2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「夏の終わりの林の中」

7月2日の記事のコメント欄、書き込みへのレスを書くのに三週間ほどもかかってしまった。重厚な書き込みをしてもらってただけに、玉川さんには申し訳ない。 新潮文庫『この人の閾(いき)』(保坂和志著)には、表題作のほか、短編が三つ収められている。四つの…

統一旗・国歌吹奏・関屋記念

サッカーの日本と北朝鮮の試合の中継を見てたら、観客席に大きな統一旗が拡げられいて、それはいいことだと思うんだけど、ただ海の中に小さな島が二つ描かれてたのは、あれは独島(竹島)じゃないかなあ。あんなデザイン、元からあったっけ? はっきり分からん…

腫れ物が

舌の裏に変な腫れ物ができたんだけど、ガンじゃないかと心配だ。 最近口数が多いので、ばちがあたってるのか。来週末から所用で韓国に行くので、体調を整えたいのだが。 またコメント欄に匿名で色々と書き込んでくれている人があるが、反応がないよりはあり…

虫の命

新潮文庫の『この人の閾』に入っている保坂和志の「東京画」という小説を読んでいる。88年から90年ごろの東京都内のある町の変貌を描いた小説だが、センテンスの長い文章で読みづらく、夏バテ気味なためもあってなかなか読み終わらない。 「東京画」とい…

ショウジョウバッタこそ虫である

先日小さな虫が部屋に飛び込んできたので何かと思ったらショウジョウバッタの子どもだった。体長は1、2ミリしかないが、手を近づけるとずいぶん高く跳ね上がって逃げ、どこかに行ってしまった。 夏になると、ぼくの部屋にはいろんな虫が飛び込んでくる、多…

この人の閾(いき)

この人の閾 (新潮文庫)作者: 保坂和志出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1998/07メディア: 文庫 クリック: 113回この商品を含むブログ (84件) を見る表題作。作家保坂和志が95年に芥川賞を受賞した小説。 とりたてて筋というほどのものはない。 勤め人らしい三…

「生きる歓び」補足

きのう書いた「生きる歓び」の感想を、若干補足する。 ただし、きのうよりも図式的になるので、あまり面白くないかもしれない。 きのうのエントリー全体のちょうどまんなかぐらいの行に、ぼくは この「充実」した他者への奉仕は、生のなかの何かに対する否定…

生きる歓び

あまりにも暑いので、短い小説などを読むことにした。 保坂和志という作家には以前から関心があったが、読むのは今回がはじめてだ。生きる歓び (新潮文庫)作者: 保坂和志出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/08メディア: 文庫 クリック: 18回この商品を含む…

靖国問題

靖国問題 (ちくま新書)作者: 高橋哲哉出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/04/01メディア: 新書 クリック: 75回この商品を含むブログ (246件) を見る 靖国問題は、靖国神社の儀礼から特殊日本的要素を取り去り、それと結びついた近代日本の戦争の歴史の特…

不安や緊張を耐えること

11日のエントリーの内容について、もう少し考えてみる。 イギリスの対テロ捜査の能力は世界一といわれているようで、すでに犯人像が絞られてきているという情報もある。もちろん、本当に大事な情報は犯人逮捕までは隠されるのだろうが。 警察の肩をあまり…

ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン

コルトレーンのバラード演奏についてとか、公民権運動と60年代のジャズ・シーンの関係とか、あるいはコルトレーンとぼくの伯父さんとか、意味のありそうなことを書こうと思ったのだが、どうも書けない。 2曲目の「DEDICATED TO YOU」と3曲目の「マイ・ワ…

開設半年

いろいろコメントとかいただいてるんですが、ちょっと急に忙しくなってしまって、更新が滞りがちです。それでもまあ、ちょこちょこアップしていきますが。 とりあえず、ブログをはじめてから6ヶ月が経ったということで、これまで読んでくださったすべてのみ…

ロンドンの爆破事件

今回の同時爆破事件についてロンドン市長は、これは権力者を狙ったテロ攻撃でもなければ、イデオロギーや信仰の悪用ですらなく、たんなる無差別大量殺人であると明言し、多民族都市ロンドンで人種間や宗教観の分裂と対立が広まることをいち早く牽制したとい…

ハーフノートの夜

めずらしく音楽の話。ハーフノートの夜 (紙ジャケット仕様)アーティスト: アル・コーン&ズート・シムズ,フィル・ウッズ,モーズ・アリソン,ネヴィル・トーター,ポール・モチアン出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日: 2002/06/26メディア: CD購…

『インタビュー術!』

インタビュー術! (講談社現代新書)作者: 永江朗出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/10/18メディア: 新書購入: 11人 クリック: 184回この商品を含むブログ (70件) を見る有名なフリーライターである著者が、インタビューとは何かを考え、自身の具体的なイン…

『インタビュー術!』追記

『インタビュー術!』について、下記の文章ではひとつ重要なことを書き落としていた。 それは著者が、インタビューの虚構性や、編集や構成の恣意性を、決して否定的にはとらえていないということだ。 『インタビューにおける編集や構成は、事実から目眩まし…

殺す責任

夕方のニュースを見ていたら、高槻市など大阪近郊の町で野生化したアライグマが増えて問題になっているらしい。 ペットとして飼われてたものが野生化したのだろう。飼い主が都合で飼えなくなり、ひきとり手を見つけることができず、困って捨ててしまったもの…

『ハメット』

ハメット [DVD]出版社/メーカー: パイオニアLDC発売日: 2002/07/25メディア: DVDこの商品を含むブログ (12件) を見るヴィム・ヴェンダースが撮った『ハメット』という映画の紹介を書こうと思うのだが、もう15年か20年ぐらい前に見た映画で、内容をほとん…

憲法9条と抵抗の伝統

10日以上も前になるが、玉川陽平さんとおっしゃる方から5月27日のエントリーにコメントをいただいた。それに対する答えがなかなか書けなかったのだが、時間が経ちすぎるのもよくないと思うので、ここで断片的な感想を書いておきたい。 ご意見に対して十…

聞く側と聞かれる側

『<不良>のための文章術』がとても刺激的だったので、永江朗のべつの本を買ってみた。講談社現代新書からでている『インタビュー術!』。 題名どおり、インタビューについて書かれた本なのだが、『<不良>のための』と同じく、徹底して実用的でありながら…