肩とは? わかりやすく解説

かた【肩】

読み方:かた

人の腕が胴体接続する部分の上部、および、そこから首の付け根にかけての部分。「—をもむ」「—を組む」

動物の前肢や翼が胴体接続する部分の上部。

衣服の、1相当する部分。「—にパッド入れる」

物の上部のかどの部分。「—書き」「各句の—に番号付ける」

地形物の形などの、1相当する部分。「道路の—」「壺の—」

山頂から少し下った所にある平らな所。「—の小屋

球などを投げる力。「—が弱い」

物をかつぐ力。「足をくじいた友人に—を貸す」

背負った責任。「乗客の安全は運転士の—にかかっている」

10 新聞一面左上端を占め記事多く場合トップ記事次いで重要とされる。→頭(あたま)

11 《肩に倶生神(くしょうじん)が宿っていて、運命支配するという俗信から》運。めぐりあわせ

此方等のやうな—の悪い夫婦なれば」〈鳩翁道話・一〉

[下接語] 後(あと)肩・襟肩五十肩先肩四十肩半肩・一(ひと)肩・路肩(がた)怒り肩・地(じ)肩・撫(な)で肩


けん【肩】

読み方:けん

常用漢字] [音]ケン(呉)(漢) [訓]かた

[一]ケン〉かた。「肩章双肩比肩

[二]〈かた〉「肩車肩身路肩

難読肩巾(ひれ)


法の場合は法肩、道路の場合路肩という。


かた 【肩】

肩は「肩で風を切る」「肩を落す」などのようにある意味表現されるとされ、倶生神宿っていて人の運命支配するとの俗信日本にある。ゲルマン神話では最高神オーディンの肩に思考記憶二羽の烏がいて、見聞したことを神にささやいたとされ、インドでは貴人敬意現すとき右肩あらわにした。仏教の偏右肩はこれである。中国では前漢武将周勃呂氏の乱鎮めた時、呂氏味方する者は右肩をぬぎ、劉氏味方する者は左肩をぬげといった故事から、味方する者を左という。また、謝罪のため右肩をぬぐのを肉ともいう。日本の祭に童児肩車にする風があるのは、神聖さを土で汚さないの意味がある。→ 倶生神 偏右肩

かた【肩】

パチンコにおいて、チャッカーになっていることが多かった盤面中央横の部分最近はスルーチャッカーだったり単なる風車だったりする機種増えている。

作者下畑卓

収載図書少年短編小説少年詩集
出版社三一書房
刊行年月1996.9
シリーズ名少年小説大系


作者柳美里

収載図書
出版社メディアファクトリー
刊行年月2000.2


読み方
かた

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/24 06:00 UTC 版)

右後ろから見た右肩
肩甲骨胸郭の背中側の湾曲した面の上(表面)の筋肉群の中を、回転しつつスライドし、その肩甲骨の隅に、さらに自由度の高い球関節があるので、肩は人の関節の中で最も複雑な動きをすることができる(写真はボルダリングをする女性)。

(かた、英:shoulder)とは、

  • 人の胴体に接続する部分の上部、および、そこからの付け根にかけての部分[1]
  • 動物の前肢が胴体に接続する部分の上部[1]

概説

肩は、運動器としてとらえると、ヒトのさまざまな関節のなかでもっとも複雑な動きをする関節だと知られている[2]。 「肩」は(医学的見ると)、広義の肩である肩複合体(胸骨、鎖骨、肩甲骨、肋骨、上腕骨から構成される複合体)を指す場合と、(狭義に)その肩複合体の一部である肩甲骨と上腕骨の関節(肩甲上腕関節)に限定して指す場合がある[3]

実際的には(たとえば人々が「肩」の不調などを訴える時、医療やスポーツ医学などで「肩」の治療を行う場合など、「肩」がテーマになっている時)その「肩」はほとんどの場合、(たとえ一般人は理解・自覚できていなくても、実際には)広義の肩複合体が関係している。

肩複合体は、胸骨・鎖骨・肩甲骨・肋骨・上腕骨から構成される複合体であるが、特にポイントとなることは、 (人体の背中側で)スライド運動をする肩甲骨と、その肩甲骨の端に位置する球関節(肩甲上腕関節)が組み合わさった構造を持っている、ということである。

その結果、運動器としての肩は、回転(外転内転)、旋回(外旋、内旋、上方回旋、下方回旋)、挙上、下制(引き下げ)、牽引(前方牽引、後方牽引)、屈曲(関節屈曲、水平屈曲)、伸展(関節伸展、水平伸展)などの複雑な動作が可能である。また、多くの筋肉から構成されており、強い力を出すことができる。

頂上より少し下がった平らな部分を山の肩、瓶の肩などと呼ぶことがある。

肩のマッサージ

デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、肩付近の筋肉に不快感や痛みを訴える肩こりの症状が現れやすい。広く、肩もみ、肩のマッサージなどをして改善がはかられている。「肩こり」という場合の「肩」には、肩複合体に加えて、大雑把に(頚部)までも含めることがある。

肩複合体の構造

背中側から見た肩付近の骨。赤色は肩峰骨。

肩複合体を構成するは胸骨・鎖骨・肩甲骨・肋骨・上腕骨であるが、("関節"という観点からは)3つの解剖学的関節および2つの機能的関節から成る[3]

解剖学的関節[3]
  • 肩甲上腕関節 : 肩甲骨関節窩と上腕頭骨からなる関節。可動性が最も大きい[3]
  • 肩鎖関節 : 肩甲骨と鎖骨との関節。可動性は小さい。[3]
  • 胸鎖関節 : 胸骨と鎖骨との関節。可動性は小さい。[3]
機能的関節[3]
  • 肩峰下関節 : 上腕頭骨とその上の肩峰の間の滑動(スライドする部分)。解剖学上の杓子定規な定義では「関節」には当たらないが、機能的に非常に重要であり、「第2肩関節」と呼ばれている。[3]
  • 肩甲胸郭関節 : 肩甲骨前面と胸郭の後外側面との間の「機能的関節」である[3]肩甲骨が、背の筋肉の中、肋骨の上を活動する[3](つまり、肋骨の表面を、肋骨と平行に、スライドするように動き回る)。(肩甲上腕骨に次いで)可動性が大きい[3]
正面から見た左肩付近の骨格(黄色)とじん帯(白色) 最上部が鎖骨 (Clavicula)、左側の大きな部分が肩甲骨 (Scapula)、右側が上腕骨 (Humerus)
右の肩甲骨 左上の突起は肩峰 (Acromion) であり背中の膨らみとして観察できる。肩峰にも関節面がある。中央のドーナツ形の部分は関節軟骨。肩関節として大きな力がかかる
ラテン語 articulatio humeri
英語 Shoulder
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肩の筋肉の一部を含むスケッチ

「狭義の肩」つまり肩甲上腕関節のほうは、球形の上腕骨頭がそれを包み込む形の関節窩にはめ込まれた構造を持っている。周囲は三角筋棘上筋棘下筋大円筋、小円筋肉、肩甲下筋など多くの筋肉靭帯で囲まれている。その胴体部分は肩甲骨につながっている。肩甲骨の上部と頚部前方を結ぶ細長い骨が鎖骨であり、その後方は皮膚が少し凹んでいることから正面から見た場合に容易に確認できる。

ゼロポジション

ゼロポジション(Zero Position)とは1961年にインドの整形外科医であるSaha.A.Kによって発見された、腕を脱臼や骨折などをしてしまった患者にあまり資金や手間(手術)をかけずに治療するために見つけた肢位の事である。定義は、肩甲骨の棘突起と上腕骨の長軸が一致し、肩周辺の筋収縮力が均等になり、自発的な筋力発揮では回旋運動が不可能になるポジショニングの事である。

健康

肩の形を維持するためには、肩のストレッチなど、肩の筋肉を鍛えることが大切である。もちろん、どんなストレッチでも途中で痛みを感じたら、すぐに中止する必要がある。そうしないと、肩は怪我してしまう[4]

症状

四十肩、五十肩

その名の通り、40歳から50歳頃になって加齢に伴う組織の変性が原因となって痛みを発生し、運動を制限するためにさらに拘縮が進み、次第に痛みが強くなる悪循環を伴う症状である。肩関節周囲炎・凍結肩・疼痛性肩関節制動症等に分けられる。軽度のものは温熱療法、運動療法が効果的である。約1年から1年半程度かかるが、自然に完治するという特徴がある。

脱臼

球形の関節頭がそれを覆う関節窩から外れた状態を脱臼と呼び、肩関節(肩甲上腕関節)は最も脱臼を起こしやすい部位である。外傷や先天的要因により、軽微な力でも脱臼を繰り返す習慣性(反復性)脱臼になることがある。日本では柔道整復師による治療も行われる。

食肉の部位

牛肉豚肉などのカタ(カタカナ書きにすることが多い)は、前足および前身部を含む部位のことである。

肩肉は、前足の付け根付近の肉で、牛・豚ともに脂肪分がいちばん少ないので、赤身肉とも呼ばれる。ヘルシーではあるが、堅くてやや筋っぽく、価格も安い。煮込み料理などに適する。

頭の付け根付近の、背骨の両脇についている肉は肩ロースといい、肩肉より脂身があり、豚ではトンカツなどに、牛(牛かたロース)ではしゃぶしゃぶなどによく用いられる。

スポーツと肩

野球などのスポーツでボールなどを遠くに投げる能力に優れていることを「肩が強い」「強肩(きょうけん)」、その逆を「肩が弱い」「弱肩(じゃっけん)」という。英語における同様の表現にはshoulderではなくarmの語を用いる。野球では捕手内野手遊撃手三塁手)、外野手が肩が強い選手に有利なポジションである。遠投能力だけでなく正確なコントロールも重要である。特に投手の肩は命であり、選手生命に大きく影響するが、打者側からすれば打球が肩に当たれば投手はコントロールが悪くなり、試合が有利になる絶好のチャンスでもある。

プロ野球の元投手・監督の権藤博は、酷使により選手生命を縮めた自身の経験から「肩は消耗品」を持論としている。

格闘技やそれに類するスポーツなどでは体当たりの際に肩から当たる方法があり、ショルダー・タックルはその例である。中国武術ではと肩を同等の攻撃部位と見なす。

比喩など

また、地位身分称号などのことを、氏名の右上に記すことから肩書きと呼ぶ。肩で荷物を担ぐことから転じて、力、負担、責任などを指すことがあり、肩を貸す、肩の荷が下りるなど多くの成句・慣用句がある。

脚注

  1. ^ a b デジタル大辞泉【肩】
  2. ^ 『学鐙』第76巻、1979、p.63
  3. ^ a b c d e f g h i j k 川島敏生『ぜんぶわかる 筋肉・関節の動きとしくみ事典』成美堂出版、2013、p.10-11
  4. ^ 4 stretches to keep your shoulders in shape” (英語). Harvard Health (2019年8月1日). 2022年6月13日閲覧。

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/22 06:06 UTC 版)

解剖学における運動の表現」の記事における「肩」の解説

屈曲前方挙上):参考可動域は180度。基本軸は肩峰を通る床への垂直線立位または座位)。移動軸は上腕骨測定肢位及び注意点前腕中間位とし、体幹動かないよう固定脊柱前後屈ないよう注意する伸展後方挙上):参考可動域50度。基本軸は肩峰を通る床への垂直線立位または座位)。移動軸は上腕骨測定肢位及び注意点前腕中間位とし、体幹動かないよう固定脊柱前後屈ないよう注意する外転側方挙上):参考可動域は180度。基本軸は肩峰を通る床への垂直線立位または座位)。移動軸は上腕骨測定肢位及び注意点体幹後屈起こらないように90以上になったら前腕回外することを原則としている。 内転:参考可動域は0度。基本軸は肩峰を通る床への垂直線立位または座位)。移動軸は上腕骨測定肢位及び注意点体幹後屈起こらないように90以上になったら前腕回外することを原則としている。 外旋:参考可動域60度。基本軸は肘を通る前額面への垂直線移動軸は尺骨測定肢位及び注意点上腕体幹接して肘関節前方90度に屈曲した肢位で行い前腕中間位とする。 内旋:参考可動域80度。基本軸は肘を通る前額面への垂直線移動軸は尺骨測定肢位及び注意点上腕体幹接して肘関節前方90度に屈曲した肢位で行い前腕中間位とする。 屈曲平内転):参考可動域135度。基本軸は肩峰を通る矢状面への垂直線移動軸は上腕骨測定肢位及び注意点肩関節90度外転位とする。 伸展外転):参考可動域30度。基本軸は肩峰を通る矢状面への垂直線移動軸は上腕骨測定肢位及び注意点肩関節90度外転位とする。

※この「肩」の解説は、「解剖学における運動の表現」の解説の一部です。
「肩」を含む「解剖学における運動の表現」の記事については、「解剖学における運動の表現」の概要を参照ください。

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出典:『Wiktionary』 (2021/08/29 03:21 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. かた)うでの胴体に付く関節の上箇所

熟語


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