「百人一首」

71oCMvgBz_L.jpg 谷知子「カラー版 百人一首」について。

本ブログで書評(というか本を紹介する程度)を書くときは、書名を「」で括るようにしている。(古い記事ではそうなっていないけど)
だけれど、「百人一首」では、どの本か特定することは難しいだろう。「百人一首の〇〇」とか「〇〇の百人一首」とかを含めたら、「百人一首」で検索される本は夥しい数だと思う。

さて、紹介する谷知子「カラー版 百人一首」だが、この本の存在を知ったのは、"百人一首 文庫本"で検索したときにヒットしたもの。

入院中の家人に差し入れようと考えて、文庫本で検索した。結局、本人はいらないといってきたが。


百人一首の本といえば、高校の古文の授業のときに副教材として買ったものがある。しっかりした解説もついていて、百人一首の歌の鑑賞にはこれ一冊で十分という気もするが、わざわざこの本を買った理由は、尾形光琳の描いたかるたを収録しているということ。

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尾形光琳のかるたー「光琳かるた」というのは、ながらく行方不明で幻のかるたといわれていたものが、数十年前に発見され、大石天狗堂というところが復刻したもの。
もちろんかるた競技に使うような、つまり乱暴にあつかうようなものではなく、復刻版といえども美術品のようなものである。
普通の和紙仕上げのもので60,500円、金箔仕上げだと132,000円である。

メルカリにも出品されている。おどろきは金箔仕上げが8,800円で出されていたこと(もちろんSOLD)。出品者は値段を知らなかったに違いない。


光琳かるたは見てみたいとは思うけれど、さすがに何万円も出すのはなぁ、とあきらめていた。
それが、この文庫本では全札(読み札100枚、取り札100枚)の画像が収録されているという。

本の表紙の著者表示は、「谷知子 画・尾形光琳」となっている。


各ページに1首、そして読み札・取り札の画像、簡単な作者などの解説。つまりこれが100ページ。その後に精選二十五首解説がある。
索引には、多くの百人一首本と同様、上の句索引と下の句索引がついている。やはりかるたのために歌をおぼえることにも配慮されているというわけだ。(というかとくに考えずに普通に付けた?)

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電子版のスクリーンショット
というわけで、読み物としてはこれほどたよりないものはないというものである。私も今更感もあって、ぱらぱらめくっているだけだ。
やはりこの本の値打ちは、光琳の絵につきる。

Amazonのレビューに、「心あてに」を「心をこめて」と訳しているのは誤訳という指摘をしているものがあった。この言葉は「あて推量に」という意味しか見当たらないから、「心をこめて」はかなりとんだ解釈だろう。


文庫本なので絵がやはり少し小さい。特に取り札は読み札よりもだいぶ小さい。なので、大型本が出てないか調べたけれど見当たらない。

もともと家人への差し入れで考えたから紙の本を買ったけれど、調べると電子版もあった。じっくり絵を見るには、電子版のほうが良さそうなので、電子版も買ってしまった。

電子版は全ページ画像として収録されていて、拡大縮小で字組が変わることはないし、検索もできない。


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