サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
2024年ランキング
doublet.hatenablog.com
一般には「エメラルドグリーン」として知られる古い顔料ですが、かつてカナダで販売されていた缶を買ってみました。 顔料としての通り名は Pigment Green 21 です。組成ですと Cu4(OCOCH3)2(AsO2)6 に相当します。 ちょこっと残ってますね。鮮やかな緑です。 アセト亜ヒ酸銅よりなる顔料で、古い毒顔料です。絵具として導入されたのは、1814年ぐらい。 同じく緑色顔料のビリジアン(含水酸化クロム)が1850年代なので、ちょっと早いです。 この前に、亜ヒ酸銅のシェーレ・グリーンというのがありました。こちらは草緑色のものです。 エメラルドグリーンは、シェーレ・グリーンの改良に相当します。 だいたい1800年代の頭ぐらいに、旧態依然とした銅を腐らせて緑青などの緑色顔料を細々と作る旧プロセスは棄てられ、より計画的な工業製品としての顔料生産が始まります。 アセト亜ヒ酸銅の場合は、酢
堀石氏を呼び、結晶づくりをレクチャーしてもらいました。 まずはインゴットを融かします。思い切って 10 kg 分。 ガスコンロとハンドバーナーでみるみる融けていきます。 ビスマスの融点は 271℃なので、楽は楽なんですけど。それでもやっぱり熱いです。 ビスマスは熱伝導率が悪いので、こんな感じで炎に当ててるところからトロトロ融けていきます。 もっと熱伝導の良い金属は、融点に達すると全体がいっぺんに融解します。 とりあえず、湯(融解金属)を 1L 作ります。けっこう重いです。10 kg あるのでこぼさないように慎重に。 これを別容器に流し込みます。別の容器を用意するのは、生産性のためです。 冷やしている間にオリジナル容器に数キロ、別のビスマスを融かしておきます。 冷やすと、条件が良いと結晶が浮いてきます。こうなったらしめたもの。 ビスマスは融点近傍では固体の方が密度が小さく、結晶が浮いてくる不
ふぶきさんの産んだ鉱物。尿路結石でございます。 鉱物標本をお借りしました。 これは、シュウ酸カルシウム二水和物、ウェッデライト (weddellite) らしいです。 すごい痛そう・・・ >_< いわゆる尿路結石と呼ばれる結石のうち、主な成分は以下の通りです。 これらが単独で晶出することも、同時に結晶化することも、同心円状に結晶化することもあります。 しかし、やはり組み合わせはあるようです。 シュウ酸カルシウム一水和物 (whewellite) シュウ酸カルシウム二水和物 (weddellite) シュウ酸カルシウム三水和物 水酸燐灰石 (hydroxylapatite) 尿酸カルシウムおよび尿酸塩 ストルーバイト (struvite, Mg(NH4)(PO4)・6H2O) チスチン スルファミン 生成条件や体質、食生活によって、結石の成分が変わってきます。 シュウ酸カルシウム結石は、三水
で、季節柄なのでチョコレートネタを書きます。 チョコレートは、カカオマス、カカオバターをはじめとする油脂類、ココア、糖、および粉乳から作られる菓子です。 油脂分(脂肪酸トリグリセリド)は、優良チョコレートではカカオバターのみより調製されるのですが、一般的なチョコレートは合成油脂を混ぜます。 チョコレートの味は、実は、この油脂の結晶構造が支配します。 トリグリセリドの結晶多形は古くから研究されています。液晶相までいるのですごく厄介なのですけど。 最近では品質管理の点から、ある程度の量は合成トリグリセリドを混ぜているんですが、普通は SUS といって、グリセリンの1位と3位に飽和脂肪酸を、2位に不飽和のものを入れた合成油脂が用いられます。 対称型の cis-モノ不飽和トリグリセリドですね。 トリグリセリドの結晶構造では、βと呼ばれる室温よりちょっと上に安定領域がある準安定相が愛されます。 この
放電写真がないぞー、と左巻先生に言われたので、載せてなかったのを撮り直し。 ヘリウム ネオン アルゴン クリプトン キセノン ネオンだけまったく発光スペクトルが違います。 あとのも、チョボチョボは違って見えますが、よほど慣れないと区別付かないかも。
1920年代末、一人の若い男の子が、ガレージの片隅で電気炉を駆使して結晶成長をはじめました。彼の名前はキャロル・チャザム。 チャザムは12歳の時にはすでに自宅に実験室をかまえていたそうです。 彼は、現在「フラックス法」と呼ばれる金属複酸化物を融液とした鉱物の人工結晶こそが、天然の鉱物の結晶成長に最も近い条件であると信じました。様々な試行錯誤の末に、ベリリウムとアルミニウムのケイ酸塩であるベリル(緑柱石)の実用的なフラックス組成を神業のようなセンスで見つけ出し、クロムイオンにより着色した合成エメラルドに、世界ではじめてこぎつけたのです。 その後、安定した電源供給が出来るCITに入学し、そこで数々の合成宝石鉱物の結晶成長に関する卓越した研究を行い、当時極端に高いレベルでの結晶成長技術を開発していきます。ルビー、アレキサンドライト、エメラルド等等。 どう考えても天才ですね。 チャザムのエメラルド
帰ってきたのが夜12時で、それから結晶作って撮影したので4時に寝落ちしてしまって説明が書けなかったので、今日追記。 巷を騒がすヨウ素の話。 一言で「ヨウ素」と言っても、大きく分けて二種類ある。 元素としての広義のヨウ素(ヨウ素化合物およびヨウ素単体) 単体としてのヨウ素(I2) これを混同している人がいる。 普通自然界に存在するのは、安定同位元素としてのヨウ素127 で、これには単体も化合物もある。 ところが、原子炉内部からは、ウランの自発核分裂によって、ヨウ素131 という放射性同位体のヨウ素化合物が出てくる。その核の半減期は約8日。 だから、「ヨウ素」と聞いたら、安定同位体の(普通の)ヨウ素単体 I2なのか、元素としての広い意味でのヨウ素なのか、あるいは放射性同位体のヨウ素化合物なのかをはっきり区別しなければならない。 これが普通の単体ヨウ素 I2。 蒸気圧が高い金属光沢のある青黒い結
ビル君に会いに伊豆シャボテン公園に行ってきた。 だいぶお歳を召されている。 たまに瞬膜が閉じていると、白目で怖い。 餌を採るときと、餌を飲み込むときは瞬膜が閉じることが多い。 イメージ的には、「ガラスの仮面」。 あ、新刊出てたね。 瞬膜は横走りフォーカルプレーンシャッター。 ↓半分閉じてる状態。 思いっきりどつかれた。 またね。
今をときめく、金属パラジウムの結晶。 Zeiss Luminar 25mm/Multiphot/D3 この、プラチナによく似た銀白色の金属は、原子上に他の分子やイオンや原子団をくっ付けたり離したり。 パラジウム原子上にくっついた二つの原子団を結びつけて、それを放出したり。 有機合成には、なくてなならない金属の一つ。
サリチル酸の2位水酸基をチオールで置き換えた化合物です。 医薬品および農薬原料にたまに使われます。 同じアングルを、鋭敏色検板でサイケにしてみる。 結晶の対称性が織り成す、ミクロの絨毯。 平行連晶のゆらぎ。過冷却のせっつき。 繰り返しの妙。
表題事件について、過去の評価データを調査分類したところ、以下のような傾向が見出された。 梱包材、特に「テープ」にくっついていることが多い 衣類等、特に「靴」に入っていることが多い この2つのケースで表題事件の過半数(おそらく70%強)を占める。 特にテープにくっついているのが多い。これで半数に達するであろう。 テープに伴う事故 商品はコンピュータゲーム コメント : 本日到着しました。商品の状態には問題ないのですが、梱包に使われていたセロテープに陰毛らしきものが付着していました。仕方の無いことかもしれませんが、次回からはお気をつけください。 (評価日時:2009年 2月 16日 14時 20分) ガムテと違って、セロハンテープは透明なので、くっついているのがわかりやすい。 商品は au のオマケ コメント : 迷いましたが不快でしたので明記させて頂きます。包装の袋に陰毛と思われる毛がついて
この山吹色に皆が狂わされる。 越後屋、お主もなかなかのワルよのう! by 悪代官 代表的な貴金属として、おなじみの金ですが、自形の結晶を見たことのある人はすごく少ないと思います。 ましてや、エッジの立った、キトキトの結晶は。 こいつもイワンが作ったヤツです。貰ったの。 ビスマスほどではないですが、骸晶が発達し、エッジが優先的に育っているのがお分かりいただけるでしょうか。 結晶面は簡単。正八面体 (111) に、正六面体 (100) の面が足された、切頭八面体です。 参考に、この間のビスマスの写真を再掲しておきます。 やっぱりビスマスってば、骸晶大魔王。
金属オスミウムの貫入三連双晶です。やっとイタリアから到着しました。 蒼く、エッジの鋭い、美しい金属結晶。条線が素敵♪ この三連双晶を上から見ると、こんな感じです。 切妻屋根みたいな上末端を持った四角柱状の結晶が三つ巴で三連双晶を形成し、断面は六角柱状になってます。 パッキングは六方最密充填なんですが、条線から c軸が寝てるのがわかります。見かけ上の柱面が六角形の底面cです。 かわいいよね。下の基板なんかツインだらけ。いくつわかります? これはこの間のイワンの作ったオスミウム結晶で、気相成長らしいんですが、からくりはまだ不明。 オスミウムは融点が3000℃以上あって、そう簡単に作れるものじゃないんですが。 四酸化物−金属の平衡を使ってるのかな? 教えてくんないんです。イワンのバカ! 原子量の最も大きい元素は、安定同位元素ではこの間のビスマスです。 密度が最も大きいものはビスマスではなく、この
敷地内の屋内缶ジュースの自動販売機の下を、超高輝度 LED ライトで照らして、落ちている硬貨の分布を調べていました。 次のような傾向が見られました 人が多く使う自販機の下には、硬貨が落ちていることが多い 自販機の下と地面の間隔が広く、手が入れられる、あるいは掃除夫が掃除できるようなものは、硬貨が少ない 自販機と地面の間隔が狭すぎるのも、硬貨が少ない 人の往来が多いところの自販機は、硬貨が多い。 落ちている小銭には5円や1円が多く混ざり、必ずしも自販機で使われる硬貨とは関係がない 一番多く落ちているのは10円である 380円拾いました。 屋外自動販売機でさらにデータ収集。 単立自販機は、並列自販機よりも硬貨の落ちている率が低い キレイすぎる自販機は、硬貨が落ちていない 屋外自販機は、コンクリートブロックの上に足を乗せ、その上で水平調整がしてあるのだが、このブロックの上に硬貨が落ちていることが
鉄製乳鉢 ↓新鮮なカゲロウ190gを投入 ↓オレのために死ね! カゲロウ・ペースト ↓水・CHCl3 で分配抽出 カゲロウ・ココアミックス ↓ろ過・分液 カゲロウ・サンセット ↓有機層を分離・乾燥・濃縮 カゲロウ・ピュアオイル カゲロウ・オイル18gをゲットしました。 虫臭くてたいへんです。カゲロウ・フレーバーにもうタジタジ。 引火性は低いんですが、火を近づけると何とか燃えます。 よけいくさくて死にそうです。 実験すると、最後に近づくにつれ臭いが強くなり、服にもしみつきます。 こりゃダメだ。 (結論)カゲロウは次世代資源としては何の有用性も見出せない。以上。
鉄製乳鉢 ↓新鮮なカゲロウ190gを投入 ↓オレのために死ね! カゲロウ・ペースト ↓水・CHCl3 で分配抽出 カゲロウ・ココアミックス ↓ろ過・分液 カゲロウ・サンセット ↓有機層を分離・乾燥・濃縮 カゲロウ・ピュアオイル カゲロウ・オイル18gをゲットしました。 虫臭くてたいへんです。カゲロウ・フレーバーにもうタジタジ。 引火性は低いんですが、火を近づけると何とか燃えます。 よけいくさくて死にそうです。 実験すると、最後に近づくにつれ臭いが強くなり、服にもしみつきます。 こりゃダメだ。 (結論)カゲロウは次世代資源としては何の有用性も見出せない。以上。 id:goito-mineral さんのところで紹介されていたのを見て笑いました。 三味線や三線の持ち味はなんといっても高いポジションからのプリング・オフなんですが、それをうまく使い、かなりいい味を出してます。 http://prw.
昨日の読売のニュースにあった、カゲロウ大量発生を仕事帰りに見に行ってきました。 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20090908-OYT8T00102.htm?from=os2 座架依橋はさっぱりだったんですが、昭和橋に行って・・・ マ ジ で ビ ビ り ま し た。 なにこれなにこれ?! 昭和橋は車道と歩道が分離しているんですが、歩道の方がすごくて、吹き溜まりにカゲロウが積もってるんです。 3cmぐらいの厚さで。カゲロウのじゅうたん。 ウスバじゃなくてコカゲロウかな。それにしてもすごい量っす。 彼らは腹の中に黄色い卵のうを抱え込んでるんですが、これが脂を多く含むみたいで、橋のたもとの鉄板の部分が脂で濡れて、たもとの交差点を曲がる車がその上で滑ってます。 踏み潰さずには歩けないので、踏むと小気味よい音で卵がつぶれて、プチプチプ
ついでに書いてしまいますが、表題案件について。 ズボンに必要な条件としては 通気性がある 水を吸いづらく、速乾性がある 伸び縮みし、かつ、繊維に適当な腰がある 肌、もしくは下着との摩擦抵抗が少ない 必要に応じて、アンダーウェアを間に入れられるゆとりがある 裾が絞ってあり、周囲に引っ掛からない 丈夫で、岩角で引っ掛けても破けない というのがあります。 一番ダメなのはキツキツのジーンズです。 重く、きついと足を上げるときに多大なエネルギーを必要とします。 濡れると自分の体温を奪い、死ぬほど重量が増します。 ジーンズ穿いて山行くのは罰ゲームと同じ。 この間、学生に「ジーンズだけはやめろ」って言ったにもかかわらずきっついのを穿いてきて、山登りの途中でしんどすぎて吐いたって話を書きました。 登山用の、綿のズボンやチノパンもおすすめしません。濡れると乾かず、めちゃくちゃ重くなります。 カラカラに乾いて
今回の大雪山系の遭難では、一つの商業パーティーで(初夏にもかかわらず)8人の死者が出ました。 ニュースでは、ほとんどが低体温症(いわゆる疲労凍死)だとの情報です。 これ、ツアー会社およびガイドに多くの問題があるように思えてなりません。 ニュース見てると、うんざりするほどツッコミどころが見えてきます。 十数年前、本多勝一が指摘したように、日本には国家資格としての山岳ガイドの資格がありません。 誰でも、「自分は山のガイドだ」と主張すれば、ガイドになれるのです。 もちろん、多くの経験と技術を厳しい認定試験で評価する、信頼のおけるガイド協会もあります。 しかし、ガイドの基準はそれぞれの協会における独自基準であり、統一のものではありません。 まさに玉石の混じり合った状態です。下はひどいですよ。 ツアーでは、自称「山岳ガイド」がリーダーシップをとります。 彼が持ち物チェックをし、コースを決め、現場での
ウチに一人、胸の大きな女子学生がいるのですが、彼女が言うには 「白衣を着ないで NMR 測定して、そのあとに両手を使いたいときがあるじゃないですか。そういう時に胸の谷間に NMR 管*1をはさんでおくといいんですよ。落ちないし。」 って。 大爆笑しました。 もちろん、下側はブラに固定してあるんでしょうけど。 それにしてもでかいっす。さすが E! 野外で虫の写真を撮っていると、レンズ交換して外したレンズの置き場に困ることがあります。 Micro Nikkor 105/4 とか挟めたらいいよね。 ↑学生さんは右の人ぐらいあります。 たぶん寄せれば Luminar や Macro Nikkor 19mm, 35mm ぐらいはさめるんじゃないかと。 *1:太さ 5mm の肉薄ガラス管で、サンプル溶液を底から高さ 4cm のレベルまで入れます。
昨日、ある方と飲みながら「大学の先生ってのは、実は学生にすごく責任重大な影響があって、『オレはこれで一生喰っていく!』って人生の身の振り方の岐路を左右してしまう」って話がありました。 あー、そーかもなー、って思いました。 私は昔から根無し草で、大学学部は1年しかいませんでしたし、もともとヤサグレですから大学の先生の薫陶を受けたとは言い難いんですけれども。 もっとも影響があったのは、中学の理科の先生じゃないかと思いました。 テルミット*1でできるドロンドロンに融けた鉄(なかなかこれは楽しい)に味をしめ、「じゃあ酸化銅で銅のテルミットをやったらどうよ」と、家の前で酸化銅とアルミニウム粉末を混合し、塩素酸カリウムーショ糖を着火剤にしました。 これは、見事に閃光と共に大爆発しました。これが数日前の話題です。 閃光で目が見えなくなったので部屋で寝てたらオフクロが見に来て、顔上半分が真っ赤にただれてい
私には、靴下を左右そろえなければならない理由がよくわかりません。 非対称ではいけない理由なんてあるのでしょうか? なぜ私は、暗黙の了解で周囲から「面対称性を保持すること」を強要されなければならないのか? 「対称要素なし」の点群 C1 ではいけないのでしょうか? さっぱりわかりません。 「対称性ファシズム」ですよこれ。 ということで、靴下の左右を揃えずに履きます。 すると当然、もともと組んでいたペアの片方は、別のものと組まざるを得ません。 この連鎖は、どこかで「今日は左右合わせないとまずい日だから合わせようか」というエントロピー減少方向に思考を転がしていかないと、収束することはありません。 そしてウチにはバケツ3杯ぐらいの靴下のストックがあります。 全部バラバラです。 これを組もうとすると、神経衰弱よろしく、1時間ぐらいかかります。 すごくよく似てるけど、微妙にデザインの違う靴下ってのは多く
あるところで、注射針の角度指定という話になり、45度で切り落とすというネタがあったんです。 えー?45度?それじゃセプタムに刺さらないって。 私「注射針の角度は医療用で12度よ。それじゃ、注射針の先のファセットが取りづらいでしょ?」 しかし、聞いても誰もそれを知りません。 では少し、情報をリークしましょう。極秘情報ですぜ。 百聞は一見にしかず。これが現行の標準の医療用注射針(T社製)の先端です。 今、これはランセットポイントという研磨が主流です。レギュラーベベルと言われます。 ただ斜めに切り落としているだけじゃないのがおわかりいただけますか? 針先を斜めに研磨したファセットのことが、ベベル。 ただ単純な斜め切り落としは、フラットベベル。 これをさらに角度を変えて研磨し、先端を鋭く切りなおしたのが、ランセットポイントです。 ランセットはメスの刃。ポイントは先端部のこと。 T社は基本的にランセ
PN105mm(f = 11)/PB-4/D3 二酸化ケイ素の結晶である水晶は、奇妙なことに鏡像が存在します。 普通の無機化合物は右でもなければ左でもない結晶を形成することが多いんですが、水晶はヘンテコなヤツで、左右があるのです。 右手と左手の関係と同じく、互いにエネルギー的には同じであるにもかかわらず、重ね合わせることが不可能。 これは、水晶を形成しているケイ素と酸素の並びが作り出す螺旋に由来しています。 SiO4 四面体の並びが作り出す三回螺旋軸(三分の一周期構造の繰り返し)を含んでいるんですが、このグルグルの巻きに左右があります。これが右水晶と左水晶に相当しています。 水晶は無機高分子なのでちょっと系が違いますが、分子構造や単位化学構造には左右が存在しないのに、集合して結晶になったときに左右を出すものがたまにあるのです。 こういうものは不斉結晶と呼ばれ、たまに出てきて結晶屋を悩ませま
って、豚インフルエンザの話*1じゃなく、ホメオパシーがらみです。 http://voise.ti-da.net/e2413474.html ブクマをたどってこのブログを読み、私はかなりヒキました。 おいおい、それ、天然痘の予防に牛痘を種付けするような話ですよ。西暦1800年ぐらいの科学よ*2。 学校保健法第二種指定の伝染病を、わざわざ危険な手法で引っ張ってきてどうするのか、と。 本人だけならともかく、自分の子供で人体実験してどうするのか、と。 それを種々の伝染病でするんですか? 頼むから、ホントに頼むから自分だけにしてください。 ホメオパシーに関する私の意見を再度書きます。 ホメオパシーってのは、例の超高希釈溶液が薬効を示すというアレですね。 10倍希釈を100回繰り返し、ってヤツです。 溶質を適当な操作で振りながら何度も何度も希釈すると、薬効の高い薬ができるんだそうで、もとの分子は平均で
相変わらず実験室の整備をしています。 今日は、ヘンテコな粘着テープ「ふしぎテープ」でコードを束ねていました。 http://www.nirei.co.jp/personal/fushigi_tape.html 仁礼工業のベストセラーですと、小型結束器「しめしめ」(なんちゅーネーミングだ)が知られていますが、ふしぎテープも使えます。 テープとテープだけはくっつくのですが、それ以外のものにはまったくくっつかないのです。 LAN ケーブルの余剰とか、ホースを束ねるときにはとても便利です。 他も使えるかもしれません。 アンモナイトの雄型と雌型を貼り付けて保管しておくときとか。 ガムテープだと数年するとベタベタになってしまいます。 母岩から外れてしまった日本式双晶の接着時の仮固定とか。 ちょっと前に知ったのですが、このテープ、SM業界ではすごく人気なんだそうです*1。 そういう分野では、肌や髪の毛に
どらねこさんからトラックバックがありました。ありがとうございます。 http://blogs.dion.ne.jp/doramao/archives/8310476.html おー、打ってますね。 これなら、いざというときに金槌がなくても安心ですね。 繊維質で、水を多く含み、かつ組織の大きなものが釘打ちには最適なのかしら。 すると、う○こで釘が打てるだろうかという疑問が頭の中をよぎりました。 しかしこれは、他の方にお任せすることにしましょう。 私には荷が重すぎます。 生体試料などから成分を抽出する際、低温で粉砕します。 そのときは、ドライアイスや液体窒素で試料を冷却し、これを機械に入れて粉体とするのです。 粉砕という作業は、熱を発生させることが多く、この熱が生体試料を変質させる原因になりますが、低温粉砕は熱分解や空気酸化させることなく、組織の低温脆化で簡単に粉になります。 この装置と液体窒
ある合成反応について、単離収率の悪さが問題になり、「実験の腕が悪い」という話になりました。私じゃないんですが。 え?ちょっと言葉の使い方が違うよ。全然違うよ。 化学は再現性を最重要視しますから、再現できないのはうまくないのです。 きちんとした実験手順を踏めば、チャンピオンデータまではいかずとも、そこそこのデータ再現が出来なければ意味がありません。 もし、全く同じ操作をすることができれば、全く同じ結果が得られる。これが科学として重要なのです。 しかし、たとえ同じような操作をして、同じ量の化合物を扱い、同じように反応/単離操作をしても、露骨に差が出ることがあります。 これは、きちんと要所要所でツボをついた操作をして、反応の特徴や物質の特性などを熟知して、的確な判断とそれに基づくハンドリングをしているか否かの差です。 反応をきっちり止めるタイミング、中間体や生成物の性質に応じた扱い方などなど。書
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Doubletのちょっとピンボケ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く