妻のがん治療を続けてきたが、どの治療も効果を上げることができず、先月から自宅で終末期の緩和ケアを行っていた。 訪問看護の助けを借りながらも、落ち着かない日々が続いていたが、とうとうその時が来たようだ。 妻とは二人暮らしで、お互いの家族とは遠距離に住んでいるため、すっかり疎遠になっている。 妻ががんと診断されてからは、毎回診療に付き添い、できる限りの支えを続けてきた。 しかし、治療の甲斐なくがんの進行を抑えることができず、病状が急激に悪化して入院。その後、自宅で緩和ケアを行うことになった。 自分は毎日、家事と妻の介護をこなしながら、訪問看護師の対応や手伝いに追われる日々を送っていた。 毎日数回、看護師が来るという生活は思いのほか慌ただしく、自分も妻も十分に休むことができず、心身ともにしんどい日々だった。 それでも、クリスマスには少し奮発して豪華な食事とケーキを楽しみ、年末は年越しそばを作り、