妻は僕のことをちゃんと下の名で呼び、しかし二人だけに戻ると再び僕のことを名字+くん付けで呼ぶ。
結婚二年目なのに。
「なあ、どうして僕のことを名字で呼ぶんだ。それも”くん”付きで」
そう言うと彼女は目を逸らし、「それは…」と言い淀んだ。
僕は引かなかった。急かすこともなく、話題を逸らすこともなく、妻の回答を待った。
妻は根負けしたように「学生のときみたいで、なんかいいじゃん」と言った。
は?と思った。
「なんだよそれ」と思わず口に出して言うと妻は拗ねたように「ふーん」と言った。
訳が分からず、冗談で今度は僕の方から妻のことを名字で呼んでみた。
彼女は僕に窄んだ目を向けてきた。
その瞬間、僕はハッとした。
それは自分の思い出と重なる映画のワンシーンを見たような瞬間で、僕の脳裏には一時の情景が浮かんでいた。
僕の隣の席は彼女で、同じクラスになるのは初めてだったこともあり打ち解けることも出来ず、まともに会話もせず、単に隣の席同士の男女といった関係性だった。
ある日、彼女が消しゴムを落とし、それを僕が拾って彼女に渡そうとしたとき。
「なぁ、〇〇。消しゴム落としだぞ」と声をかけて渡そうとした。
そのとき彼女は狐みたいに窄めた目を僕に向け、抗議の意を表明するみたいに「なんで呼び捨て?」と低く小さな声で僕に言った。
僕は気圧され、戸惑った。
同じクラスなんだから別に呼び捨ててもいいだろうといった安易な打算と、別に呼び捨てぐらい許してもらえるだろうといった理由なき甘さがあった感は否めない。
僕は「ああ、ごめん、〇〇さん」と訂正して謝り、彼女はふんだくるみたいにして僕の掌から消しゴムを奪い取った。
あれが初めて交わした会話で、その時のことを僕は思い出していた。
我に返ると妻が「…どうかした?」と怪訝な顔をして(それでも少し心配そうだった)僕を見つめ、「え?あ、ああ」と僕は曖昧に応じた。
でも名字で呼ぶことの意味を知ったみたいで嬉しくなり、「別に大丈夫だよ、〇〇」と僕は答えた。
「なんで呼び捨て?」と今度の彼女は笑って僕に尋ね、「好きなんだからいいだろ」と僕は答えた。
「好きって、…どっちのこと?」
「え?それは…〇〇呼びも、〇〇のことも、両方とも好きってことだよ」と僕が言うと妻は顔を逸らした。
「…増田くんって、やっぱり子供だよね」と振り返り見せた顔はクスクス笑っており、僕はからかわれたような気がして少し腹が立った。
それから手を繋いで少し出かけた。
外で不意に「ねぇ、増田くん」と呼ばれるとやはり気恥しく、僕は少し顔を赤くしながら「なんだよ、〇〇」とやり返すように声をかけた。
すると妻も照れていて、なんだ、こいつも一緒なんじゃん、と少し勝った心地で居たものの、二人にだけ分かるメッセージのようにそのときぎゅっと手を強く握られちょっとドキッしたので引き分けにしようと思う。
そんなことが、昨日実際にあった出来事だ。
あなたが名字を変える選択肢もあったのになんで女性の側に名字を変えさせてるんですか?
変えさせたなんてどこにも書いてなくね? どこを読んだの
(妻の旧姓)
それは変わった事実しか読み取れないでしょ。 異常な思想にさらされすぎてみんな望まない改姓を強いられているんだ!って思っちゃってる?手遅れかも。
変えさせたのは事実でしょ
私たちは変えさせた
制服プレイの前戯?
遠坂凛が、いざって時だけ「衛宮君」呼びするんだよな・・・
そうでもない
増田って呼ばれてる事は秘密なの?
キミも妻を「細君」と呼べばいい
そんなことが、昨日実際にあった出来事だ。 脳内で,オチでないことを望む。
逆に脳内であってほしいがね。夫婦ネタをこんなところに書き込まれるなんていたたまれんよ 「保育園落ちた、日本死ね」を始めとしてヘイトを撒き散らすためだけにある掲示板やぞこ...
死んでしまえ
名字の呼び捨てって中高生っぽさあるよなあ
増田文学
まあ、子どもができるまでの間、 せいぜい学生プレイを楽しんでくれ コンチキショーメ!!
益田くんはみんな素人童貞だって信じてたのに・・・