actually
「actually」の意味・「actually」とは
「actually」は英語の副詞であり、日本語では「実は」「実際には」「本当は」などと訳されることが多い。文脈によっては「実際に」「本当に」などと訳されることもある。この単語は、話者が事実を強調したり、聞き手の誤解を訂正したりする際によく用いられる。「actually」の発音・読み方
「actually」の発音は、IPA表記では/ˈæk.tʃu.ə.li/となる。これをカタカナに置き換えると「アクチュアリ」となる。日本人が発音する際のカタカナ英語では「アクチュアリー」となる。この単語は発音によって意味や品詞が変わるものではない。「actually」の定義を英語で解説
「actually」は、according to the Oxford English Dictionary, defined as "In actual fact, as opposed to what is said or imagined to be true or possible; really." これは、「言われていることや想像されていることとは異なり、実際の事実として、または本当に」という意味を持つ。「actually」の類語
「actually」の類語としては、「really」、「truly」、「in fact」、「indeed」などがある。これらの単語も「実際に」「本当に」などと訳されることが多く、事実を強調する際に用いられる。「actually」に関連する用語・表現
「actually」は「actual」や「actuality」などの単語と関連がある。「actual」は形容詞で「実際の」「現実の」などと訳され、「actuality」は名詞で「現実」などと訳される。これらの単語も事実を強調する際に用いられる。「actually」の例文
1. 英語例文:I actually don't like coffee.(日本語訳:実は私、コーヒーが好きではない。)2. 英語例文:She is actually a very kind person.(日本語訳:彼女は実際にはとても親切な人だ。)
3. 英語例文:Actually, I have never been to America.(日本語訳:実は私、アメリカに行ったことがない。)
4. 英語例文:I actually prefer tea to coffee.(日本語訳:私は実際にはコーヒーよりも紅茶が好きだ。)
5. 英語例文:Actually, it was not as difficult as I thought.(日本語訳:実際には、私が思っていたほど難しくなかった。)
6. 英語例文:He actually works for a major corporation.(日本語訳:彼は実際には大企業で働いている。)
7. 英語例文:I actually saw a ghost.(日本語訳:私は実際に幽霊を見た。)
8. 英語例文:Actually, I am not a student.(日本語訳:実は私、学生ではない。)
9. 英語例文:I actually have a lot of work to do.(日本語訳:実際には、私はたくさんの仕事をしなければならない。)
10. 英語例文:Actually, I am not feeling well today.(日本語訳:実は今日、私は体調が良くない。)
actuary
「actuary」とは・「actuary」の意味
「actuary」は、保険数理士を意味する英単語である。保険数理士は、保険会社や年金制度などのリスク管理に関わる専門家で、統計学や確率論を用いて保険料や給付金の計算、リスク評価を行う。また、保険数理士は、保険商品の開発や保険会社の財務状況の分析にも携わることがある。「actuary」の発音・読み方
「actuary」の発音は、IPA表記では /ˈæktʃuˌeri/ であり、IPAのカタカナ読みでは「アクチュウェリ」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「アクチュアリー」と読むことが一般的である。「actuary」の定義を英語で解説
An actuary is a professional who deals with the financial impact of risk and uncertainty, using mathematics, statistics, and financial theory to study uncertain future events, especially those of concern to insurance and pension programs. They evaluate the likelihood of events and quantify the contingent outcomes in order to minimize financial losses associated with uncertain undesirable events.「actuary」の類語
「actuary」には、直接的な類語は存在しないが、関連する専門職として「statistician(統計学者)」や「risk analyst(リスクアナリスト)」が挙げられる。これらの職種も、数学や統計学を用いてリスク管理やデータ分析を行う点で共通している。「actuary」に関連する用語・表現
「actuary」に関連する用語として、「actuarial science(保険数理学)」や「actuarial table(死亡率表)」、「mortality rate(死亡率)」、「life expectancy(平均寿命)」などがある。これらの用語は、保険数理士が日常的に扱う概念や手法を表している。「actuary」の例文
1. The actuary calculated the insurance premium based on the client's age and health condition.(保険数理士は、顧客の年齢と健康状態に基づいて保険料を計算した。) 2. Actuaries play a crucial role in the financial stability of insurance companies.(保険数理士は、保険会社の財務安定において重要な役割を果たす。) 3. She is studying to become a certified actuary.(彼女は認定保険数理士になるために勉強している。) 4. The actuary used statistical models to predict future claims.(保険数理士は、統計モデルを用いて将来の請求を予測した。) 5. Actuaries are responsible for determining the appropriate reserves for insurance companies.(保険数理士は、保険会社の適切な引当金を決定する責任がある。) 6. The actuary analyzed the impact of the new regulation on the insurance industry.(保険数理士は、新しい規制が保険業界に与える影響を分析した。) 7. Actuarial science involves the application of mathematical and statistical methods to assess risk.(保険数理学は、リスクを評価するための数学的および統計的手法の適用を含む。) 8. The actuary presented the results of the risk assessment to the board of directors.(保険数理士は、リスク評価の結果を取締役会に報告した。) 9. Actuaries often work closely with underwriters and claims adjusters.(保険数理士は、しばしばアンダーライターや損害調査員と密接に連携して働く。) 10. The actuary's role has expanded beyond the insurance industry to include risk management in various sectors.(保険数理士の役割は、保険業界を超えて、さまざまな分野のリスク管理にも広がっている。)actually
「actually」とは、実際に・現に・実はということを意味する英語表現である。
「actually」とは・「actually」の意味
「actually」は、「実際に」「現に」「実は」といった意味を持つ単語であり、副詞として使用する。「実際」を意味する名詞あるいは形容詞の「actual」を副詞形にしたものだ。そして、細かな意味合いが、使用する状況に応じて変わる。「actually」の代表的な意味は、事実の強調である。「actually」を使用すると、自らの発言内容が事実であることを強く主張できる。そして、自らの気が変わったことを表現することも可能だ。その場合は、日本語の「やはり」に近い意味合いとなる。また、相手の発言内容に誤りがある場合、それを修正するという意味になる。さらに、事実が予想と反していたことを意味する場合にも使用することがある。その時は、「意外と」に近い意味合いになる。
「actually」が派生した表現には、「actualization」がある。「現実化」を意味する名詞だ。また、実際に現実ではなくても、現実であるかのように見せたり振る舞ったりすることを指す場合もある。
「actually」のスラングとしての意味
「actually」をスラングとして使用する場合、日本語における「マジで」「ホントに」「ぶっちゃけ」といった意味合いとなる。「actually」のカタカナ
「actually」をカタカナで表記すると、「アクチュアリー」となる。金融の専門職「アクチュアリー(actuary)」と同じ表記であるため、意味が混同しないよう注意する必要がある。「actually」の語源・由来
「actually」の語源は、「活動」を意味する「actus」である。それが、「活動的な」「現在の」といった意味の古フランス語「actuel」となり、最終的には英語で「実際」を意味する「actual」となった。その「actual」に「ly」を付け、副詞形にしたものが「actually」である。「actually」の覚え方
「actually」の発音は、「握手あり」に近いため、「実際に握手あり」という語呂を使って覚えられることが多い。アイドルとの握手会で、本当に握手ができたというイメージである。アイドルグループである乃木坂46の楽曲「Actually...」が発売された時には、実際に握手会が行われたことがあるため、語呂のイメージが定着しやすい。「actually」と「in fact」の違い
「actually」と同じ「実際に」という意味を持つ表現としては、「in fact」が挙げられる。「in fact」は、前の文章の解説や証明など、情報を追加する際に使用する表現だ。それに対して「actually」は、前の文章とは異なる事実を述べる際に使用するという違いがある。「actually」の類語
「actually」の類語としては、「本当に」という意味の「really」が挙げられる。また、「本心の」という意味の「truly」や、「確かに」という意味の「indeed」なども、「actually」の類語である。「actually」を含む英熟語・英語表現
「Yes actually」とは
「Yes actually」は、「はい、実際に」という意味の表現であり、相手に事実を伝える場合の文頭に置いて使用する。そして、相手の質問に答える形の表現として使うことが多い。
「Love actually」とは
「Love actually」は、2003年に公開されたアメリカ映画である。クリスマスをテーマに、複数の主要人物にスポットを当てていくコメディ映画だ。クリスマスの5週間前から、1週間ごとに場面が転換していく。タイトルの「Love actually」は、劇中に登場するフレーズ「Love actually is all around.(愛は実際色々なところにある)」を省略したものだ。
「actually」の使い方・例文
事実を強調する意味で「actually」を使用する場合、例文は「I actually passed the exam.(私は実際に試験に合格した)」「He looks fine, but he is actually sick.(彼は元気そうに見えるが、実際は病気である)」となる。自らの気が変わったことを表現するのであれば、文頭に置いて使用することが多い。「Let's go to barbecue restaurant.(焼肉屋に行こう)」といった内容に続ける形で、「Actually, I want to eat sushi.(やっぱり寿司が食べたい)」のような使い方をする。相手の発言を修正する場合は、「Are you thirty?(あなたは30歳ですか?)」のような発言に対して、「Actually, I am twenty.(実は20歳だ)」という風に使用する。予想外の事実を表現する時の例文は、「This movie was actually fun.(この映画は意外と面白い作品だった)」となる。
アクチュアリー
「アクチュアリー」とは、実際に・現にということを意味する表現である。
「アクチュアリー」の基本的な意味
「アクチュアリー」は、「実際に」「現に」という意味の言葉であり、相手に真実を伝えるという意味合いを持つ。そして、事実を強調するために使用することも可能だ。また、真実が、想定とは異なっていることを伝えるために用いることもある。「アクチュアリー」の語源・由来
「アクチュアリー」は、「実際に」「現に」という意味の英単語「actually」をカタカナで表記したものである。そして、「actually」は、「活動する」という意味のラテン語「actus」が元だ。それが、「実際に活動する」という解釈から、「実際に」を意味する「actually」となった。「アクチュアリー(専門職)」とは
「アクチュアリー」は、保険や年金に関する、保険料や掛け金を算出する専門職である。保険数理人と呼ばれることもあり、日本では認定資格の扱いになっている。毎年実施される認定資格試験に合格した人だけが、アクチュアリーを名乗ることができる。専門職を指す「アクチュアリー」は、「実際に」「現に」という意味の「actually」ではなく、「保険数理人」や「清算師」を意味する「actuary」をカタカナで表記したものだ。アクチュアリーは、保険会社で保険料の決定に携わったり、企業に所属して、企業年金に関する業務を行ったりする。いずれの場合も、統計データを元に適切な数値を算出しなければならず、誰にでも務まる仕事ではない。そのため、アクチュアリーの認定資格試験の難易度は、数ある資格の中でも高めだ。認定資格でありながら、国家資格と並ぶほどの難易度である。
アクチュアリーの試験は、1次と2次に分かれている。1次試験には、「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」「会計経済投資」の5科目があり、全てに合格する必要がある。ひとつの科目に合格すれば、その合格は翌年以降も有効となる。そのため、1年で全ての科目に合格する必要はない。ただ、「数学」と「会計経済投資」に関しては、合格率が20%を上回る年がほとんどないほどの難易度である。そして、2次試験は、「生保」「損保」「年金」のいずれか2つを選び、2つとも合格しなければならない。もちろん難易度は高く、1次試験の受験を始めてから2次試験に合格するまでに、10年以上かかることもある。
そのような高い難易度であるが、教科書と過去問を入手し、独自で試験合格を目指す人が多い。そして、アクチュアリーの試験に合格することができれば、引く手あまたの人材になれる。年収が1000万円を超える職に就くことも不可能ではない。
「アクチュアリー(乃木坂46の曲)」とは
「アクチュアリー」は、2022年に発売された、アイドルグループ乃木坂46の楽曲であり、正式なタイトルは「Actually...」だ。「実際は世界の美しさをわかっていない」「実際は正体不明なものが原因で生きづらい」「実際は誰も何もわかっていない」というように、世の中の真実を、達観した視点から歌ったものとなっている。「アクチュアリー」を含むその他の用語の解説
アクチュアリー会とは
「アクチュアリー」は、専門職であるアクチュアリーの、資格運用や管理を行っている公益社団法人である。アクチュアリーの認定試験に合格した人は、アクチュアリー会の会員になることで、アクチュアリーを名乗れるようになる。また、認定試験に関する教科書の販売や、過去問の提供を行っているのもアクチュアリー会である。
「アクチュアリー」の使い方・例文
「アクチュアリー」を、「実際に」「現に」という意味で、「アクチュアリー、私は試験に合格した」「あなたは想像もしていなかったかもしれないが、アクチュアリー、彼は大会で優勝した」「信じられないけれども、ここであの凄惨な事件が起こった。アクチュアリー」という風に使用することが可能だ。ただ、「実際に」「現に」といった日本語を、アクチュアリーに置き換えることは一般的ではない。そのため、意味が伝わる可能性は低い。したがって、日本語の文章においてアクチュアリーは、「彼は、アクチュアリーの試験勉強の時間を確保できずに困っている」「彼女は、乃木坂46の楽曲の中で、アクチュアリーが一番の好みだそうだ」という風に、固有名詞として使用することがほとんどである。
「アクチュアリー」の英訳
「アクチュアリー」を英訳すると、「actually」となる。副詞であり、使用する状況次第では、文頭と文中、文末のどこに置いても意味は成立する。アクチュアリー
「アクチュアリー」とは、「実際には」や「現に」「意外と」といった想像したことに対しての事実や想定された答えに対する意外な事実を述べる際に用いる英単語のことを意味する表現。一般的にカタカナ語で使用される場合は「保険数理士」や「保険数理人」という意味で用いられる。「保険数理士」とは生命保険や損害保険など保険全般の保険料率・支払保険金額の算定を行ったり、ビジネスにおけるリスクの分析・評価をしたりする専門職である。統計や確率など数学に関する知識が求められるほか、保険の実務に関する知識も求められる職業である。計算だけでなくコミュニケーションが必要となるため、AIと代替しにくい職業として将来的な需要も高い。「アクチュアリー」としての業務だけでなく、コンサルティングや外部監査などのキャリアパスもある。
また、「アクチュアリー」は英語において一般的な意味の「実は~」だけでなく、スラングにおいては「やっぱり~」や「意外と~」という意味で用いられている。色々なニュアンスで用いられ、ネイティブがよく口にする言葉の1つでもある。
「アクチュアリー」の熟語・言い回し
アクチュアリー資格とは
「アクチュアリー資格」は、「保険数理士」になるための資格である。公益社団法人日本アクチュアリー会によって認定される民間資格であるが、難易度が高いことで知られている。一次試験と二次試験があり、一次試験は数学・生保数理・損保数理・年金・会計・投資理論、二次試験は生保・損保・年金となる。合格基準は各科目60%以上となっており、合格率は10%~20%である。保険会社で働きながら取得を目指すのが一般的で、取得までに8年ほどかかるとされている。ラブアクチュアリーとは
「ラブアクチュアリー」は、2003年に公開された映画である。イギリスのロンドンをメインの舞台としたロマンティック・コメディで、ヒュー・グラントやリーアム・ニーソンなどイギリスの俳優が多くキャスティングされている。「ラブアクチュアリー」とは直訳すると「愛、実際に」という意味になるが、映画のテーマは「実際に愛は色々なところにある」というものである。世界で2億4700万ドルの興行収入を得たヒット映画であるが、批評家のレビューはイギリスが好意的であるのに対し、アメリカは批評と好評が混じったまずまずのものであった。アクチュアリティーとは
「アクチュアリティー」は、「現実性」や「現実」という意味で用いられる表現である。「現実性」や「現実」を表す表現に「リアリティ」があるが、少しニュアンスが異なる。「アクチュアリティー」は思想や哲学などに基づく概念の「現実性」や「現実」を表現するのに対し、「リアリティ」は表層的な「現実性」や「現実」という意味合いがある。学術的な現実性や現実のことを「アクチュアリティー」と表現する。「アクチュアリー」の使い方・例文
・彼はアクチュアリー試験に合格するために、仕事の後も寝る間を惜しんで勉強している。・アクチュアリーと名乗るためには、難関試験に合格してアクチュアリーの資格を取得しなければならない。
・アクチュアリーは日本ではまだ合格者が少ない専門職なので、転職の選択肢に入れるのも良いだろう。
・彼は、社会教育のアクチュアリティに迫る論文を書いた。
・アクチュアリーと公認会計士のダブルライセンスを取得したので、仕事にあぶれることはない。
・アクチュアリーを目指すのは、学生時代から数学が得意であった人が多い。
・優秀なアクチュアリーになるには、数学の知識だけでなくコミュニケーション能力も必要である。
・日本の企業でアクチュアリーとして働くと年収1000万円が目指せるが、外資系はさらに高い報酬が期待できる。
・アクチュアリーの勤務先は保険会社だけでなく、信託銀行、官公庁やコンサルティング会社などがある。
・日本においても、アクチュアリーの活躍の場は広がっている。
アクチュアリー【actuary】
アクチュアリー
アクチュアリー
アクチュアリー
概要解説 生命保険会社は、一定の学識と生命保険数理に関する実務の経験を有する者を保険計理人として選任しなければならないと定められており、アクチュアリーの資格を有する人が保険計理人に選任されます。アクチュアリーは信託銀行の企業年金数理業務や資産運用でも活躍しています。 必要な能力・資格など アクチュアリーになるには、日本アクチュアリー会が開催するアクチュアリー講座で、保険数学、数理統計学、会計学、保険業法、税法などの関連法規、保険経営論、社会保険論、財務論などを学びます。アクチュアリーを志す人は、大学で理数系の学科を修め、まず保険会社、信託銀行、銀行、コンピュータ会社、共済組合などに就職し実務のかたわら週1日(終日)、2年間にわたってアクチュアリー講座に出席して、同会所定の資格試験を受け、合格して正会員となるのが一般的なパターンです。 関連する職業
アクチュアリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/23 01:18 UTC 版)
アクチュアリー (英: actuary、中: 精算師) とは、ビジネスにおける将来のリスクや不確実性の分析、評価等を専門とする専門職[1]。日本語では「保険数理士」「保険数理人」などと訳されることもある。
概要
歴史的には、アクチュアリーという職業が成立したのは生命保険分野からであったとされ、イギリス発祥であるとされる。(→#歴史)
国ごとにアクチュアリーの状況は大きく異なる。日本では、「日本アクチュアリー会」の試験に合格し、所属している者がアクチュアリーとしてみなされる。まずアクチュアリーの準会員になるのに約5年、正会員になるのに約8年程度が必要とされ[2]、2010年3月末時点で準会員数968名、正会員数1,257名である[3]。それに対して、米国では2003年時点でアクチュアリー団体の正会員が約10,000名と、日本の約10倍に及ぶ。いずれにせよ、弁護士や会計士と比べると圧倒的に人数が少ない専門職である[4]。(→#各国におけるアクチュアリー)
アクチュアリーは一次試験では大学教養程度の基礎的な統計学に関する出題がなされるため、資格保持者には大学時代を理系で過ごした人の割合が高かった。近年は関連領域の広がりに応じて会計学など他の専攻領域の出身者も増加しており、こうした分野に強い大学も人材育成に力を入れている。早稲田大学は大学院会計研究科で2018年度に「アクチュアリープログラム」を開始[5]。2019年度には国内初の専門コース開設を予定している[6]。
歴史
歴史的には、アクチュアリーという職業が成立したのは生命保険分野からであったとされ[7]、アクチュアリーは伝統的に生命保険会社で多く活躍する存在であり、近代的生命保険業とアクチュアリーは密接に結びついているとされる。また、アクチュアリーの発祥の地は英国であるとされる。
生命保険のように人々が資金を出し合い、リスクが顕在化した人を助ける制度は、日本の頼母子講を含め古くから存在した。これに対し、個々の加入者のリスクを測定することによって合理的な保険料を徴収することとした近代的生命保険においては、その加入者のリスク測定のためにアクチュアリーの存在が不可欠だった。
また「アクチュアリーが活躍する伝統的分野は、生命保険、損害保険、年金の三分野」とも言われ[7]、アクチュアリーの業務は保険数理、年金数理に基づく保険料、および責任準備金と呼ばれる契約債務の評価などの計算業務を中核にして発展してきた[7]。よって、アクチュアリーは生命保険会社、損害保険会社、信託銀行の年金部門、社会保険を担当する公的組織(日本の厚生省や後身の厚生労働省、公的共済組織等)、あるいはアクチュアリー系コンサルティング会社などに所属して数理計算業務に携わっていることが多かった[7]。
各国におけるアクチュアリー
アクチュアリー団体に所属している者をもって「アクチュアリー」と呼ぶ。日本以外の項目では各国のアクチュアリー団体について述べる。
日本
アクチュアリー資格試験 | |
---|---|
英名 | Qualifying examination of Actuary |
略称 | アクチュアリー試験 |
実施国 | 日本 |
資格種類 | 民間資格 |
分野 | 保険・年金 |
試験形式 | 筆記 |
認定団体 | 公益社団法人日本アクチュアリー会 |
認定開始年月日 | 1936年(昭和11年)12月2日 |
等級・称号 | 日本アクチュアリー会正会員 |
公式サイト | http://www.actuaries.jp/examin/info.html |
ウィキプロジェクト 資格 ウィキポータル 資格 |
日本において「アクチュアリーになる」とは、「公益社団法人日本アクチュアリー会の正会員になる」とほぼ同義である(外国のアクチュアリー会の正会員もアクチュアリーと呼ばれる)。年金数理人や、保険計理人になるための条件の一つは、日本アクチュアリー会の正会員であることである。2015年3月末時点で、日本アクチュアリー会の正会員数は1,514人である(正会員以外も含めた全会員数は4,750人)。
日本アクチュアリー会の会員資格には正会員のほか、準会員、研究会員があり[注 1]、下記の1次試験・2次試験とも合格すれば正会員、1次試験全科目に合格すれば準会員、それ以外が研究会員である。受験資格は原則として大学3年生以上。一度に全科目に合格する必要はないが、1次試験に全て合格しなければ(つまり準会員にならなければ)2次試験は受験できない。したがって最短では2年で正会員資格が取得できることになるが、前述のように大学教養レベルの統計学の知識が要求されるため、受験者の大多数が理系出身者であることもあり、全科目合格には数年を要する者も多い。
- 1次試験科目(5科目)
- 数学
- 生保数理
- 損保数理
- 年金数理
- 会計・経済・投資理論
- 2次試験科目(下記のいずれかのコースで、各2科目)
- 生保コース(生保1、生保2)
- 損保コース(損保1、損保2)
- 年金コース(年金1、年金2)
1次試験が基礎的な内容を問う試験であるのに対し、2次試験はアクチュアリーとしての実務を行う上で必要な専門知識および問題解決能力を有するか否かを判定する試験とされ、実務的な内容が多く問われる。2次試験は生保・損保・年金のいずれかのコースで合格すればよく、どのコースでも正会員資格に区別はない。ただし、それぞれの分野の実務は大きく異なることから、「生保アクチュアリー」「損保アクチュアリー」「年金アクチュアリー」なる表現を使うことがある。
なお、日本アクチュアリー会は日本で唯一のアクチュアリー団体であり、保険業法第122条の2第2項に基づく、金融庁の指定法人である。アクチュアリーの育成・研修のほか、保険数理に関する調査研究を行い、日本の保険会社の責任準備金の計算基礎である標準死亡率の作成、保険計理人の実務基準の作成なども行う。
アクチュアリー職の募集条件には、アクチュアリー会の正会員だけでなく「アクチュアリー資格試験受験者」も含められていることがある[8]。
米国
米国のアクチュアリー会はSociety of Actuaries(SOA)という。2003年4月時点で、会員数は合計で17,300名(日本の約5倍)[7]。このうち正会員は約10,000名(日本の約10倍)である。生損保会社のアクチュアリーは約7,200名、コンサルティング会社のそれは約6,000名となっており、(日本に比べて)コンサルティング会社の割合が非常に大きい[7]。
会員資格には、アソシエイト(Associate of the Society of Actuaries, ASA)、フェロー(Fellow of the Society of Actuaries, FSA)、公認企業リスクアナリスト(Chartered Enterprise Risk Analyst, CERA)がある。フェローはアソシエイトとなった後に5つの専門分野(Finance/ERM, Investment, Individual Life & Annuities, Retirement Benefits, Group & Health)のうちいずれかを選択して受験する。CERAは企業リスク管理 (ERM) に特化した資格であり、アソシエイトとは試験科目が異なっている(会員資格としてはアソシエイトと同格)。
現在、MBA、CFA、CPA、MFE、FRM等のその他専門職との差別化を目指し、試験制度等の改革が目覚しい。日本の会員資格と比べると、Finance/ERM(近年発展が目覚しい)、Investment(数年前までは新分野であったが既に多くの会員を有する)、Healthが明確に存在することが特記事項である。
SOAのほか、米国のアクチュアリー関係の団体には次のようなものがある。
- American Academy of Actuaries(米国アクチュアリー学会、AAA)
- American Society of Pension Professionals & Actuaries(米国年金専門職・アクチュアリー会、ASPPA)
- Casualty Actuarial Society(損保アクチュアリー会、CAS)
- Conference of Consulting Actuaries(コンサルティングアクチュアリー評議会)
英国
英国のアクチュアリー団体は、Institute of ActuariesとThe Faculty of Actuariesの2つがあったが、2010年8月に両会が合併してThe Institute and Faculty of Actuariesとなっている。
インド
インドのアクチュアリー団体はActuarial Society of Indiaという。近年、会員数の伸びが目覚しい。student会員(準会員になる前の者)も含めるとその数は5000人(2006年時点)にのぼり、3年前の倍以上になっている。
著名なアクチュアリー
- 矢野恒太 (1865-1951)
- 第一生命の創立者で、日本アクチュアリー会の初代代表。もともと医師であり、第一生命創立前は日本生命の社医をしていたこともある。
- 大館義雄 (1906-1949)
- 日本アクチュアリー会の第1回正会員試験に全科目満点で合格した(アクチュアリー試験の成績優秀賞「大館賞」の由来。現在は大館賞とは呼ばず、理事長特別賞という名称になっている。)。利源別配当方式の導入などの業績がある[9]。
- 坂口陽史(1943-2002)
- 日本におけるプルデンシャル生命の創業者で、在米中に日本人として初めて米国アクチュアリーに合格した人物である。日本の高校生・大学生の数学における成績優秀者の数学科目専攻留学希望者を支援する無返済の給付型奨学金Kiyo Sakaguchi奨学金をプルデンシャル生命は行っている。
- 上田泰史(1962-)
- 日本アクチュアリー会の現理事長。女性アクチュアリーの増加に注力するなど、現在も会の発展に尽力している。よりアカデミックで、よりアクティブなアクチュアリー会(3A)を目指している。
- レディントン (Frank Redington 1906–1984)
- 英国のアクチュアリー。金利変動が保険会社の正味価値に及ぼす影響を軽減する運用戦略として「イミュナイゼーション」を考案した。
- ウィルキー (David Wilkie)
- 英国のアクチュアリー。確率論的な長期金利モデルの一つである「ウィルキーモデル」を考案。
- エリザ・ライト (Elizur Wright 1804-1885)
- 米国の政府アクチュアリー。解約返戻金の最低価格を定める「不没収価格法」を作った。
架空のアクチュアリー
- ウォーレン・シュミット (Warren Schmidt)
- 映画『アバウト・シュミット』の主人公。演じたのはジャック・ニコルソン。
- ルービン・フェファー (Reuben Feffer)
- ラブコメ映画『ポリーmy love』の主人公。演じたのはベン・スティラー。
関連文献
- 田中周二、松山直樹『統計学とアクチュアリーの現代的課題』日本統計学会誌、2004年9月
- 岡本量太、林勲、奥村英二『アクチュアリー --- 保険・年金数理のプロフェッショナル』ビジネス教育出版社、1999年
脚注
注釈
- ^ 会員資格としては、このほかに名誉会員および賛助会員がある。
出典
参考文献
- 矢野恒太『死亡表を単簡にする為に』 323巻《中外医事新報》、日本医史学会、1893年、42-45頁 。
- 矢野恒太『団体保険官営可否』《国勢グラフ 3巻3号》国勢社、1934年、3-6頁 。
関連項目
外部リンク
- 公益社団法人日本アクチュアリー会
- 国際アクチュアリー会
- 公益社団法人日本年金数理人会
- 日本保険・年金リスク学会(JARIP)
- 国際会計基準審議会[リンク切れ]
- 保険監督者国際機構
- American Academy of Actuaries
- Casuality Actuarial Society
- Canadian Institute of Actuaries
- Institute of Actuaries of Australia
- Institute of Actuaries/The Faculty of Actuaries
- National Association of Insurance Commissioners
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アクチュアリーと同じ種類の言葉
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