『インタビュー術!』追記

『インタビュー術!』について、下記の文章ではひとつ重要なことを書き落としていた。
それは著者が、インタビューの虚構性や、編集や構成の恣意性を、決して否定的にはとらえていないということだ。
『インタビューにおける編集や構成は、事実から目眩ましの部分をはぎ取り、真実に一歩近づくことだともいえる。』(26ページ)とさえ書いている。
この本は、いわば事実という表面的なものから加工によって真実を引き出すための手法としての、編集や取材、そして話し手との会話術といった「インタビュー術」を語ったものだといえそうだ。
この考えは、ベンヤミンの言語や嘘についての思想を思い出させる。
この考えが、ジャーナリスト、書き手としての著者の言葉にたいする、また社会の現実にたいする態度の根幹にあるものだといえよう。


肝心なことを、書き落としていた。