測定法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:48 UTC 版)
静脈血から採血し、遠心分離器で遠心処理を行い血清を分離する。食事、日内変動、運動などによる変化は認められない。保存条件は保存期間が数日ならば冷蔵、長期保存の場合は冷凍保存をする。抗TPO抗体と抗Tg抗体の測定法にはラジオイムノアッセイ(RIA)法、サイロイドテスト(TGHA)、マイクロゾームテスト(MCHA)などの粒子を用いた受身凝集反応(PA法)、Non-RI法がある。2015年現在はPA法とNon-RI法が主流である。 PA法 マイクロゾームテストとサイロイドテストは受身凝集反応を原理とする半定量の測定法である。マイクロゾームテストをMCHA、サイロイドテストをTGHAという。本テストの利点は機械が必要ではなく、簡便でかつ安価なことである。受身凝集反応とは、抗原を固相した担体(ゼラチン粒子や赤血球など)を用いて抗体を検出する凝集反応であり、抗体が存在する場合には抗原抗体反応により複合体が形成されて凝集塊が目視できるようになる。サイロイドテストで用いる抗原はヒト甲状腺組織から抽出精製したTg抗原であり、マイクロゾームテストに用いられる抗原は甲状腺マイクロゾーム抗原である。マイクロゾーム抗原は純化されておらずTPO以外にTgも含まれている。 RIA法 精製したヒトTg、TPOを125Iで標識して抗原とし、標識抗原-患者抗体複合体を定量測定する方法である。放射性同位元素をもちいるため、特殊な設備が必要であったがNon-RI法が出てくるまでは広く用いられていた。以下のような6つの欠点があった。まずは放射線暴露の危険性があること、放射性廃棄物の処理と廃棄が困難であること、通常用いられる125Iの半減期が約60日と比較的短く、またRIの放射能により標的蛋白の変性がおきるため試薬の有効期限が短くコストがかかること、γカウンターなど特殊施設が必要であること、反応時間が長く診察前に結果を出すことが困難であること、用手法であるという欠点があった。このため検査センターで外注されることが多かった。 Non-RI法 酵素免疫測定法(EIA)、蛍光酵素免疫測定法(FEIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)、化学発光酵素測定法(CLEIA)も開発されている。感度、特異度はRIA法に劣るが測定時間が短く、自動分析装置が利用でき、施設の制約がないという利点から広く使用されている。免疫測定法は測定法の標準化が困難で測定試薬によって抗体価が異なる。また測定原理がRI法に比べて複雑なため施設間で差がでやすい。
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「測定法」の例文・使い方・用例・文例
- 固体測定法
- 精神物理学的測定法は実験心理学の基本的な研究法です。
- 時間測定法
- 外国の遠隔測定法の傍受、処理と分析から得られる情報
- 遠隔測定法の、または、遠隔測定法に関する
- 液体比重測定法の、または、液体比重測定法に関する
- 温度の比重測定法の、または、温度の比重測定法に関する
- 相関についてのいくつかのノンパラメトリック測定法(標準的な相関解析の仮説が合わないときに使用する)
- 米国の化学者で、放射性炭素年代測定法を開発した(1908年−1980年)
- ラジアンでの角の測定法
- 混合法という,物体の比熱の測定法
- 氷点法という,物質の純度の測定法
- 衛生レーザー測距という,2地点間の距離の測定法
- 核磁気共鳴の測定法
- 遠隔地から測定する測定法
- 測定対象から遠く離れた地点でデータの読取りや記録を行う測定法
- 酵素免疫測定法という,エイズウイルスの抗体の検出法
- 氷点法という,物質の分子量の測定法
- 放射性炭素年代測定法という,古生物体の年代推定法
- この方法は年輪年代測定法と呼ばれる。
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