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がんをワクチン接種で治療する臨床試験が全国の病院で進んでいる。試験は1―2週間に1回、注射を打つだけで、これまで計1千人近くに行われた。がんがほとんど消えた患者がいる一方、大きな副作用は確認されていないという。関係者は「新しい治療法になり得る」と注目している。 ▽リンパ球が攻撃 「ワクチンといってもインフルエンザのように病気の予防ではなく、がんの再発予防や治療が目的です」と話すのは、開発に取り組む中村祐輔・東京大医科学研究所教授。 人間の体にはがん細胞をリンパ球が攻撃する免疫機能があるが、老化などで免疫が低下し、がん細胞の増殖に攻撃が追いつかない場合はがんになってしまう。 中村教授は、リンパ球ががん細胞の表面にある小さなタンパク質の突起物(ペプチド)を目印に攻撃することに注目。患者のがん細胞でのみ活発に働く遺伝子を突き止め、これをもとにしたペプチドを人工的に作って患者に注射
細菌やウイルスがのどから体内に入るのを防ぐのに、重要な役割を果たしているのが粘膜にある微細な「線毛」の運動。この働きをうがい薬が低下させるとの動物実験の結果が最近、発表された。洗浄や殺菌のために行ううがいが、逆に体の自浄作用を損ないかねないというのだ。 研究を行ったのは東京女子医大第一内科の玉置淳教授と、ライオン生物科学研究所の小池泰志・副主任研究員ら。 のどや鼻の気道は、入ってくる空気を加湿・加温する粘膜で覆われている。その表面にじゅうたんの毛並みのように無数にあるのが線毛で、長さは数マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)。 線毛の上には粘液層があり、入ってきた細菌やウイルスはここに付着。その後、「健康な状態なら、線毛が一斉に運動することによってベルトコンベヤー上を動くように体外へ排出される」と、小池さん。線毛の動きが遺伝的に弱い人などは感染症にかかりやす
一連の記事を読んで、つらい体験を思い出したという読者から手紙が届いた。中部地方に住む45歳の女性。 〈入院した時、医師に反論したことがありました。ものすごい反対にあいました。針のむしろで、自殺しそうにまで追い詰められました。退院後に精神を病みました〉 丁寧な手書きの文字。一体どんな経緯があったのか。書かれていた電話番号にダイヤルした。 「人間として扱われず、モルモットだと感じることがありました」 静かな口調で、女性は1カ月半に及ぶ8年前の入院生活を振り返った。 耳の帯状疱疹と顔面神経まひの治療のため総合病院に入院。薬の投与を受けるうちに、胸部の激しい痛みや息苦しさが続くようになった。主治医から、心理的な要因によるものだと言われたことを覚えている。 薬の副作用ではないかと主治医に疑問をぶつけてみた。 「医師はみるみる機嫌を損ね、『あなたのような症状は精神が安定して
「札幌在住の医師」という読者からメールが寄せられた。 〈この記事は、意図的に読者を誤誘導するために書かれたと思います〉 医療現場で妻を亡くした奈良県の会社員高崎晋輔さん(26)の苦悩を伝えた記事への感想。記者の“目線”に対する批判の言葉が並んでいた。 2006年8月、晋輔さんの妻実香さん=当時(32)=は同県の大淀町立大淀病院にお産のため入院中、意識を失った。別の病院に搬送され、長男を無事出産したが、自身は1週間後に死亡。晋輔さんは翌年5月、大淀病院の対応に落ち度があったとして提訴した。 記者は、インターネットの掲示板に医療事故被害者を中傷する書き込みが相次いだことや、法廷で病院側が遺族を批判したことなどを盛り込み、晋輔さんが医療不信を募らせていく経緯をつづった。 「医師」は問う。 〈診断を間違えていることと、それが法的に責任があるかどうかとは別問題です。どんな医者
人が倒れ呼吸や心臓が止まっていたら、口に息を吹き込む人工呼吸と胸を押す心臓マッサージ(胸骨圧迫)を交互に―。救急車が来るまでに市民が行う応急手当てとして普及しているこの“常識”が揺らいでいる。「人工呼吸をせずに胸骨圧迫だけを続けた場合、患者の社会復帰率は、人工呼吸を併用したときと同等か、むしろ高い」という論文が、英医学誌ランセットに掲載されたのだ。 ▽復帰率2倍 発表したのは日本救急医学会関東地方会のSOS―KANTO研究班(委員長、長尾建・駿河台日大病院救命救急センター部長)。同病院など関東を中心に58病院が参加し、2002年9月―03年12月に病院外で市民に心停止を目撃された成人4000人余りについて分析した。 30日後の社会復帰(意識がはっきりしている)率は、救急隊が到着するまでに応急手当てを受けた1151人では5%で、受けなかった2917人の2倍強。 応急手当てを受けた人のう
情報を正確に早く、多くの分野に伝えるためには、誰にでも理解できる分かりやすい文章を書くことが大切です。そのためには統一した用字用語の基準に沿って書くことが大切です。「記者ハンドブック」はそのためのルールを示しています。 間違えやすい漢字や送り仮名の使い方、数字や軽量単位の表記、敬称、人事の書式や運動用語、病気の名称など文章を書く上で手放せません。コンパクトなサイズながら情報が満載です。報道関係者はもちろん、会社、学校などさまざまなシーンでお役立ていただけます。
「抑うつ症状がある子供ほど、自分を太っていると感じがち―。こんな傾向が、埼玉県の戸田市立医療保健センターの平岩幹男(ひらいわ・みきお)健康推進室長が行った児童・生徒の調査で浮かび上がった。実際、肥満傾向のある子供に抑うつが目立ったという。 子供の場合、起床時の疲れや孤独感、不眠、倦怠(けんたい)感などのうつ症状を親が気付かず、放置されることが多い。平岩室長は「潜在した抑うつは自殺につながることもある。おかしいと思ったら専門医へ」と訴えている。 ▽2%強が抑うつ状態 小児神経学が専門の臨床医でもある平岩室長は2004年10月、市内の全小中学校の小学校5年から中学3年までの4,376人に、SDS(自己記載式抑うつ判定)と呼ばれる15項目の質問を含む、56項目の質問に無記名で回答してもらった。 その結果、2%強に当たる約90人が、軽いうつ病に当たる抑うつ状態と診断された。 男女とも学年が進
運動競技や入試などで必要以上に緊張し、実力を発揮できないことは結構多い。こうした緊張の中でもリラックスして集中力を増し、いい結果を出せるように開発されたのが、スポーツ心理学の「メンタルトレーニング」。少し練習がいるが、慣れれば簡単。さらに紅茶などに含まれるテアニンという成分が集中力アップを助けることも分かってきた。 「この方法は、最高の力を発揮できるよう、自分の精神面をコントロールするテクニック。他の分野でも応用できる」と関西福祉大の助教授で医学博士の東山明子さん。 ▽まず呼吸、ゆっくりと メンタルトレーニングの基本は「スマイル」。緊張しているとみけんにしわが寄り、肩に力が入る。ほほ笑むことでしわが取れ、筋肉が緩み、リラックスにつながる。 そして大事なことはまず呼吸。ゆっくりと、そして吸う息より吐く息に意識を集中する。長く細く吐いて全部吐き出す。 次の筋弛緩(しかん)法では、息を吸
人前で話したり、字を書いたりすることが怖く、日常生活に支障を来す社会不安障害(SAD)。内気な性格のためと思い込み治療を受けない人が多い。だが脳内 の神経伝達物質の不調が関与すると分かり、10月にはこの病気の治療薬も初め て承認された。 専門家は「病気と知らず長い間一人で耐えている患者が多い。治療で良くなるこ とを知ってほしい」と話している。 ▽頭が真っ白に 「ごく普通の人で、決して病人には見えない。ところが人とかかわる場面で病的な 不安や恐怖を感じてしまう」。多くのSAD患者を診てきた田島治(たじま・おさむ)杏 林大教授(精神保健学)はこう説明する。 会社の会議で前日からドキドキして頭が真っ白になる。同僚と食事をしようとして レストランの前で恐怖感、嘔吐(おうと)感を覚え倒れそうになる。このような症状が 特徴的だ。 田島教授は「人前で上がったり、緊張したりするのは誰にもある正常な
1つ1つは病気でなくても、3つ合わせると��立派な病気�=Bそれが「メタボリック(代謝異常)症候群」だ。知らない間に進行する生活習慣病の中でも最近、特に注目されている。 肥満、耐糖能異常(高血糖)、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症、高血圧。このうち3つが重なれば同症候群で、相乗的に動脈硬化を一段と進行させる原因となる。病気の一歩手前の境界領域が含まれるので、相当数の該当者がいるとみられている。 ▽4人に1人 「メタボリック症候群と診断される人は、40歳以上の男性では4人に1人に達するほど増えている。脂肪の多い食事と運動不足という毎日の生活パターンが発症に大きく関与している」と札幌医大 の島本和明教授(第二内科)は話す。 同教授らのグループが、北海道東部の端野(たんの)町と南西部の壮瞥(そうべつ)町で薬物治療を受けていない40歳以上の男性800人余りを対象に健康診断を実施した
日本人約11万人の睡眠時間を調べたところ、7時間(6・5−7・4時間)の人が死亡率が最も低く、それより長くても、短くても死亡率が高くなることが約10年間の追跡調査で分かった。米国の大規模調査でも7時間睡眠が最も死亡率が低かったが、今回、日本人の大規模調査でも同様の結果となった。 ▽4時間以下は2倍の死亡リスク 調査は名古屋大大学院の玉腰暁子助教授(予防医学)らの共同研究グループが文部科学省から研究費を受け、北海道から九州まで全国45地区で1988年から実施。今回は99年までのデータを分析した。 平日の睡眠時間を1時間ごとに区切り、年齢調整をした上で死亡リスクを比べると、男女とも7時間睡眠の人が最も死亡率が低かった。 死亡率は7時間を底に、睡眠時間が長く、あるいは短くなるほど高くなり、7時間の人に比べ、4時間以下(4・4時間以下)では男性で1・62倍、女性で1・60倍高かった。10時
驚くことに、骨というのは無限に伸びるらしい。整形外科の領域でこの15年ほどの間に実施されるようになった イリザロフ法 という骨延長術は、 まさに骨を伸ばす「再生医療」だ。ただし、骨を切る手術から始まるだけに、簡単に受けられる手軽な治療法ではない。しかし、低身長の治療や 骨の変形矯正、事故などで失われた部分の骨の再生などになくてはならない治療法になっている。 ▽水あめ伸ばすように イリザロフ法は、分かりやすく言うと、骨折が治るときの体のメカニズムを利用したものだ。 帝京大医学部整形外科の松下隆教授によると、骨折が治るときは、くっつけた骨の間に「仮骨」と呼ばれる“水あめ”のような柔らかい骨が作られる。 そのまま、強くくっつけていれば、仮骨が橋渡し役として骨になり、骨折が治る。 骨を伸ばすには、このとき逆にくっつけた部分を少しずつ引き離す。 水あめのような仮骨がどんどん作られるので、それを伸ば
最新医療、身近な健康と食に関する情報を提供「基本的なデータが不足している」「都道府県の医療体制が思ったほど進んでいない」。7月30日、都内で開かれた厚生労働省主催の新型インフルエンザ専門家会議では、問題点が次々と指摘された。 注目される流行前ワクチン 接種方法めぐり異論も 新型インフルエンザ対策をめぐっては、プレパンデミック(大流行前)ワクチンの扱いが注目を集めている。流行する前に接種することで、感染しても重症化を防ぐ効果を期待。国はすでに国民のほぼ6人に1人に当たる2000万人分を備蓄しており、さらに1000万人分を追加する予定。ただ接種対象をライフラインや治安維持の関係者に限定しており、これについて異論が出ている。
歯をほとんど削らず、抗菌剤を使って病巣を無菌化する「3Mix−MP法」という新しい虫歯の治療法が注目を集めている。虫歯に侵された部分を削って取り除く従来の治療法の常識を大きく変えるもので、削らないため治療に伴う痛みがなく短期間で終わる。「歯医者は痛い治療をする嫌な所」というイメージを変えるかもしれない。 ▽再発多い従来法 虫歯は口の中にいる無数の菌が食べかすなどから酸をつくり、酸が歯を溶かすことで起きる。歯の表面の硬いエナメル質を溶かすと、その下の象牙質に侵入。そのまま治療しないで放置すると血管や神経が通っている歯髄にまで達する。 虫歯が無機質のエナメル質にとどまっているうちは痛みはない。しかし象牙質は象牙細管という細い管で歯髄につながっており、虫歯がここまで進むと痛みを感じるようになる。 菌に侵された象牙質は変色して軟らかくなるため軟化象牙質と呼ばれ、従来の治療法ではこの部分をす
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