類学のための断章』(以文社)である。二〇〇四年公刊

                              追悼 デヴィッド・グレーバー(酒井隆史) - 岩波書店
                            • 対談・名古屋市立大学准教授・菊地夏野さん×大阪府立大学教授・酒井隆史さん 反資本主義  対抗運動の展望を探る 労働者・マイノリティと連帯するフェミニズム|人民新聞

                              対談・名古屋市立大学准教授・菊地夏野さん×大阪府立大学教授・酒井隆史さん 反資本主義  対抗運動の展望を探る 労働者・マイノリティと連帯するフェミニズム 編集部より…「人民新聞」本紙は毎月3回(5/15/25日)発行です。試読のお申し込みをいただければ、1ヶ月間、無料で郵送させていただきます。その後、改めて購読をご検討いただければ幸いです。購読料は紙媒体だと半年4千円、PDFだと3千円です。より良い社会を作るために、ぜひ本紙の継続発行を支えてください。詳細とお申し込みはこちらから:http://jimmin.com/trial-for-free/ 気候変動に加えて新型コロナ禍が世界を覆い、拡大中だ。コロナは資本主義社会の問題を浮き彫りにし、物流、清掃、医療や介護などの「エッセンシャルワーク」の重要性を再認識させた。その担い手は多くが女性で、低賃金労働だ。この間、米国や全世界で女性差別や黒人

                                対談・名古屋市立大学准教授・菊地夏野さん×大阪府立大学教授・酒井隆史さん 反資本主義  対抗運動の展望を探る 労働者・マイノリティと連帯するフェミニズム|人民新聞
                              • 特集ワイド:この国はどこへ コロナの時代に 「どうでもいい仕事」見直す時 大阪府立大教授・酒井隆史さん 56æ­³ | 毎日新聞

                                「100年後には週15時間労働で事足りる」。英国の経済学者、ケインズがこう見通したのは1930年だ。私たちは今、まさにその時代のとば口に立っているわけだが、忙しさはちっとも減っていない。この予測は外れたのか。ところが社会思想に詳しい大阪府立大教授の酒井隆史さん(56)に尋ねると、必ずしもそうとは言い切れないという。 2月は大学にとって最も忙しい時期だ。入試に卒業論文のチェック、さらには来年度の準備もある。酒井さんは、そんな超激務の合間を縫ってオンライン取材に応じてくれた。「それでも昔は自分の研究時間を確保できたんですよ。今は全然ですけどね」と切り出した。聞けば、とにかく多いのがペーパーワークなのだとか。 「例えばシラバス(講義計画書)一つとっても、昔は学生に内容を分かってもらえばよかったんです。ところが今は一つ一つ、ああ書け、こう書けと文部科学省からお達しが来ています。一回一回の授業内容は

                                  特集ワイド:この国はどこへ コロナの時代に 「どうでもいい仕事」見直す時 大阪府立大教授・酒井隆史さん 56歳 | 毎日新聞
                                • 私たちには「資本主義の道しかない」って本当?(酒井 隆史)

                                  日本でも大きな話題を読んだ『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』。「『ブルシット・ジョブ』という言葉は知っている」「本は読んだことがある」という方も多いでしょう。 しかし、作者のデヴィッド・グレーバーがどのような人物だったのかを知っている人は、あまり多くないかもしれません。研究の傍ら、さまざまな社会運動に関わる続けた彼は、2020年、59歳の若さで亡くなりました。 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが、グレーバーの功績を振り返ります。 社会運動に飛び込んだ半生「もう一つの世界は可能だ」という言葉がある。1990年代後半からゼロ年代にかけて世界的に展開した「グローバル・ジャスティス運動」のスローガンである。 その時、世界では、巨大企業や金融、先進諸国の政府が結託して、途上国に膨大な負債を押しつけ、融資や返済の緩和の条件として、社会保障

                                    私たちには「資本主義の道しかない」って本当?(酒井 隆史)
                                  • なぜ多くの人が「仕事を苦痛」に思うのか? 世界中で増える「クソどうでもいい仕事」の全容(酒井 隆史) @gendai_biz

                                    なぜ効率化や合理化が進む世界で、「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」が増えているのか? ブルシット・ジョブにはどのような種類があるのか? ブルシット・ジョブ現象に対して私たちはどうすればいいのか? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが、ブルシット・ジョブとはなんなのか、わかりやすく解説します。 世界中から集まった証言そもそも「ブルシット・ジョブ(BSJ)」とかいわれても、耳慣れない造語ですし、なんとなくわかるようでわからない感じをもたれている方も多いのではないかとおもいます。 そこでBSJとはなにかについてあれこれ切り込むまえに、まずBSJとは具体的にどのようなものか、そのイメージをつくってみたいとおもいます。 2013年の小論は、グレーバーが理論的に考えていたことと直感のラフな提示でしたが、それが予想外の反響を呼んだことで、かれのも

                                      なぜ多くの人が「仕事を苦痛」に思うのか? 世界中で増える「クソどうでもいい仕事」の全容(酒井 隆史) @gendai_biz
                                    • Amazon.co.jp: 万物の黎明 人類史を根本からくつがえす (翻訳): デヴィッド・グレーバー (è‘—), デヴィッド・ウェングロウ (è‘—), 酒井隆史 (翻訳): 本

                                        Amazon.co.jp: 万物の黎明 人類史を根本からくつがえす (翻訳): デヴィッド・グレーバー (著), デヴィッド・ウェングロウ (著), 酒井隆史 (翻訳): 本
                                      • 酒井隆史 著『ブルシット・ジョブの謎』より。「BSJをどうするか」から「BSJをやめられない学校をどうするか」へ。 - 田舎教師ときどき都会教師

                                        それでもいま教師になろうとする人の多くは、きっと教師という仕事を「それでもやりがいがあるはずだ」と選んでいるとおもいますし、実際に仕事をしながら、そのかたちはさまざまでしょうが、なんらかの意義を感じてもいるでしょう。でも、それがこのような労働条件の過酷さがスルーされていく条件なのです。それ以上のことを要求すると、「ふざけるな、やりがいがあるだろう」「そんな仕事をしていて物質的厚遇を求めようなんて、なんて欲深いんだ」となるわけです。 (酒井隆史『ブルシット・ジョブの謎』講談社現代新書、2022) おはようございます。学期末のこの時期、ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、通知表の作成です。法的には作る義務も渡す義務もないのに、そして費やしたエネルギーに見合った教育効果もないのに、勤務時間外に膨大なプライベートタイムをそこにつぎ込まなければいけないわけですか

                                          酒井隆史 著『ブルシット・ジョブの謎』より。「BSJをどうするか」から「BSJをやめられない学校をどうするか」へ。 - 田舎教師ときどき都会教師
                                        • 4) 「効率化」の名のもとに、何が起きているか。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞

                                          1965年生まれ。大阪府立大学教授。 専攻は社会思想、都市史。 著書に『通天閣─新・日本資本主義発達史』 『完全版 自由論:現在性の系譜学』、 『暴力の哲学』(ともに河出文庫)など。 デヴィッド・グレーバー氏の著作は 『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』 (岩波書店) 『官僚制のユートピア』 『負債論─貨幣と暴力の5000年』(以上、以文社) の翻訳をおこなう(共訳・監訳を含む)。 訳書としてはほかに、マイク・デイヴィス 『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』 (共訳、明石書店)など。 ── 『ブルシット・ジョブ』の本には 「効率化を目指しておこなう行動が 逆に効率を悪くしてしまう」 という話もありました。 酒井 この本の斬新さのひとつは 「効率化が叫ばれることで、必要な人やものが 切り捨てられたりしてしまう」 という側面に注目したところだと思うんです。 実際そういうことっ

                                            4) 「効率化」の名のもとに、何が起きているか。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞
                                          • ネオリベラリズムはいまゾンビ的段階…脱却への道はどこに?(酒井 隆史)

                                            ネオリベラリズムはいま、ゾンビ的段階へ突入している。その正当性なき「経済」のロジックによって生活を犠牲にされないために、私たちは何ができるのか。デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』の訳者にして社会思想史家の酒井隆史氏による最新論考。 ネオリベラリズムが生き延びてきた理由 ネオリベラリズムはその誕生からして一枚岩ではなかった。むしろ一枚岩ではないから、さまざまな状況でさまざまな時代に合わせて変幻自在に生き延びてきた。 ネオリベラリズムには地方的差異もあるが、時間的差異もある。つまり段階がある。 現在のネオリベラリズム研究は、20世紀はじめから長年にわたる雌伏段階を脱却し、1970年代終わりに大々的に支配的理念に躍り出て以降の変遷をおおよそ三段階にわけている。そして現在のそれは三段階目にあたる。 ここでは筆者なりにこうまとめてみたい。 戦闘的ネオリベラリズム 最初は、戦闘的ネオリベラリ

                                              ネオリベラリズムはいまゾンビ的段階…脱却への道はどこに?(酒井 隆史)
                                            • 2) ブルシット・ジョブとシット・ジョブ。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞

                                              1965年生まれ。大阪府立大学教授。 専攻は社会思想、都市史。 著書に『通天閣─新・日本資本主義発達史』 『完全版 自由論:現在性の系譜学』、 『暴力の哲学』(ともに河出文庫)など。 デヴィッド・グレーバー氏の著作は 『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』 (岩波書店) 『官僚制のユートピア』 『負債論─貨幣と暴力の5000年』(以上、以文社) の翻訳をおこなう(共訳・監訳を含む)。 訳書としてはほかに、マイク・デイヴィス 『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』 (共訳、明石書店)など。 ── この本を読んで、まず理解するべきは 「ブルシット・ジョブとシット・ジョブの違い」 かなと思ったんですけれども。 酒井 そこは最初に押さえるべきところですね。 日本でよく 「酒井さん、ブルシット・ジョブって こういうものですよね?」と言われるのは、 本で出てくる 「シット・ジョブ」のほう

                                                2) ブルシット・ジョブとシット・ジョブ。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞
                                              • 「先端的経営」をアピールする大学で「クソどうでもいい仕事」が増える「納得すぎる理由」(酒井 隆史)

                                                高収入で社会的承認を得ている人々の仕事が、実は穴を掘っては埋めるような無意味な仕事だった……? 彼らは自分が意味のない仕事をやっていることに気づき、苦しんでいるが、社会ではムダで無意味な仕事が増殖している——。 人類学者のデヴィッド・グレーバーが『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』で論じた「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」は、日本でも大きな反響を呼びました。 「ブルシット・ジョブ」とは何か? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが紹介します。 日本の大学とネオリベラリズムみなさんも、ネオリベラリズムって耳にしたことがあるでしょう。 「新自由主義」といわれることもありますし、「ネオリベ」と略されることもあります。お役所仕事は不効率でありすぐにばらまきに走って赤字を生む。 それを「民間」にまかせればうまくいく。「民間」は市場

                                                  「先端的経営」をアピールする大学で「クソどうでもいい仕事」が増える「納得すぎる理由」(酒井 隆史)
                                                • コロナ禍の世界 新年対談後編 エッセンシャルワーク・マイノリティ 労働を差別する資本主義をなくすために 社会学者・菊地夏野さん×酒井隆史さん|人民新聞

                                                  コロナ禍の世界 新年対談後編 エッセンシャルワーク・マイノリティ 労働を差別する資本主義をなくすために 社会学者・菊地夏野さん×酒井隆史さん フェミニズムと反資本主義の結合を訴える『99%のためのフェミニズム宣言』。これに解説を寄せた菊地夏野さんと、デヴィッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブ』を翻訳した酒井隆史さんの新年対談。前号は社会変革の言論や運動をラディカルな次元に戻す必要性を語って頂いた。今号は、金融や軍事や煩雑な事務などの『ブルシットジョブ』(不要な労働)が牛耳る今の世界から、必要な労働=社会的再生産労働が真に重視される世界への転換について聞いた。(編集部) 気候変動難民8割は女性 編…気候変動やコロナ被害は資本主義が根源的な問題だと日本でも語られ始めています。一方フェミニズムの観点から語られることが少ないと思います。しかしコロナのケア労働(家事・育児・介護・医療など)の負担や

                                                    コロナ禍の世界 新年対談後編 エッセンシャルワーク・マイノリティ 労働を差別する資本主義をなくすために 社会学者・菊地夏野さん×酒井隆史さん|人民新聞
                                                  • 7) 我々の社会はコミュニズムで成り立っている。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞

                                                    1965年生まれ。大阪府立大学教授。 専攻は社会思想、都市史。 著書に『通天閣─新・日本資本主義発達史』 『完全版 自由論:現在性の系譜学』、 『暴力の哲学』(ともに河出文庫)など。 デヴィッド・グレーバー氏の著作は 『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』 (岩波書店) 『官僚制のユートピア』 『負債論─貨幣と暴力の5000年』(以上、以文社) の翻訳をおこなう(共訳・監訳を含む)。 訳書としてはほかに、マイク・デイヴィス 『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』 (共訳、明石書店)など。 ── 素朴な疑問ですが 「資本主義が壊れる」なんて、 あるんでしょうか。 これまでずっと資本主義の中で生きてきたので、 資本主義が終わるイメージがつかないんです。 酒井 よく「世界が終わるよりも 資本主義が終わるほうがイメージしにくい」 と言われることがありますね。 でもおそらく資本主義って

                                                      7) 我々の社会はコミュニズムで成り立っている。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞
                                                    • 5) 人は完全に利己的でも、完全に利他的でもない。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞

                                                      1965年生まれ。大阪府立大学教授。 専攻は社会思想、都市史。 著書に『通天閣─新・日本資本主義発達史』 『完全版 自由論:現在性の系譜学』、 『暴力の哲学』(ともに河出文庫)など。 デヴィッド・グレーバー氏の著作は 『ブルシット・ジョブ―クソどうでもいい仕事の理論』 (岩波書店) 『官僚制のユートピア』 『負債論─貨幣と暴力の5000年』(以上、以文社) の翻訳をおこなう(共訳・監訳を含む)。 訳書としてはほかに、マイク・デイヴィス 『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』 (共訳、明石書店)など。 ── 本の中で、働くことについての 「道徳的倒錯」の話もありました。 酒井 これも本のポイントですけど、 社会に役立つ仕事をしている人の報酬が 低くなりやすい理由として、グレーバーは 「労働そのものに価値がある」というモラルに ルーツのひとつがあると言うわけです。 ヨーロッパでは中世ぐらいか

                                                        5) 人は完全に利己的でも、完全に利他的でもない。 | 『ブルシット・ジョブ』 について学ぼう。 | デヴィッド・グレーバー✕酒井隆史 | ほぼ日刊イトイ新聞
                                                      • 【インタビュー】「だれがみずから自由を手放すだろうか」──2010年代と現在をめぐって/酒井隆史

                                                        編集部より 本インタビューは、酒井隆史『賢人と奴隷とバカ』(亜紀書房、2023年)の刊行を機に『図書新聞』(2023年10月28日号 3612号)に掲載されたものである。本インタビュー記事に、酒井隆史氏ご本人に加筆・修正を加えていただき、ここに「完全版」を再録することとなった。 他社より刊行された書籍についてのインタビューをここに再録するのは、本インタビューでも触れられる「エキストリーム・センター(過激中道)」や「1968年」に関する論集の企画を弊社で進めていること、また本インタビューが(2023年のみならずこの十数年の諸問題の「核」を整理することで)、新たな年へ向かい「おなじことをくり返すこと」からの脱却の契機となることを期待してのことである。 今回も転載をご快諾くださった『図書新聞』編集部、そして本書を世に問われた亜紀書房、とりわけ西山大悟氏に厚く御礼申し上げたい。 『図書新聞』掲載時

                                                          【インタビュー】「だれがみずから自由を手放すだろうか」──2010年代と現在をめぐって/酒井隆史
                                                        • 世界中で蔓延…あまりに深刻な「クソどうでもいい仕事」のヤバすぎる実態(酒井 隆史)

                                                          なぜ「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」が増えているのか? なぜやりがいを感じないとわかっているのに仕事をつづけるのか? そもそもブルシット・ジョブってなに? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが、ブルシット・ジョブとはなんなのか、わかりやすく解説します。 世界中から集まった証言 そもそも「ブルシット・ジョブ」とかいわれても、耳慣れない造語ですし、なんとなくわかるようでわからない感じをもたれている方も多いのではないかとおもいます。 そこでBSJとはなにかについてあれこれ切り込むまえに、まずBSJとは具体的にどのようなものか、そのイメージをつくってみたいとおもいます。 2013年の小論は、グレーバーが理論的に考えていたことと直感のラフな提示でしたが、それが予想外の反響を呼んだことで、かれのもとには当事者からの報告が多数集まることになりま

                                                            世界中で蔓延…あまりに深刻な「クソどうでもいい仕事」のヤバすぎる実態(酒井 隆史)
                                                          • Amazon.co.jp: ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか (講談社現代新書 2645): 酒井隆史: 本

                                                              Amazon.co.jp: ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか (講談社現代新書 2645): 酒井隆史: 本
                                                            • 生活に不可欠な仕事ほど「給料が低く」「劣悪な労働環境」に置かれてしまう「構造的理由」(酒井 隆史)

                                                              高収入で社会的承認を得ている人々の仕事が、実は穴を掘っては埋めるような無意味な仕事だった……? 彼らは自分が意味のない仕事をやっていることに気づき、苦しんでいるが、社会ではムダで無意味な仕事が増殖している——。 人類学者のデヴィッド・グレーバーが論じた「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」は、日本でも大きな反響を呼びました。 「ブルシット・ジョブ」とは何か? 「エッセンシャル・ワーカーの劣悪な労働環境には、労働価値基準の根深い闇が存在する」のはなぜ? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが紹介します。 経済停止と「エッセンシャル・ワーカー」「エッセンシャル・ワーク」ないし「エッセンシャル・ワーカー」という概念が浮上してきたのは、もちろん、COVID19パンデミックのもたらした「ロックダウン」、日本では「自粛」状況です。 それがグレーバーの

                                                                生活に不可欠な仕事ほど「給料が低く」「劣悪な労働環境」に置かれてしまう「構造的理由」(酒井 隆史)
                                                              • 単なる「クソ仕事」ではない…多くの人が苦悩する「ブルシット・ジョブ」の本当の意味をご存知ですか?(酒井 隆史)

                                                                日本でも翻訳書が出版されてから話題沸騰の「ブルシット・ジョブ」——。 言われればどんな仕事を指すか、何となく思い当たる節がある人も多いだろう。しかし英語での原義を丁寧に見ていくと、そこには見落とされがちな大事なニュアンスがあるという。 ブルシット・ジョブとはなにか? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが徹底的に解説します。 BSJの定義ここではBSJとはなにか、その定義を詳しく検討してみましょう。 基本的にそれは「完璧に無意味で、不必要で、有害でさえある雇用の形態」です。要するに、あってもなくてもクッソどうでもいいし、それどころか、なにかダメージをもたらすこともある、そんな仕事のことです。それがBSJという概念のコアにあるのです。 「ブルシット・ジョブとはなにか?」と題された第一章では、徐々に、定義が深められていきますが、最初の「暫定的定義」は

                                                                  単なる「クソ仕事」ではない…多くの人が苦悩する「ブルシット・ジョブ」の本当の意味をご存知ですか?(酒井 隆史)
                                                                • 今の閉塞感の原因ー2010年代を総括し、これからを展望する。思想家・酒井隆史さんインタビュー|人民新聞

                                                                  ガザ虐殺に抗議し、米国の大学に大規模キャンプが作られた。日本の大学も同様だ(4面参照)。ただ規模、人数、学生・教員の共感や支援は米の方がかなり多い。度々表れる違いは、抵抗や直接行動への社会の理解の違いだ。だが直近の日本でも、11年原発事故や15年戦争法案反対で国会前車道を占拠した経験がある。問題は、誰がどう言語化や総括するかだ。「リベラル知識人」や「統制的な主催者」が「穏健・中道・改良的」な方向へ回収し、その方がまともで賢い言動と思われたのではないか。それが今の閉塞感の原因ではないか。昨春出版した『賢人と奴隷とバカ』(亜紀書房)でそう包括的に指摘したのが、思想家の酒井隆史さんだ。酒井さんに2010年代〜現在の総括と変革への道を聞き、語り合った。(編集部:園、サパタ) 運動内議論や知的活性化が起きず 本を出し、2010年代を総括した動機は? 酒井…『人民新聞』で本書をとりあげて頂くのは嬉しい

                                                                    今の閉塞感の原因ー2010年代を総括し、これからを展望する。思想家・酒井隆史さんインタビュー|人民新聞
                                                                  • 【対談】価値とプレイ/酒井隆史×藤倉達郎

                                                                    価値とプレイ ───グレーバー『価値論』から『万物の黎明』へ 酒井隆史 × 藤倉達郎 編集部より 昨年末ついに刊行されたデヴィッド・グレーバー『価値論』をめぐって、これまでグレーバーの多くの本を訳出してこられ、また先日刊行された自身の単著『賢人と奴隷とバカ』(亜紀書房)も話題沸騰中の酒井隆史氏と、本書(『価値論』)の翻訳者で、シカゴ大学人類学科ではグレーバーと学友だった藤倉達郎氏に大いに語っていただいた。 なお、本記事の初出は『図書新聞』2023年5月20日号である。同紙への掲載からまもないうちに転載の許可をくださった『図書新聞』編集部には厚く御礼申し上げたい。 はじめに 酒井 ここ数年、『負債論』(酒井隆史監訳、以文社、2016年)や『ブルシット・ジョブ』(酒井隆史ほか訳、岩波書店、2020年)が日本でも大きな話題となり、最新作の『万物の黎明』(原題:The Dawn of Everyt

                                                                      【対談】価値とプレイ/酒井隆史×藤倉達郎
                                                                    • 「クソどうでもいい、でも高給の仕事」を辞めた男性が感じた「強烈な違和感の正体」(酒井 隆史)

                                                                      高収入で社会的承認を得ている人々の仕事が、実は穴を掘っては埋めるような無意味な仕事だった……? 彼らは自分が意味のない仕事をやっていることに気づき、苦しんでいるが、社会ではムダで無意味な仕事が増殖している——。 人類学者のデヴィッド・グレーバーが『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』で論じた「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」は、日本でも大きな反響を呼びました。 「ブルシット・ジョブ」とは何か? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが紹介します。 「専門職」の最悪事態『ブルシット・ジョブ』では、BSJ現象を「精神的暴力」という視点から分析する議論が展開されています。 これは、2013年の小論では、「BSJに就いていることには、精神的暴力がひそんでいる」とかんたんにメモされていた論点ですが、本になって2章分もあてられるというこ

                                                                        「クソどうでもいい、でも高給の仕事」を辞めた男性が感じた「強烈な違和感の正体」(酒井 隆史)
                                                                      • 私たちには「資本主義の道しかない」は本当なのか(酒井 隆史)

                                                                        日本でも大きな話題を読んだ『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』。「『ブルシット・ジョブ』という言葉は知っている」「本は読んだことがある」という方も多いでしょう。 しかし、作者のデヴィッド・グレーバーがどのような人物だったのかを知っている人は、あまり多くないかもしれません。研究の傍ら、さまざまな社会運動に関わる続けた彼は、2020年、59歳の若さで亡くなりました。 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが、グレーバーの功績を振り返ります。 社会運動に飛び込んだ半生 「もう一つの世界は可能だ」という言葉がある。1990年代後半からゼロ年代にかけて世界的に展開した「グローバル・ジャスティス運動」のスローガンである。 その時、世界では、巨大企業や金融、先進諸国の政府が結託して、途上国に膨大な負債を押しつけ、融資や返済の緩和の条件として、社会保

                                                                          私たちには「資本主義の道しかない」は本当なのか(酒井 隆史)
                                                                        • 追悼、デヴィッド・グレーバー。誰もが考えていることを膨らませる力。<酒井隆史×矢部史郎>(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース

                                                                          David Graeber(Photo by Manuel Vazquez/Contour by Getty Images) 世界的に著名な人類学者であり、活動家でもあったデヴィッド・グレーバーが昨年急逝した。グレーバーの功績とは?日本ではいかに読まれたのか?「紀伊国屋じんぶん大賞2021」第1位も獲得した、グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』(岩波書店)の翻訳者である酒井隆史さん(大阪府立大教授)に、矢部史郎さんがお話を伺う。 (構成:福田慶太) 「友人」「仲間」としてのグレーバー矢部 『負債論』(以文社)や『ブルシット・ジョブ』(岩波書店)などで多くの読者を獲得した、人類学者のデビッド・グレーバーが(昨年の)9月2日に亡くなった。これからグレーバーがもっと有意義な議論を展開していくことが期待されていたときなのに、いまだに信じられないほどで。 酒井さんはグレーバー

                                                                            追悼、デヴィッド・グレーバー。誰もが考えていることを膨らませる力。<酒井隆史×矢部史郎>(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース
                                                                          • やりがいがないけど辞められない「クソどうでもいい仕事」の正体(酒井 隆史) @gendai_biz

                                                                            なぜ「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」が増えているのか? なぜやりがいを感じないとわかっているのに仕事をつづけるのか? そもそもブルシット・ジョブってなに? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが、ブルシット・ジョブとはなんなのか、わかりやすく解説します。 世界中から集まった証言 そもそも「ブルシット・ジョブ」とかいわれても、耳慣れない造語ですし、なんとなくわかるようでわからない感じをもたれている方も多いのではないかとおもいます。 そこでBSJとはなにかについてあれこれ切り込むまえに、まずBSJとは具体的にどのようなものか、そのイメージをつくってみたいとおもいます。 2013年の小論は、グレーバーが理論的に考えていたことと直感のラフな提示でしたが、それが予想外の反響を呼んだことで、かれのもとには当事者からの報告が多数集まることになりま

                                                                              やりがいがないけど辞められない「クソどうでもいい仕事」の正体(酒井 隆史) @gendai_biz
                                                                            • 「クソどうでもいい、でも高給の仕事」を辞めた男性が感じた「強烈な違和感の正体」(酒井 隆史)

                                                                              高収入で社会的承認を得ている人々の仕事が、実は穴を掘っては埋めるような無意味な仕事だった……? 彼らは自分が意味のない仕事をやっていることに気づき、苦しんでいるが、社会ではムダで無意味な仕事が増殖している——。 人類学者のデヴィッド・グレーバーが『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』で論じた「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」は、日本でも大きな反響を呼びました。 「ブルシット・ジョブ」とは何か? 『ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか』著者の酒井隆史さんが紹介します。 「専門職」の最悪事態『ブルシット・ジョブ』では、BSJ現象を「精神的暴力」という視点から分析する議論が展開されています。 これは、2013年の小論では、「BSJに就いていることには、精神的暴力がひそんでいる」とかんたんにメモされていた論点ですが、本になって2章分もあてられるというこ

                                                                                「クソどうでもいい、でも高給の仕事」を辞めた男性が感じた「強烈な違和感の正体」(酒井 隆史)
                                                                              • ブルシット・ジョブ/デヴィッド・グレーバー, 酒井 隆史, 芳賀 達彦, 森田 和樹|人文書 - 岩波書店

                                                                                やりがいを感じないまま働く。ムダで無意味な仕事が増えていく。人の役に立つ仕事だけど給料が低い――それはすべてブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)のせいだった! 職場にひそむ精神的暴力や封建制・労働信仰を分析し、ブルシット・ジョブ蔓延のメカニズムを解明。仕事の「価値」を再考し、週一五時間労働の道筋をつける。『負債論』の著者による解放の書。 序 章 ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)現象について 第一章 ブルシット・ジョブとはなにか? 第二章 どんな種類のブルシット・ジョブがあるのか? 第三章 なぜ、ブルシット・ジョブをしている人間は、きまって自分が不幸だと述べるのか?(精神的暴力について、第一部) 第四章 ブルシット・ジョブに就いているとはどのようなことか?(精神的暴力について、第二部) 第五章 なぜブルシット・ジョブが増殖しているのか? 第六章 なぜ、ひとつの社会としてのわた

                                                                                  ブルシット・ジョブ/デヴィッド・グレーバー, 酒井 隆史, 芳賀 達彦, 森田 和樹|人文書 - 岩波書店
                                                                                • 意外と知らない、機械でもできる仕事が自動化されない「シンプルな理由」(酒井 隆史)

                                                                                  意外と知らない、機械でもできる仕事が自動化されない「シンプルな理由」コストをかけて機械化するよりも… 税源についても、こう考えられます。 十分に生活可能なだけの所得保障が与えられるならば、いまでいう「クソ仕事」はだれもやりたくないので賃金率を上昇させることが予想できます。 魅力的で社会的価値もある仕事は、賃金率を下げるでしょう。基本的ニーズはすでに充たされているのだから、そうした仕事で稼ぐ必要はないからです。 「クソ仕事」は賃金が高いので(となると、もはや「クソ仕事」ではないのですが)、経営者は人を雇わなくてすむよう、なるべく自動化しようとするでしょう。 グレーバーもいうように、機械にゆだねられる仕事が自動化されないのは、おなじ仕事を低コストでやる労働力があるからなんですよね。だったら、コストをかけて機械を開発したり導入したりするより、そんな労働力に仕事をやらせたほうがよいとなるでしょう。

                                                                                    意外と知らない、機械でもできる仕事が自動化されない「シンプルな理由」(酒井 隆史)

                                                                                  新着記事