『源氏物語』
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「アーサー・ウェイリー」の記事における「『源氏物語』」の解説
1925年から1933年にかけて6巻に分けて出版された『源氏物語』の翻訳"The Tale of Genji"は、同書の世界初の英語全訳である。詩的で美しい英語といわれ、出版されるとたちまちベストセラーとなった(ただし数ページの第38帖「鈴虫」は訳出していない)。「ここにあるのは天才の作品」「忘れられた文明が(……)いずこでも追従をゆるさない配列の美しさをもって蘇ってくる」「日本の黄金時代の古典 東洋最高の長編小説」等々、『タイムズ』紙などで絶賛された。またその訳文は「感情の優雅さと純粋な言葉の巧みさのどれだけが紫式部(レディ・ムラサキ)のもので、どれだけ翻訳者のものかわからない」と英文学としても高く評価された。「現代作家でもここまで心情を描ける作家はいない」と絶賛するなど、現在世界的に紫式部の評価が高いのは、紹介したウェイリーの功績と言える。また同書に触発され、日本研究を志し大成したドナルド・キーンなどの日本学者も多い。更に源氏物語を起点に他のウェイリーの訳著『The 'No' Plays of Japan』を読み、初めて〈能〉に興味を持った人も多く、日本文化に対するその後の国際的評価の高まりを考えるに、直接のみならず間接を含む影響は極めて大きい。なお『The Tale of Genji』はその後、イタリア語、ドイツ語、フランス語などに二次翻訳された。現在でも在日外国人記者などが、来日前に上司に薦められる書とも言われ、日本の歴史伝統を理解するための必読書とされる。
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『源氏物語』
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並びの巻は、巻名目録や注釈書等の中で「並び」などとして明記されるほかに、「並びの巻」であると明記はされない場合でも、巻名目録においては「本の巻」と「並びの巻」を、 「本の巻」の巻名にのみ巻序の番号を振る。 「本の巻」の巻名は一つ前の「本の巻」の左に並べて書いていくのに対して「並びの巻」の巻名は「本の巻」の巻名の下に書く。 「並びの巻」の巻名は「本の巻」の巻名よりも小さい文字で(時には二行書きで)書く。 といった形で区別して示されることによって明らかになる。 『源氏物語』においては、以下に示す54帖中の18帖は、多くの資料に共通して「並びの巻」として記述されていることから共通して認められているといえる「並びの巻」であると考えられている。 空蝉、夕顔が帚木の並びの巻 末摘花が若紫の並びの巻 蓬生、関屋が澪標の並びの巻 初音、胡蝶、蛍、常夏、篝火、野分、行幸、藤袴、真木柱が玉鬘の並びの巻 若菜下が若菜上の並びの巻 鈴虫が横笛の並びの巻 紅梅、竹河が匂宮の並びの巻 また上記以外に以下のような特定の資料にしか現れない「並びの巻」がいくつか存在する。 『源氏釈』では玉鬘の並びの最後「槇柱」の後に「桜人」を挙げて、「蛍の次にあるべし」と注釈を加えており、また「総角」を「椎本」の並びの巻にしている。 故実書『拾芥抄』(前田尊経閣文庫本)に収められた巻名目録「源氏物語目録部第卅」では、通常は若紫の並びとされている「末摘花」を「紅葉賀」の並びとしており、「玉鬘」の並びの巻の最後で、「槇柱」に続いて「桜人イ」と記している。 更に、宇治十帖における並びの巻に関しては、いくつかの異なる記録が古い文献に見られる。源氏物語の巻序を見よ。
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