「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があるが、
あまりに児童ポルノ法改正反対派が敵を知っていないという事に愕然としたので。
とりあえず、衆院のサイトに議案が出ているので、全部を読んで欲しい。
で、お互いのポイントは次の通り。
ともに共通することは、
自民党案の単純所持を、さも表現規制を現時点で実施することのように騒ぎ立てているが、現時点の法案では規制するという言葉は一言も盛り込まれていない。しかしながら確かに、今後の規制強化を示唆する内容が含まれているのは事実である。
1 政府は、児童ポルノに類する漫画等(漫画、アニメ、CG、擬似児童ポルノ等をいう。)と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進するとともに、インターネットによる児童ポルノに係る情報の閲覧の制限に関する技術の開発の促進について十分な配慮をするものとすること。(附則第二条第一項関係)
2 児童ポルノに類する漫画等の規制及びインターネットによる児童ポルノに係る情報の閲覧の制限については、この法律の施行後三年を目途として、1の調査研究及び技術の開発の状況等を勘案しつつ検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすること。(附則第二条第二項関係)
しかしながら民主党案にも、
第二条 児童買春及び児童ポルノの規制その他の児童を性的搾取及び性的虐待から守るための制度については、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の施行状況、
児童の権利の擁護に関する国際的動向等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする
という条項があり、民主党案も決して表現の自由を永久に保障する物ではない。また、このような見直し条項が無くても、租税特別措置法のように毎年のように改正される法律もあり、改正しようと政治家が思えばいくらでも法律は変えられるのである。
実際には3分の2条項を使い、政局沙汰になるような案件ではないので、今後は調整が行なわれるだろうから、自民党案がベースとしても多分に民主党を考えが反映される可能性が高い。(例えば、民主党は自民党案を呑む代わりに、漫画等の規制云々を外して単に「三年後に改正」になるかもしれないし、単純所持へ罰則を設けなくなる知れない)
また、どこまで守られるのか知らないが、反対派の恣意的な操作に利用されるという懸念に配慮し、民主党案・自民党案ともに運用規定を設けていることも見逃してはならない。いずれにせよ、騒げば騒ぐ程、規制派の思うつぼとなるだろう。現時点ではまず反対派は正確な情報を収集することから始めるべきだ。
そもそも児童ポルノ法における児童ポルノの定義は以下の通りであるが、その定義自体どの位の人が知っているのか私は疑問である。
3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの