肩関節
別名:関節窩上腕関節
学名:Articulatio humeri, Articulatio glenohumeralis
【英】:Glenohumeral joint, Shoulder joint
肩関節は肩甲骨関節窩と上腕骨頭との間の典型的な球関節。関節窩は小さく、関節頭としての上腕骨頭の関節面の約1/3の広さにすぎない。関節窩の周縁は、線維軟骨性の関節唇によって補われる。関節包の外側にはこれを補強するとくに強い靱帯がないから、両者の結合はゆるく、関節の自由な運動を可能にする。補強靱帯の代わりをするのは、肩甲骨から起始して上腕骨近位部に停止する肩甲筋群である。関節包は、上方には関節窩の周縁につき、ここで関節唇の外側と癒着し、下方には上腕骨の解剖頚につく。また内側は関節の下方でゆるみがあるから、これが上肢の回転を可能にするが、同時に下方への脱臼をおこしやすい原因となる。関節腔内は上腕二頭筋長頭の腱によって貫かれる。この腱は下方から上腕骨の結節間溝を通って関節腔に入り、上腕骨頭の前面を通って肩甲骨の関節上結節につく。全身の関節のうち最も大きい運動範囲をもち、その運dの右派屈曲(前方挙上)、伸展(後方挙上)、内転、外転、描円および回旋に分析鎖される。これらの運動は上肢帯の関節(胸鎖関節と肩鎖関節)との共同運動により範囲が増大される。肩甲骨関節窩は、前頭面(左右方向)に向いているのではなく、これより前外方に約30°の角をなす面にあるから(この面を肩甲骨面という)、肩関節の運動もこの面において最も運動範囲が広い。日常、物を書くときや、箸を取るときの上腕骨の位置にもこの面にある。これに属する靱帯として次のものがある。関節上腕靱帯は、関節唇の上前縁よりおこり解剖頚へつく。烏口上腕靱帯は、烏口突起の外側面よりおこり、上腕骨結節間溝の近位端にのび、ここで上腕二頭筋長頭の腱をおおう。
肩関節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/22 16:39 UTC 版)
肩関節(かたかんせつ)は、肩にある関節。一般的には肩甲上腕関節(第一肩関節)の事を指し(肩甲骨と上腕骨をつなぐ間の部分で、肩甲骨の関節窩と上腕骨頭で形成された関節部分)、これを狭義の肩関節という。広義の肩関節は、肩甲骨、上腕骨、鎖骨、胸骨、胸郭に関連する5つの関節(文献によっては、肩甲上腕関節・肩鎖関節・胸鎖関節の3つの場合もある)で構成されており、肩複合体と呼ばれることもある。
広義の肩関節5つは以下の通り。
- 肩甲上腕関節(第一肩関節)
- 第二肩関節
- 肩鎖関節 - 肩峰関節面と鎖骨肩峰端にある関節面との間の平面関節
- 胸鎖関節 - 胸骨と鎖骨との間の関節(形態学的には鞍関節、機能的(運動学的)には球関節)
- 肩甲胸郭関節 - 肩甲骨と胸郭との間の関節
これらは解剖学的関節と機能的関節に分けられることもある。
関連項目
- 肩関節周囲炎
- 石灰沈着性腱炎
- 腱板断裂
- 日本肩関節学会
外部リンク
- 肩関節を含む上肢連結解剖図と用語解説慶應義塾大学医学部解剖学教室・船戸和弥のホームページ
「肩関節」の例文・使い方・用例・文例
肩関節と同じ種類の言葉
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