ジェームス・スキナー著 「成功の9ステップ」
以前、ジェームス・スキナーのセミナーに行ってきましたという話をしましたが、今回はその著作「成功の9ステップ」を紹介しましょう。
紹介するにあたり本棚から引っ張り出してきて、読み始めて気がつきました。なんと、この本、未読だったようです。
もう何年も前から、本棚の結構目立つ場所に鎮座していたので、とっくに読了したつもりでいたのですが、買ったまま放っぽってあったようです。
思い起こしてみると、多分5年くらい前に買ったのだと思いますが、当時、ジェームス・スキナーのセミナー(4日間のライブセミナー)の内容(漏れ伝わってきた概略)が、どうも私の感覚に合わないような気がして、その影響で本は買ったけれど手をつけずに本棚の肥やしになってしまったようです。
題名からも分かる通り、どうやって成功するか、夢を実現するか、ということを説いた本です。
全部で480ページの本ですが、第一部の約50ページを読むだけでも得られるものは大きいと思います。
この感じは本当に良く分かります。
いつか夢に向かって行動する日が来るだろうと、チャンスを待っている。あるいは待っているふりをして自分を騙している。
今はまだ夢を見つけられていないから行動していないけど、見つけたその時には、絶対その夢に向かって前進していくんだって、それこそ夢想しているだけの自分がいました。
その夢を見つける努力さえもしていないのにね。
でも、やっぱり夢に向かって生きるのは「今」しかないんですよね。自分が望む人生を見つけて、その実現に必要な行動を起こすことが、とにかく大切なんです。
待っていても、「あなたの夢はこれですよ」って天から降ってくることは決してありません。自分で追い求めるしかないんです。
そして一歩を踏み出す。「行動」を起こすのです。
以前、過程の中にあなたの人生があるという話をしましたが、夢を実現したらあなたの人生が素晴らしくなるのではなく、夢に向かって行動するからあなたの人生が素晴らしいものになるのです。
著者は、こんな風に書いています。
それは「なぜ」ということ。
「どうして」あなたはその夢を実現したいのか、という「動機」のことです。
ここで書いた通り、あなたの夢は安全領域(コンフォートゾーン)の外側にあります。
あなたが夢を実現するためには、何らかのリスクを冒したり、代償を支払う必要があります。夢に向かって行動を起こすとはそういうことですよね。
ということは、「なぜ」という動機が弱いと、リスクや代償の大きさに負けてしまい、安全領域に留まるという選択をしてしまうことになるのです。
極寒の中で滝浴びをしたら1000円あげると言われてもやらないと思いますが、1000万円くれると言われれば、大概の人はやるのではないでしょうか。動機とリスクや代償とが天秤にかけられ、その結果として行動が選択されるわけです。
逆に言えば、十分な理由さえあれば、行動は自然についてくるものなのです。
ただ、人生における動機やリスクや代償は、上の例ほど簡単ではありません。なにしろ「未知の領域」なのですから。
それに、「遠い未来の想像」に過ぎない夢に対して、リスクや代償は、その夢に向かう行動と常に隣り合わせなわけですから、どうしても焦点はリスクや代償にいくことになります。
そして、私たちのあらゆる行動の動機がこれなのです。意識している、いないに関わらず、私たちは常に「快楽」が得られる行動を選択し、「痛み」を避けるための行動をしているのです。
もちろん「夢」は「快楽」に分類されると思いますが、上に書いた通り「遠い未来の想像」に過ぎないので、「快楽」としての力が弱いんですよね。
一方のリスクや代償は、当然「痛み」として想像されるのですが、こちらは安全領域から外に一歩踏み出せばすぐそこにあるわけですから、大概は実体のない「快楽」よりも、身近な「痛み」の方が勝つのです。
また「痛み」の大小という観点もあります。
「今の仕事は嫌いだ!」って人は多いでしょう。でも、仕事を辞めると生活が不安定になるという「痛み」を、容易に想像することができます。
どちらにせよ「痛み」を感じているのですが、好ましくない現状に感じている「現実の痛み」よりも、夢を実現するために必要な行動を起こすことで発生するだろう「想像上の痛み」に、より大きな苦痛を連想しているわけですね。
これがほとんどの人が夢を実現できない理由なのです。
著者の提案は、
というものです。これ、私は「結果よりもプロセスに焦点を当てる」って解釈しました。
あなたの夢から連想される「快楽」が、その夢の実現に必要な活動から連想される「痛み」を、十分に打ち負かすだけの力を持つのが理想だと思いますが、それが難しいようであれば、「夢の実現や成功に役立つ活動」を「快感」と結びつけ、夢の実現という目的からあなたをそらしてしまうような活動を、「苦痛」と結びつけましょうということかなと。
少なくとも、今のあなたの考え方では、今得ている結果しか得られないということは間違いありませんよね。ということは、結果を改善したければ、考え方を変えなければならないのです。
アチーブメントの青木先生(毎度ですが、成功や目標達成に関しての私の考え方のベースは、青木先生から学んだことが大半なので、これ系の話題では今後も登場して頂くことになると思います)から教えて頂いたのは、
どちらも同じことを言っているのかな? コップ半分の水を見て、「もう半分しか残っていない」と考えるか、「まだ半分も残っている」と考えるかが、「考え方の違い」だと思います。
「もう半分しか残っていない」と考えて「痛み」を感じるか、「まだ半分も残っている」と考えて「快楽」を感じるかが、「連想の違い」と解釈してもいいような気がしてきました。
著者は、「考え方=快楽と痛みの連想」と定義していますので、ニュアンスは違ったとしても、少なくとも根本のところでは同じことを言っているのだと解釈してもいいのではないでしょうか。
人生の質は、考え方(連想)の質で決まります。だから生活に変化を望むのであれば、考え方(連想)を変えなければなりません。新しい考え方(連想)を持てば、新しい人生を手に入れることになるのです。
でも、著者は難しく考える必要はない、と言っています。広告業界の人たちは、たったの15秒から30秒くらいで新しい連想は作れるということを知っているから、と。
大切なことは、毎日あなたの頭の中で行われる広告のプロセスを、意識的にコントロールすることなんですね。イメージコントロール、かな?
ある行動が夢の実現に非常に効果的だとわかっていても、その行動は「苦痛」のイメージと結びついているから行動できないという現実は、いくらでもありそうです(私はいくらでも思いつくことができます)。
その夢の実現と結びついている行動のイメージ(これまでは「苦痛」)を、「快楽」に変えることができたとしたら・・・・・これがどれほどあなたの夢の実現に影響を与えるかは、想像するまでもなく分かりますよね。
どうでしょうか。第一部だけでもかなり示唆に富んでいると思いませんか。少しでもピンときた人は本書を購入して、本編の「9ステップ」を読んでみることを是非おススメします。
でも今回感じたのは、その人の話を実際に聞いたことがある、その人物を見たことがあるというのが、その人の著作を理解する上でこんなに助けになるとは、ちょっとした驚きでした。
紹介するにあたり本棚から引っ張り出してきて、読み始めて気がつきました。なんと、この本、未読だったようです。
もう何年も前から、本棚の結構目立つ場所に鎮座していたので、とっくに読了したつもりでいたのですが、買ったまま放っぽってあったようです。
思い起こしてみると、多分5年くらい前に買ったのだと思いますが、当時、ジェームス・スキナーのセミナー(4日間のライブセミナー)の内容(漏れ伝わってきた概略)が、どうも私の感覚に合わないような気がして、その影響で本は買ったけれど手をつけずに本棚の肥やしになってしまったようです。
夢は「いつか」手に入れるものではなく、「今」しかないんです
今回、読んでみての感想は、「素晴らしい!」です。題名からも分かる通り、どうやって成功するか、夢を実現するか、ということを説いた本です。
全部で480ページの本ですが、第一部の約50ページを読むだけでも得られるものは大きいと思います。
夢というものは、今現在ここで経験するものではなく、将来いつの日か手に入れるものだと考えていた。
この感じは本当に良く分かります。
いつか夢に向かって行動する日が来るだろうと、チャンスを待っている。あるいは待っているふりをして自分を騙している。
今はまだ夢を見つけられていないから行動していないけど、見つけたその時には、絶対その夢に向かって前進していくんだって、それこそ夢想しているだけの自分がいました。
その夢を見つける努力さえもしていないのにね。
でも、やっぱり夢に向かって生きるのは「今」しかないんですよね。自分が望む人生を見つけて、その実現に必要な行動を起こすことが、とにかく大切なんです。
待っていても、「あなたの夢はこれですよ」って天から降ってくることは決してありません。自分で追い求めるしかないんです。
そして一歩を踏み出す。「行動」を起こすのです。
以前、過程の中にあなたの人生があるという話をしましたが、夢を実現したらあなたの人生が素晴らしくなるのではなく、夢に向かって行動するからあなたの人生が素晴らしいものになるのです。
著者は、こんな風に書いています。
成功はプロセスであり、目的地ではない。真の幸福は到達地点から得られるものではなく、そこまでの生き方から得られるものである。
あなたは「なぜ」その夢を実現したいのですか?
自分の夢を見つけて、目標を設定して、そして行動を起こしていきます。でも、そこにもう一つ大切な要素があると著者は言います。それは「なぜ」ということ。
「どうして」あなたはその夢を実現したいのか、という「動機」のことです。
ここで書いた通り、あなたの夢は安全領域(コンフォートゾーン)の外側にあります。
あなたが夢を実現するためには、何らかのリスクを冒したり、代償を支払う必要があります。夢に向かって行動を起こすとはそういうことですよね。
ということは、「なぜ」という動機が弱いと、リスクや代償の大きさに負けてしまい、安全領域に留まるという選択をしてしまうことになるのです。
極寒の中で滝浴びをしたら1000円あげると言われてもやらないと思いますが、1000万円くれると言われれば、大概の人はやるのではないでしょうか。動機とリスクや代償とが天秤にかけられ、その結果として行動が選択されるわけです。
逆に言えば、十分な理由さえあれば、行動は自然についてくるものなのです。
ただ、人生における動機やリスクや代償は、上の例ほど簡単ではありません。なにしろ「未知の領域」なのですから。
それに、「遠い未来の想像」に過ぎない夢に対して、リスクや代償は、その夢に向かう行動と常に隣り合わせなわけですから、どうしても焦点はリスクや代償にいくことになります。
私たちのあらゆる行動の動機は、たった2つなんです
心理学に「快楽と痛みの原則」というものがあるそうです。これは、人間は常に「快楽」を得ようとし、「痛み」を避けようとしている、ということです。そして、私たちのあらゆる行動の動機がこれなのです。意識している、いないに関わらず、私たちは常に「快楽」が得られる行動を選択し、「痛み」を避けるための行動をしているのです。
もちろん「夢」は「快楽」に分類されると思いますが、上に書いた通り「遠い未来の想像」に過ぎないので、「快楽」としての力が弱いんですよね。
一方のリスクや代償は、当然「痛み」として想像されるのですが、こちらは安全領域から外に一歩踏み出せばすぐそこにあるわけですから、大概は実体のない「快楽」よりも、身近な「痛み」の方が勝つのです。
また「痛み」の大小という観点もあります。
「今の仕事は嫌いだ!」って人は多いでしょう。でも、仕事を辞めると生活が不安定になるという「痛み」を、容易に想像することができます。
どちらにせよ「痛み」を感じているのですが、好ましくない現状に感じている「現実の痛み」よりも、夢を実現するために必要な行動を起こすことで発生するだろう「想像上の痛み」に、より大きな苦痛を連想しているわけですね。
これがほとんどの人が夢を実現できない理由なのです。
著者の提案は、
もしあなたが夢の人生を手に入れたいと思うなら、自分の連想体系をコントロールしなければならない。夢の実現や成功に役立つ活動のすべてを、快感と結びつけなければならない。そして逆に、究極の目的からあなたをそらしてしまうような活動のすべてを、苦痛と結びつけなければならない。
というものです。これ、私は「結果よりもプロセスに焦点を当てる」って解釈しました。
あなたの夢から連想される「快楽」が、その夢の実現に必要な活動から連想される「痛み」を、十分に打ち負かすだけの力を持つのが理想だと思いますが、それが難しいようであれば、「夢の実現や成功に役立つ活動」を「快感」と結びつけ、夢の実現という目的からあなたをそらしてしまうような活動を、「苦痛」と結びつけましょうということかなと。
少なくとも、今のあなたの考え方では、今得ている結果しか得られないということは間違いありませんよね。ということは、結果を改善したければ、考え方を変えなければならないのです。
自分の活動をどんなイメージと結び付けるかを自分でコントロールする
著者はこう言います。何に快楽を連想し、何に痛みを連想するか、が人生の違いなのである。
アチーブメントの青木先生(毎度ですが、成功や目標達成に関しての私の考え方のベースは、青木先生から学んだことが大半なので、これ系の話題では今後も登場して頂くことになると思います)から教えて頂いたのは、
人生の違いは、考え方の違いである
どちらも同じことを言っているのかな? コップ半分の水を見て、「もう半分しか残っていない」と考えるか、「まだ半分も残っている」と考えるかが、「考え方の違い」だと思います。
「もう半分しか残っていない」と考えて「痛み」を感じるか、「まだ半分も残っている」と考えて「快楽」を感じるかが、「連想の違い」と解釈してもいいような気がしてきました。
著者は、「考え方=快楽と痛みの連想」と定義していますので、ニュアンスは違ったとしても、少なくとも根本のところでは同じことを言っているのだと解釈してもいいのではないでしょうか。
人生の質は、考え方(連想)の質で決まります。だから生活に変化を望むのであれば、考え方(連想)を変えなければなりません。新しい考え方(連想)を持てば、新しい人生を手に入れることになるのです。
どのような連想が自分の夢に貢献するだろうか。長期的にみて、どのような連想をすれば最善の結果が得られるだろうか。
毎日あなたの頭の中で行われる広告のプロセスをコントロールする
なるほど、言いたいことは理解したけど、でも「連想」を変えるって、どうすればいいの? 個人的には、非常に難しいことのように感じるのですが。でも、著者は難しく考える必要はない、と言っています。広告業界の人たちは、たったの15秒から30秒くらいで新しい連想は作れるということを知っているから、と。
気分が良くなるようなシーンを見せたり、気持ちのいい音楽を聞かせたりして、視聴者に快楽を感じさせる。その瞬間に、売ろうとしている商品を見せる。このプロセスを3~4回繰り返すだけで、望んでいる反応は確保できる。
大切なことは、毎日あなたの頭の中で行われる広告のプロセスを、意識的にコントロールすることなんですね。イメージコントロール、かな?
ある行動が夢の実現に非常に効果的だとわかっていても、その行動は「苦痛」のイメージと結びついているから行動できないという現実は、いくらでもありそうです(私はいくらでも思いつくことができます)。
その夢の実現と結びついている行動のイメージ(これまでは「苦痛」)を、「快楽」に変えることができたとしたら・・・・・これがどれほどあなたの夢の実現に影響を与えるかは、想像するまでもなく分かりますよね。
どうでしょうか。第一部だけでもかなり示唆に富んでいると思いませんか。少しでもピンときた人は本書を購入して、本編の「9ステップ」を読んでみることを是非おススメします。
でも今回感じたのは、その人の話を実際に聞いたことがある、その人物を見たことがあるというのが、その人の著作を理解する上でこんなに助けになるとは、ちょっとした驚きでした。
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