欠格条項(けっかくじょうこう)
視覚、聴覚、音声などの機能障害、または精神病を患う者は、医師や看護婦などの資格免許を取得したくても門前払いにされてしまう。このような制限を「絶対的欠格条項」といい、障害の程度にかかわらず、一律に資格や免許を与えないことになっている。
しかし、医療技術の進歩した現在では、障害者であるかどうかということよりも、本人の能力がその業務に適合するのかを判断することが重要になってきた。支援技術などを活用すれば、まったく問題なく仕事を行うことができるようになったからである。
これまで、障害者の欠格条項により、医師、看護婦などの職業へ就けなかったということが意味をなくしつつある。
バリアフリーの社会を目指し、障害者施策推進本部は、1999年 8月に「障害者に係る欠格条項の見直しについて」を決定した。それによると、絶対的欠格条項から、部分的な制限はつけるが基本的には条件をなくす「相対的欠格条項」への移行を打ち出している。
厚生労働省は、この決定を踏まえ、医師法などの関係法令について、障害によって取得を一律に制限する規定から、業務に支障がある場合に制限する規定に改正することを検討している。
障害のあるなしにかかわらず共存するノーマライゼーションに向け、腰の重い政府がようやく動き出したようである。
なお、「障害」のことを「障碍(しょうがい)」と表記することもある。
(2001.02.15更新)
欠格
欠格条項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 02:19 UTC 版)
国家公務員、地方公務員に共通する欠格条項の内容として次のものがあり、これらのいずれかに該当する場合は、人事院規則(現在人事院規則で例外規定は定められていない)あるいは地方公共団体の条例で定める場合を除き、失職し、国家公務員にあっては官職に就く能力を有せず、地方公務員にあっては職員となり、または競争試験若しくは選考を受けることができないとされる。 なお成年被後見人または被保佐人を欠格条項とする規定については、採用時に試験や面接等により適格性を判断し、その後、心身の故障等により職務を行うことが難しい場合においても病気休職、分限などの規定が既に整備されていることから、令和元年6月14日に「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」が公布され、これにより削除されることとなった。また、多くの国家資格で欠格事由とされている「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」については、本人について財産権の管理について制約を課すものに過ぎず、欠格条項の対象とはなっていない。 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでまたは執行を受けることがなくなるまでの者 「執行を受けることがなくなるまでの者」とあることから、刑の宣告にあたって執行猶予がついていても、当該猶予期間中は欠格条項に該当することになる。なお、刑事訴訟においては無罪推定の原則があることから、禁錮以上の刑に処せられる可能性のある罪で起訴されたとしても、それをもってただちに失職するわけではない(ただし、分限処分として刑事休職の規定は適用されうる。)。 懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者 なお、地方公務員法においては「当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け」と規定されていることから、他の地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者を職員とすることは構わないとされる。これは、懲戒免職の対象となる行為に対する評価が地方公共団体ごとに異なることがありうると考えられることによる。 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者 参議院内閣委員会1967年7月20日の政府答弁によると、「破壊活動防止法の規定に基づいて、公安審査委員会によって団体の活動として暴力主義的破壊活動を行ったと認定された団体」を念頭にしている。行政活動・教育活動その他公務員の職務は日本国憲法の定める社会秩序の下で行われ、その基本は言論による民主主義にあることから、これを否定する者が行政の職員たることは自己矛盾であり、また日本国憲法では公務員は憲法を尊重し、擁護する義務を負うことから望ましくないと考えられることによる。この規定には、「何年を経過しない者」等の限定規定が置かれていないことから、一度この欠格条項に該当した者については、不利益の取り扱いが永久に続くことになる。これは、これらの職責の重要性に鑑みてなされたものである。
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