あおいのうえ〔あふひのうへ〕【葵の上】
葵上
葵上
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 04:58 UTC 版)
「葵上」(あおいのうえ)は1954年(昭和29年)、雑誌『新潮』1月号に掲載された。葵の死の結末は、能の『葵上』よりも、大元の原典である『源氏物語』の第9帖「葵」に沿っている。三島は主題について、ヒロインの〈嫉妬に集中させてゐる〉とし、〈殊にラストの、生霊と現身の電話の声とが交錯するところは、スリラー劇的な興味をねらつてゐる〉と説明している。 私としては、「葵上」が一番気に入つてゐる。スリラー劇みたいな要素もあり、主題はそんなに哲学的でなく、観客にも受け入れられやすいと思ふ。ただあくまで、六条御息所の位取りが大切で、安つぽい嫉妬怨念劇であつてはならぬ。俳優には、やりづらい芝居であらうと同情する。 — 三島由紀夫「上演される私の作品――『葵上』と『只ほど高いものはない』」
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