こうげんこうたい‐はんのう〔カウゲンカウタイハンオウ〕【抗原抗体反応】
抗原抗体反応
抗原-抗体反応 [Antigen-antibody reaction]
このような抗原-抗体反応は試験管内(生体外)では抗血清、精製された抗体とそれらの抗原(可溶溶液または粒状浮遊液)を反応させて観察する。これには凝集反応、沈降反応、中和反応などがある。
抗原-抗体反応を具体的に観察するには、試験管やスライドガラスを用いて抗原と抗体を混合して、結合した大型の粒子を観察する凝集法、寒天やアガロースゲルの薄層上に抗原と抗体をおき、両者が拡散によって結合した複合体の沈降線を観察する沈降拡散法、試験管内でウイルスの抗原とその抗体を混合させ、ウイルスの感染力や毒性がなくなることを調べる中和試験などがある。
抗原-抗体反応はまず、抗原にある活性部位(抗原決定基)と抗体にある抗原結合部が静電力、ファンデルワールス力、水素結合などによって短時間内に特異的に結合する(鍵と鍵穴の関係)。次いで、この結合物どうしがさらに結合して、肉眼的あるいは顕微鏡的に観察できる上記の各反応がおきると考えられる。したがって、抗原-抗体反応に伴って毒素や酵素の活性が中和(消失)、溶菌、溶血、殺菌、感染性の消失などがみられる。そのほか複合体には補体との結合性や白血球による貪食活性の増進なども現れる。
抗原抗体反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/29 15:20 UTC 版)
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抗原抗体反応(こうげんこうたいはんのう、英: Antigen-antibody interaction,Antigen-antibody reaction)とは抗原と抗体間に起こる結合のこと[1]。
反応の様式を指すこともあり、その場合は抗原上の一つのエピトープと抗体上の一つのパラトープとの可逆反応を表す場合が多い。抗原抗体反応は、質量作用の法則が成り立ち、結合の強さ(親和性=アフィニティー (affinity))を結合定数 (association constant) や解離定数 (dissociation constant) で表す。また抗体は基本的に複数の抗原結合部位を持つので、多価の抗体が抗原に示す親和力をアビディティー (avidity) と呼び、アフィニティーと区別する。
抗原抗体反応により抗原が食細胞に取り込まれやすくなるオプソニン化が起こる[2]。
脚注
- ^ 日本放送協会. “文字と画像で見る | 生物基礎”. 高校講座. 2024年3月2日閲覧。
- ^ “抗体の働きとは?|バイオのはなし|中外製薬”. 中外製薬企業情報サイト. 2024年3月2日閲覧。
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