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今年の「#文学」
kandatas.hatenablog.com
ウィザードリィ。それはコンピューターRPGの歴史における重要なタイトルだ。1981年に発売したそのゲームは80年代から90年代前半を通して広くプレイされ、多数のゲーム開発者に多大な影響を与えた。 堀井雄二や坂口博信も初期にその面白さにハマったプレイヤーで、ドラゴンクエストもファイナルファンタジーもウィザードリィがなければ生まれなかったというくらいの存在。 たとえば、ドラクエ・FFの歴史を考えてるときにウィザードリィの名前が出てきたら、このぐらいの説明で十分でしょう。 超簡易年表 Wizardryの誕生まで 日本輸入初期 Apple2を買えたのか? 国産RPGの登場と日本版ウィザードリィ発売 ドラクエ登場から ファミコンの性能が向上 ドラクエ伝説の裏で ファミコン版ウィザードリィの成功 誤解は広がる ウィザードリィより古いRPGの知識 世代別分類 ウィザードリィってどんなゲーム 高く評価され
『マンガ ドラゴンクエストへの道』は、エニックスが出版事業に参入してまだ日が浅い1990年2月に出版された。 同時期の「モンスター物語」などと同じB5判で、280ページ以上もある長編だ。 中身はご存じだろうが、堀井雄二と中村光一がエニックスと出会い、ドラクエ1を開発するまでの経緯をマンガにしたもの。 有名な本だ。 現在も本書は一線級の資料として扱われており、ときにはゲーム史の参考文献として使用されていることもある。 本の中にはフィクションともノンフィクションとも書いてないのだが、大部分は事実に沿って構成されているが、もちろん一部は脚色も入っているという見方が一般的である。 そこに罠があったという話を、今回やっていこうと思う。 いろいろあったが、結局入手するしかないという考えに至り、こうなった。 のち91年にガンガンコミックスから再編集版が出ているが、単純にオリジナル版のほうが内容が多いよう
このブログでは、数ヵ月前から延々とFFの歴史を追いかけるということをやってきた。それは「FF1の歴史上の意義とかちゃんと評価してる本あるのか?」という疑問から生じた話だった。 流れで目に入ってきたのがこの本だった。 >国産RPGクロニクル ゲームはどう物語を描いてきたのか? >日本でRPGはなぜ人気をえたか。物語はゲームでどう表現されるようになったのか。 >国民的RPG、ドラクエとFFの功績をあらためて徹底検証! ドラクエとFFの歴史を中心に追いかける本。責任上、読まないわけにいかない気がしたし、以前から考えていた「FF1の歴史的扱いが載ってる本ぜんぜんない問題」についても反証のひとつになる、かもしれないと思ったのである。 とはいえ、事前にそこまで期待はしてなかったことも正直に言うが。 著者の渡辺範明さんは2002年にエニックス入社で、入社翌年即スクエニになってたという経歴。10年ほどゲー
私はミッフィーが好きで、いつも身の回りの全てをミッフィーで固めたいと思っているのだが、ストーリー部分については私も最近までちゃんと追っていなかった。 世間ではミッフィーのグッズは知られていても、「うさこちゃん」と「ミッフィー」の関係さえあやふやだということも知っている。これは良くないと思う。 うさこちゃんとミッフィーとナインチェ 発行順 1963年 初期4作 1970年代 シリーズ化の開始 1980年代 うさこちゃん4歳くらいに成長 1990年代 講談社翻訳期 2000年代から晩年 感想 うさこちゃんとミッフィーとナインチェ ミッフィーの原作と言えるものは作者のディック・ブルーナによる絵本シリーズだ。これが福音館書店による日本展開では「うさこちゃん」というタイトルになっている。 ミッフィー(miffy)というのは英語版の名前。 原語のオランダ語ではナインチェ(nijntje)で、これが現地
FF2の話をしたい。 いつにも増して、関係者に失礼な記述が含まれているという自覚があります。 あらゆる資料を精査して書いていますが、その結果憶測も非常に多い記事となっております。 事実誤認などがありましたら伝えてください… これまで書いてきた4つの記事と関連はあるが、とりあえずひとつ。 読まなくても大丈夫ですが、このFF1の開発経緯を調べた記事は、FF2の補足情報としても役立つ可能性はあります。 そして今回FF2本編、および小説『ファイナルファンタジーII 夢魔の迷宮』のネタバレも最後のほうまで書いてます。ご了承ください。 ラスボスが誰かくらいは、まあ知ってるでしょうが。 スタッフロールを確認 河津ゲーらしいという話 最重要動画 プランナーたちの担当範囲 石井浩一の絵コンテ 渋谷員子とフリオニール 坂口博信のやったこと チョコボ誕生の謎 寺田憲史についての情報 25thアルティマニア 開発
ここまでの記事 ここまで、FF1の発売付近のファミコンRPGの状況を振り返ってきた。 87年、ドラクエ3を前にFF1がどのようなゲームとして受け入れられたかは見えてきたと思う。 今回はユーザーに見えていない部分、FF1はどのように開発されたのかを追う。 人集め 膨大な量の参考資料 石井浩一から始まった FF1の開発期間 人が増えてくる FF1のスタッフ ストーリー制作過程 『スクウェアのトム・ソーヤ』について 社外シナリオライターの起用 ドットで描いてきた 中山美穂のトキメキハイスクール プレゼン、Aチーム結成の時期 Bチームについて 石井浩一の入社時期 河津秋敏の入社時期 影響を与えたゲーム GENESIS 脱線:不快な参考文献 ファイナルの意味 なぜ半年で作れたのか 直接聞いてはどうなのか 次の記事へ… 人集め 少し前に戻る。坂口博信が大学で田中弘道と共にApple IIのゲームにハマ
思えば『ファイナルファンタジー』(1作目)をプレイしたのは結構後の話であって、発売した1987年12月当時にどんなもんであったかなど、私は全く知らなかった。 ゲーム史というのは、その状況を伝えるためにありそうなもんなのだが、少なくない割合で『ドラゴンクエスト』1作目がいかに偉大だったかを讃えているだけで、その後のゲームはかなり大雑把な扱いで終わっているか、ひどいものだとドラクエ1で終了してその後は全く触れてない。 いや、ドラクエ前も、ドラクエ自体の認識も怪しいと言っていい。 FF1が作られていた1987年あたりのファミコンRPGを取り巻く状況、そこに至るまでの道のりはいかなるものであったか。 ファイナルファンタジーはどのへんがすごかったのか。 知りたいのはそういうことだったはずだが、誰も私の納得のいくものを書いてくれなかったので、私が書く。 本記事はファミコン史を俯瞰するものではない。書い
ええとこ 先に言っておくが良いところはある。ピクセルリマスターFF5のいいとこ: ドットのグラフィックが全体的に強化されている。ほらほら。 戦闘の背景もすごく綺麗だし、 隕石が落ちてくるときに山の背景が追加されていたり、 隕石もパーツの合成じゃなくて、全体が描きなおされてる。この隕石は旧スマホ版ではボコボコのパーツでひどい絵だった。 いろんなものが打ち上げられた砂浜も、SFCのメモリじゃちょっと表現できなかったかもね。丁寧にやってる。 ジョブのドットも結構手が入っている。特に違いが目に付くのは魔法剣士ファリスで、イラストに忠実なドットになった。 これだけ良くなっているが、決してオリジナルの雰囲気を損なっていない、92年末のスーパーファミコンと比べて決してやりすぎていない、数歩上を行くレベル。 最新のドット技術を使いながら、古い時代の感覚を非常に丁寧に維持している。グラフィック担当は非常に良
2022年9月11日、アップデートに伴い追記 8月のアップデートで重大な変更があり、本記事のタイトルも含めて一部の情報が通用しなくなっています。 このアップデートについて、本記事の内容は修正せず、追記を少々行って最後に総論を追加しました。 前回書いたFF1ピクセルリマスターの記事 kandatas.hatenablog.com 続いて、FF2の話題に移ろう。 FF1がPSP版がベースだったことから予想はついていたが、この『ファイナルファンタジーII ピクセルリマスター』も当然GBA/PSP版ベースである。 なんで売る前に言わないんです。 2004年発売のGBA版とファミコン版の違いは多岐にわたるが、GBA版とPSP版の違いは少ない。 PSP版の変更点は追加ダンジョン「秘紋の迷宮」と「防御」コマンドが増えたこと、SORで手に入るアルテマの威力が本編と違う(詳しくは調べてないがアルテマ以外の熟
『ウィザードリィ』は、英語ではパロディを多数組み込んだ軽いノリのゲームだったが、日本に輸入された際にシリアスな世界観だと誤解されて人気が出てしまったのである。 というストーリーが近年、じゃなく十数年くらい前からインターネットで言われて広められているのである。今でもこんなことを言ってる人は少なからずおり、メディア上でも言われたりする。 最初に言っておくが、僕はこのストーリーは事実を誇張したもの、ほとんど創作だと考えている。 事実を一つ言うなら、初代「ウィザードリィ」にいくつかあるパロディ要素は日本人になじみがないネタが多く、伝わりにくかった。クイジナートは80年代の日本になかったし、70年代に放送されたモンティ・パイソンもソフト化が進んでいなかったり対象年齢がずれており、日本版、ファミコン版からウィザードリィに入った層にはやや難易度が高かった。 それくらいだろう。 「日本人はパロディに気づか
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