施工と技術
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トンネル施工は、2000年8月、開削工法によりアプローチ部から着工した。咲洲側では埋立から数年が経過し残留沈下量が小さい為、コスト縮減の観点から立坑を設置せず沈埋部とアプローチ部を直接接合する方式を採用した。深層混合処理による地盤改良(一部を除く)から基礎杭と土留鋼矢板の打設、掘削及び支保工を段階施工した後、底版部から躯体を構築した。一方の夢洲側では埋立進捗度に応じた地盤改良・土留工・掘削・躯体構築等が行われた。とりわけ夢洲側では軟弱地盤ゆえ周辺地盤からの土圧・水圧が非常に大きく、WEBシステム導入により24時間の監視体制をとる等、土留壁の設計・施工、止水対策に様々な工夫を凝らした他、施工管理にも精度の高い事前予測手法を採用した。 沈埋トンネル部は、上床版と側壁をフルサンドイッチ、下床版をオープンサンドイッチとしたセミフルサンドイッチ工法の鋼コンクリート合成構造が採用された沈埋函(長さ100m*幅35.4m*高さ8.6m)8函で構成されており、トレンチ浚渫によって海底部分を掘り下げ、トレミー船で基礎マウンドを築造し、起重機船による仮支承台の設置後に、計測機器を用いながら工事を進めた。2005年11月に最初の沈埋函が、2007年8月には最後の沈設が終了すると沈埋部が貫通した。なお、最後に沈設する7号函の両端に傾斜をつけ上下面の水圧差と自重を利用し水圧接合させるキーエレメント工法(五洋建設開発)を世界で初めて採用し、従来のVブロック工法と比較し大幅にコストと工期を縮減した。また、東南海地震や南海地震等を見据え、沈埋函の接合部の一部にゴムガスケット継手を設置、水圧接合時の止水を可能にした他、残留沈下による変形対策として5箇所に採用した新開発のクラウンシール式継手により函間の遊間を確保、最大1m程度と想定される地盤の沈下や、地震時の圧縮力を緩和する構造となっている。これらの工夫により、通常50年程度とされる土木構造物の耐用年数が夢咲トンネルでは100年となっている。 鋼殻ケーソンの立坑(夢洲4区に設置)は2001年度に基礎工に着手、仕留め工をアプローチ部との連続施工で行いガット船で基礎マウンドを築造後、起重機船で設置した。安定性のため二重壁内のコンクリート打設や基礎マウンド下からの止水用コンクリート打設といった工夫を行った後、周囲の埋め戻し、立坑内部の躯体構築や沈埋函との接合等を順次行った。 夢咲トンネルには、この他にも1タワーポンツーン方式の採用など、コスト面・工期面・安全面から様々な工夫が凝らされている。
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施工と技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 17:34 UTC 版)
橋のコンセプトは「耐用年数100年を目指す橋梁」であり、様々な最新技術が導入されている。すべり型免震支承は、鉛直力・水平力をそれぞれ負担する支承から構成され、橋梁中央部の2つの主橋脚部に2基ずつ並べて設置している。大地震などの際、既存の免震支承で支えられる水平力の3倍に達する7,000トンのトラス重量を、荷重支持板・バッファといった機能の異なる2つの支承を組み合わせる事で解決した。また、伸縮・歪みの計測センサーが橋の中に埋め込まれており、計測したデータを自動監視する事で災害時の影響をすぐに把握できるようになっている。 橋脚の基礎に高強度モルタルを内部に充填した鋼管矢板井筒継ぎ手を採用し、継ぎ手強度を高める事で杭本数を16%削減した。上部工には強度・溶接施工性に優れたBHS鋼材(Bridge High-performance. Steel:橋梁用高性能鋼材)を採用した事と、トラス主構の設計にLRFD(Load and Resistance Factor Design:荷重抵抗係数設計法)による設計を取り入れた事により、通常のものと比べ重量を3%、材料制作費にして12%の縮減を実現した。2009年(平成21年)9月には、有明地区で組立てられた大規模トラスが、3隻の大型クレーン船(4000トン吊り級)を用いて架設された。高さ40mのトラスを橋中央部の主橋脚に架設したもので、3隻の大型クレーン船を用いての架設は日本国内で4例目である。
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