ナノ粒子とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 自然科学 > 物理学 > 粒子 > ナノ粒子の意味・解説 

ナノ粒子

読み方ナノりゅうし
【英】Nanoparticle

ナノ粒子とは、一般に微粒子中でも粒子直径が1~100ナノメートル程度超微粒子のことである(ナノ10億分の1を意味する)。特にナノテクノロジー分野においては、1~10ナノメートル程度超微粒子がナノ粒子と呼ばれる

ナノ粒子は、普通の固体比べても、活性度と反応性飛躍的に向上し電気的磁気的光学的機械的なあらゆる性質特性大きく変化する

先端技術のほかの用語一覧
ナノテクノロジー:  マイクロマシン  ナノ秒  ナノメートル  ナノ粒子  ナノガラス  ナノテクノロジー  ナノ

ナノ粒子

 ナノサイズの微細粒の呼称ナノnano-)10-9の意味接頭語記号はn.

ナノ粒子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/19 06:46 UTC 版)

ナノ粒子(ナノりゅうし、Nanoparticle)とは、物質をナノメートルのオーダー(1-100ナノメートル)の粒子にしたものである。

比表面積が極めて大きいこと、量子サイズ効果英語版量子ドット)によって特有の物性を示すことなど、一般的な大きさの固体(バルク)の材料とは異なる性質を示すことから、幅広い分野での研究・利用が進められている[1]

製法

ナノ粒子の製法は、目的や材料に合わせていくつもの方法が開発されている。 バルク金属からの物理法(粉砕法)と金属原子を生成させて作る化学法(凝集法)とに分けられ、化学法は反応させる場によってさらに区別され、液相の場合は湿式法、気相の場合は乾式法とされる[2]

物理法

粉砕法

材料の塊をボールミルジェットミル英語版などで砕き、ナノメートルの大きさまで小さくする。初期の頃から使用されてきたが収率が低く、素材によっては粉砕の過程で変性するので適用できず、得られる粒径も均一ではないので分粒工程を要する。

化学法

凝集法(還元法)

原料となるイオンまたは錯体還元剤または電気化学的に還元し、凝集させてナノ粒子化する。湿式法。

熱分解法

原料をそのまま、あるいは担体に担持させて加熱分解する。

熱プラズマ法

高温プラズマ中で蒸発させ急冷させる。高周波(RF)式と直流(DC)式がある。RF式では同時に化学反応させる事が可能。CVDによるナノ粒子合成もできる。

レーザー蒸発法

レーザー蒸発英語版で急速に蒸発させる。乾式法。

物理気相成長 (PVD) 法

化学気相成長

乾式法。気相中で化学気相成長 (CVD)で化学反応を起こす。

活性液面連続真空蒸着法

回転する真空ドラムの中に油とそれに溶ける界面活性剤を入れ、ドラムの中央に金属を2000℃近くまで加熱する蒸発源を置き、回転するドラムの内側の面は常に油膜で覆われるが、油膜の表面には界面活性剤分子の親水基が並んでいて、蒸発した金属原子はこの親水基に吸着・凝縮し固体の金属微粒子になると同時に、界面活性剤分子に包み込まれて成長が止まる。一方、成長が不十分なものは分解し蒸発してしまうため、得られる微粒子は固体を維持できる最低限の大きさ、臨界核となる[3]

用途

などの電気抵抗率が小さな金属のナノ粒子は、分散剤や希釈剤によってペースト状のインクとすることで、IC基板などに電気配線を形成できると期待されている。

金・銀のナノ粒子は表面プラズモン共鳴による特有の吸光を示し、新しい色素センサーとして研究されている。ステンドグラスの鮮やかな赤色は、金ナノ粒子による発色の典型例である。また、バルクの金は一般に触媒不活性であるが、金ナノ粒子は様々な反応に対して触媒活性を示すことが見出され、トイレの脱臭触媒として実用化されている[4]

白金のナノ粒子は燃料電池をはじめ様々な分野で触媒として利用される。食品等の用途では白金ナノコロイドとも呼ばれる。

硫化亜鉛セレン化カドミウム英語版など、半導体のナノ粒子は発光材料として知られ、量子ドットとも呼ばれる。

関連項目

脚注

  1. ^ ナノ粒子とは|ナノ粒子応用研究会
  2. ^ 米澤徹、ナノ粒子の創製と応用」『表面技術』 2008年 59巻 11号 p.712,doi:10.4139/sfj.59.712、表面技術協会
  3. ^ 金属磁性体で微細構造をつくる ~ナノ粒子化からナノ加工プラズマプロセスまで~
  4. ^ 春田正毅, 「金ナノ粒子の触媒作用」, 表面科学 26, 578 (2005) . doi:10.1380/jsssj.26.578

外部リンク


ナノ粒子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/09 04:06 UTC 版)

硫化鉛(II)」の記事における「ナノ粒子」の解説

硫化鉛(II)を含むナノ粒子と量子ドット詳細に研究されている。伝統的にこのような物質は、鉛の塩と、様々な硫化物イオン源を組み合わせて作られる近年硫化鉛(II)のナノ粒子は太陽電池応用されつつある。

※この「ナノ粒子」の解説は、「硫化鉛(II)」の解説の一部です。
「ナノ粒子」を含む「硫化鉛(II)」の記事については、「硫化鉛(II)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ナノ粒子」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



ナノ粒子と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「ナノ粒子」の関連用語

1
エル‐エヌ‐ピー デジタル大辞泉
100% |||||

2
ナノ粒子磁性体 デジタル大辞泉
100% |||||

3
磁性体ナノ粒子 デジタル大辞泉
100% |||||








ナノ粒子のお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ナノ粒子のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【ナノ粒子】の記事を利用しております。
国際超電導産業技術研究センター国際超電導産業技術研究センター
Copyright (C) 2025 財団法人国際超電導産業技術研究センター All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのナノ粒子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの硫化鉛(II) (改訂履歴)、ゲル電気泳動 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS