ORTIGIA 48 アパートメントの失敗
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エントランスホール/
朝、熱。ニンニクとアサリ、トマトのボンゴレ、市場のチェリー。
部屋を掃いたあと、家の前(共同中庭)を箒で掃除する。朝市に仕事に行っているマルコの部屋の前もざっときれいにする。エントランスも埃っぽいが、そこまでしていいのか不明なので廊下までにする。
“Beeeeeeeー” とベル音。イタリアは水道水が飲めないので、一軒家は裏庭に貯水タンクを用意していたりするが、アパート上階の家は、アクア屋さんがボトル入り飲料水をいくつもパックに詰めて部屋へ届けている様子。
出入りする度にガッチャン、バシン(鍵が自動で閉まる音)、と重厚な扉の音が天井にこだます。
女/
ルームライト/
アパートの前に猫が居る。
日本から持ってきた小魚アーモンドのパックを持って行き、魚をやるも、いつも新鮮な魚を食べているためか全然食べてくれない。
そうしていると、通りの向こうのおじさんが怒鳴ってきて、ビックリする。(すべてイタリア語であるが、訳すと)
「おい、君はここのアパートメントに住んでいる住人だろう。だよな。今後ろのドアを開けっ放しなのがわかるか。そうだ。ここには色んな人が住んでるんだ。ベイビーも居る。君がちょっと開けっ放しにしてる間に誰かが入っちまったらどうするんだよ」
おじさんが言い終わる前に飛んで閉める。
青くなったまま振り返ると、おじさんはウインクして「それでいい」と合図した。
これは私が、日本の所謂「ムラ社会」のままの気分でいたことによる失敗である。
オルティージャの人は一寸家の前に出るだけでも、必ず鍵をかける。例えばスーパーでも小さい子供を置いて場を離れるということもしない。各人が自分の安全を守るために相当エネルギーを投入している。
エントランスホール/
朝、熱。ニンニクとアサリ、トマトのボンゴレ、市場のチェリー。
部屋を掃いたあと、家の前(共同中庭)を箒で掃除する。朝市に仕事に行っているマルコの部屋の前もざっときれいにする。エントランスも埃っぽいが、そこまでしていいのか不明なので廊下までにする。
“Beeeeeeeー” とベル音。イタリアは水道水が飲めないので、一軒家は裏庭に貯水タンクを用意していたりするが、アパート上階の家は、アクア屋さんがボトル入り飲料水をいくつもパックに詰めて部屋へ届けている様子。
出入りする度にガッチャン、バシン(鍵が自動で閉まる音)、と重厚な扉の音が天井にこだます。
女/
ルームライト/
アパートの前に猫が居る。
日本から持ってきた小魚アーモンドのパックを持って行き、魚をやるも、いつも新鮮な魚を食べているためか全然食べてくれない。
そうしていると、通りの向こうのおじさんが怒鳴ってきて、ビックリする。(すべてイタリア語であるが、訳すと)
「おい、君はここのアパートメントに住んでいる住人だろう。だよな。今後ろのドアを開けっ放しなのがわかるか。そうだ。ここには色んな人が住んでるんだ。ベイビーも居る。君がちょっと開けっ放しにしてる間に誰かが入っちまったらどうするんだよ」
おじさんが言い終わる前に飛んで閉める。
青くなったまま振り返ると、おじさんはウインクして「それでいい」と合図した。
これは私が、日本の所謂「ムラ社会」のままの気分でいたことによる失敗である。
オルティージャの人は一寸家の前に出るだけでも、必ず鍵をかける。例えばスーパーでも小さい子供を置いて場を離れるということもしない。各人が自分の安全を守るために相当エネルギーを投入している。